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五大文明

四大文明

 四大文明と言えば、エジプト、メソポタミア、インダス、黄河の四つの地域を代表する世界最初の文明のことである。 明確には覚えていなくとも、ほとんど の読者は聞き覚えがあるだろう。 この中で、黄河文明だけは他の三大文明と異なり少し時代が新しいが、世界最初の文明として、誰でもが学校で習う四大文明 とは上記の4地域を示す。
 しかし、最近では上記の四大文明は、もう成り立たなくなってきている。 中国では長江流域に黄河文明より古い時代から文明が栄えていた事が明らかになってきたからだ。
 三星堆遺跡に代表される長江流域の文明は、エジプト、メソポタミアなどと同じく、今から5000年近く前に遡れる文明である事が明らかになっている。  この意味では、黄河文明が四大文明という言い方は間違っていると言える。 正しくは、長江文明が本当の意味での四大文明の一つと言えるだろう。
 研究者によっては、黄河文明と長江文明を一まとめに考えているようだが、この二つの文明は明らかに異なる文明に属している。 写真は、長江文明を世界に 知らしめるきっかけとなった、三星堆遺跡出土の青銅製の仮面である。 今まで知られていた、どんな文明の物とも、様式が異なる事は明らかに見て取れる。  やはり長江文明として区別する方が正しいと言えるだろう。
 さて、四大文明の黄河文明が長江文明に変わったところで一件落着かと言うと、そうは問屋がおろさない。 なぜなら、これら従来からの四大文明と同時期に栄えたと思われる別の文明の存在が確実になったからである。
 その文明は、南米ペルーのカラルと呼ばれる地域で発見された。 2001年、アメリカとペルーの合同調査団により、カラルの遺跡は、4600年も前の古代都市遺跡である事が確認されたのだ。
 カラル遺跡は、アンデスの乾燥した山の斜面に広がっていて、1905年に発見されていた。
 中央ペルーに位置する太平洋岸からアンデスの斜面にかけては、18の遺跡群が確認されており、カラルはその中の一つにあたる。 遺跡には、6基のピラ ミッドを含むマウント群や優れた灌漑施設を持つアパートのようなビル群が含まれている。 従来、この遺跡はその先進的な都市様式から紀元前1500年頃の ものと考えられて来た。
 しかし、2001年に合同調査団がこの遺跡で発見された植物の炭素年代測定を行ったところ、最大紀元前2627年頃の物である事が判明した。 紀元前約 2600年、今から約4600年前と言えば、エジプトに統一国家が誕生し、ピラミッドが作られ始めた頃の遺跡だったのである。  つまり、カラル遺跡は間違いなく世界最古の文明の一つだったのだ。 カラル遺跡を除け者にして四大文明と言う訳には行かないだろう。 カラルあるいはペ ルー文明を含めて五大文明が世界で同時多発的に起こったのである。 はたして単なる偶然の一致だろうか? それともシンクロニシティーとして知られる現象 なのだろうか?
 もっとも考えられやすいことは、これらの文明の基となった趙古代文明の存在である。
 事実、これらの文明に先立つ超古代文明の痕跡が次第に明らかになりつつある。 つい先日も、インド・ムンバイ沖の海底から発見された遺跡が、9500年 前のものであると言う発表がなされたばかりである。 しかし、超古代文明の存在は未だアカデミズムに広く認められるにはいたっていない。 これからも趙古 代文明の存在する可能性を追及していくつもりだが、とりあえず今回は、四大文明改め五大文明とする事を提唱したい。

エジプト文明

 今週は前回の流れを受け、五大文明の中からエジプトに残された先行文明の痕跡を検証していきます。エジプトについては、末 芳樹さんが、黄トンボコラムで深く掘り下げているため、ここでは初心者向きに、素朴な謎と疑問を提示したい。
 興味がわけば、末 芳樹さんのコラムで更なる謎解きに挑戦できるはずです。
 さて、エジプトと言えば誰でもが、まず思い浮かべるのはピラミッドである。古代ギリシャの哲学者フィロンは、世界七不思議の第一番目にエジプトのピラミッドをあげている。
 現在ギザの三大ピラミッドは、約4500年ほど前に古王国第4王朝のファラオ、クフ王、カフラー王、メンカフラー王によって建造されたとされている。し かし人類最大級の建造物を、なぜ人類最初の文明が作り得たのか。特にギザの三大ピラミッドを作ったとされる第4王朝時代は、エジプトに都市文明が芽生え て、たかだか500~600年後のことである。又、ギリシャ時代より、エジプトは古代からの英知を集めた文化・文明の殿堂であった。なぜ人類最初の文明に ギリシャ人も驚くほどの英知が蓄積されていたのか。
 現世人類である現代型ホモサピエンスが地上に現れたのは、おそらく15万年以上前のことである。つまり現代人と同じ能力を潜在的に備えた人々が地上に現 れ、都市文明を発達させるまでに15万年以上かかったことになる。15万年の歳月をかけて誕生した最初の文明が、いきなり500年で人類最大の建造物を建 てたことになる。しかもそれ以後4500年あまり、数多くの文明が栄えたにもかかわらずギザの三大ピラミッドを上回る規模の建造物は建てられていない。テ クノロジーが発達し、様々な建設機械が使われるようになった20世紀後半になって、初めてピラミッドに匹敵する規模の建造物が建てられるようになった。
 フィロンの世界七不思議の中でピラミッドだけが群を抜いて古いものにもかかわらず、現在残っているものはピラミッドだけだという事実から考えても、ピラ ミッドがいかに高い技術で建造されたかがわかる。文明の進歩を語る上でエジプトの遺跡は明らかに一般常識からかけ離れているように思われる。エジプトに先 立つ文明の存在を考えなければこの矛盾を解決することは困難であるとは思わないだろうか。
 ギザの三大ピラミッドは、その前後に建造されたピラミッドと比べ技術力や規模において群を抜いている。以前に建造された物より優れている事は、あたりまえだが、それ以後に建造されたものよりはるかに優れているのである。技術の衰退が起こる原因は、いくつか考えられる。
 ピラミッド建造事体があまり行われなくなったために技術が衰退した場合や、ギザの三大ピラミッドで一度ピラミッド建造が行われなくなり。 以後に建造さ れたピラミッドは時間的に大きなブランクがある場合である。しかしエジプトの場合はどちらも当てはまらない。ピラミッドはずっと連続して建造され続け、建 造数のピークを迎えるのはギザのピラミッドより後のことである。
 そう考えると、ギザの三大ピラミッドを建造した者は他のピラミッドを建造したエジプト人とは、異なる人々であった可能性があるのではないだろうか。高度 な技術を備えた何者かが、ギザの大地に大ピラミッドを築きエジプト人に土木工事の技術を伝えたと考えれば、すっきりする。
 クフ王の父とされるスネフェル王は、ピラミッドを少なくとも三基建造している。傾斜角度の浅い赤いピラミッド、崩れピラミッド、そして傾斜角度の変化し た屈折ピラミッドである。エジプト学者によると、スネフェル王が様々なピラミッドを試行錯誤した挙句に、ついにクフ王の世代で真に調和の取れたピラミッド を完成させるに至ったとされている。しかし、明確な目標もなしに、巨大なピラミッドを3基も建造する事があるだろうか。
 スネフェル王はむしろギザのピラミッドと言う完成された手本が存在したがために、無駄な努力を三回も繰り返したと考えるほうが理にかなっている。何し ろ、クフ王のピラミッドとされている物が、クフ王によって建造されたとされる証拠は、内部に残された落書きに、間違った書式ながらもクフ王と読める王名が 出てくると言う事だけなのだ。ギザのピラミッドがスネフェル王以前に作られていた事を否定できる明確な証拠は何もないといってよい。
 又、グラハム・ハンコックがその著書「神々の指紋」で指摘しているように、ギザ大地の大スフィンクスには激しい降雨による浸食の跡が見られる。この事 は、スフィンクスがピラミッドの建造される遥か以前から存在した事を物語っている。やはり現在知られているエジプト文明とは異なる先行文明が存在したと考 えるほうが正解だろう。 

メソポタミア文明

メソポタミアに最初の都市国家を築いたのは、シュメール人である。おおよそ紀元前3500年から3000年頃の間とされている。エジプトよりも若干古いと され、シュメール人は世界最初の文明人と言う栄誉を与えられている。又、シュメール人は楔形文字を始めて使った人々でもある。楔形文字は、ちょうど現在の 漢字やアルファベットのように古代メソポタミアの様々な異なる文明の間で以後2000年以上もの長い期間使用されることになる。
 メソポタミアの文明解明の歴史は、文字の解明の歴史そのものである。文字の解明が進むにつれメソポタミアの歴史は、どんどん古くなり、遂にシュメール文明にまで達した。
 楔形文字は、古代世界で広く長く使われた事からも明らかなように、世界最初の文字とは考えられないほど洗練された文字である。楔形文字は、ちょうど現在 の日本語のように表音文字と表意文字の組み合わせで使われたり、アルファベットのように純然たる表音文字として使われたりと、異なる文明間で様々な使われ 方をした。
 古代世界で使用された文字は、すべて絵文字あるいは絵文字から発展した文字である。
 エジプトのヒエログリフ、インダス文字やマヤ文字、漢字といずれも、明らかに絵文字がルーツである事は疑う余地がない。ところが楔形文字だけは、どう見ても純然たる楔記号の組み合わせで成り立っている。この事は、文字の歴史を考える上で異常と言う他ないだろう。
 もちろん学者もそう考えた。そして学者が下した結論は、楔形文字も絵文字がルーツであるに違いないと言う事だ。こうして、楔形文字のルーツにあたる絵文字探しが始まった。
 その結果、シュメール人の残した絵文字と思われる記号と楔形文字が無理やり結び付けられる事になる。そして現在では楔形文字も、やはり他の文字同様に絵文字がルーツであったとされている。
 下図に示したものが、楔形文字が絵文字から発展した過程だという。上段が魚で下段が牛である。はたして読者の皆さんには、この関連性が理解できるだろう か。私には、こじ付け以外の何者でもないように思われる。たとえ、楔の配列が絵文字をルーツにしていたとしても、シュメール人は何故、単純な楔の配列で意 味を持つ文字とするアイデアを思いついたのだろうか。
 単純な、記号の組み合わせで複雑な意味を表すというのは、まさにコンピューター時代の現在に通じる発想だ。楔形文字のデジタル的な発想は、元来アナログ 的な人間が突然考え付く物ではない。人間が機械を使用するようになって、初めて出てくる発想だ。なぜなら単純な機械に複雑な処理をさせるためには、複雑な 事を単純な記号や作業に置き換える以外に方法が無いからだ。
 たとえば、コンピューターではすべての情報は最終的には、0と1の組み合わせの2進数で処理される。ここまで極端ではないにしても、モールス信号なども、情報を電波に乗せて送り出すために考えられた、単純な作業の複雑な組み合わせの典型的な例である。
 こう考えると、シュメール人が突然楔形文字を発明したと考える事には無理があるだろう。やはり、先行する他の文明からアイデアを受けついだに違いない。 そしてその先行文明とは、複雑な情報を単純な記号の組み合わせに置き換えなくてはいけないほどの、高度な機械文明を発達させていた可能性があるのだ。 

インダス文明

インダス文明は、インドのインダス川流域に紀元前2600年頃に起こった文明である。インダス文明の中心地は、インダス川下流域のモヘンジョ・ダロとパン ジャーブ地方のハラッパーであった。これらの都市の面白い点は、街の中心に神殿や王宮がないということである。古代においては、町は神殿や王宮を中心に広 がっているのが常だが、インダス文明においては、町の中心地に大きなプールがあるだけだった。
 このプールは、おそらく沐浴場だったと思われている。つまり、インダス文明の都市においては、神聖な沐浴場が神殿の役目を果たしていたらしい。インドでは、現在も沐浴を行い体を清める習慣が残っているが、インダス文明のころから続く習慣だったのだ。
 インダス文明は独自の文字を持ち、優れた都市計画に基づいた洗練された都市を発達させていた。特に都市への給排水設備・灌漑設備が現代のそれに匹敵する ほどの物であった事が知られている。街路は、すべて煉瓦で舗装され、街路沿いに蓋付きの下水溝が完備されていた。街路沿いの下水溝は、更に大きな本下水溝 につながっており、定期的に掃除が出来るようにマンホールも完備していた。
 各住宅には、上下水道が完備され水洗トイレ・浴室・井戸が備わっていた。更には2階から1階へのダストシュートまで設けられていたと言うから驚きだ。又、町の中は個人の邸宅部と公共施設が明確に区切られていた。
 様々な出土物から、インダスの人々がメソポタミアなどと活発に交易を行っていた事がわかっている。メソポタミアでは、インダスはメルッハと呼ばれていた。しかし、インダス文字が未解読なため、その素顔はいまだ明らかになっていない。
 このように独特の洗練された都市文化を発達させたインダス文明だったが、紀元前1800年頃に滅んでしまった。滅亡の原因は、未だはっきりしていない が、インダス文明の崩壊と入れ替わりにアーリア人が南下してきた事がわかっている。アーリア人の南下がインダス文明の崩壊に関係があるのかどうかも、わ かっていない。
 いずれにしろ、インダス文明の都市には、現在の都市生活に必要なアイデアのほとんどが組み込まれていた事になる。もちろん同時代の文明の都市において、 これほどのインフラが整備された都市は一切存在しない。一体何故、このように優れた都市国家をインダス文明は持っていたのか?やはり、突然インダスの人々 が考え付いたと言う事には無理がある。現在知られているインダス文明以前にも未知の文明が存在していたと考える以外にないだろう。
そして、この事を裏付けるように最近インドからは、新しい発見が相次いでいる。黄トンボのコラムでも多く取り上げられている通り、インド・グジャラット州のカンベイ湾から、世界最古の都市遺跡と思われる海底遺跡が発見されたのだ。
 グラハム・ハンコック氏も参加しているNational Institute of Ocean Technologyによる探査の結果、周辺の海底から都市遺構の跡が次々と発見され、人工物の引き上げも行われた。引き上げられた人工物に含まれる木片 を年代測定した結果、何と約9500年も前のものであることがわかったのだ。この年代が、事実だとすると文明の誕生は、一気に4000年以上も遡る事にな る。インドの海洋技術相のMurli Manohar Joshi氏が、公式に発表している事からも、この調査は、かなりの信頼性があるのではないかと思われる。
 この調査によって明らかになった事は、グラハム・ハンコック氏の次の著作「アンダーワールド」で詳しく紹介されるらしい。いずれにしろ、調査はまだ始まったばかりである。
 いずれ、謎の古代文明の姿が明らかにされるだろう。  

長江文明

 従来、四大文明として数えられていた中国最古の文明は黄河文明で、殷に始まり周・秦・漢と発展していったと考えられて来た。しかし、前回も述べたように現在では、黄河文明以前に長江流域で文明が栄えていた事が明らかになっている。
 長江文明は、その存在が知られるようになったばかりだが、メソポタミアやエジプト並の古さまで遡れるのは、ほぼ間違いない。
 この長江文明の中でも最も注目されているのが、三星堆遺跡である。紀元前2000年ごろまで遡る事が出来る三星堆遺跡からは、奇怪な青銅製のマスクが数 多く発見されている。この目が異常に突出した人面マスクは、これまで知られていたどの文明とも共通する物がない特異な様式である。
 更に、長江文明が名実ともに世界最古の文明に塗り替えられる可能性も出て来た。長江中流域の城頭山遺跡から、世界最古の6400年前の焼成レンガが発見されたのだ。
 日中の共同調査団によると調査団によると、大渓文化早期(6400_6200年前)の祭壇跡と思われる場所で2000年、赤色の焼け土の塊が発見され た。この塊を日本で鉱物組成を分析した結果、内部まで600度以上の温度で人為的に焼かれたレンガだったことが判明したと言う。同じ場所からは、レンガ敷 きの上に立てられた5000年以上前の建造物も見つかっている。これらの事から、長江文明が世界最古級の文明である事だけは間違いのない事実と言えるだろ う。
 しかし、中国には更に多くの未知の文明の痕跡が残されている可能性が高い。ピラミッドと言うと、どうしてもエジプトや中南米を思い浮かべるかもしれない が、中国にも多くのピラミッド状の遺跡が残されている。その中でも白いピラミッドと呼ばれる物は、エジプトのピラミッドを遥かにしのぐ大きさらしい。残念 ながらこのピラミッドについては、写真に残されているだけで現在も正確な場所は同定されていない。
  古代史を研究しているグラハム・ハンコックも中国のピラミッドなどに興味を持ち調査を行っている。写真は、西安近郊のピラミッドの物である。このピラミッ ドは、高速道路を建設した時に発見されたらしい。しかし、ピラミッドに続く道はまったく無く、満足な調査は行われていないらしい。
 最近もモンゴルで大ピラミッド群が発見されたとか、チベットに大ピラミッド群が存在するなどのニュースが散発的に飛び込んできている。これらのピラミッド遺跡が調査されたなら、驚くべき超古代文明の存在が明らかになるかもしれない。

五大文明エピローグ・アメリカ文明

長い間、南北アメリカ大陸最古の文明はオルメカ文明とされてきた。オルメカ文明は紀元前1200年ごろ忽然とメソアメリカのジャングルに出現した文明で、巨大な石の頭像で知られている。オルメカ文明は、文字をもっていて、ピラミッドも建造していた。
 しかし、現在ペルーにはもっと古い時代から文明が存在した事が確実になった。中央ペルーに位置する太平洋岸からアンデスの斜面にかけては、18の遺跡群 の存在が知られていた。2001年、アメリカとペルーの合同調査団により、その遺跡の中の一つカラル遺跡は、4600年も前の紀元前2600年ごろの古代 都市遺跡である事が確認されたのだ。
 カラル遺跡は、アンデスの乾燥した山の斜面に広がっていて、1905年に発見されていた。
 従来、この遺跡はその先進的な都市様式からどんなに古くても紀元前1500年頃のものと考えられて来た。カラル遺跡には、6基のピラミッドを含むマウント群や優れた灌漑施設を持つアパートのようなビル群が含まれている。
 紀元前約2600年、今から約4600年前と言えば、エジプトに統一国家が誕生し、ピラミッドが作られ始めた頃の遺跡だったのである。
 従来の説で行けば、アメリカ大陸でも偶然にも他の地域と同じ時期に文明が忽然と現れた事になる。なんと言う奇遇だろうか!しかも、エジプトや中国と同様に四角錐のピラミッドまで作られているのだ。誰が考えてもあり得ない事だ。
 世界で同時に発生した5大文明の基は、どのような文明なのだろうか。現在世界中でその断片が見つかりつつある。日本も例外ではなく、与那国の水中遺跡が本物と確認されれば、人類史は根本から塗り替えられることになる。
 このような状況下、黄トンボでは日本近海の水中遺跡を中心に未知の文明の探査に全力を注ぐ予定である。