第5章 手の密度
顧客の手相を見て判断を下す時にどうしても知る必要があるのは、その方の持っているエネルギー量です。なぜなら、その方の能力がいかに高くても、怠け者だと活動的に生きるのではなく、白昼夢に時間を使ってしまいます。その方のエネルギーの量を知るには手の密度を調べます。手の密度は手を圧迫したときの固さや柔らかさで判断できます。
相手の手をしっかりと握ります。このとき相手の手が小さければ、手全体を包み込むようにします。そして優しく圧力を加えますが、あなたがかけた圧力に対する抵抗の度合いがわかるまで続けます。
その後すぐに握りを緩め、あなたの指を相手の手のひらに強く押し当てます。指を押し当てる場所は、固く皮厚していない場所にしてください。この方法で調べたいのは、手の筋肉の固さ、柔らかさ、たるみ、抵抗力です。
気をつけて欲しいのは、固く皮厚している場所があるからといって、この手が硬い手とはいえないことです。もちろん固く皮厚した場所ができるということは、それなりの作業をしたことを意味します。
たとえば自転車にたびたび乗ると、手のある部分が固くなります。ゴルフやボーリングなどのスポーツをプレーしたり、ボートを漕いでも手のひらに固い場所ができます。しかしこの皮厚は、レジャーを追求した結果であり、本当のエネルギー量を示すものではありません。
このような娯楽から生まれる皮厚は一時的なもので、本来備わっているものではないのです。こういう方々は、生活のために懸命に働いたことすら無い可能性があります。
この点については明瞭に言っておく必要があります。というのは表面だけを見て間違えることがよくあるからです。表面的な手の固さを真実のエネルギー量を示していると誤解すると、多くの間違いが起こります。
手の密度には4段階があります。
第一は弛んだ締まりのない手です。この章の最初で述べたような方法で、このタイプの方の手を握ると、圧力をかけても、まったく抵抗がありません。この手をさらに強く握りしめると、肉と骨が一緒になってしまったように感じます。さらにそれ以上強く握りしめたら、あなたの指の間から、相手の肉がはみ出してくるようのではないかと思うほどです。
このような手がもっともソフトな手で、肉体的なエネルギーから言うと、全く不十分です。このような『弛んだ手』を持つ人は、夢を描いても行動に移さず、恋をしてもそれを言葉で表現するだけで、実行しません。
このような手を持つ人は、安易な生活、精神的・肉体的な贅沢、美しい環境を望みますが、そのために働くことはしません。この方は、十分な休息が得られ、骨の折れる仕事をしないで済むなら、汚い環境でも満足します。激しく働いて生活を向上させようとは思いません。
簡潔に言うと、このような方は怠惰で、享楽的で、繊細な夢想家です。働きませんし、行動しませんし、まるで風のない海に横たわる帆船で、漂流に任せます。このような方には豊かな才能を持つ方もいます。よく見られるのは『太陽宮』がよく発達しており、線もハッキリとしており、創造性に富んでいることが明らかなのに、消極的な人生を送るケースです。それは、この方の弛んだ手を握って、エネルギーが不足していることから判断できます。才能を開発するのに必須な要素が欠けているのです。
この怠惰の性向は全ての『宮』に影響します。『木星宮』のかたの大志は無価値になり、『土星宮』のかたの悲哀は深まります。『太陽宮』の人の有能さと業績も半減します。『水星宮』の人のエネルギーもだいなしになり、『火星宮』の方なら、闘士が刀ではなく口先で戦うようになります。『月宮』の人の想像力は、怠惰になり、『金星宮』の人ですら、エネルギーが吸い取られ、ものぐさになり荒廃したと感じます。
『弛んだ手』のつぎの段階は『柔らかな手』です。『柔らかな手』は、骨が無いような弛んだ感触はありません。しかし、明らかに柔らかい手です。女性の場合は『弛んだ手』と『柔らかな手』の区別がつけにくいことがあるかもしれません。一般的に言って、女性の手は男の手よりも柔らかいからです。
しかし『柔らかな手』の場合には骨がないような印象がありませんし、前回説明した『弛んだ手』の説明をよく読めば、『柔らかな手』との区別はつくはずです。
一番よい訓練の仕方は、握手する人全ての手を押してみることです。押したときの手の触感の違いを区別することで、『柔らかな手』と『弛んだ手』の密度の違いがすぐにわかるようになります。
『柔らかな手』は『弛んだ手』ほど、怠惰な手ではありませんが、やはりエネルギーとしては不足しています。しかし両者の間には大きな違いがあります。『弛んだ手』の方は常に怠け者です。ところが単に手が柔らかい人の場合は、エネルギーの量を増やすことができるのです。これは重要な違いです。なぜなら『柔らかな手』を持つ人の場合は、エネルギーを増大させ才能を引きだせますが、『弛んだ手』を持つ人の場合には、向上をさせることができないからです。
柔らかな密度を持つ手の次の段階は、『伸縮性のある手』です。『伸縮性のある手』は、握手で握りつぶすことはできません。このような手を握って、指を絞めていくと、相手の手が弾力的に反応してきます。生命力と抵抗を感じるのです。指先で手のひらを押すと、まるでゴムを押したかのように筋肉が跳ね返ってきます。
『伸縮性のある手』には、『緩んだ手』や『柔らかな手』が持つ、スポンジのような感触がまったくありません。『伸縮性のある手』を押したときに感じる言葉としてもっとも適切なのは、『柔軟性』だと言えましょう。
このような『伸縮性のある手』がもっともよく見られるのは、語るだけでなく行動するタイプの活動的な女性と男性たちの間です。
例を挙げるならば、目の回るほど忙しいビジネスパーソンです。このような人は活気にあふれ、行動力に満ちあふれていますが、このような方の手は伸縮性に富み、密度があります。このような方の手を握ってみることです。そして握りしめるとどのような感触が返ってくるかを覚えてください。
このような伸縮性に富む密度を感じたら、その方は、生命力に富み、エネルギーにあふれ、奮闘し、活気があり、精力に満ち、この方の人生の全ての面で物事が発展しています。『伸縮性のある手』を持つ人は、必要以上に働くことはありませんが、十分なだけは働きます。
精を出しすぎることはありませんが、幸せを保つバランス感覚に優れ、この方の人生も行動もエネルギーも、現代社会を動かす駆動力となっています。よい性質を持った方なら、信頼できる人になり、責任感も強く、人生の戦いにおいては勝利者となります。
『伸縮性のある手』は人々の持つ特質に、バイタリティー(活力)を加えます。完ぺき主義者はますます完璧になり、静かな人が活動的になり、道化者は天才的思いつきでさらに優れた技を見せます。精神的世界に沈滞している人ですら(このタイプは『伸縮性のある手』を持つ人には少ないのですが)、活発になります。
この特徴がバネとなって、『木星宮』の人の野心が昂進し、気まぐれな『土星宮』の人の最善な面を引きだし、『太陽宮』の人は金もうけに成功し、『水星宮』の人をより活発、鋭敏にし、成功させます。
『火星宮』の人は冷静な指導者、バランスの取れた闘士となり功績をあげます。『月宮』の人の音楽と詩に力強さが加わり、『金星宮』の方は行動的愛に走り優雅さが増します。
『伸縮性のある手』を持つ人を見つけたら、この方があらゆる面で健康なエネルギーを持っていることに気付くべきです。こういう方は、社会的にも成功するタイプです。
つまり、『伸縮性のある手』は知的エネルギーが活発に働いていることを示しています。別の言葉で言うと、方向の安定したエネルギーであり、『気が利いた馬力』です。
次の段階は『硬い手』ですが、やはり密度に関係があります。
このタイプの手は『柔らかな手』や『伸縮性のある手』ほど、頻繁には出くわしませんが、それは『硬い手』が極端なケースだからです。基本的に『硬い手』はそれほど知性に恵まれない方々に多く、皮膚の肌理は粗い傾向が見られます。
『硬い手』を握りしめても、まったく凹みません。バネのような弾力性や伸縮性もありません。いくら凹ませようとしても抵抗する硬さを持っています。
このような手に遭遇したら、その方は非常に活動的で、肉体労働を苦にしないタイプと考えてよいでしょう。
このような『硬い手』と、頭脳の状態を関連させてみることができます。つまりかなり詰まった『硬い頭脳』です。このような頭脳は、いろいろな印象や考えを簡単には受容したり同化したりできません。
『伸縮性のある手』を生む『伸縮性のある』頭脳は、新しい状況に自らを変化させて合わせることができます。一方、『硬い手』を生む、『硬い頭脳』は新しい思考を吸収することが難しいのです。
『硬い頭脳』はモダンな思想に適応するのが下手です。決まり切った習慣ややり方という溝から外れて、独創的なことを行うことも苦手です。このような『硬い手』にであったら、その方は根気よく肉体労働に従事しますが、その働きの背後には頭脳の働きがあまりないと考えてよいでしょう。この方は素晴らしいエネルギーを持っているかもしれませんが、『知的エネルギー』ではないようです。
この『硬い手』から『緩んだ手』までの間には、さまざまな手の密度の段階があるわけです。このようなさまざまな段階について十分な知識を得るには、まずそれぞれのタイプの極端な姿を知ることが大切です。これを知ればその中間の密度は簡単にわかるようになります。
『硬い手』は全ての『宮』の性格に影響を与えます。それは対象者の品性を下げますし、知性も劣ることになります。怠惰が有能な人々を堕落させますが、同じように大きなエネルギーが間違った方向に進むと、その人は堕落します。
『硬い手』の人々はよく働きますし、意欲的に働きます。彼らのエネルギーを方向づける知性についても知る必要がありますが、『硬い手』の人が知性的であることは残念ながら少ないようです。
手の密度を調べるときには必ず両手を注意深く検討します。左手が柔らかで、右手に伸縮性があるなら、エネルギーの量が増大したことを示します。もし、左手が硬く、右手が柔らかいなら、この方は怠け者になったのです。
このようにして対象者のエネルギーが増大しているのか、減少しているのかが分かります。もしもエネルギーが増大しているようなら、何においても成功する可能性が高いでしょう。減少しているなら、結果は逆になるでしょう。(第5章おわり)
顧客の手相を見て判断を下す時にどうしても知る必要があるのは、その方の持っているエネルギー量です。なぜなら、その方の能力がいかに高くても、怠け者だと活動的に生きるのではなく、白昼夢に時間を使ってしまいます。その方のエネルギーの量を知るには手の密度を調べます。手の密度は手を圧迫したときの固さや柔らかさで判断できます。
相手の手をしっかりと握ります。このとき相手の手が小さければ、手全体を包み込むようにします。そして優しく圧力を加えますが、あなたがかけた圧力に対する抵抗の度合いがわかるまで続けます。
その後すぐに握りを緩め、あなたの指を相手の手のひらに強く押し当てます。指を押し当てる場所は、固く皮厚していない場所にしてください。この方法で調べたいのは、手の筋肉の固さ、柔らかさ、たるみ、抵抗力です。
気をつけて欲しいのは、固く皮厚している場所があるからといって、この手が硬い手とはいえないことです。もちろん固く皮厚した場所ができるということは、それなりの作業をしたことを意味します。
たとえば自転車にたびたび乗ると、手のある部分が固くなります。ゴルフやボーリングなどのスポーツをプレーしたり、ボートを漕いでも手のひらに固い場所ができます。しかしこの皮厚は、レジャーを追求した結果であり、本当のエネルギー量を示すものではありません。
このような娯楽から生まれる皮厚は一時的なもので、本来備わっているものではないのです。こういう方々は、生活のために懸命に働いたことすら無い可能性があります。
この点については明瞭に言っておく必要があります。というのは表面だけを見て間違えることがよくあるからです。表面的な手の固さを真実のエネルギー量を示していると誤解すると、多くの間違いが起こります。
手の密度には4段階があります。
第一は弛んだ締まりのない手です。この章の最初で述べたような方法で、このタイプの方の手を握ると、圧力をかけても、まったく抵抗がありません。この手をさらに強く握りしめると、肉と骨が一緒になってしまったように感じます。さらにそれ以上強く握りしめたら、あなたの指の間から、相手の肉がはみ出してくるようのではないかと思うほどです。
このような手がもっともソフトな手で、肉体的なエネルギーから言うと、全く不十分です。このような『弛んだ手』を持つ人は、夢を描いても行動に移さず、恋をしてもそれを言葉で表現するだけで、実行しません。
このような手を持つ人は、安易な生活、精神的・肉体的な贅沢、美しい環境を望みますが、そのために働くことはしません。この方は、十分な休息が得られ、骨の折れる仕事をしないで済むなら、汚い環境でも満足します。激しく働いて生活を向上させようとは思いません。
簡潔に言うと、このような方は怠惰で、享楽的で、繊細な夢想家です。働きませんし、行動しませんし、まるで風のない海に横たわる帆船で、漂流に任せます。このような方には豊かな才能を持つ方もいます。よく見られるのは『太陽宮』がよく発達しており、線もハッキリとしており、創造性に富んでいることが明らかなのに、消極的な人生を送るケースです。それは、この方の弛んだ手を握って、エネルギーが不足していることから判断できます。才能を開発するのに必須な要素が欠けているのです。
この怠惰の性向は全ての『宮』に影響します。『木星宮』のかたの大志は無価値になり、『土星宮』のかたの悲哀は深まります。『太陽宮』の人の有能さと業績も半減します。『水星宮』の人のエネルギーもだいなしになり、『火星宮』の方なら、闘士が刀ではなく口先で戦うようになります。『月宮』の人の想像力は、怠惰になり、『金星宮』の人ですら、エネルギーが吸い取られ、ものぐさになり荒廃したと感じます。
『弛んだ手』のつぎの段階は『柔らかな手』です。『柔らかな手』は、骨が無いような弛んだ感触はありません。しかし、明らかに柔らかい手です。女性の場合は『弛んだ手』と『柔らかな手』の区別がつけにくいことがあるかもしれません。一般的に言って、女性の手は男の手よりも柔らかいからです。
しかし『柔らかな手』の場合には骨がないような印象がありませんし、前回説明した『弛んだ手』の説明をよく読めば、『柔らかな手』との区別はつくはずです。
一番よい訓練の仕方は、握手する人全ての手を押してみることです。押したときの手の触感の違いを区別することで、『柔らかな手』と『弛んだ手』の密度の違いがすぐにわかるようになります。
『柔らかな手』は『弛んだ手』ほど、怠惰な手ではありませんが、やはりエネルギーとしては不足しています。しかし両者の間には大きな違いがあります。『弛んだ手』の方は常に怠け者です。ところが単に手が柔らかい人の場合は、エネルギーの量を増やすことができるのです。これは重要な違いです。なぜなら『柔らかな手』を持つ人の場合は、エネルギーを増大させ才能を引きだせますが、『弛んだ手』を持つ人の場合には、向上をさせることができないからです。
柔らかな密度を持つ手の次の段階は、『伸縮性のある手』です。『伸縮性のある手』は、握手で握りつぶすことはできません。このような手を握って、指を絞めていくと、相手の手が弾力的に反応してきます。生命力と抵抗を感じるのです。指先で手のひらを押すと、まるでゴムを押したかのように筋肉が跳ね返ってきます。
『伸縮性のある手』には、『緩んだ手』や『柔らかな手』が持つ、スポンジのような感触がまったくありません。『伸縮性のある手』を押したときに感じる言葉としてもっとも適切なのは、『柔軟性』だと言えましょう。
このような『伸縮性のある手』がもっともよく見られるのは、語るだけでなく行動するタイプの活動的な女性と男性たちの間です。
例を挙げるならば、目の回るほど忙しいビジネスパーソンです。このような人は活気にあふれ、行動力に満ちあふれていますが、このような方の手は伸縮性に富み、密度があります。このような方の手を握ってみることです。そして握りしめるとどのような感触が返ってくるかを覚えてください。
このような伸縮性に富む密度を感じたら、その方は、生命力に富み、エネルギーにあふれ、奮闘し、活気があり、精力に満ち、この方の人生の全ての面で物事が発展しています。『伸縮性のある手』を持つ人は、必要以上に働くことはありませんが、十分なだけは働きます。
精を出しすぎることはありませんが、幸せを保つバランス感覚に優れ、この方の人生も行動もエネルギーも、現代社会を動かす駆動力となっています。よい性質を持った方なら、信頼できる人になり、責任感も強く、人生の戦いにおいては勝利者となります。
『伸縮性のある手』は人々の持つ特質に、バイタリティー(活力)を加えます。完ぺき主義者はますます完璧になり、静かな人が活動的になり、道化者は天才的思いつきでさらに優れた技を見せます。精神的世界に沈滞している人ですら(このタイプは『伸縮性のある手』を持つ人には少ないのですが)、活発になります。
この特徴がバネとなって、『木星宮』の人の野心が昂進し、気まぐれな『土星宮』の人の最善な面を引きだし、『太陽宮』の人は金もうけに成功し、『水星宮』の人をより活発、鋭敏にし、成功させます。
『火星宮』の人は冷静な指導者、バランスの取れた闘士となり功績をあげます。『月宮』の人の音楽と詩に力強さが加わり、『金星宮』の方は行動的愛に走り優雅さが増します。
『伸縮性のある手』を持つ人を見つけたら、この方があらゆる面で健康なエネルギーを持っていることに気付くべきです。こういう方は、社会的にも成功するタイプです。
つまり、『伸縮性のある手』は知的エネルギーが活発に働いていることを示しています。別の言葉で言うと、方向の安定したエネルギーであり、『気が利いた馬力』です。
次の段階は『硬い手』ですが、やはり密度に関係があります。
このタイプの手は『柔らかな手』や『伸縮性のある手』ほど、頻繁には出くわしませんが、それは『硬い手』が極端なケースだからです。基本的に『硬い手』はそれほど知性に恵まれない方々に多く、皮膚の肌理は粗い傾向が見られます。
『硬い手』を握りしめても、まったく凹みません。バネのような弾力性や伸縮性もありません。いくら凹ませようとしても抵抗する硬さを持っています。
このような手に遭遇したら、その方は非常に活動的で、肉体労働を苦にしないタイプと考えてよいでしょう。
このような『硬い手』と、頭脳の状態を関連させてみることができます。つまりかなり詰まった『硬い頭脳』です。このような頭脳は、いろいろな印象や考えを簡単には受容したり同化したりできません。
『伸縮性のある手』を生む『伸縮性のある』頭脳は、新しい状況に自らを変化させて合わせることができます。一方、『硬い手』を生む、『硬い頭脳』は新しい思考を吸収することが難しいのです。
『硬い頭脳』はモダンな思想に適応するのが下手です。決まり切った習慣ややり方という溝から外れて、独創的なことを行うことも苦手です。このような『硬い手』にであったら、その方は根気よく肉体労働に従事しますが、その働きの背後には頭脳の働きがあまりないと考えてよいでしょう。この方は素晴らしいエネルギーを持っているかもしれませんが、『知的エネルギー』ではないようです。
この『硬い手』から『緩んだ手』までの間には、さまざまな手の密度の段階があるわけです。このようなさまざまな段階について十分な知識を得るには、まずそれぞれのタイプの極端な姿を知ることが大切です。これを知ればその中間の密度は簡単にわかるようになります。
『硬い手』は全ての『宮』の性格に影響を与えます。それは対象者の品性を下げますし、知性も劣ることになります。怠惰が有能な人々を堕落させますが、同じように大きなエネルギーが間違った方向に進むと、その人は堕落します。
『硬い手』の人々はよく働きますし、意欲的に働きます。彼らのエネルギーを方向づける知性についても知る必要がありますが、『硬い手』の人が知性的であることは残念ながら少ないようです。
手の密度を調べるときには必ず両手を注意深く検討します。左手が柔らかで、右手に伸縮性があるなら、エネルギーの量が増大したことを示します。もし、左手が硬く、右手が柔らかいなら、この方は怠け者になったのです。
このようにして対象者のエネルギーが増大しているのか、減少しているのかが分かります。もしもエネルギーが増大しているようなら、何においても成功する可能性が高いでしょう。減少しているなら、結果は逆になるでしょう。(第5章おわり)