|
|
|
|
|
|
エルネオス
「お金の仕組みの摩訶不思議」最終回
中央銀行は公益事業。貧富の差は仕組みが悪いから起こる
遺伝子ワクチンは危険な生物兵器
エレン・ブラウン女史との対話:大地舜(国際ジャーナリスト・翻訳家)
米国の金融危機はなぜおこらない? お金の仕組みで大事なことは、中央銀行の国営化? 世界的な都市封鎖(ロックダウン)はフェークニュースで始まった? ロバート・F・ケネディー・ジュニアが指摘する遺伝子ワクチンの恐ろしさ? などについて米国でベストセラーとなった『負債の網』(那須里山舎刊)の著者エレン・ブラウン女史に見解を伺った。
― 二〇〇八年には投資銀行のリーマンブラザースが倒産して世界的に金融危機が起こりました。今年は、新型コロナウイルスの世界的蔓延で、各国がロックダウンを行い、六月中旬現在、世界各国は鎖国状態で、株も大暴落しており、実体経済はマイナス成長です。しかし、経済の根幹を握る金融機関は安泰なようですね。不思議に思います。
ブラウン氏 二〇一〇年にオバマ大統領が『ドッド=フランク法』を成立させて「もう大銀行のベイルアウトはしない」と宣言しました。つまり公的資金を使って「大きすぎて潰せない」銀行を政府が救済することはしないというわけです。その代わりに「ベイルイン」されることになりました。つまり銀行の預金者や株主が損失の負担をすることになったのです。ところが、キプロスやイタリアにおける金融破綻でベイルインを試みたところ、預金を失った人々が自殺をするなど、大変に評判が悪いという結果が出ています。
― 日本では今でもベイルアウトが基本です。
ブラウン氏 欧米では、次回、リーマショックのような金融危機が起こったら、銀行も国営化されると、考えられていました。しかし現実を見ると、すでに二〇一九年の一〇月と二〇二〇年の三月に、金融機関は秘密裏に公的資金で救済されています。FRBは新型コロナで影響を受けるすべての企業を救済する方針ですが、まっさきに救済したのは金融業者でした。
― 銀行は経済の要なので、ベイルアウトも必要ではないでしょうか?
ブラウン氏 米国の場合は特殊です。問題は米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)とFRBが統括する一二の連邦準備銀行が、民間企業であることです。連邦準備銀行には株主がいて、利益を追求する資本家たちが支配しています。支配の中心勢力はウオール街のシティグループ、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴなどの大銀行です。中央銀行は本来、水や電気や道路などと一緒で、公益事業であるべきです。ところが米国では、私的な利益を目的とする金融資本に中央銀行が支配されており、連邦政府の影響力はわずかです。
― なるほど、日本銀行は政府が五五パーセントを所有していますし、中国の中央銀行は一〇〇パーセント国家所有です。シンガポールも同じで、政府の一部門が中央銀行の役割を果たしています。こういう形態ならば、私益ではなく公益を第一にする政策が採用できるわけですね。米国のように国家のお金の支配権を民間資本に任せてしまっていることから生ずる問題は何でしょう?
ブラウン氏 格差の拡大です。一パーセントの金持ちが九九パーセントの大衆を支配する構造が作られてしまいます。FRBを支配する金融資本は、本業の銀行業務だけでは利益が不十分なので、投資銀行やヘッジファンド(ハイリスク・ハイリターンの資産運用組織)に融資して、金融市場で儲けています。FRBは無尽蔵にお金を刷り、銀行に資金を提供しており、国民から選ばれた政治家のコントロールが利かない存在です。それは今回の新型コロナ禍で、FRBが最初に救済したのがヘッジファンドを含む金融資本であったことからも明白です。つまりFRBは現代米国の金融資本主義の推進者なのです。
― 中央銀行は公益性が高いので、民主主義の国ならば、国民から選ばれた議会が国のお金を管理すべきだというわけですね。確かに国家権力がお金の発行量や流通量を支配するのは、歴史をふり返ってみても当然のことですね。ヨーロッパの大財閥であるロスチャイルド家の当主が「一国のお金の発行権と管理権がもらえるなら、法律を作るのがだれであってもかまわない」と言っていますが、まさに、米国ではお金を発行して管理する権力が私企業に与えられているのですね。
ブラウン氏 その通りです。そこで、一二の連邦準備銀行も公共的な銀行にするべきです。この公共銀行には、個人が預金できるようにすべきでしょう。クレジットカードの発行も公共銀行に任せるべきです。
― クレジットカード?
ブラウン氏 現在、米国の民間銀行はクレジットカードのビジネスで、大もうけをしていますが、公共銀行ならばもっと金利を安くできると思います。
―国や地方自治体が設立した銀行に個人も口座を持てるようにすると、民間銀行の業務が圧迫されるのではないでしょうか?
ブラウン氏 いろいろなケースが考えられます。ドイツの場合、七〇パーセントが地方自治体による公共的な銀行ですし、中国は八〇パーセントが国営銀行です。ドイツの場合、地方自治体が設立した貯蓄銀行は、二〇〇年以上の歴史があり地元に密着して、中小企業を支えています。一方、民間の大銀行は、大企業に融資するなど、巧く棲み分けがされています。米国の場合、ノース・ダコダ州がノースダコダ銀行を設立して、大成功を収めていますが、民間銀行と上手に共生しています。つまりいろいろな形態が考えられます。
― そこでブラウンさんは公共的な銀行の必要性を唱えているのですね?
ブラウン氏 民間銀行は政府の強い統制が必要ですが米国の現状は統制が不十分です。現代の世界では、お金を創って世の中に送り出しているのは銀行です。会社や個人が銀行からお金を借りると、お金を借りた人の口座に、数字が振り込まれます。これで現代のお金が創造されたことになります。銀行だけではお金を創造できません。つまり借りる人が必要です。したがって現代のお金の創造は借りる人と銀行の共同作業になっています。この仕組みに関してはイングランド銀行のホームページで詳しく解説されています。
― よく、銀行は何もないところからお金を創ると言われますが、借りる人がいるから生まれるわけですね。銀行が採用しているフラクショナル・リーザーブ制度ですが、これも問題はありませんか? つまり、お金を創造して、さらにその一〇倍までお金を貸し出せるという制度ですが・・・
ブラウン氏 このお金の仕組みが、現代資本主義の根幹になっていますが、問題ないと思います。ただし、中央銀行だけでなく銀行は皆、公共性を持っています。現在の米国のように、金融資本がぼろもうけをして、儲けたお金でさらに投機をして、財産を増やし、政治家を買収し、金融業や投資先の大企業に有利な法律を作ることは間違っています。これがまかり通るので、所得格差が増大しています。
― なるほど。現在の新型コロナの蔓延と、人種暴動の姿を見ると、米国社会のひずみが赤裸々に暴露されているように思います。改善される傾向はあるでしょうか?
ブラウン氏 残念ながら、よくなる傾向は見られません。FRBと連邦準備銀行が、私的な利益を優先している状態では、あまり希望は持てません。たとえば、ブラックロックという会社が、財務省とFRBから委託されて、特別目的事業体を任されます。
― 日本では同じ仕事が「電通」という会社に発注されています。
ブラウン氏 ブラックロックは不思議な会社です。経営最高責任者(CEO)はラリー・フランク氏ですが、世界最大の資産運用会社で七兆ドル(約七七〇兆円)の資産を運用しています。この会社は何の入札プロセスも経ずして、今年の三月にFRBから大きな仕事を請け負いました。四五〇兆円のお金を使って、社債などを買い取り企業のベイルアウトをおこないます。この会社がなぜ、資産運用業界で圧倒的な力を持つようになったのか、誰も知りません。この会社は「影の金融機関」といわれてきましたが、今では「影の政府」と呼ばれています。しかも上場をしていなく、公共的な企業からはほど遠い存在です。このような米国の在り方から見ると、一パーセントの人々による米国民の支配はまだまだ続くようです。
― 米国ではワクチンの開発が、急速に進んでいますが、あまり好ましくない傾向ではないか・・・というブログを書かれましたが、どういうことでしょう?
ブラウン氏 新型コロナのワクチンを切望する声が多いので、この問題について書きたくなりました。私は代替医療、薬品会社の政治学や癌治療について一〇冊の本を書いていますし、専門知識もあるので・・・
― まず、新型コロナは最初から間違った情報に基づいて、事態が大きくされたそうですね。
ブラウン氏 その通りです。まずロンドンのインペリアル・カレッジのニール・ファーガソン博士が、英国での死亡者は二五万になると計算し、米国では二二〇万人の死者が出ると予想しました。ところが、これがコンピュータの計算ミスだと判明しています。https://www.telegraph.co.uk/technology/2020/05/16/neil-fergusons-imperial-model-could-devastating-software-mistake/
― ニール・ファーガソン博士は責任をとって、五月初めに政府の新型ウイルス諮問グループから身を引きましたね。
ブラウン氏 さらに米国の疾病予防管理センター(CDC)も、当初の主張である感染者死亡率(四・三パーセント)を現在は〇・二から〇・三パーセントに変更しています。このように、当初の見通しが大間違であったことがわかっても、多くの方々はワクチンの完成を心待ちにしているようです。
― 日本国民の多くはワクチンがすべてを解決してくれると思っています。
ブラウン氏 みなさまの期待に反することを言うようで申し訳ありませんが、コロナウイルスのワクチンは、過去四〇年間、いろいろ試みましたが開発に成功したことがありません。理由の一つは、コロナウイルスの変異が激しいからです。少なくとも流行シーズンごとにウイルスが変異しています。それに、「ウイルス干渉」と呼ばれる現象にも注意が必要です。一つのウイルスのためにワクチンを接種すると、変異したウイルスに感染したときに、からだの免疫体が過剰反応することがあるのです。現在、ワクチン製造の最先頭を走っているオックスフォード大学の科学者は、ワクチン開発の可能性は五〇パーセントだと言っています。一つは、効果があるかどうかがわからないということで、もう一つは、今年の九月頃には感染者が激減して、効果を確かめられないかもしれないと言うのです。https://www.independent.co.uk/news/science/coronavirus-vaccine-oxford-university-uk-astrazeneca-a9530606.html
― 米国のモデルナ社は新型コロナに使えるmRNAワクチン(遺伝子ワクチン)を開発しており、日本の新聞や雑誌では大いに期待されているのですが・・・
ブラウン氏 モデルナ社のワクチンは動物実験を免除されて、いきなり人体実験に入っていますが、結果が思わしくありません。これに関してはロバート・F・ケネディー・ジュニアが五月二二日に以下のように厳しく批判しています。https://childrenshealthdefense.org/news/vaccine-trial-catastrophe-moderna-vaccine-has-20-serious-injury-rate-in-high-dose-group/
・・・
人間モルモット一五人のうち三名が、モデルナの開発した新型コロナ用mRNAワクチンを接種されて、四三日以内に「深刻な障害」に襲われた。モデルナ社は、この三人のボランティアが、グレード三の全身症状を発症したことを認めた。グレード三というと「日常生活ができなくなり医学的介入が必要とされる状態」だ。つまり「地球のすべての人にこのワクチンが接種されたら、一五億人に重傷を負わせる可能性がある。
・・・
ブラウン氏 モデルナ社に投資しているのは、ビル・アンド・メリンダ・ゲーツ財団、ブラックロック、米国防総省国防高等研究計画局などですが、気になることが二つあります。一つは株価操作です。今年の二月と五月にモデルナ社の株が三〇パーセントも上昇しましたが、その翌日にモデルナ社の大株主が大量に株を売りました。そしたら、翌々日にモデルナ社のデータに疑義が出て、株価が元に戻りました。ブラックロックなどは、二月二六日の一日だけで六八ミリオンドル(約七三億円)の利益を得ました。これは米国証券取引委員会の調査対象となるでしょう。
― もう一つは?
ブラウン氏 米国防総省が投資していることからもわかるように、mRNAワクチンは生物兵器の一種です。人間の細胞を人工遺伝子で乗っ取るのですが、その結果がどうなるかは、まったく未知の領域です。それを動物実験なしで、いきなり人体実験をおこなっています。この遺伝子ワクチンは自己増殖もしますし、専門家はこのワクチンは人を助けることもできるかもしれないが、殺すこともできる恐ろしいワクチンだと述べています。
https://www.thelastamericanvagabond.com/top-news/coronavirus-gives-dangerous-boost-darpas-darkest-agenda/
トランプ大統領は軍隊を使って、今年の九月にもこのワクチンを各家の戸口に届けて接種すると考えていますが、それだけはやめて欲しいと思います。米国ではワクチン接種で障害が起こっても政府が責任を負うので、製薬会社は無責任に丸儲けができるのです。□
「お金の仕組みの摩訶不思議」最終回
中央銀行は公益事業。貧富の差は仕組みが悪いから起こる
遺伝子ワクチンは危険な生物兵器
エレン・ブラウン女史との対話:大地舜(国際ジャーナリスト・翻訳家)
米国の金融危機はなぜおこらない? お金の仕組みで大事なことは、中央銀行の国営化? 世界的な都市封鎖(ロックダウン)はフェークニュースで始まった? ロバート・F・ケネディー・ジュニアが指摘する遺伝子ワクチンの恐ろしさ? などについて米国でベストセラーとなった『負債の網』(那須里山舎刊)の著者エレン・ブラウン女史に見解を伺った。
― 二〇〇八年には投資銀行のリーマンブラザースが倒産して世界的に金融危機が起こりました。今年は、新型コロナウイルスの世界的蔓延で、各国がロックダウンを行い、六月中旬現在、世界各国は鎖国状態で、株も大暴落しており、実体経済はマイナス成長です。しかし、経済の根幹を握る金融機関は安泰なようですね。不思議に思います。
ブラウン氏 二〇一〇年にオバマ大統領が『ドッド=フランク法』を成立させて「もう大銀行のベイルアウトはしない」と宣言しました。つまり公的資金を使って「大きすぎて潰せない」銀行を政府が救済することはしないというわけです。その代わりに「ベイルイン」されることになりました。つまり銀行の預金者や株主が損失の負担をすることになったのです。ところが、キプロスやイタリアにおける金融破綻でベイルインを試みたところ、預金を失った人々が自殺をするなど、大変に評判が悪いという結果が出ています。
― 日本では今でもベイルアウトが基本です。
ブラウン氏 欧米では、次回、リーマショックのような金融危機が起こったら、銀行も国営化されると、考えられていました。しかし現実を見ると、すでに二〇一九年の一〇月と二〇二〇年の三月に、金融機関は秘密裏に公的資金で救済されています。FRBは新型コロナで影響を受けるすべての企業を救済する方針ですが、まっさきに救済したのは金融業者でした。
― 銀行は経済の要なので、ベイルアウトも必要ではないでしょうか?
ブラウン氏 米国の場合は特殊です。問題は米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)とFRBが統括する一二の連邦準備銀行が、民間企業であることです。連邦準備銀行には株主がいて、利益を追求する資本家たちが支配しています。支配の中心勢力はウオール街のシティグループ、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴなどの大銀行です。中央銀行は本来、水や電気や道路などと一緒で、公益事業であるべきです。ところが米国では、私的な利益を目的とする金融資本に中央銀行が支配されており、連邦政府の影響力はわずかです。
― なるほど、日本銀行は政府が五五パーセントを所有していますし、中国の中央銀行は一〇〇パーセント国家所有です。シンガポールも同じで、政府の一部門が中央銀行の役割を果たしています。こういう形態ならば、私益ではなく公益を第一にする政策が採用できるわけですね。米国のように国家のお金の支配権を民間資本に任せてしまっていることから生ずる問題は何でしょう?
ブラウン氏 格差の拡大です。一パーセントの金持ちが九九パーセントの大衆を支配する構造が作られてしまいます。FRBを支配する金融資本は、本業の銀行業務だけでは利益が不十分なので、投資銀行やヘッジファンド(ハイリスク・ハイリターンの資産運用組織)に融資して、金融市場で儲けています。FRBは無尽蔵にお金を刷り、銀行に資金を提供しており、国民から選ばれた政治家のコントロールが利かない存在です。それは今回の新型コロナ禍で、FRBが最初に救済したのがヘッジファンドを含む金融資本であったことからも明白です。つまりFRBは現代米国の金融資本主義の推進者なのです。
― 中央銀行は公益性が高いので、民主主義の国ならば、国民から選ばれた議会が国のお金を管理すべきだというわけですね。確かに国家権力がお金の発行量や流通量を支配するのは、歴史をふり返ってみても当然のことですね。ヨーロッパの大財閥であるロスチャイルド家の当主が「一国のお金の発行権と管理権がもらえるなら、法律を作るのがだれであってもかまわない」と言っていますが、まさに、米国ではお金を発行して管理する権力が私企業に与えられているのですね。
ブラウン氏 その通りです。そこで、一二の連邦準備銀行も公共的な銀行にするべきです。この公共銀行には、個人が預金できるようにすべきでしょう。クレジットカードの発行も公共銀行に任せるべきです。
― クレジットカード?
ブラウン氏 現在、米国の民間銀行はクレジットカードのビジネスで、大もうけをしていますが、公共銀行ならばもっと金利を安くできると思います。
―国や地方自治体が設立した銀行に個人も口座を持てるようにすると、民間銀行の業務が圧迫されるのではないでしょうか?
ブラウン氏 いろいろなケースが考えられます。ドイツの場合、七〇パーセントが地方自治体による公共的な銀行ですし、中国は八〇パーセントが国営銀行です。ドイツの場合、地方自治体が設立した貯蓄銀行は、二〇〇年以上の歴史があり地元に密着して、中小企業を支えています。一方、民間の大銀行は、大企業に融資するなど、巧く棲み分けがされています。米国の場合、ノース・ダコダ州がノースダコダ銀行を設立して、大成功を収めていますが、民間銀行と上手に共生しています。つまりいろいろな形態が考えられます。
― そこでブラウンさんは公共的な銀行の必要性を唱えているのですね?
ブラウン氏 民間銀行は政府の強い統制が必要ですが米国の現状は統制が不十分です。現代の世界では、お金を創って世の中に送り出しているのは銀行です。会社や個人が銀行からお金を借りると、お金を借りた人の口座に、数字が振り込まれます。これで現代のお金が創造されたことになります。銀行だけではお金を創造できません。つまり借りる人が必要です。したがって現代のお金の創造は借りる人と銀行の共同作業になっています。この仕組みに関してはイングランド銀行のホームページで詳しく解説されています。
― よく、銀行は何もないところからお金を創ると言われますが、借りる人がいるから生まれるわけですね。銀行が採用しているフラクショナル・リーザーブ制度ですが、これも問題はありませんか? つまり、お金を創造して、さらにその一〇倍までお金を貸し出せるという制度ですが・・・
ブラウン氏 このお金の仕組みが、現代資本主義の根幹になっていますが、問題ないと思います。ただし、中央銀行だけでなく銀行は皆、公共性を持っています。現在の米国のように、金融資本がぼろもうけをして、儲けたお金でさらに投機をして、財産を増やし、政治家を買収し、金融業や投資先の大企業に有利な法律を作ることは間違っています。これがまかり通るので、所得格差が増大しています。
― なるほど。現在の新型コロナの蔓延と、人種暴動の姿を見ると、米国社会のひずみが赤裸々に暴露されているように思います。改善される傾向はあるでしょうか?
ブラウン氏 残念ながら、よくなる傾向は見られません。FRBと連邦準備銀行が、私的な利益を優先している状態では、あまり希望は持てません。たとえば、ブラックロックという会社が、財務省とFRBから委託されて、特別目的事業体を任されます。
― 日本では同じ仕事が「電通」という会社に発注されています。
ブラウン氏 ブラックロックは不思議な会社です。経営最高責任者(CEO)はラリー・フランク氏ですが、世界最大の資産運用会社で七兆ドル(約七七〇兆円)の資産を運用しています。この会社は何の入札プロセスも経ずして、今年の三月にFRBから大きな仕事を請け負いました。四五〇兆円のお金を使って、社債などを買い取り企業のベイルアウトをおこないます。この会社がなぜ、資産運用業界で圧倒的な力を持つようになったのか、誰も知りません。この会社は「影の金融機関」といわれてきましたが、今では「影の政府」と呼ばれています。しかも上場をしていなく、公共的な企業からはほど遠い存在です。このような米国の在り方から見ると、一パーセントの人々による米国民の支配はまだまだ続くようです。
― 米国ではワクチンの開発が、急速に進んでいますが、あまり好ましくない傾向ではないか・・・というブログを書かれましたが、どういうことでしょう?
ブラウン氏 新型コロナのワクチンを切望する声が多いので、この問題について書きたくなりました。私は代替医療、薬品会社の政治学や癌治療について一〇冊の本を書いていますし、専門知識もあるので・・・
― まず、新型コロナは最初から間違った情報に基づいて、事態が大きくされたそうですね。
ブラウン氏 その通りです。まずロンドンのインペリアル・カレッジのニール・ファーガソン博士が、英国での死亡者は二五万になると計算し、米国では二二〇万人の死者が出ると予想しました。ところが、これがコンピュータの計算ミスだと判明しています。https://www.telegraph.co.uk/technology/2020/05/16/neil-fergusons-imperial-model-could-devastating-software-mistake/
― ニール・ファーガソン博士は責任をとって、五月初めに政府の新型ウイルス諮問グループから身を引きましたね。
ブラウン氏 さらに米国の疾病予防管理センター(CDC)も、当初の主張である感染者死亡率(四・三パーセント)を現在は〇・二から〇・三パーセントに変更しています。このように、当初の見通しが大間違であったことがわかっても、多くの方々はワクチンの完成を心待ちにしているようです。
― 日本国民の多くはワクチンがすべてを解決してくれると思っています。
ブラウン氏 みなさまの期待に反することを言うようで申し訳ありませんが、コロナウイルスのワクチンは、過去四〇年間、いろいろ試みましたが開発に成功したことがありません。理由の一つは、コロナウイルスの変異が激しいからです。少なくとも流行シーズンごとにウイルスが変異しています。それに、「ウイルス干渉」と呼ばれる現象にも注意が必要です。一つのウイルスのためにワクチンを接種すると、変異したウイルスに感染したときに、からだの免疫体が過剰反応することがあるのです。現在、ワクチン製造の最先頭を走っているオックスフォード大学の科学者は、ワクチン開発の可能性は五〇パーセントだと言っています。一つは、効果があるかどうかがわからないということで、もう一つは、今年の九月頃には感染者が激減して、効果を確かめられないかもしれないと言うのです。https://www.independent.co.uk/news/science/coronavirus-vaccine-oxford-university-uk-astrazeneca-a9530606.html
― 米国のモデルナ社は新型コロナに使えるmRNAワクチン(遺伝子ワクチン)を開発しており、日本の新聞や雑誌では大いに期待されているのですが・・・
ブラウン氏 モデルナ社のワクチンは動物実験を免除されて、いきなり人体実験に入っていますが、結果が思わしくありません。これに関してはロバート・F・ケネディー・ジュニアが五月二二日に以下のように厳しく批判しています。https://childrenshealthdefense.org/news/vaccine-trial-catastrophe-moderna-vaccine-has-20-serious-injury-rate-in-high-dose-group/
・・・
人間モルモット一五人のうち三名が、モデルナの開発した新型コロナ用mRNAワクチンを接種されて、四三日以内に「深刻な障害」に襲われた。モデルナ社は、この三人のボランティアが、グレード三の全身症状を発症したことを認めた。グレード三というと「日常生活ができなくなり医学的介入が必要とされる状態」だ。つまり「地球のすべての人にこのワクチンが接種されたら、一五億人に重傷を負わせる可能性がある。
・・・
ブラウン氏 モデルナ社に投資しているのは、ビル・アンド・メリンダ・ゲーツ財団、ブラックロック、米国防総省国防高等研究計画局などですが、気になることが二つあります。一つは株価操作です。今年の二月と五月にモデルナ社の株が三〇パーセントも上昇しましたが、その翌日にモデルナ社の大株主が大量に株を売りました。そしたら、翌々日にモデルナ社のデータに疑義が出て、株価が元に戻りました。ブラックロックなどは、二月二六日の一日だけで六八ミリオンドル(約七三億円)の利益を得ました。これは米国証券取引委員会の調査対象となるでしょう。
― もう一つは?
ブラウン氏 米国防総省が投資していることからもわかるように、mRNAワクチンは生物兵器の一種です。人間の細胞を人工遺伝子で乗っ取るのですが、その結果がどうなるかは、まったく未知の領域です。それを動物実験なしで、いきなり人体実験をおこなっています。この遺伝子ワクチンは自己増殖もしますし、専門家はこのワクチンは人を助けることもできるかもしれないが、殺すこともできる恐ろしいワクチンだと述べています。
https://www.thelastamericanvagabond.com/top-news/coronavirus-gives-dangerous-boost-darpas-darkest-agenda/
トランプ大統領は軍隊を使って、今年の九月にもこのワクチンを各家の戸口に届けて接種すると考えていますが、それだけはやめて欲しいと思います。米国ではワクチン接種で障害が起こっても政府が責任を負うので、製薬会社は無責任に丸儲けができるのです。□