Shun Daichi
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ベルツの日記

『暗黒日記』を読んでいたら、『ベルツの日記』が面白いと書いてあった。そこで、読みはじめたが、確かに興味深い。
 明治維新が終わって数年後に日本に来たドイツ人のエルウイン・ベルツは、東京大学医学部で医学を教えたが、『日本近代医学の父』と言われる重大な業績を残している。
 日本の温泉の効用を科学的に調査して、世界に紹介したのもベルツ。箱根はもちろん、草津にも保養所を作っている。草津の温泉は痛風によく効くそうだ。
 明治初期の日本の様子がわかるのかと思って、期待して読んだが、それほど詳しくは書かれていなかった。詳しく日記が書かれているのは、日露戦争が始まった1904年から、日本が対馬海戦で大勝利を収めた、1905年5月まで。つまり100年前の日本だ。
 100年前の世界は、今とはかけ離れた世界なので驚いてしまう。2世代前の日本は貧しい発展途上国だった。そして帝国主義真っ盛りの時代で、ロシア帝国は満州を支配下に入れ、朝鮮半島を狙い、中国(清)も属国にする気で、遼東半島の大連の岬、旅順に要塞を作っていた。当時のロシアは皇帝に支配される軍事大国で世界の脅威だった。
 大英帝国はロシアに対抗するため、日本と同盟を結び、日本にロシアと戦わせ、漁夫の利を占めようと狙っていた。大英帝国は中国の半分を支配下に入れていた。フィリピンを手に入れたアメリカ合衆国も、中国、朝鮮、満州の利権を狙っていた。帝国ドイツは青島のある山東半島を支配し、フランスも広東あたりから南のベトナムの広範囲な地域を植民地にしており、極東の利権を虎視眈々と、狙っていた。
 100年前は、今では想像もつかない政治的・経済的倫理観に支配された世界だったのだ。といっても、現代の政治的・経済的倫理観も100年後にはたぶん、理解しがたいことだろう。
 さて、日露戦争当時の日本は、まだ近代化途上、欧米化途上で世界から軽視されていた。そこで日露戦争に日本が勝つと思う人は少数派で、同盟国の英国ですら勝敗を悲観的に見ていた。だが、ベルツは日本が勝つと思っていた。
 一方、アメリカは日本贔屓だったが、日本が日露戦争に勝って強国にのし上がると、そのうち極東の利権を争うライバルになると憂えてもいた。
 ベルツが親しく接した日本の指導者層は、明治天皇、伊籐博文、井上馨、桂太郎、小村寿太郎など。当時の指導者たちは、世界観も見識もあり、謙虚で、世界の世論を味方にして、ロシアと戦った。
 戦争の仕方もフェアで、国際法にのっとっていた。捕虜の扱いも丁重で、国際的なルールにしたがっていた。
 この辺りは、第二次世界大戦の時の日本とは、大違いだ。おごりや高ぶりが少なかったのだ。
 それが第一次世界大戦で漁夫の利を得て、軍事大国にのし上がると、たちまち日本人は高慢不遜になってしまう。日本人は極端に高慢になりのぼせ上がる国民性を持つとベルツは指摘している。
 それは、『暗黒日記』に書かれているような、国粋主義の傲慢さだ。この傲慢で身勝手な純日本主義は、国際法とは相いれないところが多い。いわば戦国時代の精神で『勝てば官軍』、『負けたら無』、『夜討ち朝駆け、下克上あたりまえ』。だからこそ真珠湾奇襲攻撃なる行動にも走ったわけだ。
 日露戦争当時のマスコミは、今のマスコミとあまり変わらない。扇情的で、一方的で、大衆を扇動していた。
 政府も秘密主義で、官僚支配の政治が現代と同じように確立されていた。つまり、大衆には多くを知らせず、一部のエリートが国を導く、一種の独裁政治だ。
 このスタイルは、現代も変わっていない。政府は今もエリート主義・秘密主義で、愚鈍な大衆には真実を教えないほうがよいと考えている。だから平気で嘘をつく。たとえば「非核3原則・作らず、持たず、持ち込ませず」などは大嘘だ。
 つまり日露戦争の時は、世界中が帝国主義で、日本も天皇を中心とする帝国だった。だが、日本は現代になっても民主国家ではない。
 日露戦争に表面的に勝った日本は、一躍、有色人種のチャンピオンとなり、欧米による帝国主義・植民地主義に終わりをもたらすきっかけとなったが、これは、結果であって、日本の意図ではなかった。日本はその後も韓国を併合し、満州に傀儡政権を建て、中国への侵略をもくろんでいたからだ。
『ベルツの日記』に出てくる人物の中では、伊籐博文が特に興味深かった。『秀吉の再来』といわれた伊籐博文は庶民的で、利口で、物が見える人だった。ベルツによると、酒と女とたばこが好きな伊籐博文は、驚くほど健康だったそうだ。また私的会話では「天皇家の人々はかわいそうな存在ですよ。一生、監視のもとで暮らし、自由の無い操り人形。庶民のほうが幸せだ」などと言って、ベルツを驚かせている。
 伊籐博文の業績の功罪についてはいろいろ言えるだろう。だが100年前の世界の倫理観・政治観の世界では、偉大な常識人であったようだ。
 現代の倫理観・世界観で100年前の人々批判するのは、危険なことだと考えさせられた。

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