2001
ケネウイックマン
世紀の大発見 1996年アメリカ ワシントン州コロンビア川から一体の遺骨が発見された。いかにも古ぼけた白骨化した遺体は、当初古い時代のヨーロッパ人入植者の遺 骨として片付けられようとしていた。 しかし、遺骨の臀部に古い矢尻が突き刺さっているのを発見し、不審に思った警察が地元の考古学者ジム・チャターズ博 士に年代測定を依頼したところ、何と遺骨は9300年前の物である事が判明したのだ。 これ以後、この遺骨は発見場所の地名を取りケネウィックマンと呼ば れるようになったのだが、これが奇妙極まりない一連の訴訟合戦の始まりとなった。
年代測定は炭素14法と呼ばれる炭素の放射性同位元素の半減期を利用する手法で行われた。この方法では、生き物は常に代謝を行っているため体内の炭素と炭 素14の割合は生きている間は常に一定という事に目をつけている。 つまり生物が死ぬと代謝がとまるため放射性同位元素である炭素14は崩壊を続けどんど ん少なくなるのである。
この年代測定法は広く用いられており、信頼性も充分に高いが、9300年前という年代測定が正しいとすると、ケネウィックマンはアメリカ最古のもっとも 保存状態の良い遺骨という事になる。 しかしこの遺骨の頭蓋骨の特徴は一見して現代のアメリカ先住民と異なりその特徴は白人的であった。 年代測定結果に 驚いたジム・チャターズ博士の元、頭像の復元作業が行われた。その結果、俳優のパトリック・スチュアートそっくりの均整の取れた白人系の顔が浮かび上がっ て来たのだ。 アメリカでは身元不明の遺体の頭蓋骨を元に頭像の復元作業が頻繁に行われているが、その復元の精度はかなり高く十分信頼のおける物である。 又、チャターズ博士によるとケネウィックマンは、40~55歳ぐらいで、身長約175センチの非常に均整の取れた筋肉を持つかっこいい人物だという。
誰がアメリカ大陸の発見者? アメリカ大陸は、約500年前新しいインド航路を確立するため大西洋に乗り出したクリストファー・コロンブスにより発見され、ヨーロッパ人に新大陸の存在が知られるようになった。
ここまでは、学校で習う歴史であり誰でも知っている事である。 しかし、現実にはコロンブスのはるか以前にバイキングたちはすでにアメリカ大陸に到達しており、小規模な植民地がいくつも作られていたのだ。
更に、最近ではフェニキア人もアメリカ大陸に到達していた事がほぼ確実になりつつある。 フェニキア人は、紀元前の地中海で海洋貿易で栄えた民族で、 フェニキア人の都市国家カルタゴは、紀元前146年第三次ポエニ戦争によってローマに滅ぼされるまで当時の地中海世界の中心であった。 カルタゴ人の記録 からは、バスコダガマが喜望峰を回りアフリカを一周する何千年も前にアフリカを一周していることがわかっている。
このように、アメリカ大陸には考えられているより以外に古くから白人が到達していたのである。
ケネウィックマンは、はたして古い時代にアメリカに到達していたヨーロッパあるいは地中海周辺の古代人なのだろうか?
遺骨をめぐる大攻防戦 ジム・チャターズ博士らの「遺骨が白人男性の物」だとする主張に地元のアメリカ先住民ウマティラ族から猛然と抗議の声が沸きあがった。 彼らの主張によ ると9300年前のアメリカに白人が存在するはずは無く、遺骨は彼らの祖先のもので、それを白人の物だとする事は祖先を冒涜する事にほかならない。 ウマ ティラ族は1990年に制定された北米原住民に遺骨の所有を認める権利に基づき直ちに遺骨を返還し、埋葬をするよう訴訟を起こした。
一方この発見を重要視したスミソニアン協会のダグ・オーズリー博士は詳しい調査の為、軍に遺骨の移送を依頼した。 ダグ・オーズリー博士は、ネヴァダ州 で発見されたスピリットケーブマンがやはり現代のアメリカン先住民と異なる特徴をもつとしてかねてから研究を行っていたのである。 しかし、遺骨は先住民 の主張に賛同する軍により没収されオーズリー博士の元に届く事はなかった。 それどころか陸軍工兵部隊は科学者に5日間だけの猶予を与えた後、遺骨の発見 された河原周辺を175、000$もの巨費を投じて土砂で埋め尽くす作業に取りかかった。 アメリカ陸軍による一連の行動は科学者のみならず一般の人々の 間でも大きな波紋を呼び起こす結果となった。 いったい何の目的で軍が介入したのか? まったく不思議な事だが、軍の主張は、単なる護岸工事と略奪者から 遺跡を保護するためだそうだ。
もちろん軍の不可解な行動を不服とする科学者たちに、納得がいくはずは無く即座に陸軍の行動を不服とする訴えを起こした。 この訴えは一般の支持を受 け、地元選出の下院議員ドック・ヘースティングスは陸軍の行動を規制する法案を提出し上下両院で可決された。 法案の内容は「国防長官は、ケネウィックマ ンの遺骨が発見された土地に対していかなる変更も加えては行けない。 又、何人に対しても許可してはならない。」という実にシンプルでストレートな内容 だ。
しかし陸軍はこの法案を完全に無視し、法案が施行される直前までに完璧に発掘現場を、2000トンもの土砂で埋め尽くしてしまった。
科学者側はケネウィックマンの埋葬と共に遺物が埋められた可能性や他のケネウィックマンが埋められている可能性を検証するために周辺を本格的に発掘したい意向だったのだが、陸軍のこの行動で完全に不可能になってしまった。
FBIも乗り出した盗難事件 結局8人の科学者たちが5つの部族との間で所有権をめぐる裁判で、延々と争いを続ける事になるのだが、遺骨は一時的に連邦政府の管轄下に置かれ、所有権 がはっきりするまでシアトルのバークミュージアムで保管される事が決定した。 遺骨は1998年の10月、移送の為の21時間にも上る目録作りが行われた のだが、この時6片に分かれていた大腿骨のうち4片が紛失している事が判明した。
最後に大腿骨が確認されたのは、遺骨が陸軍に渡る前にチャターズ博士が骨をテーブルに広げビデオ撮影を行ったときである。
いったい誰が、大腿骨を盗んだのか、今年(2001年)にはいってFBIも捜査に乗り出しているが、真相はそう簡単には解明されそうに無い。
深まる謎 当初、白人の特徴を示すと考えられていたケネウィックマンだが、後の解剖学的な検証から、白人よりもポリネシア人や何と日本のアイヌ人との類似性が指摘 されるようになった。 現在のアイヌ人は日本の先住民である縄文人とのつながりが強く指摘されているが、しいては、古モンゴロイド、現在のポリネシア人の 祖先とも同じ起源を有していると思われている。
果たしてケネウィックマンはアメリカ先住民の祖先なのか、それともコロンブス以前にアメリカ大陸に到達した白人か、あるいは、太平洋をわたった縄文人か ポリネシア人か? 結局、科学者たちの下した結論はDNAを鑑定する事である。 幸い科学者の主張は認められ、2000年5月からDNAテストが始まっ た。 しかし、ミネラル化と汚染のためすべてのDNAテストは失敗してしまった。 DNAテストが失敗に終わった事から再び大腿骨の紛失事件が騒がれるよ うになった。 なぜなら体の中でもっとも大きい大腿骨にはケネウィクマンの起源を調べられる十分な量のDNAが存在するはずだし汚染されている可能性も少 ない。
この盗難事件で遺体を埋葬したがっているアメリカ先住民は、大変なジレンマにおちいっている。 なぜなら アメリカ先住民は、ケネウィックマンのDNA テストは遺体を冒涜するものとして頑固に反対している為、アメリカ先住民サイドには、DNAテストを阻止する目的で盗みを働く動機があるのだ。
しかしケネウィックマンの所有権にアメリカ先住民サイドが勝てば、遺体を埋葬することができるのだが大腿骨は埋葬できなくなってしまう。 遺体の一部だけを埋葬しないことは、アメリカ先住民にとっては宗教的に許されないことなのだ。
一方、科学者サイドにもたっぷりDNAを含んだ大腿骨を盗む動機は充分にある。 だが科学者が犯人としてもこっそりDNA判定をするわけにはいかないのだから、結局は無駄になってしまうだろう。 いったい誰が何の目的で、大腿骨を盗んだのか謎は深まるばかりである。
2001年1月2日には、陸軍を訴えている8人の科学者の賠償請求が行われている。 口頭弁論は6月17日に予定されている。
ケネウィックマンは縄文人? はたしてケネウィックマンはどこからきたのか、簡単には結論は出そうに無い。 しかしケネウィックマンの起源を調べる事は、アメリカ大陸に最初に移住してきた人はどのような人々かという古くて新しい疑問に決着をつける事が出来る可能性があるのだ。
従来の説では、最後のウルム氷河期のころ陸続きとなったベーリング海峡をわたったアジア人が氷河の退行と共にアメリカ大陸に広がりアメリカ先住民の祖先となったとかんがえられていた。
しかし近年、ベーリング海峡経由ではない経路でのアメリカ移住があった事がほぼ確実になってきている。 中でももっとも注目を浴びているのが日本の縄文人である。 今回ケネウィックマンが日本の縄文人に解剖学的に近いという事実は大変興味をそそることである。
青森県での三内丸山遺跡の発見以降、縄文人が想像以上に高度な文化をもち活発な貿易をしていた事が知られるようになってきた。 従来、縄文人は小規模な 集団で移動を繰り返す狩猟採集民と思われていたのだが、三内丸山からは大規模な定住集落と共に巨大な物見やぐらのような後や、高床式住居さえ見つかってい る。
1996年8月には、南太平洋の孤島バヌアツ共和国のエファテ島で発見された土器が、青森県で焼かれた縄文土器である事が篠籐博士らにより確認されている。
更にアメリカ大陸最古の土器であるエクアドルのバルディビア土器も、やはりスミソニアン協会のエバンス博士らにより縄文土器であるとする説が唱えられて いる。 この土器は現地の土を用いて焼かれているのだがその文様は縄文土器そのものである。 又、バルディビアでは、バルディビアのビーナスと呼ばれる多 数の土偶が発見されている。 これらの土偶は、棚畑遺跡出土の縄文のビーナスと呼ばれる土偶とまさに瓜二つである。 バルディビアからは、縄文のビーナス または女神石などと呼ばれる、石に線刻を刻んだ上黒岩遺跡出土の岩偶とそっくりのものまで発見されている。
これらの事実は、何を物語るのだろうか? そう、縄文人こそケネウィックマンである可能性が最も高いのである。 という事は、なんとアメリカ大陸の発見 者は縄文人という可能性も出てくる。 もちろん、確認するためにはDNAテストが必要不可欠だが、このあたりに軍がケネウィックマンの調査を執拗に妨害す る理由が隠されているのではないだろうか。 つまりアメリカ最初の人間であるケネウィックマンがある特定の集団、たとえば日本の縄文人などと断定される事 を恐れているのでは無いだろうか。 なぜなら、現在のアメリカ先住民との間には、先住民としての権利を認め保護する事で和解が成立しているが、現在のアメ リカ先住民以外にも初期のアメリカに居住する集団があったとすると、先住民保護法の根拠自体が曖昧になってくるのだ。 もちろん、たとえケネウィックマン が縄文人だと断定されたとしてもアメリカインディアンが現存する最古の先住民であることに間違いはないのだから先住民としての権利を失うという事はありえ ない。 しかし、アメリカ最初の移住者としての民族問題が絡んでくるだけに、とにかく軍としてはうやむやにして終わらせたいのでは無いだろうか。
こう見てくるとアメリカ陸軍にも大腿骨を盗む動機があるわけだ。 はたしてFBIは大腿骨を発見する事が出来るのだろうか。 いずれにしろ大腿骨の発見とあらたなDNA鑑定が謎を解くかぎをにぎっている。
年代測定は炭素14法と呼ばれる炭素の放射性同位元素の半減期を利用する手法で行われた。この方法では、生き物は常に代謝を行っているため体内の炭素と炭 素14の割合は生きている間は常に一定という事に目をつけている。 つまり生物が死ぬと代謝がとまるため放射性同位元素である炭素14は崩壊を続けどんど ん少なくなるのである。
この年代測定法は広く用いられており、信頼性も充分に高いが、9300年前という年代測定が正しいとすると、ケネウィックマンはアメリカ最古のもっとも 保存状態の良い遺骨という事になる。 しかしこの遺骨の頭蓋骨の特徴は一見して現代のアメリカ先住民と異なりその特徴は白人的であった。 年代測定結果に 驚いたジム・チャターズ博士の元、頭像の復元作業が行われた。その結果、俳優のパトリック・スチュアートそっくりの均整の取れた白人系の顔が浮かび上がっ て来たのだ。 アメリカでは身元不明の遺体の頭蓋骨を元に頭像の復元作業が頻繁に行われているが、その復元の精度はかなり高く十分信頼のおける物である。 又、チャターズ博士によるとケネウィックマンは、40~55歳ぐらいで、身長約175センチの非常に均整の取れた筋肉を持つかっこいい人物だという。
誰がアメリカ大陸の発見者? アメリカ大陸は、約500年前新しいインド航路を確立するため大西洋に乗り出したクリストファー・コロンブスにより発見され、ヨーロッパ人に新大陸の存在が知られるようになった。
ここまでは、学校で習う歴史であり誰でも知っている事である。 しかし、現実にはコロンブスのはるか以前にバイキングたちはすでにアメリカ大陸に到達しており、小規模な植民地がいくつも作られていたのだ。
更に、最近ではフェニキア人もアメリカ大陸に到達していた事がほぼ確実になりつつある。 フェニキア人は、紀元前の地中海で海洋貿易で栄えた民族で、 フェニキア人の都市国家カルタゴは、紀元前146年第三次ポエニ戦争によってローマに滅ぼされるまで当時の地中海世界の中心であった。 カルタゴ人の記録 からは、バスコダガマが喜望峰を回りアフリカを一周する何千年も前にアフリカを一周していることがわかっている。
このように、アメリカ大陸には考えられているより以外に古くから白人が到達していたのである。
ケネウィックマンは、はたして古い時代にアメリカに到達していたヨーロッパあるいは地中海周辺の古代人なのだろうか?
遺骨をめぐる大攻防戦 ジム・チャターズ博士らの「遺骨が白人男性の物」だとする主張に地元のアメリカ先住民ウマティラ族から猛然と抗議の声が沸きあがった。 彼らの主張によ ると9300年前のアメリカに白人が存在するはずは無く、遺骨は彼らの祖先のもので、それを白人の物だとする事は祖先を冒涜する事にほかならない。 ウマ ティラ族は1990年に制定された北米原住民に遺骨の所有を認める権利に基づき直ちに遺骨を返還し、埋葬をするよう訴訟を起こした。
一方この発見を重要視したスミソニアン協会のダグ・オーズリー博士は詳しい調査の為、軍に遺骨の移送を依頼した。 ダグ・オーズリー博士は、ネヴァダ州 で発見されたスピリットケーブマンがやはり現代のアメリカン先住民と異なる特徴をもつとしてかねてから研究を行っていたのである。 しかし、遺骨は先住民 の主張に賛同する軍により没収されオーズリー博士の元に届く事はなかった。 それどころか陸軍工兵部隊は科学者に5日間だけの猶予を与えた後、遺骨の発見 された河原周辺を175、000$もの巨費を投じて土砂で埋め尽くす作業に取りかかった。 アメリカ陸軍による一連の行動は科学者のみならず一般の人々の 間でも大きな波紋を呼び起こす結果となった。 いったい何の目的で軍が介入したのか? まったく不思議な事だが、軍の主張は、単なる護岸工事と略奪者から 遺跡を保護するためだそうだ。
もちろん軍の不可解な行動を不服とする科学者たちに、納得がいくはずは無く即座に陸軍の行動を不服とする訴えを起こした。 この訴えは一般の支持を受 け、地元選出の下院議員ドック・ヘースティングスは陸軍の行動を規制する法案を提出し上下両院で可決された。 法案の内容は「国防長官は、ケネウィックマ ンの遺骨が発見された土地に対していかなる変更も加えては行けない。 又、何人に対しても許可してはならない。」という実にシンプルでストレートな内容 だ。
しかし陸軍はこの法案を完全に無視し、法案が施行される直前までに完璧に発掘現場を、2000トンもの土砂で埋め尽くしてしまった。
科学者側はケネウィックマンの埋葬と共に遺物が埋められた可能性や他のケネウィックマンが埋められている可能性を検証するために周辺を本格的に発掘したい意向だったのだが、陸軍のこの行動で完全に不可能になってしまった。
FBIも乗り出した盗難事件 結局8人の科学者たちが5つの部族との間で所有権をめぐる裁判で、延々と争いを続ける事になるのだが、遺骨は一時的に連邦政府の管轄下に置かれ、所有権 がはっきりするまでシアトルのバークミュージアムで保管される事が決定した。 遺骨は1998年の10月、移送の為の21時間にも上る目録作りが行われた のだが、この時6片に分かれていた大腿骨のうち4片が紛失している事が判明した。
最後に大腿骨が確認されたのは、遺骨が陸軍に渡る前にチャターズ博士が骨をテーブルに広げビデオ撮影を行ったときである。
いったい誰が、大腿骨を盗んだのか、今年(2001年)にはいってFBIも捜査に乗り出しているが、真相はそう簡単には解明されそうに無い。
深まる謎 当初、白人の特徴を示すと考えられていたケネウィックマンだが、後の解剖学的な検証から、白人よりもポリネシア人や何と日本のアイヌ人との類似性が指摘 されるようになった。 現在のアイヌ人は日本の先住民である縄文人とのつながりが強く指摘されているが、しいては、古モンゴロイド、現在のポリネシア人の 祖先とも同じ起源を有していると思われている。
果たしてケネウィックマンはアメリカ先住民の祖先なのか、それともコロンブス以前にアメリカ大陸に到達した白人か、あるいは、太平洋をわたった縄文人か ポリネシア人か? 結局、科学者たちの下した結論はDNAを鑑定する事である。 幸い科学者の主張は認められ、2000年5月からDNAテストが始まっ た。 しかし、ミネラル化と汚染のためすべてのDNAテストは失敗してしまった。 DNAテストが失敗に終わった事から再び大腿骨の紛失事件が騒がれるよ うになった。 なぜなら体の中でもっとも大きい大腿骨にはケネウィクマンの起源を調べられる十分な量のDNAが存在するはずだし汚染されている可能性も少 ない。
この盗難事件で遺体を埋葬したがっているアメリカ先住民は、大変なジレンマにおちいっている。 なぜなら アメリカ先住民は、ケネウィックマンのDNA テストは遺体を冒涜するものとして頑固に反対している為、アメリカ先住民サイドには、DNAテストを阻止する目的で盗みを働く動機があるのだ。
しかしケネウィックマンの所有権にアメリカ先住民サイドが勝てば、遺体を埋葬することができるのだが大腿骨は埋葬できなくなってしまう。 遺体の一部だけを埋葬しないことは、アメリカ先住民にとっては宗教的に許されないことなのだ。
一方、科学者サイドにもたっぷりDNAを含んだ大腿骨を盗む動機は充分にある。 だが科学者が犯人としてもこっそりDNA判定をするわけにはいかないのだから、結局は無駄になってしまうだろう。 いったい誰が何の目的で、大腿骨を盗んだのか謎は深まるばかりである。
2001年1月2日には、陸軍を訴えている8人の科学者の賠償請求が行われている。 口頭弁論は6月17日に予定されている。
ケネウィックマンは縄文人? はたしてケネウィックマンはどこからきたのか、簡単には結論は出そうに無い。 しかしケネウィックマンの起源を調べる事は、アメリカ大陸に最初に移住してきた人はどのような人々かという古くて新しい疑問に決着をつける事が出来る可能性があるのだ。
従来の説では、最後のウルム氷河期のころ陸続きとなったベーリング海峡をわたったアジア人が氷河の退行と共にアメリカ大陸に広がりアメリカ先住民の祖先となったとかんがえられていた。
しかし近年、ベーリング海峡経由ではない経路でのアメリカ移住があった事がほぼ確実になってきている。 中でももっとも注目を浴びているのが日本の縄文人である。 今回ケネウィックマンが日本の縄文人に解剖学的に近いという事実は大変興味をそそることである。
青森県での三内丸山遺跡の発見以降、縄文人が想像以上に高度な文化をもち活発な貿易をしていた事が知られるようになってきた。 従来、縄文人は小規模な 集団で移動を繰り返す狩猟採集民と思われていたのだが、三内丸山からは大規模な定住集落と共に巨大な物見やぐらのような後や、高床式住居さえ見つかってい る。
1996年8月には、南太平洋の孤島バヌアツ共和国のエファテ島で発見された土器が、青森県で焼かれた縄文土器である事が篠籐博士らにより確認されている。
更にアメリカ大陸最古の土器であるエクアドルのバルディビア土器も、やはりスミソニアン協会のエバンス博士らにより縄文土器であるとする説が唱えられて いる。 この土器は現地の土を用いて焼かれているのだがその文様は縄文土器そのものである。 又、バルディビアでは、バルディビアのビーナスと呼ばれる多 数の土偶が発見されている。 これらの土偶は、棚畑遺跡出土の縄文のビーナスと呼ばれる土偶とまさに瓜二つである。 バルディビアからは、縄文のビーナス または女神石などと呼ばれる、石に線刻を刻んだ上黒岩遺跡出土の岩偶とそっくりのものまで発見されている。
これらの事実は、何を物語るのだろうか? そう、縄文人こそケネウィックマンである可能性が最も高いのである。 という事は、なんとアメリカ大陸の発見 者は縄文人という可能性も出てくる。 もちろん、確認するためにはDNAテストが必要不可欠だが、このあたりに軍がケネウィックマンの調査を執拗に妨害す る理由が隠されているのではないだろうか。 つまりアメリカ最初の人間であるケネウィックマンがある特定の集団、たとえば日本の縄文人などと断定される事 を恐れているのでは無いだろうか。 なぜなら、現在のアメリカ先住民との間には、先住民としての権利を認め保護する事で和解が成立しているが、現在のアメ リカ先住民以外にも初期のアメリカに居住する集団があったとすると、先住民保護法の根拠自体が曖昧になってくるのだ。 もちろん、たとえケネウィックマン が縄文人だと断定されたとしてもアメリカインディアンが現存する最古の先住民であることに間違いはないのだから先住民としての権利を失うという事はありえ ない。 しかし、アメリカ最初の移住者としての民族問題が絡んでくるだけに、とにかく軍としてはうやむやにして終わらせたいのでは無いだろうか。
こう見てくるとアメリカ陸軍にも大腿骨を盗む動機があるわけだ。 はたしてFBIは大腿骨を発見する事が出来るのだろうか。 いずれにしろ大腿骨の発見とあらたなDNA鑑定が謎を解くかぎをにぎっている。
縄文字の謎 キープと藁算
皆さんは、縄文字と言うものを御存知だろうか。一般的に縄文字(結縄文字)と言うと南米のインカ帝国で用いられていた、キープと呼ばれる紐に結び目を付けて情報を伝達する手段の事をさす。
インカ帝国には、普通の文字は無くこのキープが文字代わりに使用されてきた。キープは、主に物品の種類やその数を記録するのに用いられ、納税などの際には必要不可欠のものであった。
物品の記録以外にも簡単な文章も表現していたとされるが、今だ解読はされていない。
いずれにしても、キープは単なる記号以上の複雑な体系を持つまぎれもない文字の一種で、インカ帝国にはキープを教える専門の学校も存在したらしい。
ところが、このキープとまったく同じ物が日本の沖縄でも使用されていたのだ。しかも、こちらはなんと戦前まで実際に使用されていたと言うから驚きだ。 沖 縄の縄文字は、藁算と呼ばれワラザン、バラサン、ワラザイなど多くの読み方がある。 読んで字の如く、藁算は、ワラで編んだ縄、又はワラその物に結び目を 付けて情報を記録した物である。
上段の写真がインカのキープで下段の写真が沖縄の藁算である。一見、かなり違うようにも見えるが、藁算の左から2番目の物に注目してほしい、輪っかに結ばれたひも状の結縄はまさにキープと同じ形態だ。
藁算の起源ははっきりしないが、中国の歴史書「随書倭国伝」の中の倭人の風俗に、「文字は無く、ただ木を刻み縄を結ぶだけ」と記録されている。何故、 「文字は無く」の後に「木を刻み縄を結ぶ」とあるのか?これは中国人が考える、言葉を完全に表記できる真の意味での文字は無いが、木を刻んだり、縄を結ん だりする事によりコミュニケーションをとっていた事を意味していると考えるのが自然だろう。この歴史書は邪馬台国の頃の日本について書かれた物である為、 藁算は、古墳時代以前より日本本土でも使用されていたと考えられる。
沖縄地方では、高価な紙の替わりに藁算が、表記文字と共に情報伝達手段として最近まで広く民衆の間で使用されてきたのだ。 沖縄でも藁算は主に物品の種類やその数を記録するのに用いられ、納税事務には欠かせないものであった。
南米との結びつき
しかし縄文字と言う非常にユニークな情報伝達手段が太平洋を挟んだ沖縄と南米に存在するのはなぜだろう?もちろん単なる偶然といってしまえばそれまでだ が、結び目で情報を伝達するなどという発想が偶然に出てくるものだろうか?しかも縄文字の主な使用目的は双方とも、歴史の記録や手紙などに使用したのでは なく、物品の種類や数を記録すると言う、いわば経理処理に使用されたのである。
この優れた経理処理システム、キープと藁算が、征服者によりうまく利用された事も運命めいた物を感じる。インカでは16世紀後半、住民や資源の実態調査 のためスペイン人官吏がアンデス山脈を駆け巡ったが、情報集めはいたって楽だったらしい。キープ・カマヨックと呼ばれる地方の名士がキープによる住民台帳 を保持していたからだ。
他方、沖縄では島津藩による沖縄併合後の人頭税徴収などに、藁算は最大限利用された。
キープと藁算の唯一の違いは、キープは縄の色までを含めて情報源とした事だが、使用目的はまったく同じといってよい。
このように同じ使用目的を持つユニークな縄文字が、偶然2つの地域で別々に発生したとは非常に考えにくい。
それでは、キープと藁算はどう結びつくのだろうか?
愛知県ガンセンターの多島氏によるとアンデスから発見された2体のミイラのDNAサンプルを検査した結果、これらのミイラが成人T細胞白血病に関連する稀少なウイルスに感染している事がわかった。
このウイルスは、現在おもに南西日本とチリの一部の地域でのみ見つかるウイルスで、両地域の関係を強く示唆するものであった。しかしこのウイルスの感染 が現代人の移動によりもたらされた可能性も拭いきれなかったのだが、このウイルスが、1500年ほど前の物と思われるミイラから発見された事により、ウイ ルスが現代人の移動により感染したのではない事がはっきりしたわけだ。
この研究が発表された「Nature Medicine」によると、ウイルスに感染した古モンゴロイドが、1万年以上前に南米に進出したのではないかとされている。
さらに、太平洋の孤島バヌアツや南米エクアドルからは次々と縄文土器と思われるものが発見されている。中でもバヌアツで発見された土器は青森で製作された正真正銘の縄文土器である事が確認されている。
エクアドルで発見された、アメリカ大陸最古に属するバルディビア土器は、その文様の形態が縄文土器そのものであると、スミソニアン協会のエバンス博士等は主張している。
ワシントンDCのスミソニアン博物館には、縄文土器とバルディビア土器を比較したコーナーがあり縄文人が太平洋をわたった可能性が指摘されている。写真は、その中の一部である。
これらの事実は何を意味するのだろうか?
南米はスペイン人が到達する遥か以前に縄文人により植民地化されていたかもしれないのだ。植民地化とまで言うと大げさかもしれないが、少なくとも縄文人の一部が太平洋をわたり、南米にまで到達していた可能性は非常に高い。
つまり藁算も、太平洋をわたった縄文人により南米にもたらされ、それをもとに独自にキープとして発展を遂げたと考えると太平洋を隔てた2つの地域でこの 非常にユニークな情報伝達手段が存在する事も納得がいく。又、日本独特の物と思われやすい綾取りや綱引きなども広く太平洋地域に分布している風習なのだ。
それにしても、藁の結び目で情報を記録するとは古代人の発想には敬服するが、考えようによっては紙や筆の無い時代、器用な日本人の祖先にとっては、藁や 縄はもっとも身近な記録媒体だったのかもしれない。あるいは、縄文やしめ縄、綾取りや綱引きなどの風習に代表されるように、古代日本人にとって縄、紐は特 別の意味を持つ神聖なものだったのかもしれない。
参考文献:
インカ帝国には、普通の文字は無くこのキープが文字代わりに使用されてきた。キープは、主に物品の種類やその数を記録するのに用いられ、納税などの際には必要不可欠のものであった。
物品の記録以外にも簡単な文章も表現していたとされるが、今だ解読はされていない。
いずれにしても、キープは単なる記号以上の複雑な体系を持つまぎれもない文字の一種で、インカ帝国にはキープを教える専門の学校も存在したらしい。
ところが、このキープとまったく同じ物が日本の沖縄でも使用されていたのだ。しかも、こちらはなんと戦前まで実際に使用されていたと言うから驚きだ。 沖 縄の縄文字は、藁算と呼ばれワラザン、バラサン、ワラザイなど多くの読み方がある。 読んで字の如く、藁算は、ワラで編んだ縄、又はワラその物に結び目を 付けて情報を記録した物である。
上段の写真がインカのキープで下段の写真が沖縄の藁算である。一見、かなり違うようにも見えるが、藁算の左から2番目の物に注目してほしい、輪っかに結ばれたひも状の結縄はまさにキープと同じ形態だ。
藁算の起源ははっきりしないが、中国の歴史書「随書倭国伝」の中の倭人の風俗に、「文字は無く、ただ木を刻み縄を結ぶだけ」と記録されている。何故、 「文字は無く」の後に「木を刻み縄を結ぶ」とあるのか?これは中国人が考える、言葉を完全に表記できる真の意味での文字は無いが、木を刻んだり、縄を結ん だりする事によりコミュニケーションをとっていた事を意味していると考えるのが自然だろう。この歴史書は邪馬台国の頃の日本について書かれた物である為、 藁算は、古墳時代以前より日本本土でも使用されていたと考えられる。
沖縄地方では、高価な紙の替わりに藁算が、表記文字と共に情報伝達手段として最近まで広く民衆の間で使用されてきたのだ。 沖縄でも藁算は主に物品の種類やその数を記録するのに用いられ、納税事務には欠かせないものであった。
南米との結びつき
しかし縄文字と言う非常にユニークな情報伝達手段が太平洋を挟んだ沖縄と南米に存在するのはなぜだろう?もちろん単なる偶然といってしまえばそれまでだ が、結び目で情報を伝達するなどという発想が偶然に出てくるものだろうか?しかも縄文字の主な使用目的は双方とも、歴史の記録や手紙などに使用したのでは なく、物品の種類や数を記録すると言う、いわば経理処理に使用されたのである。
この優れた経理処理システム、キープと藁算が、征服者によりうまく利用された事も運命めいた物を感じる。インカでは16世紀後半、住民や資源の実態調査 のためスペイン人官吏がアンデス山脈を駆け巡ったが、情報集めはいたって楽だったらしい。キープ・カマヨックと呼ばれる地方の名士がキープによる住民台帳 を保持していたからだ。
他方、沖縄では島津藩による沖縄併合後の人頭税徴収などに、藁算は最大限利用された。
キープと藁算の唯一の違いは、キープは縄の色までを含めて情報源とした事だが、使用目的はまったく同じといってよい。
このように同じ使用目的を持つユニークな縄文字が、偶然2つの地域で別々に発生したとは非常に考えにくい。
それでは、キープと藁算はどう結びつくのだろうか?
愛知県ガンセンターの多島氏によるとアンデスから発見された2体のミイラのDNAサンプルを検査した結果、これらのミイラが成人T細胞白血病に関連する稀少なウイルスに感染している事がわかった。
このウイルスは、現在おもに南西日本とチリの一部の地域でのみ見つかるウイルスで、両地域の関係を強く示唆するものであった。しかしこのウイルスの感染 が現代人の移動によりもたらされた可能性も拭いきれなかったのだが、このウイルスが、1500年ほど前の物と思われるミイラから発見された事により、ウイ ルスが現代人の移動により感染したのではない事がはっきりしたわけだ。
この研究が発表された「Nature Medicine」によると、ウイルスに感染した古モンゴロイドが、1万年以上前に南米に進出したのではないかとされている。
さらに、太平洋の孤島バヌアツや南米エクアドルからは次々と縄文土器と思われるものが発見されている。中でもバヌアツで発見された土器は青森で製作された正真正銘の縄文土器である事が確認されている。
エクアドルで発見された、アメリカ大陸最古に属するバルディビア土器は、その文様の形態が縄文土器そのものであると、スミソニアン協会のエバンス博士等は主張している。
ワシントンDCのスミソニアン博物館には、縄文土器とバルディビア土器を比較したコーナーがあり縄文人が太平洋をわたった可能性が指摘されている。写真は、その中の一部である。
これらの事実は何を意味するのだろうか?
南米はスペイン人が到達する遥か以前に縄文人により植民地化されていたかもしれないのだ。植民地化とまで言うと大げさかもしれないが、少なくとも縄文人の一部が太平洋をわたり、南米にまで到達していた可能性は非常に高い。
つまり藁算も、太平洋をわたった縄文人により南米にもたらされ、それをもとに独自にキープとして発展を遂げたと考えると太平洋を隔てた2つの地域でこの 非常にユニークな情報伝達手段が存在する事も納得がいく。又、日本独特の物と思われやすい綾取りや綱引きなども広く太平洋地域に分布している風習なのだ。
それにしても、藁の結び目で情報を記録するとは古代人の発想には敬服するが、考えようによっては紙や筆の無い時代、器用な日本人の祖先にとっては、藁や 縄はもっとも身近な記録媒体だったのかもしれない。あるいは、縄文やしめ縄、綾取りや綱引きなどの風習に代表されるように、古代日本人にとって縄、紐は特 別の意味を持つ神聖なものだったのかもしれない。
参考文献:
- インカ帝国 カルベン・ベルナン著 創元社
- 楽園考古学 篠橙喜彦 荒俣宏著 平凡社
- モンゴロイドの道 科学朝日編 朝日新聞社
- 中国正史日本伝(1) 石原道博偏訳 岩波文庫
- スミソニアン協会 自然歴史博物館
- 竹富島 喜宝院蒐集館
2002年
中国で異星人の遺跡発見?
中国青海省柴達木の首府・徳令哈市の南西40キロの地点にあるピラミッド状の山の調査が行われている。この山は地元の古くからの言い伝えで、異星人の宇宙 船発射基地だとされているものである。今回、この山の調査を本格的に行った9人の中国の科学者によると、山は高さ約60mの綺麗なピラミッド状をしてい て、黄灰色の山肌の正面部分に3個の三角形状の洞窟が存在すると言う。
真ん中の一番大きな、洞窟の入り口上部からは、10本あまりの径の異なる赤っぽいパイプが、山に貫通している。更に内部には、直径40センチあまりの2 本のパイプがあり、その内の一本は、洞窟の底から地下に向かって伸びている。この山の近くには、托素湖と呼ばれる塩水湖があり、パイプの一部はその湖にも 伸びていたらしい。
更に周辺には、無数のパイプや金属片、不思議な形状の石など散乱していると言う。このように状況からは、何らかの工業施設であった可能性が高いと思われ る。しかし、周辺いったいは遊牧民以外の定住民は存在しない地域であり、ましてや工業開発など一度もおこなわれた事などない地域である。
散乱していたパイプの成分分析を中国大手の非鉄金属精錬グループで行ったところ、30%以上が酸化鉄で二酸化珪素や酸化カルシウム等が含まれていたとい う。しかし、成分の約8%は、何の物質なのか特定できなかったらしい。周辺は、アジアで最も理想的な天体観測場所として知られるほど星の綺麗なところで、 山の神秘的な雰囲気と結びつき、宇宙人の発射基地と言ううわさが生まれたのではないかと、科学者は考えている。
いずれにしろ、この山周辺が何らかの遺跡である可能性が高いのだが、遺跡であるとするといったい誰がいつ頃、何の目的で作ったのか、まったく判らない事になる。状況から考えて異星人の発射基地と言う説も、あながち否定する事は出来ないかもしれない。
しかし、中国からの情報は長続きしないのが欠点だ。数年前もロシアの調査団がチベットで大ピラミッド群を発見したと言う情報が伝わってきたが、その後の 情報はまったく伝わってこない。今回も、単発で終わる可能性が高いのだが、中国には謎の遺跡が数多く残されている事も事実だ。現在、総力をあげてこの情報 を調査中なので新しい事実が判明したら、再び報告をしたい。 カルタゴ皇帝 ゴン
参考資料
ヤフーニュース:China Scientists to Probe 'ET' Launch Tower Wed Jun 19, 7:06 AM ET
INN中国担当特派員:Xu Qing
真ん中の一番大きな、洞窟の入り口上部からは、10本あまりの径の異なる赤っぽいパイプが、山に貫通している。更に内部には、直径40センチあまりの2 本のパイプがあり、その内の一本は、洞窟の底から地下に向かって伸びている。この山の近くには、托素湖と呼ばれる塩水湖があり、パイプの一部はその湖にも 伸びていたらしい。
更に周辺には、無数のパイプや金属片、不思議な形状の石など散乱していると言う。このように状況からは、何らかの工業施設であった可能性が高いと思われ る。しかし、周辺いったいは遊牧民以外の定住民は存在しない地域であり、ましてや工業開発など一度もおこなわれた事などない地域である。
散乱していたパイプの成分分析を中国大手の非鉄金属精錬グループで行ったところ、30%以上が酸化鉄で二酸化珪素や酸化カルシウム等が含まれていたとい う。しかし、成分の約8%は、何の物質なのか特定できなかったらしい。周辺は、アジアで最も理想的な天体観測場所として知られるほど星の綺麗なところで、 山の神秘的な雰囲気と結びつき、宇宙人の発射基地と言ううわさが生まれたのではないかと、科学者は考えている。
いずれにしろ、この山周辺が何らかの遺跡である可能性が高いのだが、遺跡であるとするといったい誰がいつ頃、何の目的で作ったのか、まったく判らない事になる。状況から考えて異星人の発射基地と言う説も、あながち否定する事は出来ないかもしれない。
しかし、中国からの情報は長続きしないのが欠点だ。数年前もロシアの調査団がチベットで大ピラミッド群を発見したと言う情報が伝わってきたが、その後の 情報はまったく伝わってこない。今回も、単発で終わる可能性が高いのだが、中国には謎の遺跡が数多く残されている事も事実だ。現在、総力をあげてこの情報 を調査中なので新しい事実が判明したら、再び報告をしたい。 カルタゴ皇帝 ゴン
参考資料
ヤフーニュース:China Scientists to Probe 'ET' Launch Tower Wed Jun 19, 7:06 AM ET
INN中国担当特派員:Xu Qing
2004
尋ねアヒル
1992年 ザ・ファースト・イヤーズ社のプラスチック製のアヒルのおもちゃを搭載し、中国からアメリカのシアトルへ向かっていた貨物船が、北太平洋上で悪天候に遭遇 した。北太平洋上北緯45度の日付変更線付近でアヒルのおもちゃは、コンテナごと海へ投げ出され、その他のおもちゃとあわせ約3万個が、太平洋の大航海を はじめたのだ。
この、アヒルのおもちゃの漂流に目をつけた海洋学者のカーティス・エベスメイヤー博士(写真右)は、おもちゃ達の追跡調査をはじめた。漂流を始めた日時と場所がはっきりしている上に、目立つアヒルのおもちゃは、海流の研究にまさにうってつけの材料だったのだ。
エベスメイヤー博士等によるこの研究は、当時大変話題を呼び多くのマスコミで取り上げられた。おもちゃを製造した会社も、このアヒルの発見者に商品券を配ったり、発見証明書を発行したりして、話題性を盛り上げ、現在でもアヒル探しは多くの人によって続けられている。
おもちゃのアヒルの一部は、1995年までにはベーリング海峡を通過して、2000年にはアイスランド、2001年には大西洋上の海域まで到達しているの だ。おもちゃのアヒルの大航海は、実際、海流の研究に大きく役立っているのだが、なんと日本からの発見報告は、まだ無いと言う事である。
現在も、エベスメイヤー博士は、アヒルを捜し求めていると言う事なので、もし、発見した人は、黄トンボ掲示板まで、ぜひご一報ください。
この、アヒルのおもちゃの漂流に目をつけた海洋学者のカーティス・エベスメイヤー博士(写真右)は、おもちゃ達の追跡調査をはじめた。漂流を始めた日時と場所がはっきりしている上に、目立つアヒルのおもちゃは、海流の研究にまさにうってつけの材料だったのだ。
エベスメイヤー博士等によるこの研究は、当時大変話題を呼び多くのマスコミで取り上げられた。おもちゃを製造した会社も、このアヒルの発見者に商品券を配ったり、発見証明書を発行したりして、話題性を盛り上げ、現在でもアヒル探しは多くの人によって続けられている。
おもちゃのアヒルの一部は、1995年までにはベーリング海峡を通過して、2000年にはアイスランド、2001年には大西洋上の海域まで到達しているの だ。おもちゃのアヒルの大航海は、実際、海流の研究に大きく役立っているのだが、なんと日本からの発見報告は、まだ無いと言う事である。
現在も、エベスメイヤー博士は、アヒルを捜し求めていると言う事なので、もし、発見した人は、黄トンボ掲示板まで、ぜひご一報ください。
謎の獣人発見か?!
古人類学の歴史を塗り替える大発見があった。
インドネシアのフロレス島で新種の「ホモ属」に属するヒト科生物の化石が発見されたのだ。オーストラリアの古人類学者ピーター・ブラウン博士等が発見した 新種のヒト科生物は、一体分の女性と思われる全身骨格と、その他の個体の骨の断片で、合計で7体分に及ぶと言う。女性が生きていたのは、約1万8000年 前で、最も新しい骨は、約1万3000年前の物と鑑定された。この事から「ホモ・フローレシエンシス」と名づけられたこのヒト科生物の生息年代は、約9万 5000年前から1万2000年前ごろだと言う。
とにかく驚きなのは、その年代の新しさである。1万2000年前と言えば、700万年の人類の歴史からすれば、ほとんど現代と変わりは無いことになる。つまり現生人類の、生活するすぐ横で、まったく異質な人類が生活していたのだ。
研究者によると、その解剖学的形態からホモ・フローレシエンシスは、インドネシアのホモ・エレクトスである「ジャワ原人」から進化した種と考えられると 言う。しかし、ホモ・エレクトスから進化したにもかかわらず、脳容量はホモ・エレクトスの半分以下の380ccしかなく、大きさはグレープフルーツ大だと 言う。更に、身長もわずか1m足らずなのだ。ところが驚く事に、このチンパンジー並みの脳しか持たなかった人類は、火を使い、優れた石器を作成し集団で狩 を行っていた証拠があるのだ。一緒に発見された石器類は、大きさが小さいだけでホモ・エレクトスが使用した石器に酷似していると言う。
イラストは、ピーター・ブラウン博士の写真をもとに作成されたホモ・フローレシエンシスの頭骨である。正面からだけでは、詳しい事はわからないが、一見して、額がほとんどなく頭が小さい事だけは見て取れるだろう。
これまで人類の進化は、二足歩行の確保と共に次第に脳が大きくなり知能が発達したとされてきた。ところが、ホモ・フローレシエンシスでは、脳は小さくな る方向に進化したにもかかわらず知能を備えていたのだ。まさに、人類進化の常識を覆す21世紀最大の人類学上の発見といっても過言ではないだろう。確実に いえることは、人類の進化は脳の増大と知能の発達一直線ではなかったと言う事だ。
科学者たちは、ホモ・フローレシエンシスは、約1万2000年前にフロレス島で起こった大規模な、火山爆発で絶滅したと考えている。しかし、フロレス島 にオランダ人が入植を始めた1500年代以降、「小さな人のような生物」の伝説が幾度となく話題に上がっている。現地の住民は、小さな森の隣人が住んでい たとされる洞窟も特定できると言う。ホモ・フローレシエンシスが、現在まで生き残っている可能性は、否定できないのだ。
更に、インドネシアと言えば、謎の小さな獣人「オラン・ペンデク」の伝説で、現在でも名高いのだ。「オラン・ペンデク(小さな人)」はスマトラ島でたび たび目撃され、「オラン・ウータン(森の人)」と共に現地では、その存在は古くから知られていた。オラン・ウータンが、発見され実在が確認されているのだ から、オラン・ペンデクの存在を疑う理由は無い。
ホモ・フローレシエンシスが、ホモ・エレクトスから進化したとすると、当然フロレス島のみならずスマトラ島や周辺の島々でも同じような進化が起こっていてもおかしくない。
ホモ・フローレシエンシスの生き残りこそ、オラン・ペンデクの正体ではないだろうか。事実、オラン・ペンデクの特徴は、完全な二足歩行で身長が低く、知 能が高いとされていて、「ホモ・フローレシエンシス」の姿そのものである。更に、ホモ・フローレシエンシスは、たった1万2000年前・日本でいえば縄文 時代まで、生息していた事が、ほぼ確実なのだ。インドネシアの広大なジャングルの中に、ひそかに生き残っていたとしても、何の不思議も無い。
今まで、世界中で数多くの獣人の目撃例があるにもかかわらず、その存在が否定されてきたのは、原始的な特徴をもつ人類の祖先が、最近まで生き残っていた 証拠が、まったく無かったからなのだ。あたらしい、証拠が発見された以上、イエティや野人、オラン・ペンデクの存在する可能性は、一気に高まった事にな る。 参考ニュースソース
Yahoo! News Thu, Oct 28, 2004 Science ・ Reuters
Scientists Hope to Find More Tiny Indonesia Hominids
By Michael Perry
Yahoo! News Thu, Oct 28, 2004 Science ・ AFP
Tiny hominid is big news in tale of human evolution
Today’s paper Science
Discovery of miniature humans stuns scientists
By ALANNA MITCHELL
Thursday, October 28, 2004 - Page A3
インドネシアのフロレス島で新種の「ホモ属」に属するヒト科生物の化石が発見されたのだ。オーストラリアの古人類学者ピーター・ブラウン博士等が発見した 新種のヒト科生物は、一体分の女性と思われる全身骨格と、その他の個体の骨の断片で、合計で7体分に及ぶと言う。女性が生きていたのは、約1万8000年 前で、最も新しい骨は、約1万3000年前の物と鑑定された。この事から「ホモ・フローレシエンシス」と名づけられたこのヒト科生物の生息年代は、約9万 5000年前から1万2000年前ごろだと言う。
とにかく驚きなのは、その年代の新しさである。1万2000年前と言えば、700万年の人類の歴史からすれば、ほとんど現代と変わりは無いことになる。つまり現生人類の、生活するすぐ横で、まったく異質な人類が生活していたのだ。
研究者によると、その解剖学的形態からホモ・フローレシエンシスは、インドネシアのホモ・エレクトスである「ジャワ原人」から進化した種と考えられると 言う。しかし、ホモ・エレクトスから進化したにもかかわらず、脳容量はホモ・エレクトスの半分以下の380ccしかなく、大きさはグレープフルーツ大だと 言う。更に、身長もわずか1m足らずなのだ。ところが驚く事に、このチンパンジー並みの脳しか持たなかった人類は、火を使い、優れた石器を作成し集団で狩 を行っていた証拠があるのだ。一緒に発見された石器類は、大きさが小さいだけでホモ・エレクトスが使用した石器に酷似していると言う。
イラストは、ピーター・ブラウン博士の写真をもとに作成されたホモ・フローレシエンシスの頭骨である。正面からだけでは、詳しい事はわからないが、一見して、額がほとんどなく頭が小さい事だけは見て取れるだろう。
これまで人類の進化は、二足歩行の確保と共に次第に脳が大きくなり知能が発達したとされてきた。ところが、ホモ・フローレシエンシスでは、脳は小さくな る方向に進化したにもかかわらず知能を備えていたのだ。まさに、人類進化の常識を覆す21世紀最大の人類学上の発見といっても過言ではないだろう。確実に いえることは、人類の進化は脳の増大と知能の発達一直線ではなかったと言う事だ。
科学者たちは、ホモ・フローレシエンシスは、約1万2000年前にフロレス島で起こった大規模な、火山爆発で絶滅したと考えている。しかし、フロレス島 にオランダ人が入植を始めた1500年代以降、「小さな人のような生物」の伝説が幾度となく話題に上がっている。現地の住民は、小さな森の隣人が住んでい たとされる洞窟も特定できると言う。ホモ・フローレシエンシスが、現在まで生き残っている可能性は、否定できないのだ。
更に、インドネシアと言えば、謎の小さな獣人「オラン・ペンデク」の伝説で、現在でも名高いのだ。「オラン・ペンデク(小さな人)」はスマトラ島でたび たび目撃され、「オラン・ウータン(森の人)」と共に現地では、その存在は古くから知られていた。オラン・ウータンが、発見され実在が確認されているのだ から、オラン・ペンデクの存在を疑う理由は無い。
ホモ・フローレシエンシスが、ホモ・エレクトスから進化したとすると、当然フロレス島のみならずスマトラ島や周辺の島々でも同じような進化が起こっていてもおかしくない。
ホモ・フローレシエンシスの生き残りこそ、オラン・ペンデクの正体ではないだろうか。事実、オラン・ペンデクの特徴は、完全な二足歩行で身長が低く、知 能が高いとされていて、「ホモ・フローレシエンシス」の姿そのものである。更に、ホモ・フローレシエンシスは、たった1万2000年前・日本でいえば縄文 時代まで、生息していた事が、ほぼ確実なのだ。インドネシアの広大なジャングルの中に、ひそかに生き残っていたとしても、何の不思議も無い。
今まで、世界中で数多くの獣人の目撃例があるにもかかわらず、その存在が否定されてきたのは、原始的な特徴をもつ人類の祖先が、最近まで生き残っていた 証拠が、まったく無かったからなのだ。あたらしい、証拠が発見された以上、イエティや野人、オラン・ペンデクの存在する可能性は、一気に高まった事にな る。 参考ニュースソース
Yahoo! News Thu, Oct 28, 2004 Science ・ Reuters
Scientists Hope to Find More Tiny Indonesia Hominids
By Michael Perry
Yahoo! News Thu, Oct 28, 2004 Science ・ AFP
Tiny hominid is big news in tale of human evolution
Today’s paper Science
Discovery of miniature humans stuns scientists
By ALANNA MITCHELL
Thursday, October 28, 2004 - Page A3
2006~
偉い博士シリーズ
登場人物
1. 偉い博士
2. 伊藤さん テレポテーション
「伊藤さん、本日は偉大なる実験に参加してくださり感謝いたします。今日あなたは、史上初のテレポテーションの体験者となるのです。」
--いやー緊張してきましたよ。一瞬で、アメリカまでいけるなんて夢みたいです。でも入国審査どうするんすかね?
「そんな、些細なことは気にしない。この実験が成功すれば、あなたは文字通りスーパーヒーローですよ。お姉ちゃんは、言い寄ってくるし、お金もがっぽり稼げます。」
「それでは、そろそろアメリカの実験室と中継をつなげます。いいですか、向こうに着いたらすぐにカメラに向かって元気なことを合図してくださいよ。」
--分かりました。それではお願いします。
「では、転送装置に入って下さい。転送に本来音はしないのですが、スタートレックの転送装置の音をBGMとしてつけたので、ムード満点ですよ。」
「転送実験開始!スコッティー、ビームアップ! ビ・ン」
「アメリカの伊藤さーん、気分はどうですか?」
--たまげたなー、本当に一瞬でアメリカについちまったよ。博士、元気ですよ。痛みも何にも感じず突然風景が変わりました。すごい!
「実験は、大成功です。そのまま、記者会見場に向かってください。」
--おいおい、ちょっと待てよ。つか、俺 まだここにいるじゃん。
「あ 日本の伊藤さん、実験は大成功です。あなたはアメリカに、記憶から分子構造にいたるまで正確に無事転送されました。」
「ただこの装置の問題点は、オリジナルが自動で消去されないと言うことなのです。何せまだ実験段階なので。」
--ちょ ちょっと待ってよ。それじゃ俺が二人できたって事じゃないか?
「心配ご無用!オリジナルには、別の方法で死んで・・いや消滅してもらいます。」
ズドーン・・・
空飛ぶ円盤
--博士、なんか転送実験以来、自分が変わったような気がするんすけどね?
「ドキィ! そ、それは気のせいだよ。何事も初体験では、自分を見失いがちなもんだ。」
--そおっすかね・・ ま、確かに講演会や何やらでがっぽりもうけさせて、もらったので文句は言えませんね。ほんで、博士、転送装置にも勝る世紀の大発明って、何です?
「実は、転送装置でもうけた金で、長年の夢だったある物を完成させる事が出来たのじゃ!」
--何すか?もったいぶらないで早く見せてくださいよ。
「ジャーん、トゥーレタキヨネーター駆動式扁平円盤状飛行装置なのだ・・・」
--す、凄い。また、でっかいもの作りましたね。このハンバーガみたいな物なにっすか?
「平たく言えば、空飛ぶ円盤だ」
--空飛ぶ円盤!あのロズウェルに落っこちた奴ですか・・ でも派手だなー
「実は、ひそかにナチスドイツの円盤の設計図を手に入れていたのだ。資金が無くて実現に手間取ったがな。」
--ナチスドイツの円盤 なんで、ナチスがそんな物持ってんですか?そんな物持ってたら、戦争に勝ったでしょうに?
「実は、ナチスは、ひそかにチャネリングを通して、火星人とコンタクトを取っていたのだ。そして火星人の超テクノロジーを手に入れていた。ロケットにジェットエンジン、核兵器などだ。これらは、火星人に教えられた理論を元に、ドイツで設計されたものなのだ」
「しかーし、空飛ぶ円盤の理論は、あまりに難しすぎたので、火星人の設計をそのまま採用したのじゃ。それが間違いの元だった。円盤の開発には失敗してしまったのであーる」
--火星人の設計どおりに作ったのに、何でだめだったの。
「そこが味噌なんだよ。奴らは、火星の重力が地球の1/3だと言う事を忘れておったのだ。つまり、設計図どおりに出来たのは良いが、飛行能力が足りなかったと言うわけさ。」
--なんか、すんごい事やる割には、抜けてますね。
「すぐに、間違いに気づいて再設計したのだが、試作機が出来る頃には、すでに敗戦間際で、実戦への投入は間に合わなかったのだ。」
--それで、原理は何ですか?どうやって飛ぶんです?
「ナチスの円盤には基本的に、理論が良く知られているコアンダー効果を利用した物と火星人のテクノロジーを利用したものの2種類有ったのだが、これは、火星人のテクノロジーであるトゥーレタキヨネーターと言う駆動方式を採用したものだ。」
--でも、博士。いったいどうやってそんな設計図手に入れたんですか?
「ふっふっふっ・・前にも言っただろ。私は、謎の秘密組織のミスターMから情報提供を受けているのだ・・・! これ以上詳しい事を話す事は出来ん」
「ところで、今日、伊藤さんを呼んだのは、ほかでも無い。この空飛ぶ円盤 ハウニブーマークⅡのテストパイロットになってほしいのだ。」
--テストパイロット?転送実験の時は、ただじっとしてるだけで良かったけど、こんなもん運転できるんすかね。普通免許しか持ってませんよ。しかもオートマ限定。
「大丈夫、操縦はいたって簡単。まったく自動車と同じだ。右がアクセルで左がブレーキ、ウインカーにワイパーの位置も同じだ。あとは、設定高度をこのダイヤルであわせて、ハンドル操作をするだけだ。簡単だろ?」
--確かに。何もここまで車に似せる必要もないと思うが
「それでは、早速初飛行の準備だ」
--博士、準備完了。このダイヤルで設定高度をあわせれば良いんですね。高度20mにセットします。・・・おおーすげー本当に浮いたよ。博士、スムーズに浮き上がりました
--飛行開始します。
「伊藤さん、乗り心地はどうだね。」
--博士、音も静かで乗り心地は良いですよ。でも、なーんか円盤の割には高度が一定だと、動きが平面的じゃないっすかー。テレビの戦闘機みたいにバーンと飛び上がって、ババババーンと出来ないんすかね!
「やっぱ、そうか。次回は、ダイヤルじゃなくてレバーで高度を操作できるようにしておくよ」
--博士、断崖絶壁がこの先にあります。いよいよ大空に飛び出します。
「ちょっと待ちたまえ。その設定高度は地面からの物だ。地面の高さが変わると当然それにあわせるぞ」
--うあー博士、円盤が落っこちるよー
「遅かった。こちら博士、伊藤さん応答願います・・・・ヤバイ、どうやら気絶したようだな。リモコンで回収じゃ」
火星探検
--博士、先に言ってくださいよ。まったく、死ぬかと思いましたよ。
「いや、すまん。今度は、レバーで自由に高度が操作できるように改造してある。もう地面の高さが変わっても大丈夫だ。」
「そこで、だ!伊藤さんには、いよいよ世紀の大冒険に旅立ってもらう!」
--今度は、世紀の大冒険すか。ほんで持って、どこ行きゃ良いんです?
「伊藤さんには、火星へと旅立ってもらう。人類初の火星探検だ。このハウニブーマークⅡの威力を持ってすれば、火星に3日で到達できる。」
--すげー火星飛行か。英雄になれるな。でも博士、どうやって火星まで行くんです。火星に行く道なんて知りませんよ。
「そこだよ伊藤さん。私も天文学は専門外なので、そこが苦労したところなのだ。しかーし、名案を思いついた。二日後にNASAの火星探査機マースエクスプローラー22号が打ち上げられるのだ。それを追っかけていけば、迷う事無く火星まで到達できると言うわけだ。」
--さすが博士、名案ですね。NASAなら間違い無いですね。でも見失ったりしないですかね。宇宙で迷子はいやですよ。
「だいじょーぶ、視界が良くなるように今度は、サンルーフを取り付けてある。それにレーダーによる自動追尾も完備だ。この四角い枠にターゲットを補足したらロックして、あとは、このダイヤルで追跡距離をあわせるだけだ。」
--又、ダイヤルっすか。ダイヤル好きですね。しかも、前の高度のダイヤルに追跡距離と書いたテプラ貼っただけじゃん。
二日後:
--博士、発進準備完了!マースエクスプローラ22号のカウントが始まりました。
3・2・1・ゼロ 発進!
「こちら博士、こちら博士、伊藤君、応答願います。」
--(いつの間にか君付けかよ)はい、こちら、軌道上の伊藤です。マースエクスプローラー22号を、目視で追跡中。まもなくターゲットボックスに捉えてロックします。
「了解」
--こちら伊藤、ターゲットをロック完了です。でも博士、なんかやけに遅いですよ。だいじょうぶなんすかね。
「大丈夫!ニュースによると、マースエクスプローラーは、火星への軌道に無事乗り、順調に飛行を開始したそうだ。1年2ヵ月後には、火星到達だ。」
--なにー!!博士、3日で火星に行けるって行ったじゃいないですか・・
「それは、ハウニブーマークⅡの最高速度での事だ。ナビがついとらん以上、探査機に付いていくしかあるまい。」
「食料その他必要なものはトランクに入れてある。暇つぶしになるようダッシュボードに本も入れてある。それからビールは、座席の下だ。それでは、無事火星に到達したら又連絡してくれたまえ。」
--博士、博士・・・
1年2ヶ月後:
--博士、博士、起きてくださいよ。
「だ、誰だー」
--誰だじゃ無いですよ、忘れちゃたんですか、伊藤ですよ。
「おお、伊藤君か。すっかり忘れておった。無事火星に着いたかね。」
--いま、火星軌道上です。探査機二つに別れて、片割れは火星に降りていきましたよ。どうします?
「しまった、何処に着陸したかわかるかね」
--あんな、ちっちゃな物、何処に行ったかなんて判りませんよ。
「仕方ない。それでは、着陸目標を教えよう。シドニア地域に着陸するのだ。」
--あの人面岩があるとこですね。ほんで、どうやって探せば良いんです。
「そうだな、火星の地図を渡すのを忘れていた。今から送るからメールアドレスを教えてくれ。」
--了解
--あのー博士、添付文書のダウンロードに、めちゃくちゃ時間がかかってるんですけど。
「そりゃ、仕方ないだろ。何しろ惑星間通信なんだから。もうちょっと我慢しなさい。」
--博士。赤いマークが付いた所ですね。今から降下を開始します。
「どうだね、人面岩は見えるかね」
--はい見えます。でも人面岩と言うより、なんか猫系の顔ですね。ところで、博士、着陸の仕方聞いてなかったんですけどね。
「そうだ確かに前回は気絶したまま着陸したのだったな。着陸は、簡単だ適当に地面が近づいた所で、ハザードの横にある着陸と書いてあるボタンを押せば、着陸脚が出てくる。そのまま高度を落とせば、着陸OK」
--簡単ですね。それじゃ、人面岩の横に着陸します。ガターン!着陸完了。こちらシドニア基地、博士応答願います。
「伊藤君、着陸おめでとう。世紀の瞬間だ。何か、歴史に残る名言を考えているかね。」
--歴史に残る名言ですか?あのアームストロングやガガーリンが言ったやつですね。・・えー、こちらハウニブーマークⅡ、火星は赤かった!繰り返す火星は赤かった!
「もういい、それより、まわりはどうだね。何か人工物らしいものは見えるかね。」
--ハイ博士、すぐ近くになんか機械の塊がありますね。
「なにー、すぐに写真を撮って送るのだ!」
--了解、さっきのメールに返信すれば良いですね。
「うおー!こ、これは、マースエクスプローラー22号着陸船とかいてあるではないか!」
--ほんと、奇遇だな。おんなじところに着陸したんですね。
「待てよ、NASAが、ここに着陸したと言う事は、やはり、ここには何かが隠されていると言う事だ。」
--博士、それでは早速探査を開始します。宇宙服は何処ですか?
「それが、伊藤君。ロシアから中古の宇宙服を買う予定だったのだが、税関で引っかかって、間に合わなかったのだよ。」
--ここまで来て、外に出られないんすか。どうやって探査すれば良いんです?
「双眼鏡を積んである。それで周りを観察してくれたまえ。」
--博士、伊藤です、マースエクスプローラーの着陸船から、なんかローバーのようなものが出てきて、こちらに向かってます。
「何、NASAに見つかったかな、大騒ぎになるかもしれないぞ」
--大変です。ローバーからドリルが出てきて、ハウニブーに穴を開け始めました。
「それはいかん、緊急離陸だ」
--了解、緊急離陸を開始します。ガシャーン ウィーン! 危なかった。もう少しで穴あけられるところだよ。博士、そろそろ帰っても良いですか?帰りは、どうやって帰るんですか?
「えーあなたのおかけになった電話番号はただいま使われておりません。シーン」
--博士、博士、博士・・・
一週間後:
「喜びたまえ伊藤君。ついに帰る方法が見つかったよ」
--ビ、ビックリした。もう帰れないのかと心配してましたよ。ひどいじゃ無いですか博士、かえる方法も考えないで乗せるなんて。
「イヤーすまん。でももう大丈夫。双眼鏡でオリオン座の方向を見てくれ。三ツ星の近くに、彗星が見えるはずだ。」
--彗星ですね。あーありました。肉眼でも見えます。
「今日の新聞によるとその彗星は、関谷池彗星と行って。地球に接近するそうだ。その彗星にくっついてくれば、無事地球に帰れる。」
--また、追っかけるんですか。なんか原始的だな。
三ヵ月後:
--博士、地球が見えてきました。手動操縦に切り替えて、地球に向かいます。
「了解、大気圏に突入するときには、ゆっくりやるんだぞ。耐熱仕様には出来ていないから。」
--博士、今、日本上空にいるんですが。上から見ても住所書いて無いし、何処が研究所かよくわからないですね。カーナビぐらいつけてくださいよ。
「確かにわかりにくいかもな。ネットでグーグルマップを開いて、研究所付近の衛星写真と比較しながら降りてきなさい。」
--了解、名案ですね。さすが博士、頭良い!
地球で:
--博士、学研ムーに我々の記事が出てますよ。「NASAの火星探査機、打ち上げ直後から謎のUFOに付きまとわれる!」「UFOは着陸船を追ってすぐ横に着陸」「NASAはローバーを、調査に向かわせるが、サンプルを採取しようとしたところ、突然通信を断った」
ヤバイ、博士、離陸の時にローバー壊しちゃった見たいですね。NASAが知ったら怒るだろうな。
「確かにそうだな、何億円もする探査機だからな。今回は火星探査の事は、秘密にしておこう。」
1. 偉い博士
2. 伊藤さん テレポテーション
「伊藤さん、本日は偉大なる実験に参加してくださり感謝いたします。今日あなたは、史上初のテレポテーションの体験者となるのです。」
--いやー緊張してきましたよ。一瞬で、アメリカまでいけるなんて夢みたいです。でも入国審査どうするんすかね?
「そんな、些細なことは気にしない。この実験が成功すれば、あなたは文字通りスーパーヒーローですよ。お姉ちゃんは、言い寄ってくるし、お金もがっぽり稼げます。」
「それでは、そろそろアメリカの実験室と中継をつなげます。いいですか、向こうに着いたらすぐにカメラに向かって元気なことを合図してくださいよ。」
--分かりました。それではお願いします。
「では、転送装置に入って下さい。転送に本来音はしないのですが、スタートレックの転送装置の音をBGMとしてつけたので、ムード満点ですよ。」
「転送実験開始!スコッティー、ビームアップ! ビ・ン」
「アメリカの伊藤さーん、気分はどうですか?」
--たまげたなー、本当に一瞬でアメリカについちまったよ。博士、元気ですよ。痛みも何にも感じず突然風景が変わりました。すごい!
「実験は、大成功です。そのまま、記者会見場に向かってください。」
--おいおい、ちょっと待てよ。つか、俺 まだここにいるじゃん。
「あ 日本の伊藤さん、実験は大成功です。あなたはアメリカに、記憶から分子構造にいたるまで正確に無事転送されました。」
「ただこの装置の問題点は、オリジナルが自動で消去されないと言うことなのです。何せまだ実験段階なので。」
--ちょ ちょっと待ってよ。それじゃ俺が二人できたって事じゃないか?
「心配ご無用!オリジナルには、別の方法で死んで・・いや消滅してもらいます。」
ズドーン・・・
空飛ぶ円盤
--博士、なんか転送実験以来、自分が変わったような気がするんすけどね?
「ドキィ! そ、それは気のせいだよ。何事も初体験では、自分を見失いがちなもんだ。」
--そおっすかね・・ ま、確かに講演会や何やらでがっぽりもうけさせて、もらったので文句は言えませんね。ほんで、博士、転送装置にも勝る世紀の大発明って、何です?
「実は、転送装置でもうけた金で、長年の夢だったある物を完成させる事が出来たのじゃ!」
--何すか?もったいぶらないで早く見せてくださいよ。
「ジャーん、トゥーレタキヨネーター駆動式扁平円盤状飛行装置なのだ・・・」
--す、凄い。また、でっかいもの作りましたね。このハンバーガみたいな物なにっすか?
「平たく言えば、空飛ぶ円盤だ」
--空飛ぶ円盤!あのロズウェルに落っこちた奴ですか・・ でも派手だなー
「実は、ひそかにナチスドイツの円盤の設計図を手に入れていたのだ。資金が無くて実現に手間取ったがな。」
--ナチスドイツの円盤 なんで、ナチスがそんな物持ってんですか?そんな物持ってたら、戦争に勝ったでしょうに?
「実は、ナチスは、ひそかにチャネリングを通して、火星人とコンタクトを取っていたのだ。そして火星人の超テクノロジーを手に入れていた。ロケットにジェットエンジン、核兵器などだ。これらは、火星人に教えられた理論を元に、ドイツで設計されたものなのだ」
「しかーし、空飛ぶ円盤の理論は、あまりに難しすぎたので、火星人の設計をそのまま採用したのじゃ。それが間違いの元だった。円盤の開発には失敗してしまったのであーる」
--火星人の設計どおりに作ったのに、何でだめだったの。
「そこが味噌なんだよ。奴らは、火星の重力が地球の1/3だと言う事を忘れておったのだ。つまり、設計図どおりに出来たのは良いが、飛行能力が足りなかったと言うわけさ。」
--なんか、すんごい事やる割には、抜けてますね。
「すぐに、間違いに気づいて再設計したのだが、試作機が出来る頃には、すでに敗戦間際で、実戦への投入は間に合わなかったのだ。」
--それで、原理は何ですか?どうやって飛ぶんです?
「ナチスの円盤には基本的に、理論が良く知られているコアンダー効果を利用した物と火星人のテクノロジーを利用したものの2種類有ったのだが、これは、火星人のテクノロジーであるトゥーレタキヨネーターと言う駆動方式を採用したものだ。」
--でも、博士。いったいどうやってそんな設計図手に入れたんですか?
「ふっふっふっ・・前にも言っただろ。私は、謎の秘密組織のミスターMから情報提供を受けているのだ・・・! これ以上詳しい事を話す事は出来ん」
「ところで、今日、伊藤さんを呼んだのは、ほかでも無い。この空飛ぶ円盤 ハウニブーマークⅡのテストパイロットになってほしいのだ。」
--テストパイロット?転送実験の時は、ただじっとしてるだけで良かったけど、こんなもん運転できるんすかね。普通免許しか持ってませんよ。しかもオートマ限定。
「大丈夫、操縦はいたって簡単。まったく自動車と同じだ。右がアクセルで左がブレーキ、ウインカーにワイパーの位置も同じだ。あとは、設定高度をこのダイヤルであわせて、ハンドル操作をするだけだ。簡単だろ?」
--確かに。何もここまで車に似せる必要もないと思うが
「それでは、早速初飛行の準備だ」
--博士、準備完了。このダイヤルで設定高度をあわせれば良いんですね。高度20mにセットします。・・・おおーすげー本当に浮いたよ。博士、スムーズに浮き上がりました
--飛行開始します。
「伊藤さん、乗り心地はどうだね。」
--博士、音も静かで乗り心地は良いですよ。でも、なーんか円盤の割には高度が一定だと、動きが平面的じゃないっすかー。テレビの戦闘機みたいにバーンと飛び上がって、ババババーンと出来ないんすかね!
「やっぱ、そうか。次回は、ダイヤルじゃなくてレバーで高度を操作できるようにしておくよ」
--博士、断崖絶壁がこの先にあります。いよいよ大空に飛び出します。
「ちょっと待ちたまえ。その設定高度は地面からの物だ。地面の高さが変わると当然それにあわせるぞ」
--うあー博士、円盤が落っこちるよー
「遅かった。こちら博士、伊藤さん応答願います・・・・ヤバイ、どうやら気絶したようだな。リモコンで回収じゃ」
火星探検
--博士、先に言ってくださいよ。まったく、死ぬかと思いましたよ。
「いや、すまん。今度は、レバーで自由に高度が操作できるように改造してある。もう地面の高さが変わっても大丈夫だ。」
「そこで、だ!伊藤さんには、いよいよ世紀の大冒険に旅立ってもらう!」
--今度は、世紀の大冒険すか。ほんで持って、どこ行きゃ良いんです?
「伊藤さんには、火星へと旅立ってもらう。人類初の火星探検だ。このハウニブーマークⅡの威力を持ってすれば、火星に3日で到達できる。」
--すげー火星飛行か。英雄になれるな。でも博士、どうやって火星まで行くんです。火星に行く道なんて知りませんよ。
「そこだよ伊藤さん。私も天文学は専門外なので、そこが苦労したところなのだ。しかーし、名案を思いついた。二日後にNASAの火星探査機マースエクスプローラー22号が打ち上げられるのだ。それを追っかけていけば、迷う事無く火星まで到達できると言うわけだ。」
--さすが博士、名案ですね。NASAなら間違い無いですね。でも見失ったりしないですかね。宇宙で迷子はいやですよ。
「だいじょーぶ、視界が良くなるように今度は、サンルーフを取り付けてある。それにレーダーによる自動追尾も完備だ。この四角い枠にターゲットを補足したらロックして、あとは、このダイヤルで追跡距離をあわせるだけだ。」
--又、ダイヤルっすか。ダイヤル好きですね。しかも、前の高度のダイヤルに追跡距離と書いたテプラ貼っただけじゃん。
二日後:
--博士、発進準備完了!マースエクスプローラ22号のカウントが始まりました。
3・2・1・ゼロ 発進!
「こちら博士、こちら博士、伊藤君、応答願います。」
--(いつの間にか君付けかよ)はい、こちら、軌道上の伊藤です。マースエクスプローラー22号を、目視で追跡中。まもなくターゲットボックスに捉えてロックします。
「了解」
--こちら伊藤、ターゲットをロック完了です。でも博士、なんかやけに遅いですよ。だいじょうぶなんすかね。
「大丈夫!ニュースによると、マースエクスプローラーは、火星への軌道に無事乗り、順調に飛行を開始したそうだ。1年2ヵ月後には、火星到達だ。」
--なにー!!博士、3日で火星に行けるって行ったじゃいないですか・・
「それは、ハウニブーマークⅡの最高速度での事だ。ナビがついとらん以上、探査機に付いていくしかあるまい。」
「食料その他必要なものはトランクに入れてある。暇つぶしになるようダッシュボードに本も入れてある。それからビールは、座席の下だ。それでは、無事火星に到達したら又連絡してくれたまえ。」
--博士、博士・・・
1年2ヶ月後:
--博士、博士、起きてくださいよ。
「だ、誰だー」
--誰だじゃ無いですよ、忘れちゃたんですか、伊藤ですよ。
「おお、伊藤君か。すっかり忘れておった。無事火星に着いたかね。」
--いま、火星軌道上です。探査機二つに別れて、片割れは火星に降りていきましたよ。どうします?
「しまった、何処に着陸したかわかるかね」
--あんな、ちっちゃな物、何処に行ったかなんて判りませんよ。
「仕方ない。それでは、着陸目標を教えよう。シドニア地域に着陸するのだ。」
--あの人面岩があるとこですね。ほんで、どうやって探せば良いんです。
「そうだな、火星の地図を渡すのを忘れていた。今から送るからメールアドレスを教えてくれ。」
--了解
--あのー博士、添付文書のダウンロードに、めちゃくちゃ時間がかかってるんですけど。
「そりゃ、仕方ないだろ。何しろ惑星間通信なんだから。もうちょっと我慢しなさい。」
--博士。赤いマークが付いた所ですね。今から降下を開始します。
「どうだね、人面岩は見えるかね」
--はい見えます。でも人面岩と言うより、なんか猫系の顔ですね。ところで、博士、着陸の仕方聞いてなかったんですけどね。
「そうだ確かに前回は気絶したまま着陸したのだったな。着陸は、簡単だ適当に地面が近づいた所で、ハザードの横にある着陸と書いてあるボタンを押せば、着陸脚が出てくる。そのまま高度を落とせば、着陸OK」
--簡単ですね。それじゃ、人面岩の横に着陸します。ガターン!着陸完了。こちらシドニア基地、博士応答願います。
「伊藤君、着陸おめでとう。世紀の瞬間だ。何か、歴史に残る名言を考えているかね。」
--歴史に残る名言ですか?あのアームストロングやガガーリンが言ったやつですね。・・えー、こちらハウニブーマークⅡ、火星は赤かった!繰り返す火星は赤かった!
「もういい、それより、まわりはどうだね。何か人工物らしいものは見えるかね。」
--ハイ博士、すぐ近くになんか機械の塊がありますね。
「なにー、すぐに写真を撮って送るのだ!」
--了解、さっきのメールに返信すれば良いですね。
「うおー!こ、これは、マースエクスプローラー22号着陸船とかいてあるではないか!」
--ほんと、奇遇だな。おんなじところに着陸したんですね。
「待てよ、NASAが、ここに着陸したと言う事は、やはり、ここには何かが隠されていると言う事だ。」
--博士、それでは早速探査を開始します。宇宙服は何処ですか?
「それが、伊藤君。ロシアから中古の宇宙服を買う予定だったのだが、税関で引っかかって、間に合わなかったのだよ。」
--ここまで来て、外に出られないんすか。どうやって探査すれば良いんです?
「双眼鏡を積んである。それで周りを観察してくれたまえ。」
--博士、伊藤です、マースエクスプローラーの着陸船から、なんかローバーのようなものが出てきて、こちらに向かってます。
「何、NASAに見つかったかな、大騒ぎになるかもしれないぞ」
--大変です。ローバーからドリルが出てきて、ハウニブーに穴を開け始めました。
「それはいかん、緊急離陸だ」
--了解、緊急離陸を開始します。ガシャーン ウィーン! 危なかった。もう少しで穴あけられるところだよ。博士、そろそろ帰っても良いですか?帰りは、どうやって帰るんですか?
「えーあなたのおかけになった電話番号はただいま使われておりません。シーン」
--博士、博士、博士・・・
一週間後:
「喜びたまえ伊藤君。ついに帰る方法が見つかったよ」
--ビ、ビックリした。もう帰れないのかと心配してましたよ。ひどいじゃ無いですか博士、かえる方法も考えないで乗せるなんて。
「イヤーすまん。でももう大丈夫。双眼鏡でオリオン座の方向を見てくれ。三ツ星の近くに、彗星が見えるはずだ。」
--彗星ですね。あーありました。肉眼でも見えます。
「今日の新聞によるとその彗星は、関谷池彗星と行って。地球に接近するそうだ。その彗星にくっついてくれば、無事地球に帰れる。」
--また、追っかけるんですか。なんか原始的だな。
三ヵ月後:
--博士、地球が見えてきました。手動操縦に切り替えて、地球に向かいます。
「了解、大気圏に突入するときには、ゆっくりやるんだぞ。耐熱仕様には出来ていないから。」
--博士、今、日本上空にいるんですが。上から見ても住所書いて無いし、何処が研究所かよくわからないですね。カーナビぐらいつけてくださいよ。
「確かにわかりにくいかもな。ネットでグーグルマップを開いて、研究所付近の衛星写真と比較しながら降りてきなさい。」
--了解、名案ですね。さすが博士、頭良い!
地球で:
--博士、学研ムーに我々の記事が出てますよ。「NASAの火星探査機、打ち上げ直後から謎のUFOに付きまとわれる!」「UFOは着陸船を追ってすぐ横に着陸」「NASAはローバーを、調査に向かわせるが、サンプルを採取しようとしたところ、突然通信を断った」
ヤバイ、博士、離陸の時にローバー壊しちゃった見たいですね。NASAが知ったら怒るだろうな。
「確かにそうだな、何億円もする探査機だからな。今回は火星探査の事は、秘密にしておこう。」
ポリネシアの猿石
まずは、二枚の写真を見比べてほしい。二枚とも同じモチーフの石像である事は一目で分かるだろう。しかし、一方は、日本の物で、もう一方は、日本から遥かに離れた場所で発見された物である。
顔の表情、全体の形、手の位置等、まるで瓜二つ石像の内、No.2は、高取城跡の猿石のレプリカである。一方、No.1の写真は、米国ワシントンDCの スミソニアン博物館に展示されているものである。説明書きによると、これは、イースター島のTikiで、モアイとは全く風貌の異なる異形の物とされてい る。
Tikiとはポリネシアに広く見られる神様の事で、ハワイでもお土産として売られているので見た事のある方も多いはずだ。現在、最も古いTikiとされている物は、マルケサス諸島に見られる。イースター島のモアイもマルケサス諸島のTikiが原型だと考えられている。
一方、猿石とは、奈良県明日香村周辺にある有名な謎の石像である。従来から、明日香の文化には、大陸の影響とは別に、太平洋ポリネシアの影響もあるのではないかと言う説があるが、この二つの石像の類似は、この可能性を強く裏付ける証拠といえるだろう。
ここまで似ていると、とても偶然とは思えない。飛鳥には、他にも猿石があるが、それらも、ポリネシアのTiki、それも特に古い物に酷似している。
高取町の光永時には「人頭石」と呼ばれる石像が置かれているが、この人頭はどう見ても日本人離れしている。突き出したあごを持つ面長の顔に長い耳、モアイの横顔とそっくりなのだ。
これらの事を考えると、古代日本とポリネシアの島々には、何らかのつながりがあった可能性がある。
顔の表情、全体の形、手の位置等、まるで瓜二つ石像の内、No.2は、高取城跡の猿石のレプリカである。一方、No.1の写真は、米国ワシントンDCの スミソニアン博物館に展示されているものである。説明書きによると、これは、イースター島のTikiで、モアイとは全く風貌の異なる異形の物とされてい る。
Tikiとはポリネシアに広く見られる神様の事で、ハワイでもお土産として売られているので見た事のある方も多いはずだ。現在、最も古いTikiとされている物は、マルケサス諸島に見られる。イースター島のモアイもマルケサス諸島のTikiが原型だと考えられている。
一方、猿石とは、奈良県明日香村周辺にある有名な謎の石像である。従来から、明日香の文化には、大陸の影響とは別に、太平洋ポリネシアの影響もあるのではないかと言う説があるが、この二つの石像の類似は、この可能性を強く裏付ける証拠といえるだろう。
ここまで似ていると、とても偶然とは思えない。飛鳥には、他にも猿石があるが、それらも、ポリネシアのTiki、それも特に古い物に酷似している。
高取町の光永時には「人頭石」と呼ばれる石像が置かれているが、この人頭はどう見ても日本人離れしている。突き出したあごを持つ面長の顔に長い耳、モアイの横顔とそっくりなのだ。
これらの事を考えると、古代日本とポリネシアの島々には、何らかのつながりがあった可能性がある。