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ムー総力特集
 
大地舜
 
プロローグ 
 
南北アメリカ大陸には、多くの謎がある
 
コロナ禍が世界を揺るがす2020年11月、作家グラハム・ハンコックは多忙だった。ドキュメンタリー・フィルム制作のため、地中海のマルタ島に撮影に出向いていたのだ。
そこで、英国への帰国を待って、久しぶりに電話で1時間ほど会話した。全米ベストセラー6位となったハンコックの最新刊『人類前史・失われた文明の鍵はアメリカ大陸にあった』が、2020年11月17日に日本の書店に並ぶことになったからだ。
その時、わたしは「今回の翻訳はタフだったよ・・・」と、口を滑らせた。
「シュン、すまなかった。何しろ、科学者や考古学者が納得できるように、慎重に書いたんだ」
「いやいや、良い勉強になったし、面白かったよ・・・」とわたしは慌てて釈明した。
グラハム・ハンコックの世界的ベストセラー『神々の指紋』が出版されてから、すでに25年経ったが、新たな考古学的発見があり、科学の進歩も伴って、グラハム・ハンコックの洞察が正しかったことが証明されている。そのためか、さまざまな分野の専門家たちも、喜んでグラハム・ハンコックの取材に応じるようになった。
ハンコック氏から『人類前史』のために北米を取材するという計画を聞いたのは2016年5月のことだ。このときハンコック夫妻は軽井沢の豪奢な「アンシエントホテル浅間」に滞在していた。
その素敵なホテルにわたしたち夫婦も押しかけて、夜中まで話し込んだ。だが、北米をテーマに本を書くと聞いて、南米のアマゾンやアンデスならまだしも、北米には重要な遺跡があるのだろうか・・・と、わたしは訝しく思った。
その後、『ナショナルジオグラフィック』誌に「北米最大の先史都市カホキアの謎に新事実」という記事を見つけ、北米大陸にも巨大遺跡があることを知った。
その後の2019年3月には、『ニューズウイーク』誌に「北米に巨大ピラミッド? 失われた巨大都市の謎」という記事が掲載された。この記事には以下のように書かれている。
1000年ほど前、現在の米イリノイ州コリンズビル(ミズーリ州セントルイス郊外)に文明的な都市があった。人口は推定1万〜3万人。人々は草ぶきの家に暮らし、強い興奮剤を愛用し、女神たちを敬い、木製の天文台で星の動きを観測していた。 その都市の中心には高さ30メートルほどのピラミッドがある。土で造った建造物としてはアメリカ大陸で最大規模。その周りに広場があり、多くのモニュメントがあった。 繁栄は250年ほど続いた。しかし西暦1300年頃、なぜかこつぜんと姿を消し、今は「カホキア墳丘群州立史跡」と呼ばれ、ユネスコの世界遺産に登録されている。 考古学者のトーマス・エマーソンらは、1500もの建築遺構と100万を超える石器や銅器などを見つけている。 カホキアの遺跡は1000年前の(つまり白人が「発見」する前の)北米大陸に立派な都市文明があったことを教えてくれる。エマーソンが言うとおり、「この事実を軽くみてはいけない」。  白人が「発見」する前の北米大陸には立派な都市文明があったのだ。1万人から3万人の人口を抱える都市といったら、完全に文明都市だ。天文学者などの専門家もいただろうし、食糧生産の方法などもかなり発達していたに違いない。
 これまで私たちは、アメリ先住民(北米インディアン)たちは、「優れた文明を持っていない野蛮人だ」と洗脳されてきていた。だが、考えてみると、米国憲法が民主主義的性格を持つのは、アメリカ先住民の民主的社会の影響だった。さらに当時のヨーロッパ人から見ると、アメリカ先住民の社会こそユートピアだった(『アメリカ先住民から学ぶ その歴史と思想』阿部珠理著)。
北米だけでなく南米のアメリカ先住民たちの文明も過小評価されてきている。はっきりしてきたのは、インカ帝国よりもはるか前から、南米には偉大な文明が存在していたし、アマゾンにも文明都市があったことだ。
まずは北米の巨大遺跡から見ていこう。
 
第1章 天体観測に熱を上げていたアメリカ先住民
 
米イリノイ州にあるカホキア巨大遺跡から東に向かったオハイオ州南部には、巨大な墳丘サーペント・マウンドがある。これは米国の「国定歴史建造物」で「北米に現存する最も素晴らしい、先史時代に作られた動物の姿をした墳丘。世界最高傑作かもしれない」とされている。
サーペントとは大蛇のことだが、この墳丘は巨大で、尻尾から頭までは410メートル、幅は4〜6メートル、高さは1メートル以上ある。この巨大な遺跡もアメリカ先住民たちによって建造されている。
建造の時期は考古学や天文考古学から見て2000年前とされている。考古学は地面を掘って遺物を探し、炭素年代測定法などを駆使して、生活様式や建造年代を測定する。一方、天文考古学は、遺跡と天体の動きの関連を調べて、遺跡の年代や、建造目的を推理する。
サーペント・マウンドが天文考古学によって天体と配列されていることが報告されたのは1987年のことだ。それより前は、誰も気づいていなかった。気づいたのはクラーク&マージョリー・ハードマン夫妻だが、彼らによると、サーペントのあごと頭は、夏至の日没方向を向いているという。
古代の多くの遺跡は、天界を見ながら造られている。
たとえば古代エジプトのカルナック神殿は、冬至の日の出に配列されている。参道の突き当たりにある至聖所から見ると、冬至の朝、太陽が参道の正面から上昇する。
カンボジアのアンコールワット寺院は、春分と秋分の日の出に配列されている。
真東を見つめるギザの大スフィンクスも、春分・秋分の日の出に配列されている。
だが現代人が、このような巨大建造物と天体の配列に注目したのは、ごく最近のことだ。天文考古学という学問が、確立されてからなのだ。
天文考古学という学問を創始したのは、19世紀の著名な天文学者で、科学雑誌『ネーチャー』を創刊したノーマン・ロッキャーだ。イギリス人のロッキャーは、古代ギリシャや古代エジプトの遺跡の天文学的な方位を研究して、『天文学の夜明け』という本を出版した。『天文考古学入門』(桜井邦朋著)によると、この本こそ天文考古学の古典だそうだ。
ロッキャーはエジプトのルクソールにあるカルナック神殿を詳しく研究して、日の出や日没を観察する古代人の工夫を見つけだした。その後、英国のストーンヘンジを調査して『天文学的に考察したストーンヘンジその他の英国にある石造記念物』という大著を出版した。だがその内容については、考古学者たちから反対され、天文学者たちには黙殺された。
したがって、天文考古学が学問として認められるようになったのは、50年後の1963年で、天文学者ジェラルド・ホーキングが『ネーチャー』誌に「ストーンヘンジが太陽や月の観測に使われていた天文台である」ことを発表した時からだという。
つまり天文考古学という学問は、新しい学問だ。欧米では50年以上の歴史があるが、日本に「天文考古学学会」が創設されたのは2019年3月30日だ。
調べてみると日本でもいろいろ調査が進んでいる。例えば、山梨県の埋蔵文化財センターのウエッブサイトを見たら、都留市にある牛石遺跡の場合、「牛石遺跡のちょうど西側には三峠山がそびえております。この山は三つの峯からなりますが、中央の主峰である開運山には、牛石遺跡の環状列石から見ると春分、秋分に日が沈みます」と書かれている。牛石遺跡には縄文人が作った大きなストーンサークルがあり、4000年前のものと考えられている。
天文考古学で最近注目を集めているのは、「グーグルアース・プロ」を使用して、古代遺跡の方位を調べることだ。この無料アプリを使うと、遺跡の方位などから建造年代などの推測も可能なのだ。
さて本題に戻ろう。
カホキア遺跡は『ニューズウイーク』誌では、星を観測していたと述べられているが、観測には200メートルほど離れた場所にある木製ストンサークルを使用している。だが、遺跡全体の方位が真北から東に五度ずれており、月の地平線からの出入りを観測していた可能性がある。
アメリカ先住民は、明らかに月の上昇・下降位置を観測していた。そのような仕組みを備えているのはオハイオ州にあるニューアークワークス遺跡とハイバンク遺跡だ。この二つの遺跡は96キロほど離れているが、姉妹関係にある。両遺跡には、よく似た八角形と円形のアースワーク(土塁)が建造されているが、それぞれの遺跡全体の主軸線を伸ばしていくと、直角に交わるのだ。
2つの遺跡は盛土で作られた幾何学的なアースワークだが、規模が大きい。土塁の高さは1・7メートル、基底部は最大で12メートルもある。ニューアークの場合、円の直径は321・3メートルで、ほぼ真円だ。
さらに興味深いのは、ニューアークの遺跡には、正方形、円形、八角形の遺跡があるが、正方形の周囲の長さは円の一つと同じ長さであり、この正方形の面積は、別の円の面積と同じことだ。
天文考古学者のウイリアム・ロメインは、アメリカ先住民たちが、「全ての円には、相応する正方形があったことを知っていたのに違いない」という。「円を正方形化する」というのは、古代バビロンやエジプトやギリシャの数学の巨匠たちが、興味を持って取り組んだ幾何学的問題だ。
つまり、ニューアークとハイバンクの遺跡は、紀元前300年頃から西暦700年の間に造られているが、アメリカ先住民たちの間にも、数学の巨匠がいたに違いないのだ。
彼らは月の上昇・下降位置を観測していたが、その理由は不明だ。農業目的でないことだけは確かだろう。古代のアメリカ先住民たちは、天界の全ての動きを観察する必要を感じていたようだが、それはなぜか?
ルイジアナ州東北部にあるポバティー・ポイント遺跡は、古代エジプトでツタンカーメンがファラオ(王)になる100年前の紀元前1430年頃に造られたとされるが、この遺跡にも謎がある。
この遺跡は天文学者や考古学者によって「先史時代における世界最大の至点の標識」だとされている。つまり、春分や秋分、夏至や冬至の観測装置となっている。だが、謎は別にある。
ポバティー・ポイントには、図のように6つのマウンドと、半円形の隆起した畝(うね)がある。一番古いマウンドBは、紀元前1740年頃に作られているが、マウンドDは、2400年後の西暦700年以降に別の文化によって付け加えられている。つまりこの遺跡の基本理念は継承されているのだ。この継続性は2・6キロメートル南に存在するロウアー・ジャクソン・マウンドとの間にも見られる。
「ポバティー・ポイントの全体的な配置は、8000年前から4500年前に造られたロウアー・ジャクソン・マウンドの位置に合わされて調整されている」(プリガム・ヤング大学人類学教授ジョン・クラーク)。
ルイジアナ大学教授ジョン・L・ギブソンも「ロウアー・ジャクソン・マウンドは、ポバティー・ポイントの・・・最初の測量基準点・・・」だと述べている。
これらの継続性が示すのは、知識や思想の伝達があったことだ。なぜか数千年を超えて、知識や思想の伝授が行われているのだ。
北米の巨大遺跡はこれまでに述べてきた遺跡だけではない。さまざまな年代の遺跡が数千はあったと推定されている。
5000年前よりも古い遺跡は97ほど現存しているが、ほとんどは北米のミシシッピー川流域にあり、いくつかは遠く離れたフロリダ州にある。最古の遺跡は9000年前のものだ。これらの巨大遺跡は1000ほど存在していたようなのだが、90パーセントが消滅している。
疑問となるのは、なぜ、アメリカ先住民たちは、このように大規模な天体観測装置や、マウンド遺跡を大量に作ってきたのか? さらには、なぜ、遺跡の90パーセントが消滅してしまったのかだ。
二つ目の疑問の答えは明瞭だ。500年前にアメリカ大陸に上陸してきたヨーロッパの白人たちが、破壊してしまったのだ。
北米に植民してきたヨーロッパ人の多くはプロテスタントだったが、土地に対して強欲だった。彼らはアメリカ原住民を騙し、虐殺し、土地を乗っ取り、先住民文化を破壊した。
南米を侵略したスペイン人やポルトガル人はカトリック教徒だったが、「黄金」に強欲で、先住民たちを奴隷化して虐殺して、書物を焼き払った。
このような虐殺と、彼らが持ち込んだ病気の蔓延で、南北アメリカ大陸に1億人はいたとされる先住民たちの99パーセントが殺されてしまった。
この辺りの事情については、ハワイ大学教授デーヴィッド・スタナードの著書『アメリカン・ホロコースト』に詳しい。スタナード教授は、読むのが嫌になるほど、克明に虐殺の詳細を描いているが、同時に、アメリカ先住民に対するヨーロッパ人の偏見の原点はどこにあるかも、研究している。
狂信的な人たちは、対象が宗教であろうと、黄金であろうと、土地であろうと、思想であろうと、危険な存在だ。現代では金融資本主義という「金銭信仰」と、『ホモデウス』(ユヴァル・ノア・ハラリ著)に書かれているような「人間を神にする科学」への狂信があるが、これらにも警戒が必要だ。
なぜアメリカ先住民たちが、大規模な天体観測装置や、マウンド遺跡を大量に作ってきたのかという疑問には、第3章で回答する。だがその前に、グラハム・ハンコックの洞察を支援する21世紀における新たな発見ついて見ていこう。
 
第2章 新たな発見が過去の認識を一変させている
 
南米大陸のアマゾンでは、北米大陸の幾何学模様のアースワークによく似た遺跡がたくさん見つかっている。これらは「ジオグリフ」と呼ばれるが、発見されるようになったのは20年前からだ。「ジオグリフ」は巨大で、空から見るとわかりやすいが、それはペルーの「ナスカの地上絵」と同じだ。 
だが、構造物としての造られ方が、北米のアースワークや「ナスカの地上絵」とは違う。
「ジオグリフ」は地面に溝を掘って、掘った土で周りに土手を作っている。北米のアースワークは、盛土されているし、「ナスカの地上絵」は、地面をおおう石を取り除くことで作られている。つまり、見た目はよく似ているが、ローカル色があるわけだ。
「ジオグリフ」の発見からは日が浅く、考古学調査も天文考古学調査もまだ十分には行われていないが、興味深い遺跡がいろいろとある。
例えば、サンタ・イサベル遺跡は、見事に作られた巨大な八角形の隣に円が並んでいる。ファゼンダ・コロラダ遺跡の場合、円と正方形と二重の溝を持つ凹型建造物がある。
ファゼンダ・アトランティカ遺跡の主要なジオグリフは正方形で、一辺の長さは250メートル。その北西には直径125メートルの円があり、正方形と円は幅10メートルの通路で結ばれている。この通路が北西から南東を向いていることから、遺跡の主軸が、夏至の日没や、冬至の日の出に配列されている可能性が高い。
同じようにファゼンダ・イキリⅡ遺跡やコケイラル遺跡も、冬至や夏至に配列されている可能性が高い。
セベリノ・カラザンス遺跡は、正方形なのだが、興味深いことに、一辺が230メートルで、エジプトの大ピラミッドと同じ長さだ。方位も東西南北を向いており、建造年代まで大ピラミッドと同じ頃だと推測されている。
ギザの大ピラミッドは地球の北半球の姿を示している。大ピラミッドの高さを43200倍(地球の歳差運動の一度を示す基本数である72の倍数)すると、地球の極半径に極めて近い数字になる。基底部の辺の長さを43200倍すると地球の赤道の円周に極めて近い数字となる。このことは学者たちも認めているが、アマゾンの正方形遺跡の辺の長さも、赤道の円周を示しているのだろうか?
アマゾンでは天体観測所も発見されている。巨石を駆使したヘゴ・グランジ遺跡と呼ばれるストーンサークルだ。
ヘゴ・グランジの場合、主要な焦点は冬至に当てられている。一つの巨石の影が、「冬至の1日の太陽の通り道」を追いかけている。さらに、近くにある2つの花崗岩のうちの1つに人工的な穴が開けられており、2つの巨石の配置で冬至に太陽が昇る位置を示している。
さらに、2019年にはコロンビア共和国のアマゾン地域で、1万2500年前の岩絵が発見された。12キロの長さに渡って岩壁に描かれているこの岩絵には、木製タワーからバンジージャンプをする人間や、すでに絶滅した動物、幻覚を生む植物の絵などが描かれている。岩絵のある場所は絶壁の高所であり、ドローンを飛ばして撮影し研究しているという。
この岩絵の中で、特に注目に値するのは鳥の仮面を被った男の周りで、手をつないでダンスをする人々の絵だろう。なぜなら同じ鳥人間がフランスの有名なラスコー洞窟の壁画でも見られるからだ。
さらには、この岩絵を研究すれば、カレンダーや天文学の知識を持っていたことが判明するかもしれない。なぜならアマゾンのパイネル・ド・ピラン岩陰遺跡は1万3000年前のものだが、そこの岩絵には、カレンダー機能や冬至を確認する装置が組み込まれているからだ。
アマゾンの謎は遺跡だけではない。たとえばアマゾン多雨林は、人間が作り出したもので、「原始的」な自然環境の産物では、全くないことが判明しているのだ。
アマゾンには1万6000種類の樹木があるが、227種の圧倒的支配種が
多雨林を制圧している。さらにこの圧倒的支配種の多くが野生種ではなく、栽培された種類なのだ。栽培されていたのは、カシューナッツの木、ゴムの木、椰子の木、カカオの木などだ。つまりアメリカ原住民にとって、アマゾンの密林は「果樹園」だったわけだ。
 実のところアマゾンは世界的な「作物栽培化の中心地」なのだ。コカの木や、ゴムの木、トウガラシ、ピーマン、パプリカ、マニオク(キャッサバ)、サツマイモ、カカオ、タバコ、パイナップル、さらには多くの椰子の木がアマゾン原産で栽培化されている。その種類は138種となる。
 アマゾンの巨大遺跡のそばには必ずこのような果樹園が見つかるが、同時に見つかるのが奇跡的な自己再生力を持つブラック・アース(テラ・プレタ)と呼ばれる人工の土壌だ。
 この不思議なブラックアースが、どのように作られたかの詳細は不明だが、炭畑式を使っていたと考えられている。炭畑式では、濡れた草の下で有機物をゆっくりと燻らせて炭にする。この炭の多い土壌が水分や栄養分を地中に維持し、植物が根を張って成長できるのだという。ブラック・アースは、アマゾンにおよそ9000年前から存在しているが、今も高い生産性を維持できている。
『人類前史』を読んだ読者から連絡があった。「ブラック・アースは、縄文文化も使っているし、中国の中心地である中原でも使われていますよ」という。 K氏は起業家で今は2500坪の土地を一人で耕す農民でもある。「ブラック・アースを使えば桃源郷が実現できますよ」とのことだ。ちなみにK氏の農園では11月末に春の花レンゲが咲き乱れ、トマトの収穫ができるそうだ。
 アマゾンに大きな遺跡があって、果樹園があって、豊かな土壌があったなら、当然、大きな都市もあったに違いない。
アマゾンに大きな都市があるという報告書を書いているのは、ヨーロッパ人として初めてアマゾン川の源流から、大西洋の河口まで旅をした、オレリャーナ遠征隊に参加していた聖職者カルバハルだ。
この遠征隊は1541年2月から18ヶ月をかけて、7000キロメートルを旅した。
聖職者カルバハルの日誌によると、アマゾン川流域には「巨大な都市」があり、中央集権国家があるという。500キロにわたる土地が、マチパロという偉大な酋長によって治められており、統制された兵士を5万人も動員できたという。
さらにアマゾン川河岸の高台に綺麗な村があったので、急襲して占領したところ、「そこには様々な磁器があり、世界最高の品ではないかと思う」と聖職者カルバハルは書いている。
彼は「弓を射る女たち」にもついても書いており「アマゾネス」と呼んでいたが、これがアマゾンという名称の語源となっている。「アマゾネス」たちの支配地域は広大で、壮麗な首都の中心には5つの壮大な寺院があった。
聖職者カルバハルの日誌は、これまで学者たちによって否定されてきた。だが、巨大な遺跡や果樹園やブラック・アースの存在が判明して、見直しが始まっている。
今ではアマゾンには1万人以上が住む、文明都市がいくつもあったと考えられている。だが、ヨーロッパ人による虐殺と疫病の蔓延で、アメリカ先住民の99パーセントが死滅して、2万人の住民がいた大都市が、200人が住む部落になってしまった。そこで、その後にアマゾンを訪れたヨーロッパ人が、アマゾンの人口は少ないと思い込んだのも無理はない。
アマゾンの謎は、21世紀最新のゲノム解析科学による研究によって、さらに深まっている。この古代DNA(遺伝子)の解析によって、アマゾン奥地に住む原住民の遺伝子は、オーストラリア原住民やニューギニア人、アンダマン諸島人との絆が深いことがわかったのだ。
このような特徴は、北米や中米の先住民には見られない。つまり南米大陸への人類移動は、シベリヤやアラスカを経由して移住されたことになっているが、別のルートもあったのだ。太古に、東南アジアやニューギニアから船を使って太平洋を横断した人々が、存在したのかもしれない。
古代DNAの解析によって、判明した新事実は多い。たとえば、現代人は古人類であるネアンデルタール人と混血していることが明らかになった。また、別の古人類であるデニソワ人のDNAも受け継いでいる。デニソワ人の考古学的遺跡の中からは、現代人に引けを取らない見事な工芸品も発掘されている。
さらに、北米では13万年前に人類が住んでいた痕跡が見つかっている。
カリフォルニア州サンディエゴ市の郊外で発見されたセルッティ・マストドン遺跡の詳細はサンディエゴ自然史博物館に展示されているので、コロナ禍が去った後に、見学に訪れるのもおすすめだ。
セルッティ・マストドン遺跡では、マストドンの牙や大腿骨は見つかっているが、人骨は見つかっていない。だが、状況から見てどうしても人類が存在していたとしか考えられないという。この遺跡を発掘した古生物学者や考古学者や地質学者たちは、2017年に研究成果を『ネーチャー』誌に発表して大きな議論を巻き起こした。
南北アメリカ大陸には5万年前から人類が住んでいた証拠が、考古学的に発掘されている。だが、13万年前からヒトが住んでいたとなると、全てを考え直す必要が出てくる。
これらの新発見から言えることは、「未来は未知だが、過去も未知だ」ということだ。あるいは過去について知っていると思い込んでいる現代人は「未知」どころか「無知」なのかもしれない。
ここで第1章の疑問にもどろう。アメリカ先住民たちは南北アメリカ大陸で巨大な遺跡を大量に建造し、天体観測に熱を上げていた。なぜだろうか?
 
 
第3章  「上にあるごとく、下にも」
 
結論から言ってしまおう。
今から1万2800年前頃まで高い技術力を持つグローバル文明が栄えていたのだ。
この文明は1万2800前に滅びたが、その痕跡は地球の至る所に残っている。滅亡から生き残った人々もおり、彼らは愛する文明を復活させようとし、2万年前の思想を現代にまで伝えようと努力したが、成功していない。
第2に、この文明は「人間の魂は宇宙から来ており、死ぬと宇宙に戻る」と考えていた。さらには、「魂の研究」に取り組み、正しい生き方をした人は、死んだ後にオリオン座に昇り、永遠の命を手に入れられると考えていた。
第3に古代人は、宇宙に罰せられることを恐れていた。時々「天が落ちてくる」ことを知っていたからだ。彼らにとって、いつ「天が落ちてくるか」は生死に関わる恐ろしい問題だった。
そこで彼らは、宇宙の研究をした。宇宙の研究こそ彼らの生活の中心にあった。彼らは太陽の動きを観察し、月や星の動きも綿密に観測した。その結果は、マヤ文明の偉大な天文学や数学として今に伝えられ、古代エジプトの大ピラミッドに見られる幾何学や、地球の知識として現代まで伝えられている。
2万年前に栄えたグローバル文明は、アメリカ原住民の生き方に強い影響を与えていた。だからこそアメリカ原住民たちは、巨大な遺跡を造り、天体観測を続けていたのだ。したがって、アメリカ原住民の世界を調べれば、ある程度、失われた文明の性格もわかる。
まず確実なのは、彼らの文明は自然との共生を目指していたことだ。アメリカ原住民のように、万物には精霊が宿っていると考えていたのに違いない。地球も精霊であり、宇宙も精霊の住むところだということになる。
アメリカ原住民の「偉大なる精霊=マニトウ」という自然崇拝は、日本の神道に通じるものがある。天にも地にも、万物に精霊が宿っているという考え方だ。
グラハム・ハンコック夫妻と伊勢神宮を訪問したことがある。その時、グラハムは広報担当の神職にインタビューをした。ハンコックは「神道には経典がない。あなた方が命をかけても守りたいのは何か?」と質問した。神職は「伊勢神宮の周りの美しい自然を見てください。私たちはこの美しい自然を守るためには命をかけます」と答えられた。
これが神道の真髄だとしたら、「偉大なる精霊」に帰依するアメリカ先住民と、よく似ていると感じる。つまり2万年前の高度な文明の思想は、アメリカ先住民文化だけでなく、縄文文化にも影響を与えていたのだろう。
そう、失われた文明の心は、現代の物質文明とは大違いだ。現代文明は地球を搾取の対象としている。石油を掘り、海を汚染させ、原子力発電所からでる廃棄物で地上を汚染させ、電気を使いすぎ、夜空から星をなくしている。
自然の美観を守ることよりも、少しでもお金を儲けようと考えるのが現代文明だ。米国の企業ウオールマートなども、金儲けのためにアメリカ先住民の遺跡を躊躇なく破壊してきた。
失われた文明と現代文明では価値観が全く違うのだ。
現代文明が発祥したのは、6000年前のシュメール文明からだということになっている。だが、古代文明について研究したことのある人ならば、誰でも私たちの文明の前には、さまざまな技術や思想の源泉となっているグローバル文明が存在していたことに気づく。最近は特に2万年前に失われた文明があったことが、明確になっている。
エジプト学者の故ジョン・アンソニー・ウエストは「複雑な古代エジプト文明がいきなり成熟した姿で出現したのはなぜか? 発展の過程がなく、最初から全てが出来上がっていた・・・エジプト文明は発展したのではない。遺産を受け継いだのだ」と述べたが、彼はエジプト学者仲間では主流派ではなく、異端とされている。
だが、主流派の考古学者たちも、見逃されていたグローバル文明の存在に気づいていた。
E・A・ウォリス・バッジ卿(元大英博物館古代エジプト遺物管理者)は、古代メソポタミアの神シンと、古代エジプトの神トトがよく似ている事に当惑した。
「偶然にしては類似性が多すぎる。だが、エジプト人がシュメール人からとりいれたとか、シュメール人がエジプト人から拝借したというのもまちがいだ。納得できそうな解釈は、両方の文明の知識人たちが、この神学システムを極めて古い共通する源泉から借りてきたことだ」
ロンドン大学エジプト学科長ウオルター・エメリーも、古代エジプトと古代シュメールの類似性を検討している。彼は一つの文化からもうひとつの文化に直接的な影響があったと説明することは不可能だと悟った。そして次のように結論した。
「私たちが得ている感触では、間接的な結びつきだ。たぶん第3者がいたと思う・・・第3者がいて、その文化的偉業が個別にエジプトとメソポタミアへ伝えられたという考え方の方が、2つの文明の共通点と根本的な違いを説明するには適切だ」
南米からポリネシアまで筏(いかだ)で横断したコンティキ号で有名なノールウエイの人類学者ヘイエルダールも、グラハム・ハンコックのインタビューに、次のように答えている。
「古代シュメール文明の最初期から、世界中の遺物が見つかる。古代シュメールよりも前に地球の隅々を知っていた文明があったに違いない」
バッジ卿の語る古代エジプトの神トトは、知恵の神であり、鳥の仮面をかぶっている。つまりアマゾンの岩絵に描かれているような鳥人間だ。神トトは「天文学と占星学、数学、幾何学、測量学の発明者」だとされている。
神トトは文書も残している。それはギリシャ時代以降「ヘルメス文書」と呼ばれている。ヘルメス文書のテーマの一つは「天と地」にある。「上のごとく、下にも」という言葉があるが、これは「天界の姿を地上に描け」という意味だ。
天界の星座の姿を地上に描いている遺跡は、世界中でいくつか見つかっている。一つはカンボジアのアンコールワット寺院群で、このことは『天の鏡』(グラハム・ハンコック著)に詳しい。
北米の遺跡サーペント・マウンドも天の竜座を地上に写していると考えられている。
だが、神トトの教えを、忠実に実行していると思われるのが、エジプトの大ピラミッド群であり大スフィンクスだ。
ギザの3大ピラミッドがオリオン座のベルト星を地上に模写したものであることは誰でも知っている。ライオン姿の大スフィンクスは真東に昇る獅子座を見つめているが、獅子座の地上における姿だ。
大スフィンクスが凝視する真東の地平線から獅子座が昇ったのは1万2000年前だ。ナイル川を天の川と見立てて、3大ピラミッドがオリオン座ベルト星の天界における位置とぴったりあうのも1万2000年前だ。
この頃、何があったのだろうか? グラハム・ハンコックと『オリオン・ミステリー』の著者ロバート・ボヴァールは、1万2000年前を「最初の時」と呼んでいる。つまりこの頃、私たちの文明は大規模な地球破壊から再スタートをしたのだという。
古代エジプト人は、死後の魂が天の川に昇り、川の西岸にあるオリオン座に向かうと考えていた。古代エジプト人にとってオリオン座は神オシリスが支配する死者の世界であり、「ドゥアト」と呼んでいた。ピラミッド・テキストなどの葬祭に関する文書では、生きている時にこの「ドゥアト」を体験して、知識を得ておくことを推奨している。
そのためにオリオン座を模して地上に作られたのが3大ピラミッド群や大スフィンクスだったというのが、長年、ギザ台地の研究を続けているグラハム・ハンコックとロバート・ボヴァールの結論だ。この見解はすでに多くの考古学者たちにも認められている。
つまり「上のごとく下にも」が実現されているのだ。
実をいうと、死後の魂が天の川に昇り、オリオン座に向かうという信仰が残されているのは、古代エジプトだけではない。北米アメリカ先住民、中米のマヤ文明にも脈々と伝えられている。さらにはアマゾンのシャーマンたちも同じ考え方をしている。
詳しくは『人類前史』を読んでいただきたいが、古代シュメール文明や古代エジプト文明や古代中国文明の前に、死後の霊魂の行き先を研究する、高度な技術を持つ文明が存在していたのだ。
先史時代の失われた文明の痕跡はたくさん残されている。神話や遺跡や信仰を調べればその存在はあまりにも歴然だ。だが「本体」は一体どこにあるのだろうか?
私はグラハム・ハンコック夫妻たちと一緒になって、「本体」を探すために沖縄、台湾、ポナペ島、地中海のマルタ島などの沖合に潜り、海底の調査をした。1万2000年前に海面の高さが100メートルも上昇しており、「本体」が浅い海に存在している可能性があるからだ。私のスキューバ・ダイビングの回数も150回を越えた。ハンコック夫妻はその2倍以上のスキューバダイビングをしているはずだ。
海底には不思議な建造物が多かった。与那国島の海底遺跡や、慶良間島沖合のストンサークル、マルタ島の沖合の運河や轍(わだち)などには強い印象を受けたが、「本体」を見つけることはできなかった。
「本体」がある場所の候補としては、南極大陸もある。だがそこは2000メートル以上の分厚い氷床で覆われており調査は困難だ。そこで、「本体」を見つけることは、当分できないと思っていた。だが、『人類前史』によると、最近の考古学的、天文学的発見で、新たな「本体」候補地が見つかっている。
失われた文明の「本体」発見の鍵はアメリカ大陸にあった。鍵は「天が崩れ落ちた」ことと「世界地図」だ。
 
第4章 「天が崩れ落ちる」前の「世界地図」
 
今から3000年前の中国に「杞」という国があった。その国にはとても心配性の男がいて、天が崩れ落ちないかと不安のあまり食も進まず、おちおち寝ることもできなかった。さらには大地が崩れやしないかと心配していた。
これは2700年前の周の時代に書かれた『列子』という本の「天瑞篇」にある物語だ。これは無用な心配をする男の戯れ話として知られている。だが、21世紀に住む私たちは、「杞憂」を、笑い話ですませることができない。なぜなら今では1万2800年前に「天が崩れ落ち」「大地が崩れた」ことが確認されているからだ。
1万2800年前に「天が崩れ落ちた」と主張する「ヤンガードリアス彗星衝突仮説」の信頼性がますます高まっているのだ。「ヤンガードリアス彗星衝突仮説」が初めて発表されたのは2007年だ。その後も裏付けとなる証拠は増え続けているが、この仮説を推進しているのは、彗星研究グループの科学者たちだ。
このグループには2018年時点で、16カ国・55大学から63名の一流科学者が参加している。天文学・考古学・地質学・地質考古学・地球物理学・環境科学などの専門家たちだ。
彗星研究グループの研究成果は以下となる。
1万2800年前に地球に彗星群が衝突している。爆撃(衝突)の中心地は北米の氷床だが、ヨーロッパや中東にまで痕跡が残っている。 彗星の直径は4キロあったが、それが崩壊し、少なくとも8個の巨大な彗星の破片が北米、ヨーロッパに衝突している。 グリーンランドの氷床コアの調査によって、この彗星群は21年間にわたって、地球を爆撃し、地球の森林の25%を焼き尽くし、生物の9パーセントを燃やしたことが判明した。 空は暗くなり、世界的な大洪水が起こり、巨大動物が絶滅し、北米ではアメリカ先住民のクーヴィス文化も消滅した。 この天体衝突によってヤンガードリアス期が始まっている。ヤンガードリアス期は温暖化していた地球が、突然、寒冷となり、それが1200年続いた現象だ。 北米氷床の南側では大洪水が地面をえぐった。 彗星破片の爆発力は、現在の世界の核保有量の1000倍。   注意すべきは、地球を破壊して、先史時代の高度な文明を崩壊させた彗星群は、おうし座流星群であることだ。
 この流星群の元となった超巨大彗星は3万年前に地球と交差する軌道に入り、2万年前に太陽系の引力によって崩壊して、細かい破片に分裂した。現在、この彗星の破片の集まりは、時速数万キロの猛スピードで、軌道を回っている。巨大な筒状の流星群の長さは3億キロ、直径は3000万キロメートルだ。
 地球はこの流星群の軌道と交差しており、年2回この帯を横切るが、通り抜けるには12日間もかかる。交差するのは6月下旬から7月上旬、10月下旬から11月だ。
 おうし座流星群は、今でも危険な存在だ。天文学者クリューブとネイピアは「直径一キロほどの小惑星が100〜200個ほど、おうし座流星群の軌道の中に存在する。これは現在、地球が衝突する恐れのある最も危険な天体だ」と言っている。
1908年6月30日にシベリアの無人地帯で、この流星群の破片の一つが空中爆発した。大きさは100メートルほどだったが、東京都の広さの森林が薙ぎ倒されている。
イタリアのベルガモ大学のエミリオ・スペディカート教授は「2030年ごろ地球は再びおうし座流星群の大きな破片部分と交差する」と警告している。これからも「天が崩れ落ちる」可能性があるのだ。
それでは「大地が崩れた」ことはあったのだろうか?
1513年にトルコの提督ピリ・レイスによって書かれた世界地図には、南極大陸の北海岸の姿が、正確に描かれている。だが、現代文明は1818年まで南極大陸の存在を知らなかったのだ。これはどういうことだろう?
ピリ・レイスの世界地図の謎を解明したのが、故チャールズ・ハップグッド教授だ。米国ニューハンプシャー州キーン州立大学の歴史学の教授だったハップグッドは、1958年に『地球の移動する地殻』という本を書いている。
この本は天才物理学者アルバート・アインシュタインに絶賛されている。アインシュタインは、この本の序文でハップグッド教授の「地殻移動説」を物理学的に分析して「ありうる」と断言している。
つまり、地球の表面を覆う地殻は、なんらかの均衡が破られれば、オレンジの皮のように、地球の内部はそのままで、地殻だけが動くことがあるというのだ。
ハップグッド教授は1万3000年前に優れたグローバル文明があって、世界を隈なく地図化していたという。彼らが作った原図をピリ・レイスが参考にして模写したのだ。その文明が、南極大陸の北海岸に氷冠がなかった頃の地図を作っていたわけだ。
ではなぜ、そのころの南極大陸には氷がなかったのか? ハップグッド教授は「地殻が移動した」からだという。
1万3000年前の地球の北極は、現在の北米のハドソン湾にあり、南極大陸は現在の位置から3200キロメートルずれていたという。
この説は『神々の指紋』で詳しく解説されているが、翻訳した私は、半信半疑だった。地殻が移動した証拠があまりにも少なかったからだ。だが、21世紀になって考古学的、気候学的に確かな証拠が出て来ている。
2020年12月にグラハム・ハンコックの公式サイトが推薦している図書は「深い歴史と人類の時代」(マーク・F・ガファニー著)だ。この本が「地殻移動」の確かな最新の証拠を掲載していた。
北西イングランドにあるカークデール洞窟では、1821年に大量の動物の骨が発見された。牡鹿、野牛、馬、カバ、毛深いサイ、ぶちハイエナなどの骨だ。カバや、ぶちハイエナや、象は熱帯から亜熱帯の動物だ。当時、どうして亜熱帯の動物が北西イングランドに住んでいたかを説明できる科学者はいなかった。特にカバは季節的に移動するような動物ではないからだ。
この洞窟と近辺の20の洞窟で見つかった動物の骨が、炭素年代測定法や綿密な地層の研究を経て公表されたのは2001年だ。
この論文によると、動物の種類によって5つの地層に分けられ、気候がそれぞれ異なるという。12万年前は亜熱帯の気候であり、カバが棲んでいた。次に温帯となり、やがて氷河期に入り寒帯となった、次に温帯に戻りイングランドとヨーロッパの間には陸橋があった。最後の層が完新世(1万2000年前から現在)だ。
北西イングランドに亜熱帯・温帯の動物が見つかるのは、「地殻が移動した」からだと、ガファニーは主張する。
一方、気候学を見ると、最終氷期(今から2万5000年前から1万2000年前)の北米では、厚さ3キロメートルの氷床が、北緯40度から北緯41度のインディアナ州やアイオワ州まで張り出していた。
地球の反対側でこの緯度にあるのはチベットだが、ここには氷床が全くなかった。北極の位置が今と同じならば、最終氷期に世界の尾根といわれるチベットには、なぜ氷床がなかったのか? 氷床は大地がないと生まれないが、チベットは陸地だ。
この二つの疑問から著者ガァフニーは、ハップグッドとアインシュタインが正しくて、現代の科学者たちは、大事なことを見落としていると主張する。
つまり、氷河期における北極は北米のハドソン湾にあり、1万2800年前の天大衝突の影響で地殻が移動し、北極が北極海に移動したのだという。北極がハドソン湾にあったとすると、氷河期の日本は現在よりも北極から遠く南にあるので暖かかったことになる。事実、氷河期の北海道(北緯45度)に氷床はなく、氷河もなかった。
この説が正しければ、トルコ南東部アナトリア地方にあるギョベックリ・テペ遺跡の謎のいくつかも解ける事になる。
ギョベックリ・テペ遺跡は、これまでに発見されている世界最古の巨大建造物だ。1万2000年前に作られ、1万年前には放棄されている。現在は20の円形神殿の存在が確認されているが、発掘をした故クラウス・シュミット教授は、神殿は50ほど見つかるだろうと予測している。 
この遺跡には多くの謎があり、まだ答えが得られていない。
謎の一つは最古の建造物の方が大きく、彫刻などの技術も優れていることだ。最古のものが最高の出来なのだ。
もうひとつの謎は、円形の神殿群は、造られては埋められることを繰り返していることだ。
1万2800年前の彗星衝突という大災害を生き残った人たちが、この神殿群を造っては埋めていたなら、この2つの謎が解ける。
一つは失われた文明の生存者たちが神殿を造ったが、2000年も経つうちに大災害の圧迫に耐えられなくなって、放棄したことだ。
神殿を造っては埋めたのは、天体観測所としての機能が果たせなくなったためだろう。なにしろ地殻が移動して、星座や太陽の昇る位置が大きく変わってしまうからだ。
私たち現代人には地殻が動くことを想像することが難しい。日本人は毎月のように地震で地面が揺れ、地球が生き物であることを実感しているが、それでも大地が1000年で3000キロメートルも移動することなど信じがたい。だが、私たちは、過去について無知なのだから、謙虚にハップグッドとアインシュタインの見解が正しい可能性に、目を向けるべきなのだろう。
1万2800年前に失われた高度な文明が存在したことは、21世紀になり疑う余地がなくなってきているが、どんな文明だったのだろうか? グラハム・ハンコックは超能力者の文明だったと考えている。
 
エピローグ 
 
『人類前史』の中でグラハム・ハンコックは、失われた文明の人々は超能力を操っていたのではないかと書いている。ハンコックが示すのは、次のような能力だ。
テレパシー(既知の科学では理解できない作用によって、人から人へ考えや気持ちを伝えること)
遠隔透視(遠くにある、または見えない対象について知ること)
テレキネシス(思考や意志の力によって、物体を動かすこと)
ヒーリング(物理的あるいは医学的な手段によらず病気を治すこと)
これらは世界中の優秀なシャーマンが、備えていると信じられている能力だ。
『神々の指紋』は2万年前の氷河期に高度な文明が繁栄していたという、型破りな考えを提唱した。当時の私は、常識を重んじる人間で、普通ならば、このような型破りな考えには興味を持たなかっただろう。だが、二つの伏線があった。
一つはギザの大スフィンクスの年代論争だ。当時、NHKで『大スフィンクスのミステリー』という番組が放映され、私は三度見た。この番組はエジプト学者のジョン・アンソニー・ウエストが、ボストン大学の地質学者ローバート・ショック教授の協力を得て製作したものだ。
このドキュメンタリー映画によると「大スフィンクスが建造されたのは、少なくとも8000年前」だという。大スフィンクスや周りの壁にある深く掘られた溝は、降雨によるものだが、砂漠地帯であるギザに雨が降り続いたのは、8000年前しかないのだ。
ショック教授を直接インタビューしたが、「初めて見た時の大スフィンクスの印象は?」と聞いたら、「古代人はとんでもないことをする。貴重な石灰岩の層を切り出すなんて・・・」と答えた。
当時、もうひとつ私の常識が覆されたのは、西野流呼吸法の創始者・西野浩三師の持つ「気の力」だった。「気」には大した力などあるはずがないと思い込んでいた私は、西野浩三師の人を飛ばすという型破りな「気の力」に驚かされた。私の常識が及ばない世界がここにもあったのだ。
『神々の指紋』が3ヶ月で50万部ほど売れて、出版社の招待で、グラハム・ハンコック夫妻が来日した。そのとき私は、成田空港から直接、ハンコック夫妻を渋谷の西野流呼吸法の道場にお連れした。西野浩三師の「気の力」を知ってもらいたかったのだ。
応接間で座談をしていたら、西野師がサンサ夫人の指輪に「気」を入れ始めた。すぐにダイヤモンドがギラギラと輝き出して、私たちは息を呑んだ。
翌日、青山通りを歩いていたら、サンサ夫人に声を掛けられた。
「シュン、この間、マスター西野に気を入れてもらって、気持ちよかったんだけど、グラハムが、気の力はセックスに関係があるっていうのよ・・・」
「同感だな。気の通り道と、セックスの快感の通り道は同じだよ」
「グラハム! シュンもあなたと同じ考えよ!」と、サンサ夫人は前を歩くハンコックに声をかけた。
西野浩三師の力も特別だが、世界一の遠隔透視者ジョー・マクモニーグルも特殊な能力を持つ。そこでハンコック夫妻に紹介した。米国でジョー&ナンシー・マクモニーグル夫妻と、グラハム&サンサ・ハンコック夫妻が会食をしたのは2017年の秋だ。
ジョー・マクモニーグルに初めて会ったのは米国のバージニア州にあるモンロー研究所の研修に参加したときだった。モンロー研究所はヘミシンクという音源を使って、瞑想の境地を体験させてくれる。私は本部における1週間の研修を6回受講しているが、おすすめの研修だ。
ここではヘミシンクを使って、変性意識状態に入り、意識を過去や未来や地球外に飛ばす研究をしている。つまり、魂の世界を研究しているのだ。
研修には自分の大事な3つの過去生を見ろというプログラムがある。私の場合、漆黒の暗闇の視界に、突然、3つの画像がフルカラーで浮かんだ。ナイル湖畔にたたずむ古代エジプト人、青い目の子ども、モンゴル人の死骸だ。これが私の大事な前世だったらしい。
研修の参加者たちは、自分の過去生を見ているせいだろうか、国籍や人種に対するこだわりが極端に少ないと感じた。
ジョー・マクモニーグルと初めて会ったとき『神々の指紋』を読んだかどうか聞いてみた。「ああ読んだよ。グラハム・ハンコックは勇敢だ。太古に失われた文明があったことは、当たり前だが、今の世の中で真実を書くには勇気がいるんだ」との返事だった。
ジョー・マクモニーグルの遠隔透視能力は、すでに30年の科学的検証によって、本物であることが実証されている。
スタンフォード大学の物理学者ハロルド・パソス博士は、芸術家だったインゴ・スワンや、警察官だったパット・プライスの遠隔透視能力と出会い、「遠隔透視の研究(スターゲート・プロジェクト」の責任者となった。
パソス博士は、ジョーマ・クモニーグルの能力について「彼は通常の手段では全く手には入らない貴重なデータを大量に生み出しました。彼のように、何千キロもはなれたところにあるものを知覚する能力を持つ人はごくわずかです。彼の能力は非常に信頼できたので、いつもそれを明確に記録することができました」と言っている(『心の科学』エリザベス・ロイド・メイヤー著)。
物理学者ディーン・ラディンも1980年代にこのプロジェクトに関与して、極めて厳格に管理した状態での遠隔透視実験の有無を言わさぬ結果を見せられた。ディーンは驚いて「もう超心理学の実在には議論の余地がないではないか」と言ったところ、物理学者のエドウイン・メイに「君は人間が合理的だという誤った観念に取り憑かれているね」と諭されている。(『量子の宇宙で絡み合う心たち』(ディーン・ラディン著))
モンロー研究所では遠隔透視をテーマにした研修も行っている。私が研修を受けてわかったことは、誰でもが遠隔透視能力を持っていることだ。
遠隔透視能力は「人類の脳の古い層である脳幹にある」とマクモニーグルはいう。脳幹も中脳も古い脳であり、近代脳からは分離されている。そこで中脳や脳幹が行なっていることは、私たちの意識には昇ってこない。
中脳は「盲視」の能力を持つ。視力を失っても中脳を使って、外界を掌握できる能力だ。だが、近代脳の意識には昇ってこないので、どのように外界を認識しているかは本人にも不明だ(『つぎはぎだらけの脳と心』デイビッド・j・リンデン著)。
ジョー・マクモニーグルの場合は、脳幹と近代脳が太いパイプでつがっているのに違いない。だから脳幹が見たものを絵に描けるのだろう。
研修の夜は、毎晩、ジョー・マクモニーグルと座談した。「まだ機密情報ではないの?・・・」と思うこともいろいろと話してくれた。
ジョーは、対外離脱をして中国の核弾頭の中に入り込み、詳細図を描きペンタゴンに提供したそうだ。映画メンインブラックに出てくるように、宇宙人が地球に住んでいるのか? と聞いたら「もちろん居るさ。我が家の猫は宇宙人だよ」とのこと。
最近、我が家に捨て猫が紛れ込んできた。ピピという名前をつけて飼っているが、何やら私を見る観察眼が鋭い。そこで私もこの子猫を鋭く観察しているが、まだ宇宙人の尻尾は見つけていない。
超能力が使われていたに違いないと思える遺跡が地球上には多くある。私の経験ではアンデス文明の遺跡を見ると、不思議な感覚を得る。古代エジプト文明は、失われた文明の生き残りたちが再興した文明だろう。だが古代アンデス文明は、1万2800年前に滅びた文明の残骸がそのまま残っているという印象を受ける。
サクサイワマンの城壁や、オリャンタイタンボの壁や、コリカンチャ宮殿の壁の詳細を見ると、現代文明との異様な違いを感じざるを得ない。特にコリカンチャ宮殿の壁は、硬い花崗岩の石の内部が、綺麗に切り取られ、呆れるほど頑丈な石組みになっている。これならば、大地が崩れても生き残れそうだ。見事な巨石の加工は古代エジプト文明にもみられるが、失われた文明の特技だったに違いない。
失われた文明が使っていた高度な技術の実体はまだわからないが、音響や電気や「気」の振動を利用していたようだ。彼らが超能力の世界に長けていたというハンコックの意見に、私も賛同する。
一方、現代文明は、このままだと次の失われた文明になることが確実だ。地球を搾取する西欧文明の物質至上主義、金銭至上主義は、変わらなければならないのだ。
世界で覇権を振るう米国は、過去を反省して、アメリカ先住民たちに謝罪し、アメリカ先住民文化を学び直さなければならない。それなしには、豊かで美しい自然を持つ米国が、今後、世界から尊敬されることはない。
現代文明は原子爆弾や原発を作り、遺伝子操作をして、人間や動物の複製を作ろうとしている。『ホモデウス』に書いてあるように、人類は科学の力で「神」になろうとしている。
このような道を歩む現代文明に一つ言えることは、1万2800年前に壊滅させられた古代文明よりも、サバイバル能力が劣っていることだ。
遠隔透視やテレパシーなどの超能力は、本来「サバイバル能力」だ。だが、現生人類はこの能力を開発せず、コンピュータに全てを委ねようとしている。その結果、ビッグデータを全て読み込んだ人工知能は、現代人のほとんどを支配することになるだろう。
現代人は「目を覚ます時」に来ている。科学は万能ではないし、自然は征服する対象ではない。失われた文明の知恵を取り戻すべきときだ。現代人は謙虚になって、古代人のように宇宙の変化を読み取りながら「杞憂」を感じて生きていくべきなのだ。□