国際派ビジネスマンの旅行術」
(1989年に日経ビジネスに掲載)
真の実力者は誰か?
海外でビジネスをする場合、誰が真の実力者かを、はっきりと見極めることが大切だ。それは相手企業のみならず自分の会社内部でも言える。
それでは、海外支社、支店、駐在員事務所の真の実力者は誰だろうか?
通常、「それはもちろん、社長です」「支店長です」「所長です」という答えが返ってくるだろう。だが、果たしてそれは本当だろうか?
実は「真の実力者」は別にいる可能性が強いのである。
確かに日本の国内から見ていると、海外で活躍している駐在員というのは、それだけでひとつのプレステージを持っているように感じられる。異国に住み、異人と暮らし、異国語を操ってビシネスをしているのであるから、何かこちらとは違う思想の持主のようにさえ思える。
だが彼らは国内の社員と、本当にそんなに違うのだろうか? 良く考えてみると、ほとんどの、日本企業の駐在員というのは、5年も経つと帰国してしまう。これでは、大して国内の社員たちとちがっているとは言えないようだ。
それでは、彼ら駐在員の力の源泉はどこにあるのだろうか? 実は、力の源泉の多くは、現地雇いの、現地の人々にあるのだ。
長く勤めている社長秘書だとか、だれそれのアシスタントなどという人は、大体隠然たる権力、勢力を持っている。そして、日本人駐在員よりも、現地事情のみならず、色々な情報に通じている。日本人が次から次へと変わっても、彼らは、長期にわたり勤めているからである。そこで、海外に出張する者は、海外支店などで働く現地の人々の有効な活用を考えるべきだろう。
ます第一に、名前を覚えてもらうこととである。そして、時間の許すかぎり、彼らから情報を得ようと努力することだ。日本から、彼らのためにお土産を持っていくのも良い考えである。
海外事務所に来ていても、自分のところに電話が掛ってきたら、すぐ通じるように、現地の秘書や、電話交換手と、仲良くなっておくとよい。そして飛行機の予約、再確認などを気楽に頼めるようにしておくことだ。
ただし、「日本食のうまい所は?」「お土産を買いたいんだけど……」「ゴルフ場、案内してもらいたいんだが……」「カラオケ・バーはどこ?」などの質問は日本人駐在員に限る。日本人特有のネットワークがあるので、これも知っておく必要があるだろう。
フライト・アテンダントも実力者?
海外旅行の実力者というと、フライト・アテンダント(スチュワーデスやスチュワード)が挙げられる。こういう蔭の実力者を大切にするのも、国際派ビジネス・エグセクテイブの基本だろう。
時々、機内で、フライト・アテンダントをこき使う人がいる。これはどうにもいただけない。なにしろ彼らの仕事は、良く見ていれば分かるが、重労働なのだ。特に、満席の時の忙しさは、気の毒な位である。従って、なるべく彼らの手をわずらわせない様に心掛けることをお薦めする。
もっとも、気分が悪くなったときなどは話が別である。彼らが暇そうだったら、行き先の町の面白いお店だとか、レストランを教えて貰ってもいいのだ。
ところで、機内では楽な服装をすることをお薦めする。ネクタイなどは外し、眠りやすい服装をすることだ。そして靴を脱いでかまわない。本来、欧米では人前で靴は脱がないが、飛行機の中では少しでも楽になるという意味で許されると思う。最近では日本人の真似をしたのか、長距離になると欧米人でも靴を脱ぐ人が増えている。
時差ボケ対策
北米に旅行すると付き物なのが、英語と時差である。英語は勉強すれば上達するが、時差ボケは勉強できないのが難点である。
「いま何時だ?」
「夜の9時だよ」
「そうか、イヤー眠たくって一一」
「時差ポケかい、ジョナサン」
「そうなんだ、困ったよ」
アメリカの小さなコンビューター会社の杜長のジョナサンは、世界中を飛び回る国際派だ。この日も成田空港から都心のホテルに着いたばかりだった。
「時差ボケは、どうやって解消しているのジョナサン?」
「秘訣があるんだよ、シュンユそれはね、到着した土地の時間帯に強引に合わすのさ。それが、一番早い回優方法だと思うよ」
筆者もジョナサンに同感である、しかし、さらに、機内ではなにしろ寝ておく事だと思う。昼だろうと、夜だろうとおかまい無しに・・・。着いたとき、現地が夜だったらさらに寝るのだ。
最近は機内で各種の呼吸法を行うことにしている。これを行うと、不思議と時差ボケにかからないのだ。
時差ボケ対策には、出発前に体調を整えることが大切だ。国際派ビジネス・エグゼクテイプの第一の要件は、頑強な体力なのだ。腕力はそれほど必要ではないが、耐久力は必須。
しかし、いくら体力があっても、海外旅行を前にして歯の治療が終わっていないようでは、先が思いやられる。
旅先で風邪を引くのはまだ許されるが、歯が痛くなってホテルから救急車で病院に運ばれるのはどうだろうか? 費用も高いし、心がけが悪いと言われてしまうだろう。
医療をカバーしている海外旅行保険に入ればよいとも言えるが、それよりも、歯のみならず、体全体の状態を完全にしておくのが基本だ。
海外でビジネスをする場合、誰が真の実力者かを、はっきりと見極めることが大切だ。それは相手企業のみならず自分の会社内部でも言える。
それでは、海外支社、支店、駐在員事務所の真の実力者は誰だろうか?
通常、「それはもちろん、社長です」「支店長です」「所長です」という答えが返ってくるだろう。だが、果たしてそれは本当だろうか?
実は「真の実力者」は別にいる可能性が強いのである。
確かに日本の国内から見ていると、海外で活躍している駐在員というのは、それだけでひとつのプレステージを持っているように感じられる。異国に住み、異人と暮らし、異国語を操ってビシネスをしているのであるから、何かこちらとは違う思想の持主のようにさえ思える。
だが彼らは国内の社員と、本当にそんなに違うのだろうか? 良く考えてみると、ほとんどの、日本企業の駐在員というのは、5年も経つと帰国してしまう。これでは、大して国内の社員たちとちがっているとは言えないようだ。
それでは、彼ら駐在員の力の源泉はどこにあるのだろうか? 実は、力の源泉の多くは、現地雇いの、現地の人々にあるのだ。
長く勤めている社長秘書だとか、だれそれのアシスタントなどという人は、大体隠然たる権力、勢力を持っている。そして、日本人駐在員よりも、現地事情のみならず、色々な情報に通じている。日本人が次から次へと変わっても、彼らは、長期にわたり勤めているからである。そこで、海外に出張する者は、海外支店などで働く現地の人々の有効な活用を考えるべきだろう。
ます第一に、名前を覚えてもらうこととである。そして、時間の許すかぎり、彼らから情報を得ようと努力することだ。日本から、彼らのためにお土産を持っていくのも良い考えである。
海外事務所に来ていても、自分のところに電話が掛ってきたら、すぐ通じるように、現地の秘書や、電話交換手と、仲良くなっておくとよい。そして飛行機の予約、再確認などを気楽に頼めるようにしておくことだ。
ただし、「日本食のうまい所は?」「お土産を買いたいんだけど……」「ゴルフ場、案内してもらいたいんだが……」「カラオケ・バーはどこ?」などの質問は日本人駐在員に限る。日本人特有のネットワークがあるので、これも知っておく必要があるだろう。
フライト・アテンダントも実力者?
海外旅行の実力者というと、フライト・アテンダント(スチュワーデスやスチュワード)が挙げられる。こういう蔭の実力者を大切にするのも、国際派ビジネス・エグセクテイブの基本だろう。
時々、機内で、フライト・アテンダントをこき使う人がいる。これはどうにもいただけない。なにしろ彼らの仕事は、良く見ていれば分かるが、重労働なのだ。特に、満席の時の忙しさは、気の毒な位である。従って、なるべく彼らの手をわずらわせない様に心掛けることをお薦めする。
もっとも、気分が悪くなったときなどは話が別である。彼らが暇そうだったら、行き先の町の面白いお店だとか、レストランを教えて貰ってもいいのだ。
ところで、機内では楽な服装をすることをお薦めする。ネクタイなどは外し、眠りやすい服装をすることだ。そして靴を脱いでかまわない。本来、欧米では人前で靴は脱がないが、飛行機の中では少しでも楽になるという意味で許されると思う。最近では日本人の真似をしたのか、長距離になると欧米人でも靴を脱ぐ人が増えている。
時差ボケ対策
北米に旅行すると付き物なのが、英語と時差である。英語は勉強すれば上達するが、時差ボケは勉強できないのが難点である。
「いま何時だ?」
「夜の9時だよ」
「そうか、イヤー眠たくって一一」
「時差ポケかい、ジョナサン」
「そうなんだ、困ったよ」
アメリカの小さなコンビューター会社の杜長のジョナサンは、世界中を飛び回る国際派だ。この日も成田空港から都心のホテルに着いたばかりだった。
「時差ボケは、どうやって解消しているのジョナサン?」
「秘訣があるんだよ、シュンユそれはね、到着した土地の時間帯に強引に合わすのさ。それが、一番早い回優方法だと思うよ」
筆者もジョナサンに同感である、しかし、さらに、機内ではなにしろ寝ておく事だと思う。昼だろうと、夜だろうとおかまい無しに・・・。着いたとき、現地が夜だったらさらに寝るのだ。
最近は機内で各種の呼吸法を行うことにしている。これを行うと、不思議と時差ボケにかからないのだ。
時差ボケ対策には、出発前に体調を整えることが大切だ。国際派ビジネス・エグゼクテイプの第一の要件は、頑強な体力なのだ。腕力はそれほど必要ではないが、耐久力は必須。
しかし、いくら体力があっても、海外旅行を前にして歯の治療が終わっていないようでは、先が思いやられる。
旅先で風邪を引くのはまだ許されるが、歯が痛くなってホテルから救急車で病院に運ばれるのはどうだろうか? 費用も高いし、心がけが悪いと言われてしまうだろう。
医療をカバーしている海外旅行保険に入ればよいとも言えるが、それよりも、歯のみならず、体全体の状態を完全にしておくのが基本だ。
カードはいるか?
さて、海外ビジネスを上手にこなすには以外と出発前が大切。仕事の準備はもちろんだが、それ以外にも国際免許証の取得など、やっておかなければならないことはたくさんある。
「レンタカーを借りたいんですが……」
「カードはどこですか?」
「現金で借りたいんですが……」
「ソーリー、カードがないとお貸しで
きません、どこでも同じですよ……」
「……」
20年ほど前に、ロサンゼルス空港で、レンタカーが借りられずに、途方に暮れたことがある。クレジット・カードが無けれぱ、借りられないというのは、今や常識だろう。
海外では、現金は余り頼りにならない面がある。第一盗難に会いやすく、しかも、信用と言ったらその額面までしかない。
それに比べて、クレジット・カードは信用があり便利。出発前に必ずVISA、マスター、アメリカンエキスプレスなどの、国際的に通用する力一ドを手に入れておこう。
レンタカーも、使うことがはっきりしているなら、日本で予約を入れておいたほうが良い。
航空会社はどう選んだら良いのだろうか?
行き先によって、選択の幅は制限されるが、米国に行くなら少なくとも片道はアメリカの航空会社の便を、利用したいものだ。私はなるべき行き先の国の飛行機に乗るようにしている。まあ、なるぺく色々な会社の飛行機に乗ってみるのがよいと思う。色々とサービスも違い、刺激になるし、やがて自分の好きな会社が決まってくるものだ。
ホテルも日本を出る前には決めておいた方がよい。会社の支店があれば、予約を入れておいてくれるだろうが、自分で決める場合には、知名度の高いホテルに泊まったほうが良いと思う。気分もいいし、色々と便利なことも多いものである。(2003年現在では、予約はインターネットを使うことが多い。)
支店や、駐在事務所がないところに泊まるときは、その都市に支店を持つ、商社その他の大企業に知り合いがいると便利である。そういう会社を通じると、3割引ぐらいでホテルに泊まれる事もある。
ヒヤリングの自信は?
英会話で一番難しいのはヒヤリングだと思う。少々英会話に自信のある人でも、アメリカに住んで最初の6ケ月は、ヒヤリングに苦労するものだ。まして、短期旅行者では当たり前である。
そこで、難しいのが飛行機の乗リ継ぎ。空港のアナウンスは、外国生活に憤れた人にとっても、決して聞きやすいものではない。こういう場合の第一の心構えは、「気取らない」事だろう。我慢をしないで、あるいは見えを張らないで、空港の関係者とか、隣の人に確認をすることだ。トランジットの場合は係員のいうとおりに動いていれば、まず間違いはない。飛行機から降りるときに力一ドを渡されるので、そのカードを持っている人々の動きを見ていれば、なんとかなる。だが、乗り換えの時は、自分で待合室内の航空会社のカウンターに行き、次の飛行機の搭乗券を貰わねばならない。下手すると荷物だけ出発し、本人はおいてきぼりを食わされてしまう。
「……だろう」とか「……のはずだ」で、行動をすると、痛い目に合いかねないからご用心。
英会話に関しては、もし自信が無ければゆっくりと確実に知っている単語を用いて喋ることが第一。早口は禁物だ。相手にこちらの意思が伝われば、それで会話は成功なのだから。
第二に、発音は正確にするよう努力すべきだが、欧米人と同じ発音である必要はない。
第三に、相手の言っていることが分からなかったら、出来る限り聞き返そう。でもこれは勇気がいる。筆者もついいい格好をして知ったかぶりをし、大恥をかくことがいまだにある。
第四に、英会話が下手だからといって、劣等感を持つのは止めよう。人間は皆、得意、不得意がある。自分の持っているものに自信を持とう。
第五に、英語の勉強をしよう。言葉というものは、使えば使うだけ身に付くもの。
お金は分散する
ホテルに落ち着いて、シャワーを浴びたら着替えをし、外出準備をするだろう。外出するときは、現金で、大金を持ち歩かないのは当たり前。極力、クレジット・力一ド、旅行者用小切手を使用し、現金は少しにしておくべきである。
タクシー代やチップなど、すく必要になる細かい現金は空港で換金しておくと便利。欧米諸国では100ドル程度。開発途上国なら50ドルで十分。
ホテルなどのこそ泥も、財布の中から、一枚か二枚の現金を抜き取るのが常套手段で、はっきりと分かるような盗み方はしない。旅慣れた人たちは、現金は分散して保管し、鍵の付いた鞄にしまっておく。そして外出時には、必要最小限しか現金を持たないものだ。
大切なものは身に付けておき、アタッシュケースにも入れないほうが良い。さらにアタッシュケースは、床に置かない事をお薦めする。ある旅慣れた商社マンがお店でお金を払うとき、ちょっとアタッシュケースを床に置いたら、「アッ」という問に別のものとすり替えられた、と嘆いていた。
ニューヨークの町中やロサンゼルスの下町を歩くときは、白昼強盗にすぐ渡せるよう、20ドル紙幣などをポケットに入れておく手もある。アメリカでビストルを突きつけられたら、絶対に逆らわないこと。
なお、現金と同じように、バスボート、航空券も、極力持ち歩かない事をお薦めする。紛失すると、現金同様に出てこないからだ。
さて、海外ビジネスを上手にこなすには以外と出発前が大切。仕事の準備はもちろんだが、それ以外にも国際免許証の取得など、やっておかなければならないことはたくさんある。
「レンタカーを借りたいんですが……」
「カードはどこですか?」
「現金で借りたいんですが……」
「ソーリー、カードがないとお貸しで
きません、どこでも同じですよ……」
「……」
20年ほど前に、ロサンゼルス空港で、レンタカーが借りられずに、途方に暮れたことがある。クレジット・カードが無けれぱ、借りられないというのは、今や常識だろう。
海外では、現金は余り頼りにならない面がある。第一盗難に会いやすく、しかも、信用と言ったらその額面までしかない。
それに比べて、クレジット・カードは信用があり便利。出発前に必ずVISA、マスター、アメリカンエキスプレスなどの、国際的に通用する力一ドを手に入れておこう。
レンタカーも、使うことがはっきりしているなら、日本で予約を入れておいたほうが良い。
航空会社はどう選んだら良いのだろうか?
行き先によって、選択の幅は制限されるが、米国に行くなら少なくとも片道はアメリカの航空会社の便を、利用したいものだ。私はなるべき行き先の国の飛行機に乗るようにしている。まあ、なるぺく色々な会社の飛行機に乗ってみるのがよいと思う。色々とサービスも違い、刺激になるし、やがて自分の好きな会社が決まってくるものだ。
ホテルも日本を出る前には決めておいた方がよい。会社の支店があれば、予約を入れておいてくれるだろうが、自分で決める場合には、知名度の高いホテルに泊まったほうが良いと思う。気分もいいし、色々と便利なことも多いものである。(2003年現在では、予約はインターネットを使うことが多い。)
支店や、駐在事務所がないところに泊まるときは、その都市に支店を持つ、商社その他の大企業に知り合いがいると便利である。そういう会社を通じると、3割引ぐらいでホテルに泊まれる事もある。
ヒヤリングの自信は?
英会話で一番難しいのはヒヤリングだと思う。少々英会話に自信のある人でも、アメリカに住んで最初の6ケ月は、ヒヤリングに苦労するものだ。まして、短期旅行者では当たり前である。
そこで、難しいのが飛行機の乗リ継ぎ。空港のアナウンスは、外国生活に憤れた人にとっても、決して聞きやすいものではない。こういう場合の第一の心構えは、「気取らない」事だろう。我慢をしないで、あるいは見えを張らないで、空港の関係者とか、隣の人に確認をすることだ。トランジットの場合は係員のいうとおりに動いていれば、まず間違いはない。飛行機から降りるときに力一ドを渡されるので、そのカードを持っている人々の動きを見ていれば、なんとかなる。だが、乗り換えの時は、自分で待合室内の航空会社のカウンターに行き、次の飛行機の搭乗券を貰わねばならない。下手すると荷物だけ出発し、本人はおいてきぼりを食わされてしまう。
「……だろう」とか「……のはずだ」で、行動をすると、痛い目に合いかねないからご用心。
英会話に関しては、もし自信が無ければゆっくりと確実に知っている単語を用いて喋ることが第一。早口は禁物だ。相手にこちらの意思が伝われば、それで会話は成功なのだから。
第二に、発音は正確にするよう努力すべきだが、欧米人と同じ発音である必要はない。
第三に、相手の言っていることが分からなかったら、出来る限り聞き返そう。でもこれは勇気がいる。筆者もついいい格好をして知ったかぶりをし、大恥をかくことがいまだにある。
第四に、英会話が下手だからといって、劣等感を持つのは止めよう。人間は皆、得意、不得意がある。自分の持っているものに自信を持とう。
第五に、英語の勉強をしよう。言葉というものは、使えば使うだけ身に付くもの。
お金は分散する
ホテルに落ち着いて、シャワーを浴びたら着替えをし、外出準備をするだろう。外出するときは、現金で、大金を持ち歩かないのは当たり前。極力、クレジット・力一ド、旅行者用小切手を使用し、現金は少しにしておくべきである。
タクシー代やチップなど、すく必要になる細かい現金は空港で換金しておくと便利。欧米諸国では100ドル程度。開発途上国なら50ドルで十分。
ホテルなどのこそ泥も、財布の中から、一枚か二枚の現金を抜き取るのが常套手段で、はっきりと分かるような盗み方はしない。旅慣れた人たちは、現金は分散して保管し、鍵の付いた鞄にしまっておく。そして外出時には、必要最小限しか現金を持たないものだ。
大切なものは身に付けておき、アタッシュケースにも入れないほうが良い。さらにアタッシュケースは、床に置かない事をお薦めする。ある旅慣れた商社マンがお店でお金を払うとき、ちょっとアタッシュケースを床に置いたら、「アッ」という問に別のものとすり替えられた、と嘆いていた。
ニューヨークの町中やロサンゼルスの下町を歩くときは、白昼強盗にすぐ渡せるよう、20ドル紙幣などをポケットに入れておく手もある。アメリカでビストルを突きつけられたら、絶対に逆らわないこと。
なお、現金と同じように、バスボート、航空券も、極力持ち歩かない事をお薦めする。紛失すると、現金同様に出てこないからだ。
握手の意味
ヤニック・ノアは握手を拒んだ。相手のイスラエルの選手も文旬を言っている。1989年のUS・才一プン・テニス、8日目の風景。ノアのガール・フレンドがイスラエルの選手がミスしたときに、何度も拍手したらしい。それでイスラエルの選手は怒り、観客席のその女性を罵倒したのだ。ノアは自分の家族が侮辱されたといって、握手を拒んだわけである。
しばらくの口論の末、イスラエルの選手が謝罪をして、二人は握手をし、コートを去った。
「握手」というのは、日本のお辞儀とは全く違う。「握手」には敵対関係を解消する、つまり、「和解」する、という意味が含まれているのだ。従って相手を敵だと思っている間は握手しない。この二人の場合も、もし、その場で握手をしていながったら、コートを離れても二人の敵対関係は続くことになる。そして次の日どこかで会っても、お互いにそっぽを向くだろう。
「握手」には、友情の確認という意味もある。従って、欧米人に紹介されて、相手があなたに握手を求めて来なかったら、あなたは歓迎されていない、と考えて間違いない。
そこで、欧米人に紹介されたら、まず、にこやかに握手をする必要がある。握手をしないと、彼らは紹介されたとは感じないのだ。だから生理的に嫌だ、などといわないで握手をすることだ。
そして握手の仕方にも相手の個性が読み取れる。もしもあなたの手を握りつぶすほど強く握ってきたら、それは一種の威嚇である。「俺はこのとおり握力も強いし、一対一で殴り合ったら負けないよ」という、交渉が始まる前の意志表示なのだ。こういう人間が交渉相手にいたら要注意。まず力まかせのごり押しをしてくるだろう。
一方、余り力を入れない人も要注意だ。何も決まらず物別れになりやすいような感じがする。それにしても相手の手を余り強く握るのは不作法で紳士的ではないので、辞めておいたほうがよい。
もしも何か彼らと難しい交渉事があるならばます、こちらから手を差し伸べ、友好の意を示すことをお薦めする。握手もしないでテーブルに着くと、相手側は疑心暗鬼となり、交渉がやりにくいことこのうえないのだ。
もしもあなたが女性の場合は、「握手」はしてもしなくてもよい。どちらにしても態度を早くはっさりさせた方が良い。つまり、握手をするなら、「サッ」と手を出すし、しないなら手を出さず、すぐ次の人の方を向いてしまうことである。
契約社会のルール
北米は「契約」社会である。日本の「調和」社会とは色々な面で違う。この違いを理解していないと、戸惑うことも多いので、簡単に解説しておこう。
契約社会の特徴の第一は、ルールを守る事である。
この間の参議院選挙の時、社会党の候補者が、新幹線を止めて問題になった。頼むほうもどうかと思うが、頼まれて止めるほうも度胸がいい。ここにはルール違反を余り気にしない日本の「調和」社会の特徴がよく出ている。
だが、こういうことは、契約社会では、車掌にビストルでも突き付けないかぎり起こらない。
もう一つの契約社会の特徴は、ルール違反に対する制裁が厳しいことだ。
筆者の友人が、これまた契約社会の一才一ストラリアに、禁輸品の鮭のくんせいを持ち込もうとして税関で捕まった。裁判所で、禁固3ケ月の求刑をされたのだが、結局60万円の罰金となった。
契約社会では、ルールを破るとなぜこんなに制裁が厳しいのだろうか。それは、契約社会の基本原理が「公平」、つまり「フェア」の理念に基づいているからなのだ。「契約」は、基本的に当時者双方に「公平」に出来ているべきなのである。だから「契約」にサインをしたわけだ。
「ルール」も、万人に公平にできているはすである。従って、一方的に契約を破ったり、ルール違反をする事は、犯罪者と見なされるのだ。一般的に言って、欧米人がルールを守るのは、以上の理由による。
だが、彼らが善人ばかりだと思ったら、それは、とんでもない間違いである。ルール違反がバレないことが確実なら、何でもやりかねないと考えていたほうがよい。それが証拠に、どこの監獄も囚人でいっぱいで、社会問題になっているほどだ。
さて、一方我々の住んでいる調和社会の基本原理は何だろうか?それは、「調和が第一」の理念である。つまり、「調和が保てる」なら、少々のルール違反には目をつぶる社会なのだ。従って、「皆がやっているから大丈夫さ」などという甘い幻想を抱き、ルール違反をすることも、ままありがちだ。
このように全く異なった基本原理を持つ国に行くのだから、せめてルール違反はしないように心掛けることが肝要である。
ヤニック・ノアは握手を拒んだ。相手のイスラエルの選手も文旬を言っている。1989年のUS・才一プン・テニス、8日目の風景。ノアのガール・フレンドがイスラエルの選手がミスしたときに、何度も拍手したらしい。それでイスラエルの選手は怒り、観客席のその女性を罵倒したのだ。ノアは自分の家族が侮辱されたといって、握手を拒んだわけである。
しばらくの口論の末、イスラエルの選手が謝罪をして、二人は握手をし、コートを去った。
「握手」というのは、日本のお辞儀とは全く違う。「握手」には敵対関係を解消する、つまり、「和解」する、という意味が含まれているのだ。従って相手を敵だと思っている間は握手しない。この二人の場合も、もし、その場で握手をしていながったら、コートを離れても二人の敵対関係は続くことになる。そして次の日どこかで会っても、お互いにそっぽを向くだろう。
「握手」には、友情の確認という意味もある。従って、欧米人に紹介されて、相手があなたに握手を求めて来なかったら、あなたは歓迎されていない、と考えて間違いない。
そこで、欧米人に紹介されたら、まず、にこやかに握手をする必要がある。握手をしないと、彼らは紹介されたとは感じないのだ。だから生理的に嫌だ、などといわないで握手をすることだ。
そして握手の仕方にも相手の個性が読み取れる。もしもあなたの手を握りつぶすほど強く握ってきたら、それは一種の威嚇である。「俺はこのとおり握力も強いし、一対一で殴り合ったら負けないよ」という、交渉が始まる前の意志表示なのだ。こういう人間が交渉相手にいたら要注意。まず力まかせのごり押しをしてくるだろう。
一方、余り力を入れない人も要注意だ。何も決まらず物別れになりやすいような感じがする。それにしても相手の手を余り強く握るのは不作法で紳士的ではないので、辞めておいたほうがよい。
もしも何か彼らと難しい交渉事があるならばます、こちらから手を差し伸べ、友好の意を示すことをお薦めする。握手もしないでテーブルに着くと、相手側は疑心暗鬼となり、交渉がやりにくいことこのうえないのだ。
もしもあなたが女性の場合は、「握手」はしてもしなくてもよい。どちらにしても態度を早くはっさりさせた方が良い。つまり、握手をするなら、「サッ」と手を出すし、しないなら手を出さず、すぐ次の人の方を向いてしまうことである。
契約社会のルール
北米は「契約」社会である。日本の「調和」社会とは色々な面で違う。この違いを理解していないと、戸惑うことも多いので、簡単に解説しておこう。
契約社会の特徴の第一は、ルールを守る事である。
この間の参議院選挙の時、社会党の候補者が、新幹線を止めて問題になった。頼むほうもどうかと思うが、頼まれて止めるほうも度胸がいい。ここにはルール違反を余り気にしない日本の「調和」社会の特徴がよく出ている。
だが、こういうことは、契約社会では、車掌にビストルでも突き付けないかぎり起こらない。
もう一つの契約社会の特徴は、ルール違反に対する制裁が厳しいことだ。
筆者の友人が、これまた契約社会の一才一ストラリアに、禁輸品の鮭のくんせいを持ち込もうとして税関で捕まった。裁判所で、禁固3ケ月の求刑をされたのだが、結局60万円の罰金となった。
契約社会では、ルールを破るとなぜこんなに制裁が厳しいのだろうか。それは、契約社会の基本原理が「公平」、つまり「フェア」の理念に基づいているからなのだ。「契約」は、基本的に当時者双方に「公平」に出来ているべきなのである。だから「契約」にサインをしたわけだ。
「ルール」も、万人に公平にできているはすである。従って、一方的に契約を破ったり、ルール違反をする事は、犯罪者と見なされるのだ。一般的に言って、欧米人がルールを守るのは、以上の理由による。
だが、彼らが善人ばかりだと思ったら、それは、とんでもない間違いである。ルール違反がバレないことが確実なら、何でもやりかねないと考えていたほうがよい。それが証拠に、どこの監獄も囚人でいっぱいで、社会問題になっているほどだ。
さて、一方我々の住んでいる調和社会の基本原理は何だろうか?それは、「調和が第一」の理念である。つまり、「調和が保てる」なら、少々のルール違反には目をつぶる社会なのだ。従って、「皆がやっているから大丈夫さ」などという甘い幻想を抱き、ルール違反をすることも、ままありがちだ。
このように全く異なった基本原理を持つ国に行くのだから、せめてルール違反はしないように心掛けることが肝要である。
契約社会の交渉術
スーパー301条などの件に絡んで、日本はアメリカから、よく「アンフェアだ」と言われる。実はこの言い方は、契約社会の交渉術の一つで、筆者もよく使ってきた。
何かの交渉をしていて、どうもよく分からないが、何だかうまく騙されているような気がするときがある。また、どうも相手は自分勝手なことを言っているな、と感じたときに「イッツ・ノット・フェア(It's not fair)」と、言ってみることである。
相手は血相をかえ、真剣に彼が「フェア」であることを証明してくれるはずだ。「アンフェア」だと言われることは、契約社会の住む人にとって、我慢できないことなのだ。なぜならそれは「あなたは契約社会に住む資格が有りませんよ」と、言われているのと同じだからだ。
だが、調和社会の住人である我々は、相手から「アンフェアだ」と言われても、「あっ、そお?」という程度で、余り骨身に感じない。そして、フェアであるかどうかよりも、相手との調和が出来るかどうかが気になる。
これは、日本政府のアメリカ政府への反応を見ても同じだ。
日本側にとっては、アメリカとの間に波を立たせないこと・・・、つまり「調和」が第一なのだ。そして、「フェア」、「アンフェア」などということは二の次である。従って、「アメリカさんは、構造問題だの何だの煩わしいことを言ってくるが、仕方がない、妥協して調和が図れるなら、我慢しましょう」というのが基本的態度。そこで基本理念はそっちのけで妥協に妥協を重ねることになる。
一方アメリカは、日本側が真剣になって「フェア」であることを証明してくれると期待していたのに反応が鈍く、「日本はずるい、適当にこまかして、アンフェアを続けようとしている」と、感じてしまう。
このように、調和社会と契約社会は全く物の見方、考え方が違う。従って北米に来て契約を結ぶときはよくよくの注意が必要。
契約は公平でなくてはならないと言っても、立場によって公平の解釈が違うことは当然のこと。従って、自分にとって、あるいは自分の会社にとって、「フェア」であるかどうかを綿密に検討しなければ、後で後悔することになる。金額の大きな契約では、専門の弁護士のアドバイスを頼むのは当然のことだ。
男性中心語に注意!
雇用機会均等法の成立に見られるように、日本でも最近は女性の地位向上に対して大きな注意と関心がはらわれてきている。ことに、女性蔑視につながるような男性中心語の使用に関しては厳にその使用をつつしむべきだろう。諸外国においてもこの傾向は年々強まっている。
男性中心語を使うな!という運動は、やはり北アメリカが発生の地。おかげでただでさえ苦労している英語がまた難しくなった・・・と愚痴を言うと、すかさす女性軍から「礼儀を知らないのね」と、攻撃されるご時世である。
蔑視につながるような言葉は、女性に対してだけでなく、少数民族、身体障害者などに対しても使われており、それらすべてを改善しようというのが、この運動の試みだ。
例えば、マンパワー・ショーテージ (Man power Shortage:人手不足)という言葉は、男だけを示しているように感じられる。従って、レーバー・ショーテージ(Labour Shortage)と、言わなければいけないことになる。
また、Mrs. Thatcher and George Bushと言ってもいけないそうだ。この場合は、Mrs. Thatcher and Mr. Bushと言うか、あるいは、Margaret Thatcher and George Bushと言うべきだそうである。
確かに男性中心語をなくすのは大切なことだし、礼儀にもかなっていると思う。しかし、一国を代表する首相や大臣が在任中に、平気で人種差別や女性蔑視の発言をするお国柄の住民である我々は、よほど気を付けないと、使ってしまいそう。そこで、以下に主な男性中心語の一覧を掲げてある。
筆者と一緒に勉強していただけたら幸いだ。ほんのチョットした、英語の使い方で、軽蔑されたり、嫌われたりしてはつまらない。
注意すべき用語一覧
a:現在使われている語法
b:これから使うべき語法
c:日本語訳
a: Businessman
b: Business Executive
c: 会社員
a: Cameraman
b: Photographer
c: 写真家
a: Chairman
b: Convener or Chairperson
c: 会長、議長
a: Fisherman
b: Angler
c: 漁師、釣り人
a: Foreman
b: Supervisor or Overseer
c: 監督
a: Mankind
b: Humanity or Human beings
c: 人類
a: Maid
b: Cleaner
c: お手伝いさん
a: Manhole
b: Access Hole
c:マンホール
a: Man hours
b: Work hours
c: 労働時間
a: Oneman show
b: Solo Performance
c: 独演
a: Policeman
b: Policeofficer
c: 警察官
a: Salesman
b: Sales representative
c: 営業マン
a: Spokesman
b: Spoke Person
c: 代表者
a: Statesman
b: Diplomat Leader
c: 政治家
a: Tradesman
b: Trades person
c: 商人、職人
a: Workmanlike
b: Skillfu1
c: 熟練
(参考資料:Guidelines for Non-discriminatory Language by Water Resources Commission, Australia)
スーパー301条などの件に絡んで、日本はアメリカから、よく「アンフェアだ」と言われる。実はこの言い方は、契約社会の交渉術の一つで、筆者もよく使ってきた。
何かの交渉をしていて、どうもよく分からないが、何だかうまく騙されているような気がするときがある。また、どうも相手は自分勝手なことを言っているな、と感じたときに「イッツ・ノット・フェア(It's not fair)」と、言ってみることである。
相手は血相をかえ、真剣に彼が「フェア」であることを証明してくれるはずだ。「アンフェア」だと言われることは、契約社会の住む人にとって、我慢できないことなのだ。なぜならそれは「あなたは契約社会に住む資格が有りませんよ」と、言われているのと同じだからだ。
だが、調和社会の住人である我々は、相手から「アンフェアだ」と言われても、「あっ、そお?」という程度で、余り骨身に感じない。そして、フェアであるかどうかよりも、相手との調和が出来るかどうかが気になる。
これは、日本政府のアメリカ政府への反応を見ても同じだ。
日本側にとっては、アメリカとの間に波を立たせないこと・・・、つまり「調和」が第一なのだ。そして、「フェア」、「アンフェア」などということは二の次である。従って、「アメリカさんは、構造問題だの何だの煩わしいことを言ってくるが、仕方がない、妥協して調和が図れるなら、我慢しましょう」というのが基本的態度。そこで基本理念はそっちのけで妥協に妥協を重ねることになる。
一方アメリカは、日本側が真剣になって「フェア」であることを証明してくれると期待していたのに反応が鈍く、「日本はずるい、適当にこまかして、アンフェアを続けようとしている」と、感じてしまう。
このように、調和社会と契約社会は全く物の見方、考え方が違う。従って北米に来て契約を結ぶときはよくよくの注意が必要。
契約は公平でなくてはならないと言っても、立場によって公平の解釈が違うことは当然のこと。従って、自分にとって、あるいは自分の会社にとって、「フェア」であるかどうかを綿密に検討しなければ、後で後悔することになる。金額の大きな契約では、専門の弁護士のアドバイスを頼むのは当然のことだ。
男性中心語に注意!
雇用機会均等法の成立に見られるように、日本でも最近は女性の地位向上に対して大きな注意と関心がはらわれてきている。ことに、女性蔑視につながるような男性中心語の使用に関しては厳にその使用をつつしむべきだろう。諸外国においてもこの傾向は年々強まっている。
男性中心語を使うな!という運動は、やはり北アメリカが発生の地。おかげでただでさえ苦労している英語がまた難しくなった・・・と愚痴を言うと、すかさす女性軍から「礼儀を知らないのね」と、攻撃されるご時世である。
蔑視につながるような言葉は、女性に対してだけでなく、少数民族、身体障害者などに対しても使われており、それらすべてを改善しようというのが、この運動の試みだ。
例えば、マンパワー・ショーテージ (Man power Shortage:人手不足)という言葉は、男だけを示しているように感じられる。従って、レーバー・ショーテージ(Labour Shortage)と、言わなければいけないことになる。
また、Mrs. Thatcher and George Bushと言ってもいけないそうだ。この場合は、Mrs. Thatcher and Mr. Bushと言うか、あるいは、Margaret Thatcher and George Bushと言うべきだそうである。
確かに男性中心語をなくすのは大切なことだし、礼儀にもかなっていると思う。しかし、一国を代表する首相や大臣が在任中に、平気で人種差別や女性蔑視の発言をするお国柄の住民である我々は、よほど気を付けないと、使ってしまいそう。そこで、以下に主な男性中心語の一覧を掲げてある。
筆者と一緒に勉強していただけたら幸いだ。ほんのチョットした、英語の使い方で、軽蔑されたり、嫌われたりしてはつまらない。
注意すべき用語一覧
a:現在使われている語法
b:これから使うべき語法
c:日本語訳
a: Businessman
b: Business Executive
c: 会社員
a: Cameraman
b: Photographer
c: 写真家
a: Chairman
b: Convener or Chairperson
c: 会長、議長
a: Fisherman
b: Angler
c: 漁師、釣り人
a: Foreman
b: Supervisor or Overseer
c: 監督
a: Mankind
b: Humanity or Human beings
c: 人類
a: Maid
b: Cleaner
c: お手伝いさん
a: Manhole
b: Access Hole
c:マンホール
a: Man hours
b: Work hours
c: 労働時間
a: Oneman show
b: Solo Performance
c: 独演
a: Policeman
b: Policeofficer
c: 警察官
a: Salesman
b: Sales representative
c: 営業マン
a: Spokesman
b: Spoke Person
c: 代表者
a: Statesman
b: Diplomat Leader
c: 政治家
a: Tradesman
b: Trades person
c: 商人、職人
a: Workmanlike
b: Skillfu1
c: 熟練
(参考資料:Guidelines for Non-discriminatory Language by Water Resources Commission, Australia)
食事の席では?
「日本食しか駄目なんですが」と、言う方が居るかもしれない。だが、国際派のビジネス・エグゼクティブたる者、初級の段階から、「日本食無し」の世界に挑戦することをお薦めする。
日頃から洋食に慣れる努力も必要なのだ。日本で一週間ほど米飯無しの洋食生活をトライしてみたらいかが? 1カ月ならもっとよい。
外国で外国人に愛される第一歩は、まずそこの土地の食事を「うまい、うまい」と言って食べるところから始まるのだから……。
それに土地の人々が食べているものを食べるほうが、はるかに安くつく。インドネシアに2年間住んだとき、徹底的に現地食にしたら、体重は減るし、コレステロールは貯まらない。たちまち健康になった経験がある。つまり、慣れるまではおいしくなくて量が少ないし、粗食なのでたちまちやせた。
もっとも、同じことをオーストラリアでやったら、牛肉のバーベキューの食べ過ぎで、たちまちコレステロールに赤信号。でも、日本食を食べるよりは安くついた。
買い物の楽しみ
北米旅行のもう一つの楽しみはショッピング。
行く土地によって、その土地独特の面白い品物が沢山あるが、そう各地に足を延ばせなくても、せめて、いたるところにある大ショッピング・センターには行ってみよう。
アメリカでのショッピング作戦の第一は、メイド・イン・USAを買うことだ。アメリカのお店の品揃えは個性的。例えば、ジーンズひとつとっても、日本のお店だとその時流行している物しか置いていないが、あちらには個性派のあなた向きに奇抜なものが色々とある。
第二の作戦は、日本で見たこともない洒落たものをできるだけ買って来ることだ。アメリカは、今でも文化の発祥地。アメリカで成功したアイデアは、半年遅れで必ず日本にやって来る。
昔はやった「ディスカバー・ジャパン」のキャンベーンも、アメリカの「ディスカバー・アメリカ」キャンベーンのもの真似だし、「ゲバゲバ90分」というテレビのお笑い番組も、当時アメリカで人気の有った「ラーフィン」という番組の日本版。そして、日本の遊園地にある、逆さまに走るジェット・コースター、インラインスケーティングも、元はといえば、アメリカではやったものだ。だからあなたも、日本の流行の先取りが出来る訳である。
第三の作戦は、日本では高く、アメリカでは安いものを買って帰る事である。お薦めの第一は、銀食器。日本で売られている価格の半分以下の値段で手に入る。
その次に挙げられるのが、スボーツ用品だ。ゴルフセット、テニスラケットはもちろんウインド・サーフィンなどの道具も日本よりは安いはずだ。(2003年現在の円安では無理か?)
税関でひっかからない、為に
「どうも、お仕事ご苦労さまでした」
日本の税関でそういわれて、ノーチェックで通ったのは、だいぶ海外旅行に慣れてからだ。若い頃は、ヒッピーまがいの格好で通ろうとして税関に捕まり、徹底的に検査された事もある。それ以来、日本に帰国するときは、きちんとした身なりをすることにしている。
「どうも、お仕事ご苦労さまでした」と言われた冒頭の話は、国際会議の裏方の仕事の後、タイプライターを抱えて帰国した際の事。このタイプライターが効いたのだ。(2003年ならパソコン?)
現在の筆者の方針は、正直に申告をし、税の掛かりそうなものはひとまとめにして袋に入れ通関時に見せることである。
有難いことに、金満大国日本には何でもあり、今どき、税関に捕まるリスクを犯してまで持ち込みたいものは、それほどないと思うがいかがだろう。
* * *
だいぶ前に書いた記事だが、現在でも大きくは変わっていないと感じた。
この記事は北米への旅行者を対象にしたものだが、中国や、タイやインドへの旅行者を対象にしたものを書かなければいけないようだ。さらにはテロや危険な肺炎への対策、飛行機でどこに席を取るか、など、まだまだノウハウはいろいろある。
それにしても日本人のコスモポリタン(世界人)は、現在も極めて少ないと思う。最近の日本人の意識はさらに内向きになっており、国粋的な人々が増えている。
日本人のコスモポリタン(世界人)はなぜ育たないのだろう。
簡単なことなのだ・・・人種や皮膚の色や文化の違いにとらわれず、ただ、対面する人物の本質を見抜く力があればよいだけなのだ。
もっとも、そのためには、誰でも掛けている色眼鏡をはずさなくてはならないが・・・。
まず、自分がどんな色眼鏡をかけているかを認識しなければならないのだが、それには、客観的に自分を(日本人を)見る必要がある。客観的に自分の(日本人の)奇妙でおかしな姿を笑ってみる必要があるのだ。
もっと多くの日本人が、この小さな国から飛び出して、世界でもまれる必要があるようだ。そして、自分が典型的な日本人であることを悟り、日本人としての文化的限界を知り、それから異なった文化を理解し、世界人となる修練を積むことが望ましい。
「日本食しか駄目なんですが」と、言う方が居るかもしれない。だが、国際派のビジネス・エグゼクティブたる者、初級の段階から、「日本食無し」の世界に挑戦することをお薦めする。
日頃から洋食に慣れる努力も必要なのだ。日本で一週間ほど米飯無しの洋食生活をトライしてみたらいかが? 1カ月ならもっとよい。
外国で外国人に愛される第一歩は、まずそこの土地の食事を「うまい、うまい」と言って食べるところから始まるのだから……。
それに土地の人々が食べているものを食べるほうが、はるかに安くつく。インドネシアに2年間住んだとき、徹底的に現地食にしたら、体重は減るし、コレステロールは貯まらない。たちまち健康になった経験がある。つまり、慣れるまではおいしくなくて量が少ないし、粗食なのでたちまちやせた。
もっとも、同じことをオーストラリアでやったら、牛肉のバーベキューの食べ過ぎで、たちまちコレステロールに赤信号。でも、日本食を食べるよりは安くついた。
買い物の楽しみ
北米旅行のもう一つの楽しみはショッピング。
行く土地によって、その土地独特の面白い品物が沢山あるが、そう各地に足を延ばせなくても、せめて、いたるところにある大ショッピング・センターには行ってみよう。
アメリカでのショッピング作戦の第一は、メイド・イン・USAを買うことだ。アメリカのお店の品揃えは個性的。例えば、ジーンズひとつとっても、日本のお店だとその時流行している物しか置いていないが、あちらには個性派のあなた向きに奇抜なものが色々とある。
第二の作戦は、日本で見たこともない洒落たものをできるだけ買って来ることだ。アメリカは、今でも文化の発祥地。アメリカで成功したアイデアは、半年遅れで必ず日本にやって来る。
昔はやった「ディスカバー・ジャパン」のキャンベーンも、アメリカの「ディスカバー・アメリカ」キャンベーンのもの真似だし、「ゲバゲバ90分」というテレビのお笑い番組も、当時アメリカで人気の有った「ラーフィン」という番組の日本版。そして、日本の遊園地にある、逆さまに走るジェット・コースター、インラインスケーティングも、元はといえば、アメリカではやったものだ。だからあなたも、日本の流行の先取りが出来る訳である。
第三の作戦は、日本では高く、アメリカでは安いものを買って帰る事である。お薦めの第一は、銀食器。日本で売られている価格の半分以下の値段で手に入る。
その次に挙げられるのが、スボーツ用品だ。ゴルフセット、テニスラケットはもちろんウインド・サーフィンなどの道具も日本よりは安いはずだ。(2003年現在の円安では無理か?)
税関でひっかからない、為に
「どうも、お仕事ご苦労さまでした」
日本の税関でそういわれて、ノーチェックで通ったのは、だいぶ海外旅行に慣れてからだ。若い頃は、ヒッピーまがいの格好で通ろうとして税関に捕まり、徹底的に検査された事もある。それ以来、日本に帰国するときは、きちんとした身なりをすることにしている。
「どうも、お仕事ご苦労さまでした」と言われた冒頭の話は、国際会議の裏方の仕事の後、タイプライターを抱えて帰国した際の事。このタイプライターが効いたのだ。(2003年ならパソコン?)
現在の筆者の方針は、正直に申告をし、税の掛かりそうなものはひとまとめにして袋に入れ通関時に見せることである。
有難いことに、金満大国日本には何でもあり、今どき、税関に捕まるリスクを犯してまで持ち込みたいものは、それほどないと思うがいかがだろう。
* * *
だいぶ前に書いた記事だが、現在でも大きくは変わっていないと感じた。
この記事は北米への旅行者を対象にしたものだが、中国や、タイやインドへの旅行者を対象にしたものを書かなければいけないようだ。さらにはテロや危険な肺炎への対策、飛行機でどこに席を取るか、など、まだまだノウハウはいろいろある。
それにしても日本人のコスモポリタン(世界人)は、現在も極めて少ないと思う。最近の日本人の意識はさらに内向きになっており、国粋的な人々が増えている。
日本人のコスモポリタン(世界人)はなぜ育たないのだろう。
簡単なことなのだ・・・人種や皮膚の色や文化の違いにとらわれず、ただ、対面する人物の本質を見抜く力があればよいだけなのだ。
もっとも、そのためには、誰でも掛けている色眼鏡をはずさなくてはならないが・・・。
まず、自分がどんな色眼鏡をかけているかを認識しなければならないのだが、それには、客観的に自分を(日本人を)見る必要がある。客観的に自分の(日本人の)奇妙でおかしな姿を笑ってみる必要があるのだ。
もっと多くの日本人が、この小さな国から飛び出して、世界でもまれる必要があるようだ。そして、自分が典型的な日本人であることを悟り、日本人としての文化的限界を知り、それから異なった文化を理解し、世界人となる修練を積むことが望ましい。