Shun Daichi
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第3章

​神の国はあなたの中にある
 
 自分の存在の不思議さに、深く感動したことはありますか? 自分が存在するということに心から感謝したことはありますか? あなたは人間という存在で、人間は大生命力の、この惑星における最高の表れです。自らについてそんな高い真価をみとめ、古代の教師が弟子たちに教えたように「素晴らしい、素晴らしい、私は素晴らしい!」と胸を叩いて言うことが、あなたにもできますか?
 
 あなた自身の内部を深く見ると、何が見えますか? 大生命力の一点が、「私はいる。私は存在する。私は、自分自身の内をみる。」と言っているのが聞こえますか? その「私」は大生命力の一点で、そのもの自体をみとめ、そのもの自体に方向を与えるのです。おのれを知り、おのれに指令するのです。「あなた」はなんと面白い、複雑な機構でしょう!
 
 あなた自身にめざめるとき、あなたには生きたい、存続したい、自らを表現したいと言う欲求があることを知るのです。あなたは幸福で自由でありたい、と望みます。生きたい、いつまでも生きたい、豊かにあり余るほどのものを持って、はなばなしく暮らしたいと言う欲求に限度はありません。あなたの欲求は多くの形をとります。しかし、どの欲求の一つが満たされても、その欲求は拡大していくことに気づくでしょう。手に入れば入るほど、ますます多くを欲しくなるのです。これは、あなたの欲求を本質的に無限のものにします。そうではありませんか? それは終わりがないのです。不死のものです。
 
 
欲求は一つの精神状態
 
欲求は、自然界のあらゆるものにわたって作用しています。大生命力はそれ自体を表現し、かつみずからも体験したいと絶えず望んでいます。植物は花を咲かせたいと望みます。樹木は成長したい、鳥はさえずりたいと望みます。人間的存在であるあなたの中にある欲求は、実は大生命力の欲求を表現しているのです。ですから欲求というものは、大生命力そのものと同じように終わりのないものです。
 
あなたの中の、欲求する場所に、一つの信念もまたあって、「その欲求は叶えられる」と信じています。時間と機会が与えられれば、どんな欲求も答えに到達しうる、すなわち満たされうると信じているのです。あなたの行うあらゆることは、一つの欲求に沿うものです。あなたが何をしても、信念はあなたを導きます。その信念があなたを導いてゆく場所に限界はありません。あなたは今のところ、信念の力を十分に使っていないかもしれませんが、それはそこにあるのです。信念は「心」の一つの在り方です。
 
あなたが考え、欲求し、信念を持つところにまた、想像力と呼ばれる一つの能力もあります。あなたの心のうちに計画(絵、あるいは描写)を形作る能力があるのです。想像力は計画を立てる部門で、あなたの指揮に従います。想像力を使うあなたの能力に限界はありません。それは無限の能力です。それをあまり有効に使っていない人々もいますが、それは使われるべく、そこにあるのです。
 
あなたはある考えや、またはある体験の記憶をとりあげ、それを他の考えや記憶に結びつけることができます。そうすることによって、新しい考えが浮かびあがってきます。あなたは連想し、論理的な結論を考え抜く力を持っているのです。
 
 
あなたには内なる案内者がいる
 
自分の内を見てみると、内なる案内者と呼ばれる能力を見いだすでしょう。虫の知らせなどという直感または霊感などによって、理由もなく、以前の経験によるわけでもなく、何かが本当であると感じて、その方向に行ってみると果たしてその通りであることを発見したなどということが、今までに何度かあったのではないですか? あなたの内部には、何かがあります。あなたを導いて正しいときに正しいところにいるようにし、正しい言葉を使わせ、正しい方法で正しいことをさせます。もしあなたがそれを認め、完全にそれに頼れば・・・もしそれに対して誠実であって、そしてそれを使えば、この案内者の能力が、あなたをどこへ導くかの限界というものはありません。これもまた無限の能力です。
 
科学者は良心のことを、ときには「抑制の心理過程」、あるいは間違ったことをさせない内なる「心」の能力だということがあります。これはあなた自身を傷つけず、体内の大生命力の法則に不信でないようにしてくれる、無限の能力です。
 
あなた自身の中には理知や知恵すらもあります。この特性を望み通りにたくさん体験する人は誰もいないのですが、それでも私たちが知恵を使って体験することに限界があると断言できる人はいません。無限の理知と知恵とは、私たち一人一人のうちにあるのです。
 
また愛もあります。多くの人は間違った人や物を愛します。間違った方向に愛の衝動を表現します。それでも何かを愛さずにはいられないのです。愛の能力は無限です。私たちはその特性を際限なく体験するとともに、それをどう表現するかを選べるのです。
 
私たち一人一人の中には、平和という特性もあります。それは常にそこにあって、体験されることを待っています。一部の人々は、他の人たち以上にこれを表現しますが、誰かによって表明される平和に限界がないことを、誰も否定できません。
 
あなたの内部に美に関する特性もあります。その表現をあなたは制限するかもしれないし、また偉大かつ驚くべき方法で表すかもしれません。しかし、どれほど多く美を表現したとしても、さらなる表現に限界はありません。
 
喜びや楽しさの特性もあります。もしあなたが喜びを体験していないなら、それは表現あるいは体験すべき喜びが存在しないからではありません。それはあなたを通して、またあなたによって喜びが表明されないというだけのことです。喜びや楽しさは、常に無限に使えるものです。
 
からだの中を急いでざっと見ただけでも、無限の特性である理知、知恵、平和、美、喜び・・・まさにあなたが体験したいと思う何もかもが出てくるのは驚くべきことではありませんか? また、あなたの中には、これらの特性を表現できるあらゆる能力があります。すなわち欲求、信念、想像力、理性、および内なる案内者などです。
 
あなた自身の価値を認めなさい
 
このような、あなたの人生で体験したいと思う大生命力の特性と、またそれらを表現する能力が、あなたの存在そのものを形作っているのは事実ではありませんか? それらは、すなわちあなたなのです! それらの神性を持つ、不滅の、終わりなき能力が化身となって・・・事実、あなたの本質として、あなたの真の個性をなしているということにうなずけないでしょうか。あなた自身や、それらの能力を使う才能への理解が増して、大生命力の特性をあなたが表現するにつれて、あなたは無限の神性ある大生命力に拡大してゆく、ということに同意できないでしょうか? あなたの信念に限界がなく、創造力にも限界がなく、理性的な力にも限界がなく、そして愛、平和、威力、美と喜びにも限界がないのですから、あなたは事実上限界のない存在だと考えるのが現実的ではないですか? 
 
体内に発見した能力や特性に加えて、採択し、決意する才能もあります。その能力をいかに、そしてどの程度にまで使うかを、あなたは選ぶことができます。また、様々な無限の特性のうち、何を、いかに表現すべきかも選べます。このことは、選んだり決意したりする力によって、あなたがこうありたいと選ぶ人格や性格を築くことが可能だということです。また、選ぶ内心の力だけではなくて、選んだ線に沿って行動する力もあなたにはあります。自己への理解が成長するにつれて、あなたが使い、表現し、体験するあらゆる精神能力と霊的特性もそこにあります。これらの特性の全ては、それが表現される能力とともに使われるのを待っています。このような体内の貯蔵庫や原動力からの表現や体験は、あなた自らが抑制するのでない限り、一切限界のないものです。
 
あなたがひどい怠け者ならともかく、大生命力が与えてくれる祝福を故意に拒むようなことは当然しないでしょう。しかし、もしそれらの祝福の贈り物に気づかなければ、それは持たないとほぼ同然です。ここに百万ドルの当座預金を持つ人がいるとします。しかも彼がそのことを忘れてしまっているか、またはそれを引き出すことをしなければ、百万ドルは彼にほとんど役立ちません。それが彼を幸福にするには、この資源を知り、それを使わなければならないのです。
 
あなたは大生命力ですから、大生命力の能力や特性の化身です。大生命力そのものがすなわちあなたなのです! (What Life is, you are! )「父なる神は、体内に大生命力を持つがゆえに、彼の子にも体内に大生命力を持つよう与えた」「父なる神の持つすべてのものは、わがものなり」とキリストが言ったのはこういうわけです。
 
あなた自身の中心点は、あなたが「私」というときに指差すものです。その場所であなたは大生命力の特性をいかに、またどの程度まで表現するべきか、そして「心」の能力をどう使うべきかを選ぶのです。あなたは表現を否定的にするか、肯定的にするかも選べます。あなたの信念を心配や恐怖として表現するよう選んでも良いし、欲しいものより欲しくないものの絵を、想像で描いても良いのです。愛を憎しみとして表現し、喜びや楽しもの表現を拒んでも良いのです。選ぶ才能には何の制限もありません。だから、あなたの選択の一点に、天国から地獄まですべてありうるわけです。
 
「善きものも悪しきものもない。ただ思いが、それを作るのみだ」というのはローマの皇帝で哲学者のM・オーレリアスの言葉です。前に言った「魂」は、自分自身にめざめた力だということを再び思い返してみましょう。あなた自身の深いところにある中心の「私」は、自分自身にめざめているがゆえに、あなたの魂です。それは、あなたの体内の神です。それは考え、また選択する一点で、そこからあなたは体験の世界を創造する指揮をとるのです。それは、あたかも大生命力の一つの大きな魂が、自然界に満ちわたる威力を指揮するがごとくです。あなたは、神性にめざめた一つの点で、神のような能力を使い、神の特性を表現するのです。このことを知ったとき、体内深くの、「呼吸よりも密着していて手足よりも近いところ」にある神をあなたは発見したのです。
 
私たちが大生命力の威力を上手に指揮して、望む良いものを作り出す前に・・・私たちが支配するべく造られた世界を統制する前に、私たち自身についての根本的かつ基礎的な真理に気づくことが必要です。私たちが「私」という、自覚する一点で、私たちが神の大生命力そのものであるということを理解する必要があるのです。
 
あなた自身と近づきなさい
 
私たちは今や、神性の大生命力、神性の力、神性の理知を知りました。それらはすなわち私たち自身なのです。私たちの才能や責任、私たちの義務や特権などを認めた上で、健康、幸福、繁栄のため、平和や喜びと美のために、「心」の力を使うべく前進しましょう。きらびやかに生きる目標へ進みましょう。私たちはキリストの言葉、「神の国は汝の中にあり」の真意をかいま見たのです。
 
数年前のこと、J・バーハムという中年になりかかった男が、仕事に意欲を失い、生活に向上がないのに不満で私に相談に来ました。彼は発電所に雇われていました。実は彼が神性を持つ存在であるという話をすると、彼自身についての最も大切な真理を理解するようになりました。彼が自覚する点においては、まさしく神性の大生命力が、彼として個人化したものであり、人間的存在としての大生命力の自覚は、すなわち彼自身であるということに納得しました。自らについてのその理解は、彼の考え方からブレーキを取り除きました。彼自身への理解は、非常に高揚して、毎朝、彼が仕事に出向くときは「いま神が仕事にゆく」と独り言をいうほどになりました。大きな発電所のスイッチを入れる時も、「いま神がこの都市に光をつける」と言いました。スイッチを切るときには、「いま神がこの大都市の光を消している」と言いました。とてつもなく大きな、無限の威力の自覚が、彼を捉えてしまったのです。彼はうって変わった知恵と知性と威力をあらわし、それが人目にもついて、2年のうちに彼はその大きな公共事業会社の副社長になりました。
 
「心」は人生の創造的な原理です。もし私たちが「心」の普遍的な力を方向づけて、大願を実現したければ、それを行う権利と能力を持つことを認めなければなりません。私たちは実に、いたるところに満ち溢れる神性ある大生命力の個人化したものだと認めなければなりません。
 
あなたは小さな「心」を持った、小さい人ではありません。まさにあなたの生命こそが、神の大生命力です。あなたが使う知的な心は、無限かつ創造的な神の「心」で、それが万物を実在させたのです。それは熟考に値する素晴らしい考えではないでしょうか? さあ、あなたについてもそれが真実であることを認めなさい。あなたについて、あなたが使う「心」について、この考え方を受け入れ、そして「心」を使う方法を学ぶことができれば、その程度に応じてあらゆる苦難を解決する鍵を手にできるのです。
 
これまで、大部分の人々はこれを理解できませんでした。いまなお、そう信じることを拒む人も多いのです。普通の人は己を理解することができずに、弱さ・恐れ・憂いを感じるのです。大生命力の限界なき威力が自分のものであること、また創造的な「心」も自分のものであり、思い通りに使えるということを理解できないのです。大生命力は、その人が正しく受け取るならば、なんでも必要とするものを与えようと身構えていることを知らないのです。挫折、無知、自己への哀れみから、その人は体の外のどこかにいると思う神に懇願し、当てにするのです。
 
善きものを得るために苦闘しなくてもよい
 
彼ら自身の内部にある神の力を知らずに、人々はしばしば弱く、挫折し、不幸を感じます。多くの保護施設は挫折した人や勇気を失った人で溢れかえっています。刑務所もいっぱいで、また人々が自らを理解しないために戦争も起こります。彼らが神の力を認めなかったり、それを建設的に使わないからです。彼らは善いことや幸福や心の平和を得ようとして、間違ったところを見ているのです。己を見ることを怠っているのです。人間の生命の尊厳や人格の重要さを知らないのです。自らの思考を統制していません。彼らは思考が恐怖、憎しみ、嫉妬、貪欲と荒れ狂うにまかせています。大生命力への彼らの態度に応じて、また大生命力を信じるに応じて、応答してくれることを知らないで、善いことのためには苦闘が必要だと思っているのです。彼らは、自分たちにとって善いことは他人にとっては善いことではないと間違って信じているのです。そのために隣人や雇い主や従業員のことよりも、自分だけの善いことを望むのです。
 
もしもこの世から闘争を無くそうとするならば、もしも個々人から苦難を取り除こうとするならば、各人の中にある驚くべき価値と威力を受け入れなければなりません。各人の神性と不滅を知り、他の人々との関係と己の根源についても理解しなければなりません。大生命力の法則が理解できて、彼ら自身や他の人々がより多くの善きことを手に入れるために、その法則を使うよう教えられ、かつ励まされなければなりません。
 
宇宙に飢饉などはありません。限りない善きことが私たちを包んでいます。私たちの成功と幸福と安楽のために必要なものは、何もかも私たちの体内か、そのまわりにあります。無知と誤解から人々は、そのような恵みを受けることをしばしば拒むのです。大生命力が彼らに自動的に応答してくれるのを知らないのです。それが彼らの信念によってなされるということを理解し、信じている人はあまりにも少なすぎます。
 
普通の人は人間関係の基本法則・・・すなわち黄金律(人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたも人にしなさい)、愛の法則、因果の法則など・・・を認めることを拒みます。だから、普通の人は闘争や挫折や不幸にあうのです。
 
古代の偉大な立法者モーセは、彼自身の「私は在る」は、大宇宙の「私は在る」にほかならないことを発見しました。彼のうちの「私。私は存在する」という自覚の一点は、宇宙の大生命力が人間的存在として、自分自身にめざめたものにほかならぬことを発見しました。彼は神を体内に見出したのです。宇宙の大生命力は、まさに彼自身の生命であることを知ったのです。モーセが自ら発見したことはあなたも、自ら発見することができます。それをキリストは教えたのです。聖者パウロもそれを教えました。偉大な神秘主義者たちが常に教えてきたのもまさにそれです。
 
あなたは、あなたの体験の中心にいます。あなたの体験の世界は、あなた自身の個人的な思考の場所で、あなたによって形作られ、方向付けられています。そして欲求に刺激され、想像力によって計画され、あなたの信仰や信念によって体験に持ち込まれるのです。「心」の普遍の法則は、あなたが胸の内でどう考えるかにしたがって、あなたの体験を形作るのです。
 
私たち各自は、自己についてのこの基本的な真理を毎日静かに瞑想すると良いでしょう。そして自分への高度な認識を得るにつれて、生活から不安は消えていきます。私たちはおのれの体内に、生きるために必要なすべてを発見するでしょう。