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 『魔術師の神々』

(雑誌ムー掲載・2014年2月)


英国の経済誌『エコノミスト』のアフリカ特派員だったグラハム・ハンコックは、アフリカや中東の古代遺跡を調べているうちに「1万2000年前の最終氷河期終わりに地球で大規模な天変地異が起こり、高度な技術を持つ古代文明が消滅している」と確信した。その古代文明を興隆させた“神々”の“指紋”が、ギザの大ピラミッドや大スフィンクス、マヤの天文学、インカの石壁などの姿で現代まで残されているというのだ。

この確信の証拠を求め、ハンコックは世界中の古代遺跡を訪ね、膨大な資料を読破し、『神々の指紋』を書いた。1995年に英国で発売された『神々の指紋』は、英国、イタリア、南アフリカ、日本でナンバーワンベストセラーとなり、30カ国語に翻訳され、ハリウッド映画「2012」の原作となった。日本ではハードカバーと文庫で300万部以上(上下巻)、英国ではハードカバーで50万部以上売れている。

大ベストセラーとなった『神々の指紋』は大論争を巻き起こしたが、失われた古代文明の「謎」は未解決のまま残されている。

それからほぼ20年、海底・宇宙・地上でグラハム・ハンコックの確信を後押しする発見が相次いでいる。新たな発見に意を強くしたグラハム・ハンコックは、現在『神々の指紋』の続編『魔術師の神々:失われた文明の忘れられた知恵』(仮題)を執筆中で、2015年には英国と日本で発売される。

海底では、キューバ沖合や大西洋、インドのカンベイ湾などで海底遺跡が発見されている。だが調査は進んでいない。『神々の指紋』を翻訳した筆者はグラハム・ハンコックと共に地中海・南太平洋・与那国島などで200回以上もスキューバダイビングを行い、海底の遺跡調査を実施した。暗い海の底の調査は困難であり命がけだった。その経験からいえるのは、氷河期が再来して海面の高さが200メートルほど下がらないと、大規模な海底調査など不可能に近いことだ。

次に宇宙関連だが、興味深いのは恒星シリウスの伴星Cの発見だ。

恒星シリウスは連星でシリウスAとBで構成されていると現代天文学は考えていた。ところが1995年に第3の星の存在がほぼ確定された。フランスの天文学者ベネストとデュヴァンは6年の周期を持つ第三の伴星Cの存在を確定し、天体望遠鏡で撮影されるのも時間の問題としている。

これで西アフリカ・マリ共和国に住むドゴン族の長老たちの語った宇宙神話の正しさが証明された。彼らは「シリウスは3つの星で構成されている。主星の周りを回る伴星の周期は50年である。3番目の星は伴星のさらに4分の1の大きさである」と、古代から伝わるドゴン族の秘義を、フランスの文化人類学者マルセル・グリオールとジェルマン・ディターレンに伝えていたのだ。ドゴン族の宇宙に対する造詣は深く、土星には環があるとか、木星には主要な衛星が4つあるとか、肉眼では見えない世界を詳細に知っていた。

マルセル・グリオールとジェルマン・ディターレンは1950年にドゴン族の宇宙に関する興味深い知識を人類学誌に発表した。だが、怪しげな話だとする人々がほとんどだった。ドゴン族がどこから宇宙の知識を得たのかが疑問視されたのだ。ドゴン族は魅力的な伝統文化を持っており、多くの人々が訪問している、そこで20世紀に現地を訪れた宣教師たちや旅行者からシリウスが連星であることを教わった可能性がある。さらに当時の天文学は、恒星シリウスが3つの星でできているという考えに否定的だった。つまりドゴン族の宇宙観は荒唐無稽とされたわけだ。

だが、3つ目の星が確認されたので、宣教師や旅行者から得た知識ではないことが明らかになった。ではドゴン族は宇宙の深遠な知識をどこからか得たのだろう。「失われた古代文明」からの遺産という可能性もあるだろう。

常識をくつがえすトルコ東南部のテペ遺跡

地上でも、グラハム・ハンコックの確信を支持する新たな証拠がいくつか見つかっている。その最たるものはトルコ東南部の丘の上にある「ギョペクリ・テペ遺跡」だろう。人類最古の聖地と呼ばれる「ギョペクリ・テペ遺跡」は、1万1600年前に建造された巨石神殿群だ。この10年間で遺跡全体の10%しか発掘されていないが、20の巨石神殿がこの丘に集中していることが判明している。

「ギョペクリ・テペ遺跡」の発掘結果は、歴史家・考古学者たちの間で大論争を巻き起こしている。論争されているのは「農耕が先か、宗教が先か」だ。従来は「狩猟採集民が農耕を始めて定住生活となり、集団を保つために宗教が生まれた」とされていた。だが、1万1600年前にこれほど大規模な巨石神殿が造られているため「農耕が始まる前に組織的な宗教が生まれ、定住する必要から農耕が始まった」と考え始められている。

「農耕が先か、宗教が先か?」と問われれば、「宗教が先」と思う方が多いのではないだろうか。なぜなら暗い夜には神秘的に輝く1億の星に感動し、明るい昼間は太陽の恩恵を感じる人が多いと考えられるからだ。人間は思考を始めたときから宇宙信仰や太陽信仰を開始したはずだ。そうなると「宗教が先」説に組みする人が多いだろう。

これだけでも、歴史の教科書を書き換えなければならない。だが「ギョペクリ・テペ遺跡」が投げ掛ける疑問はそれだけではない。

「ギョペックリ・テペ遺跡」の発掘責任者であるドイツ考古学研究所のクラウス・シュミット博士は言う。「この神殿を造ったのは狩猟採集民たちだ。彼らは数十人の規模で移動したとされており、このような建造物は造れないと考えられてきた。だが、大規模な巨石神殿が数多く建設されていることから見ると、彼らはすでに数千人規模で生活し、神官や職人といった特殊な階級も生まれていたことになる。この遺跡の発掘で、歴史に関する学者たちの常識はひっくり返されてしまった」

旧石器時代の1万2000年前に、神官や職人を抱える人口の多い豊かな社会があった事実は、「失われた文明」の存在を示唆する。

「ギョペックリ・テペ遺跡」から浮かぶ疑問はさらにある。『神々の指紋』で大きく取り上げられた大スフィンクスの建造年代の再考も必至となる。

エジプトのギザ台地にある大スフィンクスは、胴体や周りを囲む壁に降雨による侵食跡が深く残っており、地質学的には9000年前から1万2000年前に作られていることは確実だ。だが古代エジプトを専門とする考古学者たちは、「1万年前に巨石建造物を造れる文化などどこにも発見されていない。だから大スフィンクスが造られたのも5000年前程度だろう」と主張する。このエジプト学者たちの主張は「ギョペックリ・テペ遺跡」の発掘で根拠を失った。1万2000年前、すでに巨石建造物を造れる社会が存在していたからだ。

大スフィンクスの地質調査を大規模に行ったボストン大学のロバート・ショック教授も、2011年に「ギョペックリ・テペ遺跡」を見学して、それまでの控えめな見解を訂正した。これまでは、エジプト学者たちの意見を考慮して、大スフィンクスの建造は7000年前かもしれないと言っていた。だが今は、科学的証拠により忠実な説に変わっている。つまり少なくとも1万年前には建造されていたと言う。そうなると1万年以上前に大スフィンクスやナイル河岸の「スフィンクス神殿」を建造した高度な技術を持つ文明が存在したことになる。この高度な文明が持っていた社会は遺跡の規模からみて「ギョペックリ・テペ遺跡」を建造した社会よりも遥かに大きかったことが窺われる。

「ギョペックリ・テペ遺跡」とマルタ島

2013年6月に筆者は「ギョペックリ・テペ遺跡」を訪問した。トルコ東南部にありシリアとの国境に近いこのあたりの住民のほとんどはクルド族だ。丘の上の巨石神殿は円形で、マルタ島の巨石神殿と似ていた。発掘の終わっている巨石神殿に隣接した土地からは、発掘途上の巨石がニョキニョキと頭を出している。

グラハム・ハンコックから『魔術師の神々』(仮題)のシノプシスが送られてきたが、彼も「ギョペックリ・テペ遺跡」とマルタ島の巨石神殿は似ていると感じている。この二つの遺跡が似ているのは円い神殿跡だけではない。

「ギョペックリ・テペ」の巨石神殿は1万2000年前に建造されているが、1万年前に砂で埋められて放棄されている。マルタの巨石神殿群も砂で埋められていた。なぜか? 当時、恐ろしい天変地異が起こり、人々は聖地を砂で埋め避難したのだろうか。そうであれば、「ギョペックリ・テペ」の古い神殿が精緻な作りで、最後に作られた神殿が粗雑であることの説明もつく。天変地異で民力が疲弊して、精緻な神殿が造れなくなったのだろう。

「ギョペックリ・テペ」では1万2000年前に16トンから20トンの巨石を使い装飾を施し巨大な神殿を造っていたわけだが、このような技術が育つには時間がかかる。つまり、そのかなり前から職人文化があったことを意味する。グラハム・ハンコックは神殿を建造してから2000年後に砂に埋めたのは、失われた文明が、後世のために「タイムカプセル」を残したのではないかと考えている。

マルタ島の巨石神殿群も「ギョペックリ・テペ遺跡」同様に数が多く、24の神殿が小さなマルタ島に集中している。最終氷河期の終わり頃の1万2000年前は海面が現在よりも200メートルも低く、マルタ島は当時の丘であったに違いない。

マルタの神殿群と地下神殿ハイポジウムは主流派の考古学者たちによって4500年前から古くても5000年前のものだとされている。これだけでも謎だ。5000年前ならば主流派の主張する大ピラミッドの建造時期よりも古い。誰がマルタの神殿群を建造したのかはいまだに謎だが、主流派の学者たちは説明できないことに関しては沈黙を守る。

さらにマルタの神殿群が1万年以上前に建造されていたことを示唆する証拠がいくつかある。その一つは神殿群からは発掘されているビーナス像だ。これらは旧石器時代に作られている地母神像にそっくりだ。マルタ島の謎の巨石神殿も「ギョペックリ・テペ遺跡」と同じ時期に建造されている可能性が高い。

グラハム・ハンコックは、謎の巨石建造物を地中海のシチリア島、サルデーニャ島、メノルカ島にも見つけている。サハラ砂漠にも巨石ストンサークルを見つけた。メノルカ島の建造物は「ギョペックリ・テペ」の建造物とよく似ている。そこで彼はエジプトやアフリカを含む地中海沿岸には氷河期の時代に「巨石を扱う高度な文明」が発達していたのではないかと推察している。その証拠の一部となりそうなのが、古代地図だ。『神々の指紋』では、多くの古代地図に描かれた南極大陸の謎を追求したが、『魔術師の神々』(仮題)では古代の地図にエジプトやサハラ砂漠が緑豊かな土地として描かれている謎を追求する。

グラハム・ハンコックは「ギョペックリ・テペ遺跡」の巨石に彫刻された人間の手が、太平洋のイースター島にあるモアイ像に彫られている手とそっくりだという。モアイ像は500年から800年前に作られたことになっているが、数千年前から存在していた可能性も高い。

魔術師たちの機械

「ギョペックリ・テペ遺跡」の発掘によって、世界中の巨石遺跡の年代の見直しが始まっている。特に調べるべきはイースター島、タヒチ島、南米ボリビアに存在する巨石遺跡だとハンコックは言う。

南米のアンデスには謎の巨石建造物がたくさん存在し、『神々の指紋』でもかなり踏み込んで検証した。だがハンコックはさらに調査を深め、アンデスの精緻な石壁は失われた文明の建造物であり、インカの人々は14世紀以降に、その土地に住み着いたという確信を深めている。精緻な石造りの周りに見られる粗末な石造りこそ、インカ帝国の人々の建造物だと言うのだ。

「ギョペックリ・テペ」の巨石には動物が彫られているが、ボリビアのチチカカ湖周辺にある巨石遺跡群にもよく似た彫刻がある。チチカカ湖周辺の巨石遺跡は炭素年代法により年代測定がされているが、それが混乱の基になっているとハンコックは論証する。『神々の指紋』ではこの年代測定結果に触れなかったが、今回は正面から取り組んでいる。

クスコ、サクサイワマン、オリャンタイタンボなどボリビアの遺跡にある100トンを超える巨石群は、1100度の高熱で熱処理されているが、これも謎だ。近代インカの人々はこのような技術を持っていないのだ。

世界中に存在する巨石遺跡には、共通して見られるシンボルもある。「鳥人間」だ。この図柄は「ギョペックリ・テペ」、イースター島、アンデスの巨石遺跡、古代エジプトなどに見られるが、旧石器時代にグローバルな文明が存在したことを示唆しているのではないだろうか。

インカの精緻な石壁や古代エジプトの硬い石をくりぬいて作られた花瓶や大ピラミッドの王の間にある石棺の精緻な作りから見て、旧石器時代のグローバル文明は、優れた道具を使っていたに違いない。それらは太陽の熱を収斂させるパワードリルであり、音を強化して使うレーザーカッターだろう。旧約聖書に出てくる恐ろしい武器も、失われた文明の知識が保存されていた古代エジプトで作られたのに違いない。ハンコックはこれらの古代の機械についても新たな証拠を見つけている。

アマゾンの高度な文明

近年の新たな発見の一つはアマゾンのジャングルに高度な古代文明が存在したことだ。日本では立教大学の実松克義教授の研究で知られている。実松教授によると・・・
***
古代アマゾンにおいて、かつて巨大な規模の文明が存在した。場所はアマゾン川の上流にあたる、ボリビア北東部の低地、モホス大平原である。モホス大平原は25万平方キロもあり、日本の本州に匹敵する広大な氾濫源である。現在でも毎年定期的に氾濫を繰り返しているが、その全域に、太古の昔に存在した文明の痕跡が発見されている。20,000個に上る、盛り土による居住地跡(ロマ)、総延長5,000~100,000キロに及ぶ直線道路網(テラプレン)、さらにそれを上回る規模の水路・運河網、2,000個の巨大な人造湖、広大な農耕地跡、大規模な養魚場跡などである。古代モホス文明の特徴はアマゾンの自然を大規模に改変したことである。モホス大平原に残されている景観は自然のものではない。古代人の大土木工事の結果作られた一種の人工生態系である。この未知の民族は高度な技術力と生態系の知識を持っていたと思われるが、この厳しいアマゾンの大自然において、巨大な農耕文明社会を築き上げた。
***
この巨大な農耕文明社会は煙のように消えているが、一説によると人口は1千万人以上だったという。数千年前の文明であることは確かだが、最盛期の年代も不明だ。

アマゾンでさらに不思議なのは「TERRA PRETO」の存在だ。「TERRA PRETO」は米国のヴァーモント大学のジェームス・ペーターソン教授たちによって研究されている。これは自然発酵する豊かな土壌だが、現代の技術では製造できない。この土壌を加工するアマゾンの技術は『サイエンス』誌によると1万1000年前に始まったという。

 最近発見されているもう一つの謎の建造物は、南アフリカの広大な石の遺跡だ。話題になりはじめたのは2007年頃からだが、航空写真を観ると明らかに人工物だ。ここにも大きな人口を持つ古代文明があった可能性がある。研究をしているマイケル・テリンガーによると、不思議な石の遺跡が南アフリカだけで10万ヶ所以上あるという。だが、まだ本格的な学術調査はされておらず、全ては謎のままだ。

第3の眼

アマゾンのシャーマンたちは密林の15万種類に及ぶ植物について熟知しているが、これはどこから得た知識なのだろう。シャーマンたちはアマゾンの薬草を使って、異次元世界に入り込み、知識を得るという。この薬草には幻覚を生むDMTの成分が含まれている。グラハム・ハンコックは、世界各地の古代文明に共通する幻覚剤の使用に注目している。 現代医学によると、DMTは人間の体内で自然に作られているが、これを大量に使用すると松菓腺が刺激される。松菓腺は「第3の眼」とも呼ばれるが、現代人では退化した器官だ。シャーマンたちによるDMTの使用と、失われた文明の高度な知識には関連性があるのではないかと、グラハム・ハンコックは検証を試みている。

古代エジプトは南米を知っていた。古代エジプトの墓からはタバコやコカインが見つかるが、タバコはアマゾン原産、コカインはアンデスが原産だ。われわれが忘れ去っている謎の巨石文明が、古代エジプトにタバコやコカインをもたらしたのではないか。

エジプトの大スフィンクスも、アビドスにある不思議な建造物オシリオンも、信じがたい技術で作られている大ピラミッドも、レバノンの巨石遺構バールベックも、インカの石壁も、マヤの天文学も、アマゾンの合成された土壌「TERRA PRETO」も、忘れ去られている謎の古代文明からの遺産なのではないか。

2015年『魔術師の神々』(仮題)は、新たな証拠を武器として既成概念に挑戦をしてくる。□

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