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第12章
 
水星線(The Line of Mercury)

  水星線にはいろいろな名前があります。健康線、肝臓線、スハマソウ線(スハマソウは葉の形が肝臓に似ている)などです。
 水星線は第478図のように月宮から発生して手の膨らみを通り、水星宮に達しています。そこで水星線と呼ばれるのです。この線は消化器官の状態、肝臓の働きを示す指標として価値があります。これらの重要な臓器の故障による様々な病気の状態を示します。
 手相の他の部分に見られる悪い状況は、貧弱な水星線の存在で説明ができることもあります。手相を正確に診断するには、水星線を見ることが欠かせません。生命線、土星線、太陽線とともに、水星線は重要です。これら全ての組み合わせの中で、水星線に何が見られても重要です。
 人の生活において消化器官は大事な臓器です。胆汁の分泌量も大事です。したがって水星線は私たちの人生の多くに影響を与えており、人生における成功や失敗に影響する大事な要素が診断できます。医師たちは優れた消化器官と正常な胆汁の分泌があれば、病気に罹ることはないといいます。病気の多くは患者の消化器官の狂いを矯正し、胆汁の分泌量を調整することで治癒されます。
 もう一つ大事なことは、生まれながらの犯罪人は胆汁が分泌過多で、怒りっぽいタイプに多いことです。他のタイプも犯罪を犯しますがストレスのためとか、特別な興奮が原因です。
 悪いタイプの土星人や水星人は、物事を正直に行うよりも犯罪的行為を好みます。人間性や性格の研究を通して胆汁の調整がうまくゆかないと、よくない傾向が発生することがわかっています。
 水星線はビジネスで成功するかどうかについての極めて優れた指標となります。世界の出来事に確実に対応するには明晰な頭脳が必要です。頭脳の働きをよくするには、優れた消化能力と活発な肝臓の働きほど大切な事はありません。
 水星人にはビジネス志向がありますが、健康ほどビジネス面でよい結果をもたらすものはありません。水星線は消化器系統の状態と肝臓の状況を示しますが、同時に水星人タイプの特徴を強めます。優れた水星線を持つ方はビジネスにおいて驚くほど強い支援を受けているといえます。
 水星線は健康に大いに関係があるわけですが、常にこの方の「宮」タイプと考え合わせて下さい。木星人タイプの方で手相に消化不良と胆汁症が見られるならば、木星人は本質的に過食傾向がありますので、危険性がさらに増えます。胃腸の調子が悪いと目まいを覚えることがありますが、目まいがひどいようならば脳卒中の怖れがあります。同じように水星線を観察して、他の「宮」タイプの方の健康欠陥と危険の度合を推測できます。
 頭脳線に欠陥が見られる場合、水星線の診断は大事です。なぜなら胃腸と肝臓は頭脳の健康状態に大きな影響があるからです。心臓の欠陥も消化不良の影響を受けます。そこで感情線の欠陥は、水星線を見て原因がわかることがあります。素晴らしい経歴も貧弱な健康で破綻することがあります。そこで太陽線や土星線にある欠陥が、水星線で説明できるかもしれません。
 手全体で原因不明の欠陥が見られたら、診断を下す前に必ず水星線を観察して下さい。
水星線は、すべての人々の手に見られるわけではありません。正確な数字はわかりませんが、これまで見た手相のほぼ半分の手に水星線が見られませんでした。完璧な水星線を見たことがありますがごくわずかです。それも当然と思います。完璧な健康を持つ人はごく稀だからです。
 水星線が存在しないことは、悪い事だとはいえません。これまで多くの手相を研究してきましたが、水星線が無くともみなさん健康でした。水星線が無いのと、欠陥だらけの水星線があるのと、どちらがよいかというと、まったく無いほうがよいでしょう。
 水星線がない方は、自由に自らの世界を開拓していくことになります。水星線がないということは、消化器官などに特別な障害がないことを示します。そこで自ら注意深く胃腸や肝臓の健康に配慮していれば、何も問題が起こらない可能性があるわけです。つまりこの方の場合、健康はほぼ「本人しだい」であり、どの程度健康への配慮をするかで決ってきます。
 水星線が存在しない手相によくあるのは、手の平に見られる線がもともと少ないケースです。線の多い方には水星線も存在することが多いでしょう。
 線の少ない手相は、神経質ではないことを示します。神経質な方は肝臓の働きを悪くしますし、神経質でない方の肝臓はよい状態を保つ傾向が高いでしょう。水星線が存在しない方の手相を診断するときは、少なくとも消化器官や肝臓の障害が、存在しないと見て下さい。つまり自己管理が可能です。
 水星線は月宮から立ち上がることになっています。ところが実際にそうなっていることは稀です。多くの場合、土星線や生命線のあたり、手の中央や基底部分、あるいは火星宮平原部から立ち上がっています。
 第479図のように、水星線は、土星線と手の膨らみの間から立ち上がるほうが、480図のように土星線と生命線のあいだから立ち上がるよりもベターです。第481図のように生命線から立ち上がるのは、もっともよくないケースの一つです。最高の健康、とくにビジネスで成功するには、水星線が生命線に接触してはいけません。しかし生命線からの枝線が水星線に行く場合、あるいはその反対は構いません。あるいはチャンス線が二つの線を結んでいても、悪い結果はもたらさないでしょう。
 水星線の始まる場所は、生命線と接触していない限り、特別な意味を持ちません。生命線に接触していたり、生命線から始まっていない限り正常な水星線と見て構いません。
 線の性格は大事です。深い水星線は優れた消化能力、健康的な肝臓機能、優れた活力、強い体質、明晰な頭脳、優れた記憶を示唆します。この方がどの「宮」であろうと、どのような職業に就いていようと、上記のような強力な味方を持っています。
 第482図のように、細く鎖状だとか生命線に欠陥があり、水星線が深く強いならば、強い火星線を持っているような前向きの効果が生命線にもたらされます。生命線に示される弱さが、水星線によってカバーされるのです。これは欠陥を持つ生命線を持つ方の健康についていえます。
 脳の働きに活力を与え、健康を保つ最も重要な要素は、優れた消化と調整された胆汁の分泌です。消化不良の最初の影響は、気分の極端な落ち込みです。この方は陰気になり、全てを調子の悪い胃腸という色眼鏡を通して見ます。
 消化不良が収まると、この方の頭脳が明晰となり、正しい明かりの下で物事を見れるようになります。したがって水星線はメンタル面の強さとバランスを知るために、頭脳線と共に判断することが非常に大切です。
 第483図のような手相の場合、優れた頭脳線は、貧弱な水星線によって多いに邪魔されます。
 第484図のような場合は、頭脳線の乱れが水星線の影響であることが考えられます。
胃腸の異常は心臓の機能不全を引き起こすことがあります。第485図のように貧弱な感情線に欠陥ある水星線が存在する時は、水星線が慢性的心臓病の原因かもしれません。このような場合、胃腸を治療をすれば心臓病も消えます。
 感情線が貧弱で心臓に問題があることが示唆され、爪にも心臓病の印が現れ、様々な場所の色を見ても深刻な心臓病が予想されるのに、深い水星線が見られることがあります。この場合、優れた消化能力と肝臓の働きが、弱い心臓を助けて発病させないことがあります。
 強い生命線、頭脳線、感情線があり、火星線が存在して、さらに水星線も深い方は、まったく病気知らずの方です。このような手相を持つ方が手相学的に動物的ならば、余りにも強靭な健康と活力があり、激烈な熱情と過度の欲望を持つために、強姦者や大酒飲みになることがあります。このような方は屋内の職業を選ぶべきではありません。このような方には新鮮な空気と、動物的な活力を発散させる充分な運動が必要です。
 このような手相の方が赤毛ならば、さらに表現や感情が強烈になる可能性があります。黒髪ならば赤毛同様に激しやすい性質が十分あるでしょう。
 水星線が細くとも、十分に優れた消化機能と正しい肝臓機能があります。線の細い方でも、健康を保ち水星宮の特質でビジネスに成功することでしょう。水星線が細いことは、それほどの影響がありません。肝臓の働きの支援を受けているわけですし、深い線ほどではない・・・というだけのことです。この方の「宮」が明確で、活力も適当ならば、細い水星線はよいことかもしれません。
 水星線の全ての診断においては、他の線との均整を見ましょう。なにごとも同じですが正常なバランスがベストです。
 第486図のように水星線が浅く幅広い方は、活力不足です。胃腸に厳しく負担がかかるとかく乱されます。肝臓も不安定で、胆汁の分泌も一定ではありません。その結果、この方は意気が上がらないでしょう。さらに突然の強い頭痛に襲われ、胸焼けしたり、胃が痛んだり消化不良を起します。機能が正常に機能している期間、この方に問題はありません。このような水星線を持つ方は、食事と衛生に常に注意を払うことが必要です。この方は病気とはいえませんが、それほど健康ともいえません。活力不足はエネルギー、野心、ビジネス生活に現れます。
 第487図のように鎖状になっている水星線は不健全な肝臓と胃腸を示唆しています。この線には「島」がなく、鎖が小さなループを描いてています。このような手相を持つ方は、胆管の炎症や、胆石、肝硬変などの病気になりやすく、病気は深刻で命に影響があるかもしれません。
 鎖状の水星線は最悪の姿の一つであり、持ち主は肝臓の具合が悪いだけでなくメンタル面でも無気力になり憂鬱になります。悲観的で懐疑的で、極端に神経質で否定的です。人生は本人にとっても友人たちにとっても重荷となります。この方は鮮明な脳を持ちませんし、先見の明もありません。自己抑制力も、エネルギーもなく、友人を持つのも難しいでしょう。したがってビジネスでは成功できません。昔の手相見たちは水星線に鎖を観ると「ビジネスで成功しない人」と診断してきました。私たちにもその理由が分かりますし、間違っていないと思います。
  水星線の長さは線の強さを高めます。水星線が手の底から始まり、水星宮まで到達しているならば、線の影響は人生全体に及びます。さらにこの長い水星線が優れたものならば、優れた健康とビジネスの成功は人生全体で継続されます。この長い線に欠陥が多ければ、人生全体で不健康な時期があり、それにともないビジネスも巧く行かないことを示唆します。
 ある時期の線の長さとその性格を読み取れば、最高に幸福な時代、肝臓や消化能力が優れる時期が分かります。その結果、ビジネス面でもその時期がベストであることがわかります。
 第488図のように線の始まりが深くやがて細くなるならば、線が細い時期は健康を損ないます。このような時期には睡眠をよくとり、身体を大事にしてエネルギーの散逸を防ぐべきです。このような養生をして、線の最後が深くなっていれば、問題が起こらなくて済みます。
 水星線を診断するときは、もちろん手の下から上方向に観ていきます。第489図のように線が深く始まりやがて鎖状になるならば、初期の健康は肝臓の病気と胃腸の不全に取って代わられ、この方の健康や成功が損なわれます。これが起こる年代は手の底のほうから上方向に観ていき、判断できます。
 第490図のような水星線の状態で、鎖状が始まる歳の頃から生命線にも欠陥マークがあるなら事は深刻です。水星線に鎖が始まる頃、頭脳線に「島」などの欠陥が観られる場合、肝臓の問題がメンタル面の強さに影響しています。
 第491図のように頭脳線近くに星印が観られるときは一時的に急性精神病になることもあります。
 第492図のように水星線が頭脳線に達しますが、その後、頭脳線と感情線の間に水星線が観られなかったり、水星線に欠陥が観られ、その後再び水星線が水星宮に向かう場合があります。このような手相の持ち主は、30歳になる前にできる限りのことを行っておく必要があります。なぜなら30歳代の大事なときに水星線の強力な支援を一時的に得られないからです。
 頭脳線と感情線の間の時期は、人生でももっとも大事な時期です。この重大な時期に水星線の支援を受けられないのですから注意が必要です。その後、水星宮に向かう線が再び現れていれば、健康に注意をすれば回復できることを示します。一方、水星線が終わるところに、横棒、×印、ドット、「島」などが観られるならば、この方が健康を回復できないことを示唆します。
 水星線を始まりから観て、長さを調べ、性格の変化に目を留め、優れている面、欠陥を調べます。肝臓と消化の働きから観て優れているか悪いか平凡かを判断します。これらの判断からビジネスにおいて成功するかどうかの可能性を考慮し、このかたの物質面での成功レベルが分かります。
 土星線や太陽線が存在しない場合、それら2つの線から得られるべき情報が水星線から得られることがあります。時には水星線が非常に短い場合があります。チャンス線とそれほど変わりません。その場合は、チャンス線同様に扱いましょう。チャンス線を水星線と間違えることはよくあります。なぜなら水星線がまったくなかったり、嘆かわしいほど貧弱なことも多いからです。したがってチャンス線を水星線と間違えないようにすることが大切です。
 水星線が太陽宮に向かうことはあり得ません。水星宮以外に向かうこともありません。したがって線が短くて水星宮に届かなくとも、水星宮の方向にむかっていることが最低条件となります。水星線と呼ばれるためには、他の主要な線と同じクラスの線であることが必要です。
 水星線の色は、その強さ弱さで消化機能や肝臓の強さ弱さを示します。肝臓に問題があり胆汁症ならば線が黄色いことで確認ができます。しかし「宮」のタイプによって色は大きく影響を受けます。そこでよくない水星線がかならずしも黄色であるといえません。
 木星人、太陽人、火星人、金星人タイプの場合、悪化した胆汁症であっても、水星線の色が赤やピンクであることがほとんどで、時には青色が観られます。これらの温かいタイプの人々にも、ときどき悪い水星線が観られます。しかし彼らは運動好きで愛想がよく、胆汁がもたらす悪い影響を感じさせないことがあります。
 土星人、水星人、月宮人の順番で黄色い線がよく見られます。土星人の方は胆汁症が多いので、黄色が普通です。水星人はオリーブ色が多いようです。月宮人にも黄色い方はいますが白色の方が多いでしょう。
 土星人で悪い水星線を持つ方は、極めて陰気で悲観的で、気難しいでしょう。土星人の水星線に欠陥がある場合は、最悪の事態を想定して下さい。土星人に悪い水星線があることは、余りにも不運な組み合わせです。
 温かいタイプの人の水星線の色が黄色ければ、欠陥が深刻なことを示します。これらの「宮」タイプの自然な色である赤やピンクが黄色に圧倒されているからです。毒が回っているといえます。水星線の色を観るときは「宮」タイプの自然な色を基本にして、どの程度の問題があるかを推測します。水星線に消化不良の印がみられ線が黄色ければ、この方に肝臓の欠陥マークが無くとも、肝臓にも問題を抱えていると観て下さい。
 完璧な健康ならば、完璧な水星線が観られるわけです。ところが人間には不健康が付き物であるようです。なぜならほとんどの水星線の欠陥が観られるからです。
 第493図のような波を打つ線が観られたら、慢性的な胆汁症を示します。この方は吐き気、発熱、下痢を伴う胆汁熱(bilious fever:100年前には死亡診断書によく書かれた病気の名前。)や、マラリア(訳注:100年前、マラリアの原因は沼からの悪い空気だと信じられていた)など、様々な肝臓の病気に襲われることがあります。その結果、肝臓が肥大し黄疸などになります。胆汁症はリウマチに関係が深いようです。そこで水星線が波状ならば、リウマチの症状がでていないかを観て下さい。
 土星人の方が波打つ水星線を持っていたら胆汁分泌過多がひどいでしょう。他の「宮」タイプの方が波打つ水星線を持っていたら、胆汁分泌過多のために、それぞれの「宮」タイプが持つ独特の病気が発症することでしょう。木星人の持病は痛風です。土星人は胆汁熱(bilious fever)、痛風、リウマチ、神経障害があります。太陽人は心臓機能に持病を持ちます。水星人は消化神経に問題があり、肝臓障害にもなりやすいでしょう。火星人タイプは腸の炎症、月宮人と金星人は胆汁熱(bilious fever)になりやすいでしょう。
 水星線が波状であることは、このかたのビジネス人生に浮沈があることを示します。第494図のように水星線が不規則なことは、胃腸と肝臓が変化しやすい状態にあることを示します。この方には、時には素晴らしい健康が訪れます。その時には何ごとも巧くできます。ところが続いて肝臓の働きが悪くなり、消化機能が不良となり人生がひきずられます。このように優れた健康と健康不順が交互に訪れるので、大きな成果を残せません。
 第495図のように水星線が梯子のようになっていたり、壊れた破片のようになっていれば胃腸障害の最悪の状態を示唆しています。消化不良から起こる様々な病気、胃の炎症、胃や腸の粘膜の炎症など内臓の炎症がこの方を襲うでしょう。
 第496図のように、途切れている水星線に色の濃いドットがあれば、厳しい胃腸障害が、ドットの現れる年齢で発症することを示します。このドットの色が赤や紫ならば、重大な病状です。
 第497図のように水星線の上にドットがあるのは、そのマークのでている年齢で胆汁症や胃腸障害、下痢などの問題が出ることを示します。ドットが赤ならば発熱を示します。白ければ慢性病から障害が起こっています。
水星線にドットが観られたら、ドットからチャンス線がどこかのラインか「宮」に伸びていないかを観て下さい。チャンス線がないようならば、水星線にドットがあることの説明のため、他の線と「宮」に慢性病や急病のマークがないかを調べて下さい。
 第498図のように木星宮に健康の問題が観られるならば、木星人特有の胃腸の弱さが問題の原因です。さらに人差し指(木星指)の第3指節が大きくて丸々していれば、胃腸の問題は確実です。これは胃腸を疲れさせていることを示すからです。木星指の第3指節が丸々としているだけでなく締まりがないならば、胃腸は非常にデリケートになっています。この方は簡素な食事に替えなくてはいけません。慢性的な消化不良になっていることでしょう。
 土星宮に健康的欠陥が観られ、水星線に赤いドットがあるならば、胆汁熱を示唆しています。ドットの色が青白かったり黄色ならば痛風・リウマチの病気があるでしょう。
第499図のように、この手相にさらにチャンス線が土星宮から生命線に走り、さらに月宮のあたりから生命線にチャンス線が走っているならば、この診断はさらに正確となります。
 太陽宮の下の感情線に「島」や破断、ドットなどがあり、水星線にドットが観られるならば、厳しい心臓病に襲われます。原因は消化器官の変調にあり、年齢は水星線のドットの位置で分かります。第500図のように太陽宮に蒼ざめた格子が見られ、爪が心臓病の兆候を示しているならば、こ診断がさらに確実になり、慢性病を示唆します。
 第501図のように水星線の上にドットがあり、水星宮にある線が破断しているようなならば、水星線にドットの観られる年齢時期に、厳しい胃腸炎、胆汁熱に襲われます。
第502図のように水星線にドットがあり、火星宮上部に格子か横棒があるならば(特に下側3分の一)、腸や盲腸、腹膜に厳しい炎症が起こります。年齢は水星線のドットの場所からわかります。水星線にドットがあり、月宮の下側に格子があるならば、ドットがでている年齢で痛風またはリウマチ熱が発症するでしょう。
 第503図のように月宮の上側に格子があるならば、火星宮下部特有の消化器官障害と似たような病気が示唆されます。
 第504図のように水星線が横棒で切断されているならば、その線のあるところで病気が起こるでしょう。これらの横棒には水星線を薄く横切る細い線から、水星線を二つに割るような深い線まであります。水星線の切断される度合から病気の深刻さがわかります。
 か細い横棒ならば頭痛とか胆汁症を示します。深い横棒ならば深刻な病気ですから、通常の方法で線と「宮」を調べ、理由を探ります。一つか二つしか横棒がないならば、その数だけ深刻な病気に罹ります。水星線全般に横棒がある場合、線が深い場合は常に病気に悩まされ、細い線ならば慢性的に頭痛に悩まされるでしょう。
 第505図のように水星線に細い横棒がシリーズで見られ、同じように細い線が頭脳線に見られることがあります。これは頭痛や神経症や胆汁症で悩むことを示していますが、原因はいずれも胃腸と肝臓の不完全な働きにあります。横棒があると、その後の頭脳線が乱れていることがよくありますが、頭痛が原因でしょう。多彩な形状がありますが、水星線に欠陥がある場合は、常に頭脳線をよく観察して下さい。
 第506図のように水星線に「島」があるならば、それが存在する期間、健康面で問題が起こります。原因としては肝臓や胃腸が考えられます。あるいは盲腸炎、頭痛、心臓などの問題かもしれません。それを知るには「宮」と各種の線を検討します。水星線に見られる「島」の奇妙なところは、健康問題が胃腸や肝臓に限定されないところです。半分ぐらいは他の原因です。「島」が一つだけならば、生命線に存在する場合と同様に健康に問題があります。その原因はいつもの方法で探り当てて下さい。
 第507図のように水星線の全体に渡って、2つ3つの大きな「島」が見られるならば、咽と肺に大きな問題を抱えています。「島」の姿は完全ではないかもしれませんが、極めて正確な診断になります。「島」が見られたら即、爪が球根のようになっていないかを見て下さい。さらに火星宮上部に格子や横棒が走っていないかを見ましょう。これらのマークがあればこの診断はさらに確実なものとなります。
 第508図のように、この状況の上、さらに木星宮の上に「島」が見られるならば、この方には消化不良、気管支炎、肺炎など、咽や気管や肺の病気に罹らないために最大限の努力が必要となります。つい最近、このような手相を見ましたが、咽のガンを患っていました。
 昔の手相見は、水星線に見られる「島」を「破産」を示唆すると診ていました。その判断の基礎には、このようなマークを持つ人がビジネスで成功すような努力が十分にはできないだろうという考えがあります。このような昔の判断には強い根拠がありますが、正確だとはいえません。水星線に「島」が存在しても「破産」していないかたはたくさんいます。でもそのようなかたでも健康は破産しているでしょう。このような方々は健康維持にエネルギーを注がなくてはならず、ビジネス面を怠ることでしょう。この方は繊細な体質で健康な方ほどの活力がなく、そこで昔の手相見たちは「破産」するだろうと解釈したのです。
 第509図のように水星線が破断していたら、この方の健康は破断している年齢で損なわれます。その結果、ビジネスも巧く行かなくなるでしょう。破断しているところが1〜2ヶ所で、その後の線が正常ならば、破断の原因をいつもの方法で探して下さい。もしも線の破断が継続しているならば、胃腸が極めて弱く、梯子状の水星線と同じようなものです。破断している数が多ければ多いほど、継続して病気になり経常的に消化不良を起しているでしょう。この方は頭痛に悩まされますし、消化不良に陥らないために常に注意が必要です。破断した線に四角い修復線が見られることもよくあります。
 第510図のように断線が四角で囲まれているならば、生命の危険が回避されています。問題の原因にはいくつかあるでしょう。原因を探るにはまず頭脳線に欠陥がないかどうかを見てください。あるいは「宮」に健康上の欠陥が見られるかもしれません。あるいは生命線に危険や軟弱さが見られるかもしれません。破線が修復されている場合は、これらのことを考慮に入れて元の原因を探って下さい。どのようなマークでも「気電流(Current)」が継続されているならば良い傾向を示します。
 第511図のように水星線が水星宮に深い線で達し、枝分かれしているならば、この方は素晴らしい健康に恵まれ、ビジネス面でも成功します。
 第512図のように深い線が水星線から下向きに走っているならば、この方は成功しますが、そのためには大きな努力を要します。
 強い水星線から枝線が木星宮に走っているなら、この方はビジネスで成功します。その原動力は野心と部下をリードしコントロールする力です。第513図のように木星宮に星印があるならば、影響力のある知人・友人がこの方を助けます。
 第514図のように枝線が土星宮に昇っていれば、この方は冷静さ、知恵、質素、注意深さ、明るい面・暗い面の両方を見る能力などによって、ビジネスで成功します。このような手相を持つ方は銀行家に向いています。
 第515図のように強い水星線から枝線が太陽宮に向かっているならば、この方の持っている明敏さ、ビジネス能力、優れた心、好かれるマナーでビジネスで大成功するでしょう。この手相は商人にとって理想的です。
 このように長い水星線に見られる枝線は、どの「宮」によって支援されるかを示します。これら全てに加え、さらに水星宮の指(小指)の指節を見て、どこの世界に属するかを判断して下さい。
 この方の第3指節がもっとも強ければビジネスで成功するでしょう。第二指節が顕著ならば科学や専門家の分野で活躍するでしょう。第一指節がもっとも大きいならば、作家や演説家として成功するでしょう。
 第516図のように月宮上部からの枝線が水星宮と交わっているならば作家としての成功が確かになるでしょう。
 第517図のように水星線からの枝線が頭脳線と交わっているならば、この方はメンタルな力で成功することを示しています。この方の頭脳線が深く力強いならば、文学や科学の分野に向いています。三角形が創られていることに注目して下さい。この場所にある三角形は優れた知性とあふれるパワーを示しています。
 水星線の終わり方は、この方の健康の質から見た経歴の一般的結果を示しています。同時に、水星人タイプの特質からみた成功の度合も示唆しています。水星宮には多くの線がでていることが多く、注意深く観察しないと水星線の終わりと間違えます。
 第518図のように水星線が終わる水星宮のところで、愛情線(lines of Affection)が横切っていることがあります。このような線がいくつかあり、そのうちの一つが深く、水星線を鋭く切断しているならば、どなたかの愛情が、この方の最大の利益の邪魔になっています。
 第519図のように水星線に横棒があったり×印で終わっているならば、この方の経歴は妨害にあいます。良くない手相のうえに指が曲がっており、感情線が薄かったり存在しなければ悪い水星人特有の嘘つきの性格がでて、成功は望めないことでしょう。
 水星線の終わりが格子状ならば、さらに成功は望めません。原因は不健康か不正直です。この手相に、さらに太陽宮にドットが見られるならば、この方は評判を落とすことでしょう。
 第520図のように水星線が星印で終わっているならば、この方の人生は指節が支配する世界で成功します。さらに優れた太陽線や土星線が存在するならば、この判断は強化されます。
 第521図のように水星線がフォーク状で終わるならば、この方はエネルギーをいくつかの才能にわけて使います。そこで一つの才能に集中させるほどの大成功はしません。終わり方が房状ならば、努力があまりにも分散しており偉大な成功は望めません。
 水星線が頭脳線と交わる場所に星印がある場合、女性の場合は女性特有の健康問題を抱えています。男の場合は頭脳線がしっかりしているならば、頭のさえが増大します。一方、貧弱な頭脳線ならば、頭脳に問題があり精神障害の危険もあります。
 第522図のように星印に加えて月宮の下部に格子があるならば、女性の場合、弱さは深刻です。こどもを作るのも困難でしょう。さらに生命線が親指の近くを通り、金星宮が制限されているなら、この方にこどもはないでしょう。このことは結婚前に知っておくとよいかもしれません。このマークがある女性はだいたい神経質で緊張するタイプです。この方は意気消沈して不毛となり、その後、明るさを取り戻しますが、高揚と絶望の間を行き来します。このような方にはケアが必要で、常に優しく扱われる必要があります。彼らは病気の幻想を増大させますが、現実ではなくとも、同じように苦しみます。ヒステリー症状、心気症になり、メンタル面での不均衡がたびたび起こります。星印が正確に線の上に無くとも、症状は変わりません。
 この章で述べた様々なマークのコンビネーションは数えきれないほど存在します。しかし支配している原則は常に同じです。優れた水星線に欠陥が見られるのは、お粗末な水星線に同様の欠陥が見られるよりも遥かにましです。たとえば波状になっている水星線に「島」が見られるのは深い水星線に「島」が見られるよりも悪い兆候です。
 一つの線に、二つの異なる欠陥が見られることがありますが、それぞれの欠陥の原因は別です。その原因は通常の方法で突き止めることができます。水星線は生命線、頭脳線、感情線、太陽線との関連で見ていかなくてはなりません。そのかたの「宮」タイプも大事な要素です。
 水星線の価値は、他の線と組み合わせることで発揮されます。特に生命線と頭脳線の関連が大事になります。健康と頭脳は成功する人生に必須の要素です。水星線と生命線、頭脳線を合せて見れば、それらの要素を確実に診断できます。
 水星線が健康を示すことを知り、線の変化が何を意味し、欠陥の意味を知り、線を最初から最後まで検討することが大事です。全ての変化の意味を考慮すれば、他の面で判明した顧客に関する多くの情報を確認でき、顧客をさらに深く理解できるようになります。□
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