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最後の審判

最後の審判1

 21世紀に入って、早くも5年目に突入した。2004年は、災いの年だった。日本では記録的な酷暑に最多の台風、大地震、そして最後の最後にもインドネ シアでの大地震による大津波。アンダマン海には、人口すら正確に把握できていない島々が数多くある。スマトラ島沖での地震被害者は、20万人近くになるの は確実だろう。
 実は、インドネシアの地震のほんの数日前の12月24日にも、マグニチュード8.1の最大級の地震がおきていた事を知っているだろうか。場所は、オース トラリア・タスマニア島と南極の間の海底だ。幸いにも、周辺に人の住む場所は無く、津波も起きなかったので、被害は無かった。
 その、わずか2日後に、インドネシアのスマトラ島沖で、マグニチュード9.0の地震が起きたのだ。この地震で、地球の自転が3マイクロ秒早くなったと言 うから驚きだ。通常、マグニチュードが8を超える規模の地震は、全世界で3~4年に一度しか起きない。この度重なる災害の連続は、いったいどうなっている のだろうか?
 災いの年2004年が過ぎ去ったにもかかわらず、自然災害は一向に衰える気配が無い。ヨーロッパでは、洪水や強風が相次いでいる。あの水位上昇に悩まさ れてきた水の都ベニスでは、逆に異常な晴天続きで、水路の水が干上がってしまい、ゴンドラが座礁してしまったと言う。アメリカに目を移すと北アメリカの多 くの地域で記録的な雪嵐が吹き荒れ、カリフォルニアでは大洪水が起こっている。
 これらの異常気象は、アラスカ上空に異常に強い高気圧が発達し、偏西風を大きく蛇行させているからだと言う。では何故アラスカ上空に強い高気圧が発達し たのだろうか?一説によると、去年の台風の多さと関係があると言う。しかし、本当のところは、誰にもわからない。異常気象である!
 ひょっとしたら、本当に地球規模の大災害が、迫っている前兆なのではないだろうか。映画「デイ・アフター・トゥモロー」のように大氷河期到来の前触れなのだろうか。或いは、恐竜を絶滅に追いやったような天変地異が、再び起こるのではないか。不気味な予感がする。
 しかし、地球の歴史を見る限り、原因が何であれ大量絶滅は、生物進化に必要不可欠であったと。人類以上に進化した生物の出現には、地球規模での大災害で生物が大量絶滅する事が必要なのかもしれない。はたして、神は次の、高等生物作成に取り掛かったのだろうか?

最後の審判2

地球上に最初の生物の痕跡が現れたのは、おおよそ40億年も前のことである。その生物が、多細胞となり複雑に進化し始めたのは、たかだか6億年前の事に過ぎない。何と生物は、その歴史のほとんどの期間を、たった一個の単細胞の微生物として過ごして来たに過ぎない。
 それが、突如、多細胞の複雑な構造をもつ生物として、爆発的な進化を始めたのは、何故だろうか。どうやら、地球規模での大異変が、深く関わっているらし いのだ。最近、最も注目されているのが、「スノーボール・アース」仮説だ。「全地球凍結」仮説と訳されることもある。地球上に多細胞生物が、登場する直前 の約6億年前、全地球が完全に凍りついたらしいのだ。この凍結により、それまでの長い先カンブリア時代に隆盛を極めていた、ストロマトライトなどの単細胞 生物は絶滅し、わずかに生き残った生物から多細胞生物が進化したと言う。
 ケンブリッジ大学出身のサイエンスライター「ガブリエル・ウォーカー」氏の著作「スノーボール・アース」を中心に簡単に、この仮説を紹介していこう。
 実は、地球が一度完全に凍りついた事があるという仮説は、まったくの新説ではなく、以外に古くからある仮説である。最初に、世界規模での氷河期が起こっ たとする仮説が立てられたのは、100年以上も前のことらしい。しかし、先カンブリア時代末期に地球が世界規模で凍結したと言う、現在の「スノーボール・ アース」理論の基を築いたのは、ケンブリッジ大学のブライアン・ハーランドで、1960年代の事である。
 ブライアン・ハーランドは、グリーンランドの東にあるスバールバル諸島での調査で、氷河が起源と考えられる先カンブリア時代のドロップストーンを発見してこの化説を組み立てた。
しかし、学会の反応は冷ややかな物だった。確かに氷河が運んだ場違いなドロップストーンが、存在する事は間違いない。しかし、赤道地方の物まで、氷河が運 んだとする証拠は無いと、多くの地質学者は猛反発した。氷河のドロップストーンのように見えるものは、氷河ではなく洪水で運ばれる事もあると言うのだ。更 に、一度完全に凍結した地球は、もう二度と暖かい環境を取り戻す事はありえないという。なぜなら、一度凍りついて真っ白になった地球は、太陽光を宇宙に反 射してしまうので、もう二度と地表が温められることは無いと考えられるからだ。
 おまけに、大陸が移動すると言う「プレート・テクトニクス」理論の登場が、全地球凍結のシナリオにとどめをさした。彼が発見した世界中の氷河起源のド ロップストーンが、先カンブリア時代に、赤道上にあったと証明しない限り、世界規模での氷河の存在を証明できなくなってしまったのだ。今は赤道上でも、石 が積もったときは、高緯度にあった可能性が考えられるからだ。
 ところが、地質学の研究が発展する中で、どうしても形成過程が不明なドロップストーンが存在する事に、少数の学者が気付き始めた。カナダの地質学者ポー ル・ホフマンもその一人だった。長年、北極圏で調査を続けてきたポール・ホフマンにとって、氷河で運ばれたドロップストーンを見分ける事は容易だった。
 当初ポール・ホフマンも、これらのドロップストーンの事を、あまり気にかけることは無かった。しかし、アフリカのナミビアで明らかに氷河によって運ばれ たドロップストーンを、数多く目にするうちに、何かがおかしいと直感した。そして、世界中で同じようなドロップストーンを目にした記憶から、かつて赤道地 方でも氷河が形成されたと確信したのだ。彼は、多くの研究者と共に世界中を、駆け回り、証拠集めに奔走した。
 その結果、全地球規模での凍結の証拠は確実につかんだのだ。現在この化説が、大きな注目を浴びているのは、周知の事実である。
 さて、ここで問題となるのは「再び全地球が凍結するような事があるのだろうか」と言うことである。残念ながら、明確な答えはわからない。一度起こった事 が、もう一度起きないと言い切る事は誰にも出来ないのが現状だろう。最新の研究結果からは、全地球の凍結は少なくとも、2回は起こったという。1回目は、 20億年以上前であると言う。2回目は、今見てきたように、おおよそ6億年前、正確には7億5000万年前から、5億6000万年前の間に、最低4回の氷 結と解凍を繰り返していると言う。
 この2回の全地球大凍結の時代に、共通しているものはあるのだろうか?実は、この2回の時期には、大陸の大半が赤道付近に集まっていたと言う、共通点が あるらしい。詳しいメカニズムは省略するが、これこそ、全凍結のメカニズムを解決する手がかりと言うのだ。しかし、少なくとも、過去6億年間は、地球の凍 結は起こっていない。おまけに、大陸が赤道付近に大集合しそうな気配も無い。差し迫った脅威と考える必要は、まったく無いだろう。
 だからと言って、生物の大量絶滅が再び起きないと言うわけではない。むしろ、近い将来に確実に起こる事と考えた方がいいだろう。何しろ生物を大量絶滅に追いやる原因は、数限りなく存在するのだ。実際、全地球凍結以後も、生物は幾度となく大絶滅を繰り返している。

最後の審判3

結局、地球の歴史を見てみると、大量絶滅が起こり古い生物が一掃された後、より優れた生物が出現すると言う事の繰り返しのようである。大きな絶滅を簡単にまとめてみよう。

  • 6億年前 ベンド紀の始まり
    全地球凍結により、単細胞生物の多くが死に絶え、多細胞生物が現れた。
  • 5億4500万年前 ベンド紀/カンブリア紀境界
    ベンド生物群が絶滅し、カンブリア大爆発が始まる。硬い殻をもつ生物が登場し、脊椎動物の祖先ピカイアが現れる。
  • 4億4300万年前 オルドビス紀/シルル紀境界
    動物と植物が陸上へと進出し、脊椎動物が繁栄を始める。
  • 2億4800万年前 ペルム紀/三畳紀境界
    哺乳類の祖先を抑え、爬虫類が繁栄を始める。恐竜が姿をあらわす。
  • 2億600万年前 三畳紀/ジュラ紀境界
    史上最大の生物大絶滅の後、恐竜が大繁栄を始める。
  • 6500万年前 白亜紀/第三紀境界
    恐竜の絶滅の後、哺乳類が大繁栄を始める。人類の登場。
 ざっと、以上のようになる。新しい大繁栄の前には、絶滅が常にかかわっている事がわかるだろう。それでは、再び大絶滅が起こるとして、具体的には、どん な危険性が存在するだろうか。恐竜絶滅の様々な仮説の中で紹介した、絶滅原因の多くが、実際、絶滅を引き起こす現実的な問題として取り上げられるだろう。
 とりわけ、宇宙からの威嚇は地球上の生物にとって実に大きな問題である。いま、この瞬間にも、太陽系内では無数の隕石や小惑星が飛び交っている。この様 な小天体の一つが、いつ地球に向けて突っ込んできても、まったく意外ではないのだ。月を望遠鏡で覗いて見れば、この事は明らかだろう。
 現実的に重さ10L程度の隕石は、地球上に年間約830個も落下していると推定されている。何と、驚く事に飛行中に隕石の直撃を受けて、爆発したとさ れる旅客機さえ存在するのだ。1996年ニューヨーク、ロングアイランド沖でアメリカの旅客機TWA800便が謎の空中爆発を起こして墜落した。
 当初、目撃者の証言からTWA800便には、ミサイルが打ち込まれたのではないかと考えられた。数多くの人々が、TWA800便に向かって飛んでいく、 光る物体を目撃したのだ。TWA800便は、この直後に爆発炎上した。しかし、TWA800便には、ミサイルやその他の爆発物による爆発の痕跡は無かっ た。結局、信じられないような話だが、TWA800便は、飛行中に微小な隕石に衝突された事が原因となって、爆発炎上したとされているのだ。
 1908年には、シベリアのツングースカ上空で、進入してきた小天体が大爆発を起こしている。この時の地震波は全世界で記録され、ヨーロッパでは夜間に 新聞が読めるほどの明かりに包まれたと言う。この時の小天体は、約100m程度と推定されているが、この規模の小天体の衝突は、平均的に見て1000年に 一度の割合で起こっていると言う。この様に小天体との衝突は、何時になるかは判らないが、将来確実に起こる事柄なのだ。そして、それが起こった時は、常に 生物の大絶滅を引き起こすに十分な理由になりえる。
 はたして、人類はこの危機に対処する事が出来るのだろうか。このような不測の事態に備えるべく、国際スペースガード財団が設立されている。地球に衝突す る危険のある小天体を事前に見つけ出そうと言うのである。しかし、たとえ見つけられたとしても映画とは異なり、ほとんど成す術もないまま運を天に任せるほ かないだろう。現実的には、現在の技術レベルでは、まったく太刀打ちできないのだ。  でも安心してほしい。隕石衝突ごときで、人類が完全に絶滅してしまう可能性は低いと考えられるからだ。たとえ原始生活に逆戻りしたとしても、人類の一部は生き残るだろう。 高度な知恵と能力を備えた人類は、地球上で最も生存能力の高い高等動物といってさしつかえない。
 そもそも最近、隕石の脅威が過剰に取り上げられているのでは無いだろうか。恐竜でさえ、隕石衝突が直接原因で絶滅したとは考えられないのだ。チチュルブ クレーターを作ったぐらいの隕石の衝突では、人類が滅亡する事はありえないだろう。又、それ以上の規模の隕石衝突は、そうめったな事では起こらないだろ う。
 ただし、一つだけ気にかかる宇宙規模での災害の可能性がある。「エレクトリック・ユニバース」理論だ。

最後の審判4

「エレクトリック・ユニバース理論」日本では、なじみのない理論だが、現在のビッグバン宇宙論のみならず、物理学の常識までも完全否定する驚愕の理論である。
 こう言うと、いかにも如何わしい理論のように聞こえるが、エレクトリック・ユニバース理論の根幹は、スウェーデンのノーベル賞物理学者ハンス・アルベー ンが提唱したプラズマ宇宙論の延長線上にある。プラズマ宇宙論をベースに、アメリカの物理学者ラルフ・サンズバリーの新理論を加え様々な謎を解き明かそう と言うのだ。プラズマ宇宙論も日本では、全くと言ってよいほど知られていないが、海外では比較的多くの学者が支持している理論である。
プラズマ宇宙論では、宇宙の大構造を決定付けているのは、重力ではなく電磁気力であるとされる。実際、電磁気力は重力と比べると、桁違いに大きい。それが、何故、今の宇宙論で無視されているのか?
 答えは簡単で、電磁気力が働く為には電子の移動、つまり電流が流れなくてはいけないからである。電流が流れる為には、電導体が必要である。「宇宙には、電線は張り巡らされていない」と言う理由だ。
  しかし、プラズマ宇宙論では、これに真っ向から異を唱えている。宇宙には、プラズマと言う電線が張り巡らされているというのだ。プラズマとは、物質の態の ひとつで、原子又は分子が電子と陽イオンに電離して、バラバラになった状態をさす。このプラズマは、良好な電導体としての性質を持つ。そして、宇宙の物質 の99%以上は、プラズマ状態にある。つまり、宇宙ではこのプラズマを媒介して電荷が行き交っていると言うのだ。
 宇宙には、巨大な電流が流れ、巨大な電磁気力が働いている事になる。この電磁気力そのものが、宇宙の構造を形作っている。先ほども述べたように、電磁気力は重力と比べ遥かに大きい力である。暗黒物質など考えなくても十分に宇宙の構造を形作るだけのエネルギーがあるのだ。
 もちろん、宇宙におけるプラズマの存在は、天文学者なら誰でもが認める事だ。しかし、天文学者によると、良導体であるプラズマの存在自体が、全宇宙を電 気的にニュートラルなレベルに保っていると考えているのだ。宇宙に存在するプラズマは、非常に希薄なので電線のように大電流を運べるわけが無いと言う。
 しかし、プラズマ物理学者ハンス・アルベーンは、この考えはまったくの間違いだと指摘する。実際、プラズマ物理学者の多くは、宇宙空間のプラズマは十分 に大電流を流せ、ブラックホールやクエーサーの放出する高エネルギーは、プラズマを用いて説明する方が、遥かに簡単に説明できると考えている。
 プラズマによる銀河の形成を具体的に証明したのは、ハンス・アルベーンの大学院生だったアンソニー・ペラットである。彼は、ブラックジャックVと呼ばれ る1979年当時世界最大のパルス発電機を用いてX線放射の実験を行っていた。実験の原理は単純で、巨大なパルス電流を針金に流すと、一瞬にして蒸発して プラズマ・フィラメントとなり強力なX線を放射した。この実験は、水爆の爆発に伴う電子機器への影響を調べる事が目的だった。
 ペラットが、一瞬のプラズマの閃きを捉えた高速X線写真を見ていた時のことである。発生したプラズマ・フィラメントはお互いの磁場で引き寄せられるが、 集合したプラズマは、その後合体して螺旋を形成する事がわかった。しかも、最も強力なX線は、この螺旋構造から発生していた。この、絡み合うフィラメント の中を流れる電流は、バークランド電流と呼ばれている。ハンス・アルベーンの下で研究していた事のあるペラットにとって、この螺旋が銀河の渦巻構造を解明 する手がかりとなる事はすぐにわかった。
 彼は早速、当時最先端のプラズマ・シミュレーション・プログラム「SPLASH」を用いて、プラズマの動態をシミュレーションした。その結果、数多くの特徴的な銀河の渦巻が、完全に磁場の中を漂うプラズマ・フィラメントで再現できる事が判明した。
 彼は、シミュレーションを繰り返すうちに、銀河の長年の謎であった回転曲線の問題まで、解き明かす事が出来た。銀河の中心を回るガスの速度を、銀河の中 心からの距離でグラフにあらわすと最初は急速に減少するがやがて一定になってしまう。もし銀河が重力によって形成されているとすると、速度は中心から離れ るにつれて徐々に確実に減少するはずなのだ。しかし、プラズマのシミュレーションでは、ごく自然にこのような現象が生じてくる。
 残念ながら、プラズマ宇宙論は広く認められるまでには到っていない。さきほども説明したように、宇宙規模で磁場が発生するはずがない。宇宙には、電気が 流れられないと言う理由である。しかし、プラズマの動態が宇宙規模で影響を及ぼしていると言う可能性は、断片的ながら、確実に証明されつつある。又、その 逆にビッグバン宇宙論の矛盾点は次々に噴出し、それを正当化するため、得体の知れない「暗黒物質」や「暗黒エネルギー」が想定され、誰にも理解できない 奇々怪々な宇宙構造が考え出されている。近い将来、プラズマ宇宙論が主流になる事は、間違いないだろう。 

最後の審判5

 エレクトリック・ユニバース理論とは、このプラズマ宇宙論が正しいと言う前提に基づき、宇宙の謎のみならず、神話をも解き明かそうと言うものだ。ここか ら先は、かなり異端の理論である。エレクトリック・ユニバース理論の発端は、異端の天才科学者イマニュエル・ベリコフスキーに始まる。ベリコフスキーは、 1950年「衝突する宇宙」と言うタイトルの本を発表したことで知られる。彼は古代の記録に残る天空の描写に注目し、宇宙は我々の想像するほど穏やかでは なく、太古に太陽系の大激変が起こったと解いた。
 ベリコフスキーの思想を受け継いだ一部の人々の間で、1999年にまったく新しいパラダイムとして、エレクトリック・ユニバース理論が提唱されたのだ。 彼等によると、電気力、磁力、重力などを再考したところ、電気力こそ根源の力で、その他は電気力から誘発された物だと言う。ベリコフスキー自身、晩年にこ のことに気づいていたと言う。
 エレクトリック・ユニバース理論によると、さきほど出て来たプラズマ・フィラメント中を流れるバークランド電流が重要な意味を持ってくる。
 1997年5月のニューサイエンティストで不思議な金星の磁力の尻尾についての発表がなされた。太陽と正反対に延びた尻尾は、細い紐状のもので構成され ていたと言う。これは、太陽からのプラズマの流れを、風のように捉えていた天文学者を困惑させた。しかし、エレクトリック・ユニバース理論によれば、この 紐状の構造こそ、プラズマ・フィラメント中を流れるバークランド電流の直接の証拠で、宇宙規模で電量が流れている証拠だと言う。
  エレクトリック・ユニバース理論では、太陽系のような星の運行から星の輝きまで、電磁気現象で解明できると言う。何と、太陽の輝きは、太陽中心核における 水素の熱核融合によるものではないと言うのだ。その証拠に、太陽から放射されるニュートリノの謎に触れている。太陽ニュートリノは、核融合により生じると されるが、実際の観測量は理論による予測量より遥かに少ない。しかも、観測されるニュートリノの量は、太陽表面の黒点の量が増えるとわずかに減少すると言 う。実は、この変動こそが太陽ニュートリノが、太陽中心の熱核融合で生じているのではない、何よりの証拠だという。
 ニュートリノとは、レプトン(軽粒子)の一種で中性微子とも呼ばれるが、一光年の岩盤でもやすやすと通り抜けてしまう不思議な性質を持っている。太陽 ニュートリノが、太陽中心の熱核融合で生じているとすると、常に安定した量が放出されているはずである。それが、太陽表面の黒点の増減で変動するとは、い かなる状況を考えてみても起こりえないと言う。
 更に、太陽の熱と光は内部の核融合で発生しているのではないらしい。太陽の熱と光は、太陽の電荷のチャージレベルと周辺宇宙のチャージレベルの差によ り、太陽表面のプラズマ・フィラメントにバークランド電流が流れているため発生しているのだ。実際の太陽黒点を撮影した最も鮮明な写真には、細長いフィラ メント状の構造が見て取れる。
 そして、太陽表面の高温プラズマは、熱核融合を引き起こすのに十分な温度を持っていると言う。つまり、ニュートリノは、太陽表面での熱核融合により放出 されているのだ。太陽の黒点は、表面を覆う高温プラズマ層が途切れ、内部のより温度の低い部分が見えているに過ぎない。したがって、高温プラズマ層が少な くなり黒点が増えるに従いニュートリノの放出量は少なくなる。
 太陽を覆う薄い大気層のコロナの温度が、100万度以上もあるのは、太陽表面から常に熱が供給されているからに他ならないのである。
 エレクトリック・ユニバース理論によると、恒星の輝き方を決定付けているものは、その内部構造ではなく、恒星と周辺宇宙空間との電荷のチャージレベルの 差に過ぎないという。青白く輝く星は、単にチャージレベルに大きな差がある状態にすぎないのだ。よって、銀河の回転運動などで恒星の位置関係が変わり、 チャージレベルが変化すると恒星の輝きも変化するという。
 彼等よると、重力自体についても普遍的な定数ではないと言う。重力は、物質の電気的側面の一つにすぎず、無の空間には影響を与えないらしい。重力は、原 子核の静電分極によって起こる瞬間的な静電力である。したがって、太陽と惑星間で、プラズマテイルを通じてやり取りする電荷次第では、重力は変化し、それ に合わせて軌道さえ変化すると言う。
 つまり惑星の運動も、電荷のチャージレベルの違いで決定されており、宇宙の電気的環境次第では、惑星の軌道の変化が速やかに発生するという。更に過去に おいては、実際に惑星の軌道が、かき乱され太陽系規模での放電現象が吹き荒れたと言う。太陽系の惑星上に残された不可解なクレーターや、謎の溝、火星の渓 谷等、すべて過去における太陽系規模での放電現象、つまり雷で形成されたのだ。
 ベリコフスキーが著書「衝突する宇宙」の中で指摘した太陽系規模での大激変は、すべて、宇宙の電気的環境の変化で説明できると言うわけである。彼等の、 この主張はアメリカの物理学者ラルフ・サンズバリーによる新しい理論「A New Classical Physics」 に基づいている。ラルフ・サンズバリーは、現在の量子力学ではなく、もっとシンプルでクラシカルな原子モデルに基づき、物質の構造、磁気、光、重力など を、わかりやすく説明できる理論を提唱している。ラルフ・サンズバリーによると電子は、基礎的な素粒子ではなく、構造をもっていると言う。近年の加速器に よる実験でも、このことを裏付ける証拠が挙がっているらしい。
 サンズバリーによるこのモデルによると、多くの物理現象が単純に説明できると言う。もはやアインシュタインの難解な時空理論やオカルトよりも過激な量子力学は必要なくなるのだ。ラルフ・サンズバリーの理論を簡単にまとめると次のようになる。

  • 光が粒子と波の性質を持っているというモデルは間違いである。
  • 光は、瞬時の静電現象である。よって電磁波は存在しない。
  • 磁力は、電子と電場のひずみから生じる交差する静電力である。
  • 重力は、原子核の静電分極によって生じる瞬時の静電力である。
  • 時間旅行の可能性は無い。
  • 原子核を回る電子の軌道は、電子と原子核間の瞬時の静電力によって維持されている。
  • 遠くの宇宙を観測する時、過去を観測している事にはならない。 

最後の審判6

さて、エレクトリック・ユニバース理論が正しいとすると、宇宙はいつまでも穏やかでいるわけにはいかない。たまたま、現在は嵐の合間の晴天に過ぎない。太 陽系の位置(電荷)しだいでは、重力でさえ簡単に変化するほどの、大激変がおきかねないのだ。宇宙規模の雷が、地表を嘗め尽くさないとも限らない。
 かつて火星は、海に覆われた惑星だった事が明らかになってきている。では何故、現在は不毛の台地なのか?
 かつて地球は、完全に凍りついた事がある。では何故、現在は温暖な気候を保っていられるのか?
 木製の衛星エウロパは、海を持ちその表面は氷で覆われている。では、この氷は溶ける事が無いのだろうか?
 太陽系の運行を支配しているものが、重力ではなく電磁気力だとすると、電磁ポテンシャルしだいでは、惑星はその配列を簡単に変えてしまうかもしれない。 過去に何度も太陽系の惑星がシャッフルを繰り返してきたとすると、上述の問いへの答えは明らかだろう。そして、エウロパの氷が融けた時、エウロパの海で は、生命ビッグバンが始まるかもしれない。
 いずれにしろ、宇宙規模での災害は、人類にとって防ぎようが無い。文字通り運を天に任せるしかないだろう。
 もう少し、身近な視点から人類に襲いかかる災難を考えてみよう。人類絶滅とまで言わないが、文明の崩壊の可能性についてだ。こちらは、笑い事では済まさ れない、差し迫った脅威と言えるだろう。文明と言う観点から見た場合、高度になればなるほど極めて崩壊の可能性は高くなると考えられる。
 よく問題にされる文明崩壊のシナリオとして、隕石衝突と共に常に議論されるのが、核戦争である。いや、むしろ核戦争の方が、文明崩壊のシナリオとしてはオリジナルと言えるかもしれない。確かに、全面核戦争が起きれば、文明社会は崩壊の危機に立たされるかもしれない。
 しかし、たとえ全面核戦争が起こったとしても、すべての国が巻き込まれる事は考えられない。難を逃れた国は、経済や技術の発展は一時的に停止するだろう が、すべてを失うわけでは決して無い。世界は、そのような難を逃れた国の指導のもと、意外に早いスピードで復興していくことだろう。
 実は、文明を崩壊させるほどの危険性は、意外なところに潜んでいる。人間にとって本当の危険は、単一のテクノロジーへの一極集中である。その際たるもの が、コンピューターへの依存と言える。Y2K問題で、露呈されたように現代社会は、完全にコンピューターによりコントロールされている。もはや、コン ピューターの助け無しでは、何一つ成り立たなくなっている。幸いにも、心配された2000年は大きな問題も無く、無事に乗り切ることが出来た。それなの に、何故あれほど大騒ぎされたのか。それは、コンピューターが社会のありとあらゆる所に使用されている為、もはや誰にも問題が起きた時の状況を予測する事 さえ不可能になってきているのだ。
 もし、突然世界中のコンピューターが、機能しなくなったらどういう事が起こるだろうか。間違いなく、文明社会は崩壊する。すべての物流や情報の流れが、ストップし人々は孤立する事になる。その結果、食糧生産が出来なくなり世界中の人間の大半は餓死する事になるだろう。
 そして、実際にこの様な事が起こる危険性がまったく無いとは言い切れないのだ。現在のコンピューターは、どんなに優れたスーパーコンピューターであろう と、すべて同じテクノロジーを用いて出来ている。いわゆるフォン・ノイマン型の演算装置がベースになっているのだ。フォン・ノイマン型の演算装置では、す べての演算は中央演算装置CPUが行っている。
 最近のコンピューターでは、複数のCPUを備えた物も多く見られるが、これも複数のフォン・ノイマン型演算装置が組み込まれて、役割分担あるいはダブル チェックなどを行っているに過ぎない。そして、そのCPUは微弱な電子の流れに頼っている。携帯電話ごときの電磁波で電子機器が誤動作を起こすのはこのた めである。
 電子機器が広く使用されるようになって、わずか50年しか経っていない。しかし、いまや実績50年の技術にすべてが委ねられているのだ。この50年間、 太陽は通常の活動パターンを繰り返してきた。本当にこれからも、この安定した状態が続くのだろうか? もし、太陽が風邪を引き大きなクシャミをしたらどう なるのだろうか。 

最後の審判7

そもそも、現在のビッグバン宇宙論は、矛盾だらけで明らかに何かが間違っている。プラズマ宇宙論が指摘するように、宇宙の秩序を保っている力に電磁気力 は、やはり必要不可欠であろう。宇宙に充満するプラズマに電気が流れ、電位差が生じているとすると、太陽の活動そのものに大きな影響を与える可能性が十分 にあるのだ。
 太陽は、約11年周期で活動を強めたり弱めたりしている。この太陽活動の周期も、太陽自体に原因があるのではなく、銀河系における太陽の運動による位置 関係が引き起こしている可能性がある。太陽の位置次第では、太陽活動が大きく変化するかもしれないのだ。現在でも、太陽の極大期においては、実際に電子機 器に多大な影響が現れている。特に地球上を周回する人工衛星は、太陽の極大期に大きなフレア(太陽面の爆発現象)などが発生することによって、電子機器に 故障が生じる事が判明している。
 太陽面で大きなフレアが発生した場合、大量の荷電粒子が放出され、約2日後には地球軌道に到達する。このため、地球では磁気嵐が吹き荒れ、通信が乱され人工衛星や航空機の運行に悪影響を及ぼす。
 ちなみに、最近まで極地方の夜空を彩るオーロラも、この荷電粒子(太陽風)が大気に衝突する事による発光現象と思われていた。しかし、最新の観測結果か ら、太陽風が直接衝突する事による発光ではない事が明らかになってきている。太陽風磁場と地球磁場の相互作用により、地球表面へ向かって強い電子の加速が 起こり、この電子ビームが空気分子を励起させ発光させていたのだ。
 オーロラという身近な現象でさえ、つい最近まではっきりしたメカニズムは、わかっていなかったわけである。太陽の活動が活発な時は、極地方ばかりでなく日本付近の低緯度地方でもオーロラが観測される事がある。

 太陽から放出された荷電粒子のうち、電子機器に影響を与える物は大きく分けて3つある。第一が電子線、第二に重粒子線、第三がプラズマである。
 このうち、電子線は半導体の特性を劣化させるなどの作用がある。次にプロトンなどの重粒子線は、半導体メモリーの内容を破壊したり、書き換えるなどの影響がある。プラズマは、機器全体を帯電させる事で思わぬ場所での放電を誘発し、機器を損傷させる。
 しかし、地球は電離層により守られているため、これら太陽からの荷電粒子が地上の電子機器に影響を与える事はほとんど無い。一番大きな影響を受けるの は、宇宙空間にある人工衛星である。事実人工衛星では、電子機器は金属板で覆い電子線を遮蔽し、機器が帯電しないように様々な対策が講じられている。だ が、エネルギーの大きな重粒子線については、遮蔽する手段は無い。したがって、もっとも電子機器にとって厄介な重粒子線については、書き換えられたメモ リーのエラーを自動で検出し修正すると言う方法が取られている。
 この様に、人工衛星については太陽からの荷電粒子対策には、万全な体制が取られている。しかし、地上の機器については、この様な対策は、ほとんどなされ てはいないのが実情である。はたして、この様な事で大丈夫なのだろうか。忘れてはいけない!電子機器が広く使われるようになって、高々60年しか経ってい ないのである。この先、太陽で今まで観測された事も無いような巨大なフレアが起こる可能性を決して否定は出来ないのだ。
 もし太陽表面で、想像を絶するようなフレアが発生したらどうなるだろうか。地球上の電子機器は、一瞬にして機能しなくなるかもしれない。急速なテクノロ ジーの進歩は、人間の生活を限りなく便利にしている。しかし、急速な発展であるからこそ実績の無い技術に、すべてを支配されるまでになってしまった。高 60年では、電子機器の安定性などまったく実証されていないに等しいのだ。

最後の審判8

コンピューター社会の脅威は、自然災害だけとは限らない。毎日、世界で数多くのコンピューターが、ウイルスに感染している事実も無視できない脅威なのだ。 考えてほしい、コンピューターウイルスを作っているのは、個人レベルのクラッカーなのだ。何の後ろ盾もない、個人が作成したウイルスによって、毎日、数知 れないコンピューターがダウンしているのである。
 もちろん、世界中のソフト会社が即座にワクチンを開発し、ウイルスに対応している。しかし、次から次へと新しいウイルスは出回り、いくら追いかけても追いつけない状態が続いている。今まで、世界を揺るがすような重大な問題が起きていないのが、不思議なくらいなのだ。
 もし、コンピューターウイルスの開発を組織だって行ったとしたら、どうなるだろうか。たとえば、テロ支援国家が、軍事予算をつぎ込んで兵器として本格的 に開発したら。そのウイルスを、世界中に散らばった工作員が、一斉にばら撒いたとしたら。これほど、威力のある兵器は無いのではないだろうか。もちろん、 ウイルスでは特定の国のみを攻撃する事など不可能なので、自国を含むすべての国を攻撃することになる。しかし、だからと言って、このような事を考える国が 出てこないと言う保証は無い。むしろ、このような破れかぶれの無法国家がいつ現れてもおかしくないのが、現状である。
 そして、恐ろしいウイルスは、コンピューターウイルスだけではない。本物のウイルスの恐怖は、数段上である。近年、エイズ、サーズ、エボラウイルス、鳥 インフルエンザと毎年のように、新顔の病原体が出てきて、世界中で多くの犠牲者を出している。これも高度な文明がもたらしている災害の最たるものだ。
 地球上には、当然のように未だ隠れ潜んでいる膨大な数のウイルスが存在するのだ。人類の活動が活発になるにつれ、そのようなウイルスと出会う可能性はま すます高くなってくる。そして、一旦未知のウイルスに人間が感染すると、その活発な活動能力であるが故に、瞬く間に世界中に広がる可能性があるのだ。近年 の状況を、考えると誰にでもこの恐怖は実感として感じられるだろう。
 現在、最も差し迫った恐怖は、新型インフルエンザである。インフルエンザは、これまでにも定期的に新型が現れて、人類を苦しめてきた。新型インフルエン ザは、元々は鳥のインフルエンザである。最初は、鳥同士でしか感染しない。やがて、鳥同士で感染を繰り返しているうちに、突然変異を起こし家畜や人に感染 する物が出てくる。しかし、この時点では、あくまで鳥のインフルエンザなので、鳥と接触しない限りは、感染する事は無い。だが、ウイルスの変異速度は速 い、鳥から家畜や人への感染が繰り返されているうちに、必ず、家畜同士や人同士で感染可能な変異種が出てくる。新型インフルエンザの誕生である。
 2004年始めの鳥インフルエンザの世界的大流行は、鳥から他の動物に感染するまでの段階に達しているのだ。家畜から家畜、人から人への新型インフルエ ンザの誕生は、もう間近な事なのだ。人間にウイルスの変異を阻止する手立ては無い。近い将来、新型インフルエンザウイルスが大流行する事は間違いのない現 実なのだ。そして、現在の人類の移動形態は、スペイン風邪大流行の頃とは、比較にならない。
 被害を最小限に留めるために、今から万全の準備が求められるだろう。しかし、空を自由に飛ぶ鳥の移動を止めることはできない。しかも、インフルエンザのワクチンを作るには、鶏卵は必要不可欠のものなのだから皮肉な物だ。
 更に、自然界から押し寄せてくるウイルスの脅威のみならず、人工的に作られるウイルスも脅威なのだからどうしようもない。天然痘やその他のウイルス兵器 が、いつ何時、ばら撒かれるかも知れないのだ。エイズウイルスは、致死力が高い上に潜伏期間が長い。このようなウイルスは、知らない間に感染が広がり大き な被害をもたらす。しかし、エイズウイルスは、感染力が極端に弱い。このおかげで、人類は助かっているのだ。致死力が高く、潜伏期間が長く、感染力が高い ウイルスが出現したら!一巻の終わりだろう。人類の築いてきた文明など、もろく崩れ去るかもしれない。
 われわれの太陽系は、秒速約220kmの速度で、銀河系の中心を軸に回転している。この速度だと約2億5000万年で銀河系の周りを一周する計算であ る。恐竜は、太陽系が銀河系を半周以上する期間を生き抜いた。はたして、人類はどれぐらいの期間を生き抜くことが出来るのだろうか。せめて恐竜並みの期間 を生き抜いてほしい物だ。そして、人類絶滅の後には、新たなる進化が待ち受けている事は間違いない。