第二部 第3章
線の性格、欠陥と修復、独立したサイン、線を強めるもの 線を検討するには、まず線の性格を観察します。鮮明か、深いか、均整がとれているか、完璧か、欠陥があるかを見ます。欠陥があるなら、どんな欠陥か、線全体に影響しているか、それとも一部だけか、欠陥はその後、修復されているか、線は元の深さと鮮明度を回復しているか、それとも強さがだんだん弱くなり、最後は消滅しているかなどを観ます。 線に関する最初の一般的法則を述べましょう。鮮明でばらつきがなく、横切る線が少なく、破断されてなく、「島」も無く、鎖状でもなく、色がピンクのほうがより優れた線です。このような線ならば、線の持つ特性もより強く鮮明に発揮されます。 鮮明でばらつきのない線は「気電流」が流れるのに適しています。障害物が少なく、妨害されずに流れます。気電流が指の先から出入りすることを考慮に入れると、手の縦線が気電流の通り道となり、横線がチェックし妨害していることが理解できます。 したがって縦線は好ましく、線を横切る線は欠陥を示します。「宮」の上を走る縦線が良い印で、「宮」の性質を強めることもこれで理解できるでしょう。同じように「宮」の上にある横線や格子は悪い兆候で、「宮」の悪い性質を引き出すか健康に欠陥があることを示します。 線の研究で明瞭になった一般的法則は、気電流が流れやすいほど優れた線であることです。 欠陥が少なければ少ないほど良い手相です。欠陥が多ければ悪い結果が出ます。つまり鮮明で明瞭に刻まれた、ばらつきの無いピンク色の線がベストの線です。線に破断や格子、「島」模様など、気電流を遮る障害物があれば、線が示す性質に欠陥があることを示します。 一つの線が他の線と異なるかどうかを観察してください。より深いとか、浅いとか、あるいは欠陥が多く観られるとか、他の線との違いを見るのです。線の寸法など一般的形状が同じなのに、一本の線だけより鮮明で深く掘られて色も良いならば、その方の手相では、この線が最も強烈にこの方の特徴を語っています。もし他の線が深く、色もよく、鮮明に刻まれており、一つの線だけ浅く不鮮明ならば、その線が示す特質が特に弱いことを示します。 つねに、均整がとれているかどうかを見てください。均整を壊す要素があれば、それはその方に良いほうか悪いほうかのどちらかで影響を与えます。線の幅が広く浅いならば、気電流の通りが悪いでしょう。深くて鮮明ならば、深い川のように気電流も大量に流れます。浅くて幅が広いならば、浅瀬のように気電流の流れは弱くなります。このように浅く幅が広い線は弱々しく、通常は多くの欠陥や障害物に遭遇します。 一方、すべての線が鮮明で深く、色も良く、横切る線もなく、欠陥も見当たらないならば、その方は活力に溢れ強靭で、目的感も一定しており、感情にも起伏が少ないでしょう。この方は多くの困難にぶつかるでしょうが、何とか乗り越えることが出来ます。 幅が広く、浅く、色も悪い線は、弱さを示します。優柔不断で意気も上がらず、あまり優れた結果を出しません。結果を出すこともありますが、そのためには異常な努力と、周りからの強力な助けが必要です。線に見える変化や障害物や欠陥には、特別な名前があります。それらについては別個、検討します。 ばらつきのある線 欠陥のある線でよく目に付くのは「ばらつきのある」線です(図1)。この線は表面的にしか見ない人には、良いものに見えるかもしれません。しかしよく見ると、ある場所は深く彫られており、それから細くなり、さらに幅広がり、浅くなったりしています。時には薄くなり消滅しています。 ばらつきのある線は、幅が広い浅い線で始まり、深く鮮明になり、それからまた細くなっていることもあります。 ばらつきのある線は深さや鮮明度が場所によって異なる線ですが、断線や、島模様があったりなどの欠陥は見えません。ばらつきがその特徴です。この線を観察するには、まずスタートのところを見ます。スタートが細いならば、この細さがつづくところまで、気電流の流れは不十分だということになります。その後、線が深くなっていれば、この期間、目的感が高まったことを示します。つまり気電流が強く流れ、深く彫りすぎているのです。その結果、線に欠陥が出てきます。この深い彫り込みのあと線が再び細くなっていたら、大量の気電流が流れたための反作用が起こっています。深い線のあとの浅い線では気電流の流れは弱々しくなっています。 ばらつきのある線をスタートから見ていき、線の場所により、人生における年齢がわかります。そうすると、何歳頃に強く気電流が流れ、何歳頃から弱々しくなったかなどが分かります。ばらつきのある線はその線が示す特質が、不安定に、あるいは突発的に発揮されたことを示します。この章では線についての一般的な説明をしています。特別な線について述べているのではなく、あらゆる線にばらつきが起こる可能性があります。 分離した線 ばらつきのある線の次によく見られるのは分離した線です(第2図)。この分離は破片とか副木(ふくぼく)であり、線をこわし、鮮明度や強さを減少させる欠陥となります。また、気電流も本流から脇に流出するため、本線の力も損なわれます。この分離した線を姉妹線とか、島模様と混同しないでください。分離した線は本線に戻りません。分離した線はその線の特質を弱めます。人生におけるその時期は、線のどの位置に発生しているかで判断できます。分離線は時には非常に小さく繊細なときがあります。もし疑問を感じたら拡大鏡を使って注意深く観察してください。 本物の分離線は、本線から分離してから戻ってくることはありません。分離線には気電流の一部が流れ、新しい方向に向かいます。つまり本線からの漏れみたいなものです。このような分離は、本来、本線に流れるべき気電流の強い流れの方向を変えることになります。分離線は、持ち主が人生の方向を変えることによって生まれることがよくあります。自然な人生計画が、分離線のある時期に変更されていることを示します。このような変更があると新しい線は長く伸び、本線から気電流を取り上げることで、線が手に刻まれます。 分離線が短くて、すぐに停止しており、本線が太く強いならば、新しい人生方向に進む考えが挫折したことを示します。分離線が短いほど、気電流の本線からの漏れは少ないでしょう。分離線が深く鮮明なら、それだけ真剣に新たな人生を求めており、人生の方向にも影響を与えているでしょう。 鮮明で強い分離線が本線からでて「宮」に達しているならば、この方の「宮」にたいする思い入れには強いものがあります。その結果、その方は「宮」の特質を取り入れようとするか、あるいはこの「宮」のタイプの方をパートナーにしようと試みます。このような見方があるので、古くから手相見は感情線から分離して「宮」に到達する線があると、その「宮」の人と結婚すると判断したのです。 7つの人間のタイプが現在ほど交じり合っておらず、純粋のタイプが多かった時代では、結婚する相手の髪の毛や目の色などを言い当てることも出来ました。それは分離線が到達する「宮」の特質からみて述べていたのです。タイプが強烈に純粋ならばそういうことも不可能ではありませんが、私は手相を見て、結婚相手の外見まで述べたことはありません。私が述べるのは、顧客の好み、あるいは結婚相手として顧客が理想とする外見のみです。 分離線は多くの出来事を語っています。小さくて短い線なら、単にありふれた線の欠陥でしょう。しかし時には人生全体の変化を示していることもあります。分離線だと判断するには。線がはっきりと分離している必要があります。注意深く観察を続けるうちに的確な判断が出来るようになります。 この章の研究をしている間にもなるべく多くの手を観てください、いろいろな線や印をみて、すぐに違いを認識できるようになってください。深い解釈をする必要はまだありませんが、違いが分かるようになって欲しいと思います。 個々のサイン 「島」 次の欠陥は「島」です(第3図)。この印は多くの手相見によって誤解され、間違った判断が下されています。第一に、島模様は一つのサインではありません。「島」は分離した線が本線に戻ることによって生まれます。 チャンス線も似たように島模様を作るときがありますが、これは本物の「島」ではありません(第3図B)。チャンス線の場合は、単に重なりあい、お互いの力に干渉しているだけす。 ここで強調しておきますが、本物の「島」は本線に出来ます。本線から別れた線が本線にもどって出来るのが「島」です。これ以外に「島」ができることはありません。「島」の大きさはいろいろです。拡大鏡を使ってようやく判明するものもありますし、大きくて、すぐに目を引き寄せられる「島」もあります。 「島」のような形を見つけたら「島」だと宣言する前に、主要な線から生まれていることを確認してください。チャンス線が主要な線や予備的な線と交わって出来ているならば、チャンス線は別に判断してください。これは「島」ではありません。 手相見が「島」の判断を誤るのは、チャンス線が創る島のような模様が、できのわるい「島」模様とよく似ているせいです。「島」は常に欠陥です。常に妨害する要素で、何か問題があることを示すので、その要因を探さなくてはなりません。「島」があると言うことは、気電流の流れが分かれてしまうことです。半分は「島」の片側を流れ、もう半分が反対側を流れます。そして再び本線に戻ります。 「島」という名前は、もちろん地形から来ていますが、手の「島」は線に囲まれており、まさに孤立した島に見えます。「島」は本来の力を分割させる邪魔な存在です。「島」の大きさと長さが、妨害の程度と期間の長さを示しています。また「島」が始まる位置から、何歳頃に本来の力が弱まったかが分かります。 ここでは「島」の意味について一般的な解説をするに留めます。詳細についてはそれぞれの線を解説するさいに述べましょう。したがって「島」を見つけたら、気電流が分散されていること、力強い流れが妨害されていること、その期間、線が弱くなっていること、必ず何らかの問題があるので、それを探すことを覚えていてください。 破断した線 第4図のように破断した線にはよくお目にかかりますが、これは良くない状態を示します。この場合、気電流はまるで電線が切れたように、流れが止められています。このような破断は欠大きな影響を与えます。線の破断の深刻さを正確に素早く判断するには気電流の理論が役立ちます。 理論は次のようなものです。気電流の流れが止められたら、すぐに修復が必要です。修復が無いと気電流は本線から川の洪水のように、外に流れてしまいます。つまり被害の領域が広がります。 線の破断の間隔が狭く、そのすぐ後に鮮明な線が続いているなら、気電流は、小さな破断を飛び越えて進んでいる可能性があります。この場合、危険は大きいですが、乗り越えられない困難ではありません。このような場合、二つの線は成長して、結合する例が多いようです。 断線の幅が広いほど、ことはより深刻です。気電流が、広い間隔を飛び越えられないからです。このように幅が広いと問題が複雑となります。 破断した線は修復されることがあります。破断された線が重なり合ったり、小さな交差する線が、切れた線を結んだり、あるいは姉妹線が本線の破断された部分の側を走るのです(5図参照)。 これらすべては気電流が正常な運河にそって流れることを助けています。これらの線があればまだ気電流の流れが修正される可能性があります。この状態は、まったく修復が出来そうもない破断よりも、はるかにましな状況です。破断された線は常に危険を示していますので、真剣に検討してください。破断の大きさや、修復の兆しがあるかどうかで、結果がどうなるかを正確に予測できます。 フック(鉤)のような線 最悪の形の一つは、線が切れて、その端がさらに後ろに戻ってくるものです。つまり線が始まった方向に、戻ろうとする場合です(第6図)。その結果、フック(鉤)のような形が生まれます。昔の手相見たちは生命線にこの姿があるのを見て、壊滅的な終末が訪れると考えました。あなたもまた「生命線が破断されて親指のほうに戻っているので、死を意味する」と考えたことでしょう。 この場合、気電流は、来た方向に戻っています。どの形よりも、この姿では本流のコースに戻ることが難しいでしょう。洪水のように流れがあふれてしまい。その先に運河がありません。気電流が元のコースに戻れる可能性が皆無だとすると、それは壊滅的な事態を起こします。 この欠陥を克服する方法にはいろいろあります。逆戻りした線を戻そうとする線や、姉妹線が出来たり、四角く線が取り囲んだり、いろいろな線が生まれて気電流をもとの流れに戻そうとします。そのような修正の方法は第6図に示されています。 逆戻りする線は、生命にとっても健康にとっても、仕事の面でも重大な障害です。どの線にそれが観られるかで、どのような障害がおこるかが分かります。これが修正されないと致命的になります。この姿は線が突然に断線されている場合よりも危険です。単なる断線ならば、気電流は自力で新たな通り道を掘るかもしれません。しかし方向が逆転しているなら、オリジナルの方向に戻ることは難しいでしょう。 四角な線 すべての修正の方法でも第7図のように四角く線で取り囲まれるのが、最善で安全です。 第7図の四角な線は孤立したサインで、昔の手相見たちは切迫した危険を防御するものだと見なしてきました。どこでもこのサインがあればそれは良いことです。線がどのように断線されていようと、どんな脅威が押し寄せていようと、四角で囲まれていれば、損傷が修理されており危険を回避できます。 私の理解では危険な個所や損傷されている個所を、四角で囲い込んでいるのです。その結果、気電流はその箱の内部に収まり逃げ出すことが出来ません。洪水も起こりません。そのため気電流を元の流れに戻す圧力がかかるのです。これは四角内部の事情がいかに最悪でも効果があります。 時にはこの四角が「宮」の上に見られることがあります。この場合は線の欠陥を囲んでいるわけではありません。このような四角が意味するのは、この方の「宮」の欠陥は、この方を支配しないということです。 私の考えでは手の線は気電流を運ぶ運河です。そこで大事なのはこの機能がどの程度、巧く運営されているかです。もし生命線の気電流が手全体で何者にも邪魔されずにあるならば、生命は安泰です。一方、運河に欠陥があるならば、その時点で問題が生じます。それでも、気電流が運河からあふれ出ずにいるならば、危険は克服できます。 欠陥のある場所が四角によって囲まれているならば、気電流は、その囲いの外には出ることができないと私たちは考えます。やがて元の運河に戻ると考えられます。したがって四角の囲いは常に危険に対する防壁です。そして確実に気電流の流れの修復が行われます。これまで何千という、そのような手相を見てきましたが、四角の性質に関する判断に間違いがありませんでした。 フォーク状や房状の線 第8図のようなフォーク状や房状の線は、線が終わるところによく見られます。この形状にも一般的な理論を当てはめれば、簡単に意味が理解できます。 線の終わりは、それまでの特質がどのように終わるかを示しています。そこで注意が必要です。線によってはだんだんと消滅していき、皮膚の糸状の線の中に消えていくでしょう。別の線は突然に終わり、その場所に十字や星や点や島があるかもしれません。また、よく見られる終わりかたにフォーク状あるいは飾り房状のものがあります。 この房状がよく見られるのは、短い生命線、頭脳線、感情線においてです。このよう姿が見られたらその線の強さが消滅あるいは拡散して、役に立たなくなったことを意味します。気電流は継続して流れることをやめ、拡散し、ばらばらになり、房状にあるいは扇状に力を分散し、線が持つ特質の強い運営が終わることになります。 線が終わる場所のフォーク状が、2つの線で出来ているならば、それは分裂しているだけで、房状よりはましです。なぜなら、2本の線だけならば、そのうち「島」が形成されて、本線が継続される可能性もあるからです。しかし、多くの線がある房では、気電流の流れが、幅広い一本の強い流れに戻れる可能性はまずありません。しかし、この房状が線の始めの方にあるときは、その先に細い線が続いていることがあります。時には房が四角い線に囲まれて保護されていることもあります。 房は常に欠陥です。時には修復されるときもありますが、気電流の流れにとって障害であることは間違いありません。この気電流の理論から判断すると、正確にことの深刻さがわかります。房状は修復されることもありますが、ほとんどの場合、その線の持つ力が終わっています。 点(ドット) ドット(第9図)は余り見かけませんが、説明しておく価値があります。大きさや深さはいろいろで、あるものは小さな点に過ぎませんが、あるものは鉛筆の先で印をつけたくらいの大きさがあります。ドットは線上にあっても、線からは独立して存在しても、常に欠陥です。 線上にあるドットは、気電流の流れに悪影響を与えます。ドットが大きくて深いならば、その深い溝を気電流が乗り越えられないことになります。非常に小さなドットならばそれほど深刻ではありません。小さなドットは深刻な病気をした後などに現れます。特に熱病にかかった後に見られます。 私の経験では深刻なスカーレット熱病や腸チフスに罹った患者の場合、ドットが生命線に見られます。土星宮の下の頭脳線に見られるとき、耳が聞こえなかったり、口が利けないことがあります。太陽宮にあれば心臓に欠陥があるでしょう。水星線の上にドットがあれば、深刻な腸の障害を経験したのでしょう。手のどこにドットがあるかを見れば、どんな問題があったのかがわかります。このドットも四角い線で囲まれていれば。問題は修復されています。 鎖状の線 鎖状の線(第10図)は多くの線が連なっており、明確で安定した深い一本の線になっていません。つまり最初から障害が続いています。このような線が意味するのは、線のもつ特質が十分に発揮されないことです。 これが頭脳線に見られるならば、不安定な人柄を示します。自己抑制ができず、頭痛など、脳に問題を抱えています。鎖状が線の一部にだけ見られるならば、その時期だけ線の特質が発揮されません。しかし、鎖状の後の線は細いことが多いでしょう。 鎖状になっていると気電流は自由に流れることができません。つまり運河に浅瀬が連なって、水の流れが良くないようなものです。これは労力と負担を強いる妨害のある状況です。したがって鎖状の線は深刻な障害を示します。 鎖は最も修復が難しい線の一つです。なぜなら鎖が非常に短くない限り、鎖を囲む線の四角がかなり大きく規則的に並ばなければならないからです。したがって鎖が修復されるとしたら、それは姉妹線によることが多いでしょう。鎖は神経質な生命線や、感傷的で欠陥のある感情線によく見られ、時には頭脳線にも見られます。しかしほかの主要線、補助線、チャンス線に見られることはめったにありません。 手相を見るとき、鎖は浅く障害のある運河であると認識してください。その観点から、鎖の存在する線における気電流の弱さを判断します。そしてどの程度、姉妹線によって修復されているかに注目してください。 三角 第11図の三角は、通常独立したサインですが、時には線の上にも見られます。この場合、この三角が「島」のように本線が分裂してできたものか、あるいは独立した三角で線の上にできているのかをまず見極めてください。 三角は主要線が交わって形つくられていることもあります。この場合は、独立した三角のような力は持ちません。主要線やマイナー線によって作られたものでない明瞭な三角があり、それぞれの三角の角が線で交わっておらず鋭い先端となっているならば、その線・「宮」・指が極めて優れていることを示しています。 三角が木星宮の上にあれば、その方は気高い野心を持っており、木星人としての優れた特質を備えています。月宮にあれば、素晴らしい想像力の持ち主です。 三角があると言うことは、知的に素晴らしいものを持っていることを示しますが、健康状態は別の話です。 三角がチャンス線の交差で出来ているならば、独立したサインほど強くはありませんが、それでもその方の特質が大きく高まります。 「宮」の上の三角は、「宮」の優れた特質を強化します。この章ではそれぞれの指や「宮」や線にある三角の意味について、一般的な原則だけを述べています。詳細についてはこれから先の章で解説します。ただ覚えていてもらいたいのは、独立した三角が一番強烈な三角であり、常によい意味があることです。ただし健康の面には関係なく知的な面の優秀さを示しています。 格子 第12図のような格子は、線が交差して出来ており、網の様に流れをせき止めているので、気電流は通過がほぼ不可能です。これは、電流が金網を流れるのと一緒です。電流はあらゆる方向に流れ、障害物に出くわし、金網の端から電流が流れ出てしまいます。その結果、電流は拡散され浪費されます。また拡散される電気量が増大します。 基本的に、手の線を流れる気電流に、障害物は好ましくありません。したがってどの手であっても、格子があれば、線の強い流れを格子が邪魔して洪水を起こしていると見ます。線が格子状になっていればそれは欠陥であり常に危険です。 格子が非常に目立ち、深くて赤い線で出来ているならば、危険は深刻です。一方、いくつかの細い線が交差して出来ているだけなら、問題は深刻ではありません。 「宮」の上に格子があるのはよくない兆候です。「宮」のタイプの悪い面が出てくるでしょう。なぜなら気電流があふれ出して異常な状態を作り出すからです。さらには「宮」の健康面での欠陥も表面化してくるでしょう。 「宮」の上に格子があれば、どの「宮」であっても、悪い面が出て来ます。健康面でも悪い面が出ます。格子を囲む四角い線があれば修復されていますが、そのような例はほとんど見られません。たとえ四角で囲まれていても、格子の危険性は完全にはなくなりません。 格子の線をよく見て、深いか浅いかを判断します。手の他の線と比べて強いか弱いかを見てください。もし格子の線が非常に強く深く赤いならば、悪い影響がつよくでます。手の他の線よりも浅いならば、危険性は弱まります。 また縦線が横線を横切っているか、横線が縦線を横切っているかを見てください。前者ならば、それほど悪い格子ではありません。縦線の方が強いならば、気電流の一部は流れるからです。一方、横線が深いならば、気電流はまったく流れることが出来ません。 格子の線が縦横に正確に走っていないほうが、横線と縦線が直角に交わるような格子よりも被害が少ないでしょう。このように格子をいろいろな面から判断してどの程度の危険性があるかを見ます。最悪の格子とそれほど問題の無い格子を一緒にはしないでください。手相全体を考慮して注意深く格子の影響を判断してください。格子を判断するときは注意深くなくてはなりません。 横棒 第13図のような横棒あるいは水平の線がたくさん一緒に存在して、格子のような縦線が見られないのは、格子よりもさらに悪い兆候だと私は見ます。この場合、気電流はまったく流れることが出来ずに洪水を起こしてしまいます。この模様に横棒と名前を付けましたが、よく単独のサインとして出会います。これは悪い結果を生みます。横棒は「宮」の健康面の欠陥など、悪い面を示しますが、幸いなことにそれほど頻繁には出会いません。 この模様に出会ったら横棒がどれほど深く強いかを見てください。さらに手の他の線と比較します。線が深いほど、よくない結果が出ます。浅ければ逆です。気電流の理論に従って深刻さを判断してください。 丸 第14図の「丸」は珍しい模様です。これが感情線や太陽宮の上、あるいは太陽宮の下の頭脳線にあるならば、意味があります。太陽人の場合、このような模様があると目に問題があることを示します。このようなケースは数回体験しています。この模様があれば目が繊細なことを示します。 盲目であったり、弱視であったりしてもこの模様が現れるとは限りません。丸は通常、完全ではありません。不完全な円が、目の病気の進行とともに完全な丸になっていきます。 三つ又 第15図の三つ又の模様は、線の上部先端に現れます。時には単独のサインですが、時には土星線・太陽線・水星線・縦に走るチャンス線に見られます。線の上部先端にある場合は、よいサインです。気電流が正当な経路に流れることが出来るからです。太陽線にあればその方の優秀さが増し、成功するチャンスも増えます。三つ又は珍しい模様ですが、常によい徴です。しかしそのよさが発揮されるには、完全な姿である必要があります。 星 第16図の「星」は重要な価値ある印です。星は多くの手に現れ、手のどこにでも見ることが出来ますが、場所によってよい知らせであったり、悪い知らせであったりします。 気電流は流れる途中でいつでも炎のように燃え上がり周りを明るく照らすことが出来ます。ちょうど電流が電球の中を流れるときのようです。人間の気電流も同じように明るく照らす時があります。星が手相における電球なのです。星から気電流は光を発します。星が小さければ灯であり、大きく広がっていれば爆発の光です。どこに星があっても、それは光を灯す強い印です。 星の形、大きさ、線の深さ、位置、他の線との位置関係などに注意を払ってください。星の形が完璧で各部分の長さが同じで中心が定まっているようならば、それらがベストの星です。このような星ならば、「宮」や線を壊すことなく明るく照らします。 星の姿が不完全で中央がよく分からないようならば、お粗末な星です。そのような星は格子のように欠陥があり、弱い光しか出さず、完璧な星の輝く光とは大きく違います。 星が大きくて深く赤い線で出来ており、中央にドット(点)があるならば、それは爆発です。それはボイラーが破裂したように多くを破壊します。それが生命線にあれば、突然の死を意味します。頭脳線にあればメンタル面での爆発であり狂気を意味するかもしれません。これは過剰な状態なので、どこにあっても危険です。 星がどこにあるとか、どういう意味があることなど、記憶する必要はありません。気電流の理論を覚えており、星は形によって照明あるいは爆発だと知っていれば十分です。星の姿を見つけたら、単純に「この場所に星があるということは、どんな影響があるのだろう? この星は灯となり優秀さを増加させるだろうか、それとも爆発して破壊するのだろうか?」を考えてください。 どのような星かを正しく判断できれば、それが「宮」や線に優れた面を与えるのか、あるいは破壊をするのかが分かります。これが星の模様を読むただ一つの正しい方法です。 星は重要なサインでよく見かけます。そこで、出会ったら、素早く正確に読み取ることが出来なくてはなりません。ここでは星の一般的理論の解説だけしかしません。あとでそれぞれの「宮」や線のところでさらに詳しく解説します。星は灯であり電球で、よい星は優秀さを増大させますが、余りにも大きく、線が深く赤ければ爆発するので危険です。 十字 第17図の十字はよく見られる模様です。この模様は独立して存在することもありますし、ある線が他の線を横切ることで生まれます。常に注意すべきは線の深さと、他の線との釣り合いです。深い線で出来た十字は重要な意味を持っています。特に色が強いと重大です。 十字は基本的に障害物であり欠陥です。これは「宮」の質の劣化、体の欠陥、人生の転機を意味します。気電流が線を流れて十字にぶつかることは「ヒューズが飛ぶ」様なものです。このような停止があると修復が必要となります。修復の結果は人生のコースの変化につながることが多いようです。十字がどこに見られても、よい意味ではなく、欠陥を示唆しています。 姉妹線 弱くて壊れた欠陥のある線を修復するのにもっとも効果的なのは、第18図のような姉妹線です。線に弱さや欠陥があることが見えたら、姉妹線がないかどうかをまず見てください。脇にあれば線の欠陥は修復され強化されています。 弱い線に姉妹線があればよい組み合わせであり、ほぼ一本の強い線と同格です。優れた線は姉妹線があることでさらによくなります。姉妹線がどこにあっても、それはプラスです。 この章でみてきた線とサイン(印)の一般的性格は、個別の線を理解する上で大事な基本です。これまで線の変化、欠陥、どのようにそれぞれのサインができるかについて述べてきました。それも、気電流の一般的理論を皆様の心に焼き付けて欲しいからです。線のそれぞれの印の仮説をどのように応用するかは、無数の変化を含めて容易です。気電流の概念を理解していれば、手相を見る際のあらゆる組み合わせを理解することが可能になります。□ |