Shun Daichi
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第一部
 
6.魔法のような決意の威力
 
乱れた心や、乱れた事態にすみやかに対処して、確実に秩序を取り戻すには、即座に決意をして、それを変えないことがいちばんです。
 
決意することの大切さ
 
意識的に深く思って、論理的前提から決意に到達し、その決意に全身を打ち込み、すべてをそれで貫くと、あなたは、あなたの人生を支配できるようになります。これを行うまでは流れに浮かぶ木片のようなもので、はっきりと意識した方向も目標も使命もなく、結局は不幸に終ります。これが事実だと、だれしも知っています。もちろん誰でも、理屈に合った正しい決断をしたいと思っています。これは間違いなく個人的なことがらで、個人の責任であり、かつ個人的特権です。
人間とは、大宇宙の大生命力が個人化され、人格化されたものです。哲人エマソンは「人は生命を受けた宇宙の一片だ」と言いました。人間は宇宙の一片であり、おのれにめざめ、おのれを自覚しています。事実、私たち一人ひとりは一つの宇宙です。私たち一人一人は自分だけの世界に生きているのです。あなたや私と呼ばれる大生命力の一点は、いたるところに満ちあふれる大生命力の中の知覚し、採択し、自由意志をもつ一点です。
大生命力は、みずからを表現したいのです。みずからがなんであるかを表現したく、健康・幸福・調和などについての大生命力の表現は、いわゆる天国や極楽です。私たちが大生命力を使って健康・幸福・調和などを表現すると、天国や極楽を体験します。
キリストによる「主の祈り」の中では、天国が私たちの世界に表現されるよう祈ります。人々は、知恵・愛・平和・力・美・幸福などの普遍の特質が個人の生活に表現されるよう望みます。人は大生命力の化身ですから、大生命力の法則を使います。では、私たちは大生命力の法則をどのように使うのでしょう。私たちが望む知恵・愛・平和・力・美・幸福などの普遍の特質を、大生命力から与えられるとすれば、それは私たちが決意をする結果なのです。人生で真に大事なことは、決意するまで得られません。私たちが決意するとき、それは大生命力がどう私たちのために行動すべきか、を決定しているのです。
 
数年前のある日、私は午後四時ごろまでそとの訪問に出歩いていました。研究所に帰ってみると、私に会いに来た一人の男が一日中待っていて、私が顔を出したとき彼は部屋の床板の上をこつこつと歩いていました。二四時間というもの何も食べず、寝てもいなかったのです。前夜、彼の古い車でサンディエゴから夜どおし運転して来たのですが、恐ろしい目つきをし、殺気だって見えました。らくな椅子にすわらせ、食べ物を取りよせて与えると、ぽつりぽつりと悲惨な話をはじめました。彼は今失業中で、きれいな妻と二人の美しい娘を持っているのですが、どこかで何かにつまずいて大酒飲みとなり、他の女との関係もできていました。雇い主の名義をかたって数枚の小切手を使い、いま警察が彼を追っているというのです。妻は荷造りをして、シアトルの母親のところへ帰る用意をしています。彼はやけくそになり、なすすべもなく前途は真っ暗でした。
私に会いに来る前日には毒薬を買い、それを飲もうとサンディエゴの街上の便所に入ったのでした。自殺が唯一の解決と思ったのです。彼が言うには便所の床に雑誌が一冊あったので拾い上げると、
〈どんな苦難にも解決策がある〉という記事が偶然目にとまり、その標題の下に〈そんな事態にも正しく抜けだす方法がある〉と、小見出しもついていました。それが彼の好奇心を捉えたのです。私がその筆者だったので、なぜ彼が私のところへ飛び込んで来たかがわかりました。もちろん私の講演など聞いたことはなかったのですが、自殺の計画を進める前に、一度あって話を聞いてみようと思い立ったのです。悲惨な苦境から抜け出す道はあるとしても、彼にはどうにもわからないと言うのです。
自殺は彼の妻や娘を助けはしない、悲惨を加えるだけだと私は言いました。自殺は利己的なことで、彼自身には抜け道になるかもしれないが、彼をたよる家族にはそうはならないと、わかりやすく説明しました。その考えが彼の胸を打ったのです! そこで今度は私の方から、どうすればほんとうによいと思うかを聞くと、まもなく彼にくつろぎの様子が見えました。お腹も満たされたので、いくぶん客観的に自分の苦境を見る余裕ができたのです。
私たちは何時間も話し合いました。その間に彼はどこが悪かったかわかってきて、ついに決意に到達しました。こうすべきだと思う正しいことを行動に移す決意をしました。もし彼が正しく思い、正しく行えば、正しい結果のみが来るという考えに励みを感じました。彼が正しいと思って選択したことの結果を、大生命力の法則に任せるにしたのです。
ソクラテスは、善き人に悪は来ない、「善き人に起こることは、ついには必ず善きことである」と言っています。またダビデ王の「正しき人は見捨てられない」という言葉を思い出してください。
私はこの男の方にこう言いました。将来を見通してどういうことがくるかを正確に予言はできない。だが、正しい考え方と正しい行動は、彼の体験の世界に正しいことのみを持ってくることは約束できる、と。
彼はサンディエゴに帰り、妻のゆるしを乞う決意をしました。彼女が彼を見捨てることには完全に正しい理由があるので、そうなっても彼女を責めない。しかし彼女がゆるしてくれて、もう一度チャンスをくれるならば、彼は最善を尽くして信頼に沿うようにする、と彼女に告げる決意をしました。またまえの雇い主のところへ行って、雇い主には彼を刑務所へ突き出す完全な権利がある。そうなっても、彼はいささかも悪い感情は抱かない、と告げる決意をしました。だが、もう一度チャンスをくれるならば仕事を続けて負債を返済する。何故ならば今回のことで教訓を得たから・・・。
彼は何をすべきかを定め、それを行なう決意をし、その決意を曲げないと決め、ある程度の落ち着きと平安を取り戻して研究所を出て行きました。正直に正しいと感じることを行うと決意したのです。まずはどんな薬でも飲もうと決意し・・・次に、行かねばならないのなら刑務所へも行こうと覚悟しました。だが責任逃れは辞めることにしました。家族とも正直に話す決意して、彼は家に帰ったのです。
彼の最初の行動の一つは、ほかの女との関係を完全に打ち切ることでした。酒を飲むことをやめようと決意して、その決意を曲げませんでした。それから名義を盗んだ雇い主に正直に対面しました。彼の妻も、金を渡した人も、雇い主も、彼の真剣さを認め、彼の心が一変したことに反応し、彼のことばを額面通り受け取りました。
一年とたたない間に彼は負債を返済しました。会社では前よりもいい地位に昇りました。彼と妻の二人は、新しい家を買い、二人の娘は音楽とダンスの稽古に通いました。この変化の全ては、知的な行いである決意をしたからです。彼からは夜遅くなってからも、たびたび私に長距離電話をかけてきました。彼が常識的かつ合理的な決意をしたおかげで人生に現れた素晴らしく良いことへの感謝を述べるためでした。
 
決意は、あたりの空気を清める
 
途方にくれた一人の婦人が、訪ねてきました。三六〇キロも遠いところに住んでいるのですが、私の住む街にビルを持っていて、それをスーパー・マーケットに貸していました。ところがビルを借りているマーケット経営者から手紙が来て、彼女がビルにかなりの改良を施し、かつ家賃をある点まで引き下げない限り、引っ越すというのです。彼の目的に沿うビルがもう一ヶ所、同じ地区にあるのだそうです。彼女が言うには時間の余裕はあまりなく、経営者からの手紙はわずか数日前に来たのに、三〇分のうちにその男にあって彼女の決定を告げる約束になっているとのことでした。彼女も建物に修理を施し、あるところまで家賃を引き下げることはやむを得ないと思っていましたが、スーパーマーケット経営者の要求は法外で、要求を何もかも受け入れることは不可能とのことでした。
静かに座って、この問題を彼女の側からばかりではなく借り手の側からも考えてみるよう私は言いました。また、修理や家賃の値下げについてどこまでするのが正しいと感じるかを詳しく紙に書きなさい。それからそれを持って借り主の前に置き、彼女がどう決定したか、そしてなぜそれが正しいかを告げなさいと忠告しました。もし彼女があくまでも正直で、彼女に良いことのみでなく、借り主のためにも良いように思うのなら、この借り主がたとえ承知しないとしても、その時はまた別の借り手を期待できると私は言いました。そのビルは大生命力に仕えるためにできているのだし、大生命力は正直で知性があり、安心してたよりにできるからです。
私の研究所を出て一時間のうちに、彼女は電話をかけてきました。借り主を訪ね、彼女の決定を書いた紙をその面前に置き、これが彼女にできる限界で正しいと思うと説明したそうです。借り主はその覚書を見て、彼女を見上げ「私もそう思います。新しく契約書にサインしましょう」と言いました。これは彼女が決意したことからの結果でした。
 
もし私たちが最高水準の正直さと高潔さを持って行動し、自分ばかりでなく相手の立場も考え・・・正しい決意、前向きの信念、同情、愛に基づいていれば、大生命力は善のみを与えてくれることを知っているならば・・・当然のように正しい結果が生まれるのです。
 
電話会社の責任ある地位にある婦人重役が、私を訪ねてきました。彼女の一六歳になる娘が手に負えないという相談です。婦人は夫に先立たれ、娘と彼女の母親との三世代一緒に暮らしていました。そして娘のしつけはだいたい祖母の責任となっていましたが、最近祖母が他界しました。それからというもの、娘は家事を手伝わず、自分の部屋すら掃除しません。夜は遅くまで家に帰らず、母親は気が気ではありません。彼女が私に相談にきた前夜などは、「あたしを叩くのをやめて!」とわざととなり近所に聞こえるような大声をだし、いかにも母親がひどいことをすると近所中へ聞かせようとした様子でした。
私はこのお母さんに、娘が何をすべきかを、母の必要からも娘の必要からも全般的に事態を眺めて、一枚の紙切れに書き上げるよう提案しました。彼女は、娘が自分の部屋の掃除も含めて家事をどこまですべきか、外出していい夜は出ても必ず何時までには帰ること、そのほかの普通の日の門限や必要なことを、全てはっきりと書くよう奨めました。しかし、お母さんはためらいました。もしそれを娘に見せれば、家出してしまうのではないかと恐れたのです。しかし、私が「正しい決意からは正しい行動が生まれるのみだ」と指摘したのに促されて、彼女は自分と娘のための完全な仕事割りを作りました。私は彼女に、その紙片を家に持ち帰り、それが正しいのだから娘は同意するという絶対の確信を持って、それを娘の前に置きなさい、と告げました。
彼女は決意してから研究所を去りましたが、二時間ばかりのうちに電話をかけてきました。その声からは堅苦しさがほぐれていました。彼女が家に着くと、娘は戸口へ迎えに出てきて、母親の首に抱きつき頬にキスしたそうです。娘が愛情を示したことは、ここ何週間もなかったのです。自然、紙切れを娘に見せませんでした。「見せたほうがいいと感じた時のみ見せるのがいいでしょう」と私も彼女に同意しました。しかし、見せなければならないような時はその後一度も来ませんでした。
娘の母親に対する態度はすっかり変わり、また学習や家事も前とはうって変わってよくするようになりました。優しくこまめに家事を手伝い、自分の部屋もきれいに掃除しました。お母さんが相談にきてのち、私が講演する会場の最前列に腰掛けている二人の姿を日曜ごとに見かけるようになりました。この娘の善い変わり方は、疑いもなく母親の決意の結果です。母親の前向きな確信が、無意識のうちに娘に感じられたのです。
私たちがある事態が本当に正しいと確信するとき、大生命力の法則は期待通りに実現します。しかしそれが実現することを信じなければなりません。それが秘訣です。
 
ある日曜日の朝、私はサンフランシスコ市のカラン劇場で、決意することの重大性について講演をしました。次の日、広大な不動産を持つ実業家が訪ねてきました。ある人が巨額の値段をつけて彼の不動産を買おうというのだそうです。それを売るべきかどうかについて、何週間も思い悩んだのだが、私の講演を聞いてからなんとか結着をつけなければならないと思った、と彼はいうのです。私の机のところに座って、彼にとっても買い手にとっても正しいと感じられる値段で売ろうという決心ができました。その値段は彼が申し出られた金額をかなり上回ったものでした。私の研究所を出ると、その買い手の家へ行き、彼が正しいと思う金額を素直に相手に告げました。すると二日以内に、その申し入れを相手はのみました。そして彼の不動産は彼と買い手の双方に、莫大な利益をもたらしました。この百万ドルを超える取り引きは、この私の友人の側の、明確な確信と決意から生まれています。
 
 
成功も失敗もみずからつくる
 
決意・想像力・信念・動機・・・これらはみな精神の状態・・・「心」の在り方であり、私たちの体験に影響します。これらの能力を使うことで、私たちの中にあり、私たちを取りまく、力強い大生命力を解き放ち、方向づけることができます。神の国は私たちの中にあります。至るところに満ちあふれる大生命力は私たちが使うべき力です。その力は普遍ですから、私たちの使う力もその中に含まれています。
 
大生命力はただ一つしかありません。その大生命力が個性化して、私たち一人ひとりになっているのです。その一つの大生命力を私たちが知り、かつ体験できる唯一の場所は「私の生命」とか「あなたの生命」とか呼ぶものの中にあります。無限の資質をもつ知的な心を使える唯一の場所は、私たちの思考の中です。そこで私たちの仕事は当然、私たちから始まります。私たちの中に大生命力の「知的な心」があり、私たちがその力を使い、方向を定めるのです。実のところ、この力を、成功よりも失敗、健康よりも病気、平和よりも混乱へ向ける人も多いのです。
あなたがどこにあっても、何をしても常にあなた自身と直面しているのですから、自分が大切であり、また問題でもあるわけです。しかしその自分を深く見ると、そこには無限の資質や底なき能力の泉を発見するでしょう。おそらくそれらの能力を完全に使いこなしたことはなかったでしょう。それらの資質や能力は、あなたの発見や方向づけ、使用を待っているのです。なぜいま使うことを決意しないのですか? この無限の知力も威力も、あなたの使えるものです。あっても使わないかぎりなんの意味もありません。あなたは決意を通して、想像力や信念を通して、それを使えるのです。あなたの中には推理する力もあります。決意したり想像したりする、奇跡的な力もあります。選択の才能もあります。あなたの中には、すべての道具が揃っています。大生命力を、望み通りに豊かに多様に表現できる道具です。必要なのは、それらの道具を知り、使い方を学ぶことだけです。
 
 
才能をみくびるな
 
あなた自身を低く見積もってはいけません。安売りしてはいけません。あなたは驚くべき存在です。大生命力は「心」の法則を通して働きます。そしてその「心」の法則は、あなたが使えるものです。あなたは私と同じく、この「心」の法則を通じて、大生命力がどう働くかを学べばよいのです。「心」の法則を、より健全で幸福かつ豊かな体験を得るために、どう使えばよいかを学びさえすればよいのです。これを学ぶとき、あなたは健康と幸福と豊かな生活を送る秘訣を手に入れます。これまでいかに長くあなた自身に反抗し、最良の利益に反して大生命力を使ってきたかは、ここでは何の関係もありません。今日あなたは、大生命力をより善く健全な体験のほうへ方向づけることができます。あなたの生涯という花園に、誤ってはびこらせた古い雑草やいばらやアザミを抜き取り、新しいタネを蒔かないかぎり雑草は絶えません。しかし今日それらを抜き去り、植えかえることができます。そうすれば、さっそく新しい様相の、ちがった花園に変えることができるのです。