Shun Daichi
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12 他人を許すこと
 
 あなたはこれまでに「私は許すことはできるが、忘れることはできない」と誰かがいうのを、聞いたことがありませんか? 事実をいうと、忘れないかぎり、ほんとうに許すことはできないものです。
 
 許すとは何か?
 
 許すとは、心を掃除することです。古い出来事を将来の参考のために、脇に置くおくことではありません。ほんとうに許すということは思い出を消滅させることです。そのできごとを完全に消して白紙にして、新しく始めることです。昔の間違いを、存在しなかったと同じにすることです。許されるということは個人的な恩恵ではありません。また許すということも、個人的な功績をともなうものではありません。許すことは、健康と進歩に役だつ実用的な日常の根本方針です。大生命力の流れをふさぐものを取りのけて、大生命力が健全な表現を行なえるようにすることです。許す技術を身につけるまでは、幸福で健全な生活に深くはいっていくことはできないものです。他人を解放して自由にするとき、私たち自身も開放されて自由になります。
 「ひとを許すことはできるけれども、忘れることはできない」と言う人は、他人を許すことからの功績を求めるので、いつまでも自分の傷を抱きしめてしまうのです。だれかに害されても、その人への悪意を持ちつづけることには、なんの利益もありません。その人と交際をしなくないと思うかもしれませんし、また交際する必要もないかもしれません。ところが相手を許さないでいると、私たちはその不愉快な体験を乗り越えられませんし、その人に結びつられたままになります。つまり、その傷を何度もくりかえして経験ことになります。相手のことを思うたびに傷つけられるのです。千回もだまされたと感じるでしょう。千回も死ぬような苦しみを体験することになります。でも相手を解放して自由にすると、私たちも自由になれます。
 だれかを傷つけた場合、相手が私を許せば、相手は解放されて自由になります。その許しは相手の心の活動です。しかし、私が罪の意識を持ちつづければ、相手が解放されて自由になっても、私は解放されません。自分自身を解放しないかぎり、苦しみつづけます。
私の個人的体験をお話ししましょう。あるとき私は友人を傷つけたと思って、ひどく不幸な気持ちになりました。恥ずかしかったのです。彼が私を避けていると思いました。罪の意識を持っていた私も彼を避けました。その後あるとき、私は彼のところへいって謝りました。彼に与えた不当について、悪かったと謝りました。彼は、
 「本当ですか? あなたが私に悪いことをしたなんて、なにも知りませんでした。あなたが私を避けていることは感じましけど、なぜだかわかりませんでした」
というのです。彼の側にはなんのわだかまりもなかったのです。それはまったく私の心だけにあったのです。私が悪いことをしたので、友情を断ち切られてもしかたがない、という思いが心にありました。それで私はみずからを罰していたのです。
 悪気がないのに、あやまちを犯した人に対して恨みを抱くことは、正しいでしょうか? 私たちはそういう方を許すべきではないでしょうか?
 だれかが、あなたを間違って扱ったからというので、その人を責め、許さず、相手を理解しようともせず、開放もしないと、あなたは真の平和を感じられません。正しいことをしているとも感じられません。しかし、その体験を捨て去り、その人を解放し、あなたが彼にしてもらいたいと思う、同じ思いやりを彼に与えると、黄金律を実行することになります。
あなたが最善だと信じて行ったことに対して、だれかが恨みを抱いたら、あなたは楽しいでしょうか? あなたは傷つきます。彼は過ちを犯しています。しかし彼がこの過ちを犯したとき、彼は最善をつくしていると信じています。あなたが過失を犯したとき、最善をつくしていると信じていたように・・・。
彼は弱い人なのかもしれません。過ちを犯しやすいのかもしれません。あるいは、あなたの知らないプレッシャーにさらされていたのかもしれません。彼の理由はなんであろうと、同じ事情のもとで、あなたが他人に期待すると同じ扱いを彼に与えなければなりません。彼は単に、過失を犯しただけだと思いなさい。彼はなお、あなたを迫害する気でいるのかもしれませんが、あなたは兄弟を何回許しますか? 七回ですか? キリストは七回の七〇倍、許せと言っています。
 さて私たちは、あなたのプラスになる心の平和を考えています。隣人をあなた自身のごとく愛しなさい。そして、あなたに期待するのと同じ思いやりを示しなさい。それによって、あなたは解放されて自由になれるのです。
あなたは彼の罪を罰すべきだと言うかもしれません。なぜですか? 罰する目的はなんですか? その人に罰をなすりこもうというのですか? 犯した人が恐れて、同じあやまちを再びしないようにするのですか? その人がすでに悪かったと認めているとしたら、どうでしょう? すでに悔いていたら、どうでしょう? 彼を罰しつづけたり、避けたりすることに、なにか得ることがあるでしょうか? もし彼が態度や見解を変えていたならば、罰を与えることによって、双方になにも得るものがありません。「憎みは、憎まれた人よりも、憎む人を傷つける」と、ガンジーは言いました。私たちは、このことばを深く考えて、理解すべきです!
 
 怒りは許せば、いやされる
 
 知性豊かな中年婦人で、高校の校長をしているベイカーさんが相談にきました。彼女は「生きることに飽き飽きした、人生になんの満足感もないし喜びもない」と語りました。何年かまえ、夫は彼女を捨ててほかの女と結婚しました。彼女は再婚しませんでした。いまは寂しく、少ない給料で収支を合わすのに、いっしょうけんめいに働かなければならないとのことです。ほかの婦人たちは良い家と愛する夫を持って幸福なのです。そして大生命力は、彼女には、目もくれないように思えるのです。
ベイカーさんの話が進むにつれ、前の夫がなにかひどい仕打ちを続けていることが分かりました。彼女が、とくに怒っているのは、結婚していたとき、一五〇〇ドルの銀行小切手に裏書をしたのですが、夫はそれを払わず、別れてのち、彼女の俸給から少しずつその負債を払わされていることです。前の夫は、かなり金持になって、十分払えるのに払ってくれないのです。ほんとうに彼は彼女を無視している。しかも小切手は、とっくに時効がきているので法廷にも持ち出せない。彼女は恨みいっぱいでした。一語一語から、怒りがしたたり落ちるような話しぶりでした。
 「彼の私へのひどい仕打ちを思うまいとしても、どうしてもダメです。私も年をとって、もう幸福な家庭生活など望めないようですし・・・」と言いました。
 私は彼女に前の夫と離婚しなさい、と告げると、彼女は驚いた顔をして、
 「離婚してもう一〇年です!」と答えました。
 「ええ、法律的にはね。しかし、あなたはなお怒りの綱で、彼と結ばれています。だからつぎの結婚もできない。彼を解放する必要があります。彼を許しなさい。そして古い体験から、あなたを自由にしなさい。彼を祝福し、彼の成功と健康と幸福のために祈りなさい」
という私の忠言は、彼女にとり、にがい丸薬でしたが、彼女はそれを飲みこみました。
 そうすると、おもしろいことがいくつか起こりました。ある日、彼女から電話がきて、すぐ会いたいといいます。奇跡が起こったのです。彼女は私の事務所へおどりこんで、デスクの上に一五〇〇ドルの紙幣を並べました。
 「どこから、こんなたくさんのおさつが来たとお思います?」
と尋ねて、それからことばを続けました。
 「私は前の夫のために祈りました。ご承知のとおり、ここ七、八年も会ったこともなければ、手紙をもらったこともありません。ところが、今日、彼から電話があり、会いたいと言うのです。彼は来て『ここ数日、胸をさわがせるようなことがあった』と言うとともに、一五〇〇ドルの紙幣を私の膝に置くのです。それから彼は、『いままで、ほんとうにすまなかった。もし、いつでもなにか助けられるようなことがあれば訪ねて来てくれ』と言うのです。信じられません。まるで夢です」
 「奇跡」と、あなたも言われるかもしれません。いや、彼女が怒りを捨てて彼を許したから起こったことです。敵と考えていた人を愛し、その人のために祈ったからです。彼女は彼を許し、彼は彼女が許したことに反応したのです。
 さて舞台は移ります。
 私がこのベイカーさんを助けようとしていたとき、ある実業家の相談を受けました。その人の奥様が音楽教師と熱くなって、夫を見捨てて去ったのです。彼はひとりで暮らして、大いに怒っていました。彼の怒りは、彼の商売にもひびいていました。
 私はベイカー校長に与えたと同じ忠告・・・妻との離婚・・・をしました。とてもにぎやかな調子で、彼は離婚してから四年にもなると答えました。しかし、彼が心のなかで前妻と縁を切っていないこと、彼女を許さねばならぬこと、そしておのれのために望むのと同じ幸福を、彼女にも望まなければならないことを指摘しました。
 ある夜、彼は言いました。「私は一年間、教えを受けに通いました。その間に私は変わりました。商売のほうも調子がよくなりました。私はくつろいでいます。自由な気持です。前妻を許しました。私よりも気のあう人と結婚したと思います。私は教訓を得ました。いまでは彼女のあらゆる幸福を望んでいます。彼女とその夫の栄えることを望んでいます。今になってみると、昔の体験は新聞の一片の記事以上の意味もありません」
 彼が私の研究所を出ようとするとき、校長のベイカーさんがはいって来ました。私は二人を玄関で紹介しました。もちろん、あなたの想像通りのことが起こりました。二週間後に二人は結婚しました。その後、二人は幸福に暮らしているそうです。
 人びとが幸福で、健やかで、成功できるように、二〇〇〇年前、賢人は次のようにいいました。
 「私は、あなたに言う。敵を愛しなさい。あなたを呪う人を祝福しなさい。あなたを軽べつする人や、苦しめる人のために祈りなさい」
なぜでしょう? あなたが天国を体験できるためです。
 多くの人びとの、熱心な祈りに手ごたえがないのは、積極的な信念の祈りではなくて、憎しみや怒りや拒否の感覚、あるいは劣性感を持って祈るからです。彼らの心のには、屑や、がらくたで詰まっていて、それらを無くすには、すべてを許す必要があるのです。もし私たちが、こういう流れをふさいだままにしておくと、心を使って、よい結果を得られません。
 だれかが私たちを害して、その傷の記憶を何年も持ちつづけていると、大生命力のすべてから、突き放された気分になります。
 六〇歳になるアリソン氏は、二八年前に共同出資をした仲間が、資金全部を着服して姿をくらましたため、その後なにをやっても成功したためしがない、と語りました。彼は生涯の失敗をすべて、この古い仲間のせいにしていました。私は、この古い仲間を許し、失敗のあらゆる言いのがれをできなくするべきだ、と忠告しました。二年か三年ののち、私が講義している「対人関係」のクラスへ、この人が出席しました。ある夜、彼はクラスで話をしたいといって語りだしました。生涯を通じて成功できない理由を、金を持ち逃げした仲間のせいだと、二八年間思ってきたが、私からの彼への忠告は、その古い体験を許して忘れ、長年会ったこともないこの仲間の善いことのために祈れ、ということであったと、彼は説明しました。
 それから次のようにいいました。
 「私は彼のために、どう祈っていいかわかりませんでしたが、自分のために求めるあらゆる善いものを、彼のために希望することに決め、そこで簡単な方法とりました。私は高級な自動車と葉巻きを好みます。そこで私の想像のなかで、この昔の仲間が、素敵なキャディラックに乗って、高級な葉巻きを吸いながら、町にやって来るのを見ました。想像のなかで彼に呼びかけました。彼は止まりました。なにか少し困って、はにかむ様子でしたが、私は言いました。
『ビル、もういいんだよ。ぼくはわかる。君を許すよ。君に対してなにも怒ってはいない。君の成功を喜んでいる。ぼくの好きなものを君が持っているのはうれしいね。昔のことは許して忘れてしまったんだ。君は解放されて自由で、そのことを僕は喜ぶよ。というのは、ぼくも自分自身を解放して自由になったんだ』」
 アリソン氏によると、彼の仕事はすぐに好転し、いまでは経済的にも成功して、とても幸福だとのことです。
 他人を解放するには、起こったことを、あなたの意識内に取りいれ、裏がえし、表がえしして、それを理解できるまで分析するのがよいでしょう。理解することは許すことです。あなたが完全に理解してしまうと、許すものは、もうなにも残っていません。だから理解ができれば、あらゆる善いことを、あなたに害を加えた人のために望むのは、むずかしいことではありません。そうすれば、あなたの怒りの土台を完全に取り除くことができ、心のなかで、その人を友だちにできます。それが友をつくる方法です。あなた自身に望むと同じ健康や成功や幸福を、彼のために望みなさい。あなたが、彼への心の態度を変えることで、彼があなたのところへ善いものを運ぶ通路になります。この作業を完全に行うべきです!心から、昔の恨みをことごとくぬぐい去れば完璧です。あなたを害した人を解放してのち、その人があなたの心に現れたら「神よ、彼に祝福を」とだけ心の底から言いなさい。そして忘れなさい。そうすれば完璧です。まもなく、あなたは過去の出来事を思い出さなくなるでしょう。あなたは完全に解放されたのです。
 ある人は「そんなことをするのは、とても難しい。私は試みましたが、あきらめました」と言いました。さて、あなたは楽しく人生を過ごしたいですか? それとも、憎む心や怒りを胸に秘めて暮らしたいですか? あなたは、どっちもできます。選択はあなたのものです。
ある人は「私を害した人を許そうと試みましたが、できませんでした」と言います。私は「本当に試みたのですか」とききました。彼は「はい」と答えます。「その男のところへ行って、『私は許すよ、ジョージ』と言いましたか」と私。返事は「否」です。彼はそれをしていません。私は「君に神の祝福を、ジョージ。過去は過去としよう。私には何の恨みはないよ」と言いましたかと、聞きました。彼の答えは「いいえ」です。「あなたはなにかしましたか? 励ましの手紙を出すとか、誕生祝いのハガキを出しましたか?」と私。答は「否」でした。彼は許す試みをしていなかったのです。ただ椅子にもたれ、彼への憎しみと怒りに身も心も任せていたのです。同時に、なすべきだと思うことをしない自分自身を憎んでいたのです。
 
 許すことは、行ないに出るべきだ
 
 行動をともなわない信念は死んでいます。あなたの持ち物を、だれかが取ったとしましょう。そういうことは人生においてたくさんあります。そうでしょう?私たちの持つすべてのなにかが、つねに取り去られています。あなたの体験は、他の多くの人たちと変わりません。あなたのまわりには、あなたが使えるよりも、さらに多くの善い物がたくさんあります。物はどっちみち、私たちに所属していないのです。私たちが地上にいる間だけ使える物なのです。地上には、お金もたくさんあるし、友だちになれる機会もたくさんあります。他の人を自由にして、あなたも自由になりなさい。あなたが怒りを持つ間じゅう、宇宙の法則によって、心の鎖が、あなたをその害に結びつけます。
 意識的に、あるいは無意識のうちに、怒りを持っているかもしれません。子どものときのことかもしれません。私たちの野心をくじいた人とか、または成功できないことに責任があると感じるだれかに、怒りを持っているかもしれません。そういう憎しみや憂いが強いと、楽しくて成功する生活の邪魔になります。子どものとき親が十分にかわいがってくれなかった、不当にあしらわれた、と感じたことがあるかもしれません。親がなぜそんなふうにあしらったかは、くわしい事情を知るまでは、理解できません。理解さえできれば、許すことができ、私たちの体験は、くらがりから明るい場所へ、憎しみから愛へ変わっていきます。
私たちを罰し、甘やかし、叩いた親は、かれらも子どものときにだれかに叩かれ、甘やかされたのでしょう。そういう親たちは、その時の不満や、傷つけられた体験を、私たちにくりかえすることで、不満の解消をしているのでしょう。
 賢い生き方は、愛し、理解し、許すことです。愛は世界最大の、いやす力です。愛するとき、理解して許します。そうすると、憎しみ、復しゅう、怒り、痛恨に向けられていた力は、愛や善意や同情として私たちの体内を流れ、多くの富や、予期しなかった恵みをもたらします。

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