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第二部

第10章

土星線(運命線)

「私たちは富を得て、それを運命だと呼ぶ」D. ディズレーリ

土星線は気電流が流れる第4番目の線で、よく「運命線」と呼ばれます。なぜ「運命線」と呼ばれるのか最初は分かりにくいかと思いますが、様々な検討をするとなぜだかがわかります。土星線は手の底辺から開始され、指に向かって伸びていきます。私たちの仮説では土星線を流れる気電流は戻る流れです(生命線の終わりから送られています)。したがって土星線は下から上へと読みます。

こども時代は線の一番下の部分です。老年時代は土星宮に現れます。土星線から健康問題は読み取りません。また人々の体質的強さも示していません。これらはこれまでに検討してきた他の線に現れています。土星線が示すのは物質的成功など、人生のたどる道です。また人生が厳しいものになるのか、あるいは楽なのかなども示します。

さらにこの方がもっとも活躍する時期も示します。昔の手相見が土星線を「運命線」あるいは「使命線」と読んだのはこのためです。一般的に、土星線が滑らかに流れていれば、「運」にも恵まれていると見なされます。

土星線が滑らかに流れている方は、あらゆる成功の要素を備えている方なのかもしれません。この方が成功したのは、良く働いたためで、成功は当然だったのかもしれません。

優れた土星線と共に、健康・頭脳・決意・野心などに恵まれてるかもしれません。これらの優れ資質に優れた土星線が重なれば、この方は余裕を持って世間を渡り、楽々と成功することでしょう。

このような優れた資質が賢く真面目に使われれば、当然「運」と言われるものにも恵まれるでしょう。特別に運が良いとか言われる人々は、成功の理由を頭脳・健康・エネルギー・野心・すぐれた仲間だと述べることが多いものです。偶然だとか運命だとかとは、言わないものです。

それにしても「運命」とか「幸運」という言葉には特別な魅力があります。まるで努力しないで結果を出せるみたいに響きます。怠け者の目線はこの努力しないで結果が出せるという方向に向いているようです。このような人は人生の失敗を「みんなは運がよいが、私はダメだっただけ」と見なします。しかし実のところ「運の良い人」には努力家が多く、「運の悪い人」には怠け者が多いようです。

白昼夢を見る人は、運がやってきて、魔法の杖が触ってくれたらな・・・、と考えます。一方、運の良い人々は、魔法の杖とは「精励」のことだと思っています。

多くの場合、「運」とはチャンスをつかみ取る先見の明です。「不運」な人々は見逃した「運」を嘆き、「運」に見放されたと言います。しかし本当のところは先見の明に欠け、忍耐力が足りなかったのでしょう。

このように長々と道徳めいたことを述べたのは、私が宿命とか偶然の運とかを信じていないことを強調したかったからです。土星線、つまり運命線を研究するに当たって「運命」という言葉の定義をしたかったのです。これまで手相を診断してきて、全ては原因と結果の法則に従ってきました。ここで突然、偶然に支配されるようなことはありません。

土星線は素晴らしい線で、線が語ることは正確で重要です。しかし全ての結果には原因が存在することも明らかです。

どの土星線を見ても全てが順調な時期が在ります。その時期こそ人生における収穫期なのです。このような時期には健康に恵まれ、洞察力などの知的パワーも充実しており、意志も強く野心もあり、多くの優れた仲間にも恵まれます。この時期を有効に使うことも出来ますし、使わないで終えることも出来ます。

収穫期はこの方にとっては楽な時期です。健康状態も良くフルパワーの存在です。努力しなくてもよく働けますし、迷信の語法で言えば「運」や「運命」がこの方に味方をしています。多くの方が偉大な可能性を持つこの時期を活用して「日の照るうちに草を干せ」を実行します。他のかたがたは、この時期を楽しんで怠けて過ごします。なぜなら「運」が共にあり、決して失わないと思っているからです。

ところが力が衰えはじめると「運」も不安定になってきます。同じ結果を得るのにより多くの努力を必要とするようになるのです。やがて何をやっても思ったような結果が出なくなります。そのようなときに「運が去った」と嘆きます。しかし真実は、この方は収穫期に眠り続け、機会を逃したのです。

チャンスが目の前にあったのに捕えませんでした。一番働かなければならなかったときに、この方は遊んでいました。埋め合わせの法則に従って、この方はそれを償わなくてはなりません。お菓子を食べたら無くなるのです。収穫期を無駄にしたら「運」も無くなります。もっとも働ける時期によく働いた人はパワーが無くなった時期も安泰です。土星線・運命線の世界にも原因と結果の法則が当てはまるのです。

この線を詳しく観察した後でないと、確かなことを言うことはできません。表面的な診断では繊細な方を傷つけることになります。この線が何を示すかは、これまでの仮説に基づかない限り説明ができません。この線は人々の人生航路を示していますが、それはその方がベストの結果を残すためにあるのです。

土星線が明瞭で強く、土星宮のところで深く刻まれていれば、土星人の気性が強いことになります。つまり知恵があり、真面目で人生を真剣に捕える傾向があります。

優れた土星線で土星宮が深く刻まれていることは、これらの性質がバランスよく見られるということです。したがって昔から、強い運命線を持つ方は成功すると言われるのでしょう。

土星人の性質というと、旺盛なエネルギー、質素さ、勤勉、思考力などがあります。これらの性質が人生を成功させます。土星人は土地の探検を好み、この自然な傾向から金山・銀山・石炭などの貴重な鉱物を見つけます。土星人は本能に従ってガス田や油田を発見します。そこで「運が強い」と言われ「宿命の子」とも呼ばれます。

人間にとって「宿命」や「幸運」の最たるものは、他のかたがたよりも優れた頭脳や性格を持って生まれてくることでしょう。これはときどき「生まれるときの事故」とも呼ばれます。こういう方は優れた土星線を持っています。太陽人や金星人、あるいは優れた木星人や火星人のほうが、土星人よりも運に恵まれているように私には思えます。

土星線は、すべての方の手相に存在するわけではありません。昔の手相見は、土星線を持たない方を「消極的な存在」だと解釈してきました。ところが手相を見ると、土星線のない方でも成功者がたくさんいます。多くの大金持ちの場合でも、土星線が未発達の場合があります。かれらは積極的な人生を送っています。したがってこの解釈は間違いだといえるでしょう。

私が観察したところでは、土星線がない方や未発達で成功している方の多くは「自分の腕一本でたたき上げた人」とよばれる種類のかたがたのようです。彼らは控えめな地位から人生をスタートしますが、優れたエネルギーを活用して、世界でのし上がってきます。

このような「腕一本でたたき上げた人」は、最初から優秀ではないかもしれません。しかしエネルギーと固い決意の持ち主で、自らを教育します。仕事の後の夜に学ぶこともあるでしょう。彼らはあらゆる機会を捕えて前進しようとします。

彼らは、「全ては努力次第」だと思っているようです。そこで究極的な成功のためにあらゆる努力を惜しみません。このような方はあらゆる努力をして使命をはたします。

私のこれまでの観察から、土星線の存在しない方は、すべてを自分の力に頼る方だと思います。幸運や恵まれた環境などを望みません。このような方が社会で偉大な仕事をする場合は、まったく本人の努力のたまものだと思います。

土星線は色々な場所から開始されますが、月宮と生命線の終わりの間のどこかです。第344図のように、必ず手の下から始まります。時には生命線の内側から始まるときもあります。また月宮の上という高いところから始まるときもあります。

土星線の走る方向は常に土星宮です。時には土星宮に達し、時には遥かに短く終わりますが、常に手の平の中央を走っています。第345図のように生命線の内側から土星線が始まり土星宮まで達していることがあります。これが示すのは、この方が人生で物質的に成功することで、その成功には近い親戚が大きな助けとなることです。

第346図のように土星線が手の中央から伸びており、土星宮まで達しているならば、この方の成功は主に自己努力によるものです。第347図のように土星線が月宮から始まり土星宮で終わるならば、この方の人生における成功は異性のだれかに支援されているでしょう。この支援は優れた助言かもしれませんし、資金的援助のこともあります。このような線を多くのかたに見ましたが、奥様が成功の大きな助けとなっていることが多いことに気がつきました。

土星線はこれら3ヶ所から始まることがほとんどです。その他の場所からの始まりは変形に過ぎません。したがって主要の三つの始点からの距離に応じて診断を修正することになります。

第348図のように、時には土星線が下のほうから始まらず、高い場所から始まることがあります。このような場合、この方の人生の初期は、消極的な存在であることを示します。若いときに自らの力で多くのことを達成することはできません。あるいは「銀のスプーンをくわえて生まれてきた」わけではないでしょう。この方のベストの時期は土星線が始まるところからスタートします。
土星線がないからといってこの方の発展を防げることを意味しませんが、優れた土星線があることは、特別な有利さが存在することを示しています。土星線がないということは、継続的な努力をしなければならないことを意味しています。一方、優れた土星線がある方は、この方の最盛期に必死の努力を傾ければ、最高の結果を成就できます。
土星線が高いところからスタートすればするほど、人生で満帆の順風を受けるのが遅くなります。土星線に欠陥が見られるならば、他の線とか印(サイン)に原因が示されています。人生の初期に土星線が見られないならば、その時期の生命線を見ると身体が非常に弱いことが示されているかもしれません。そうであればこの方が人生の初期において虚弱であったため多くのことが達成できなかったのです。(第349図)

土星線が始まるのは、この方が頑強になったときからです。それは生命線の時期と一致します。このころからこの方は生産的になるのです。この方の回復時期の生命線が細く、その後太くなっており、土星線にも同じ傾向が見られるならば、身体が強くなるにつれこの方の生産性も向上し改善されます。覚えていて欲しいのは土星線は手の下から始まり、生命線は上から始まっていることです。

第350図のように土星線が高く始まる一方、頭脳線の始まりに欠陥が見られるならば、頭脳面の弱点で人生が妨害されています。この場合、頭脳線が改善されるまで土星線も順調な伸びを見せません。

第351図のように人生の初期で頭脳線が弱く、その後回復しても、感情線が弱くなり、この時期、生命線が常に細い場合があります。この場合、この方の人生はまず頭脳面での問題に見舞われ、次に心臓に問題が出て、これらの兆候がすべて消えてからベストの力を発揮します。

土星線が高く始まり、頭脳線にも感情線にも欠陥がないならば、手の他の部分を見て健康上の問題を探してください。他の線、「宮」などを調べると、土星線が存在しない理由を発見できます。

両手の土星線を見てください。左手の土星線が手の底から始まっているのに、右手が高い位置から始まっているならば、何かの原因があり自然なコースが変更されていることがわかります。左手の土星線のコースが優先的であり、何かが起こりそれが変更されています。原因としては健康問題、怠惰、家族や友達の影響、外的要因などが考えられます。私たちは単なる偶然でコースが変更されたとは信じません。そこでどこかに不都合な状態が発生して、土星線が右手の底からスタートできなかったと考えます。

当然あるべきところに土星線が見えない原因としてよくあるのは、両親の事故です。土星線の初期はこども時代を示しますから、人生の初期があるべき姿よりも思わしくないのは、この方自身の問題でない可能性があります。

第352図のように土星線が高く始まり、金星宮の両親の影響線が、初期のところで星印で終わっているならば、親の死がこの方の順調な人生のスタートに影響したと見られます。覚えていて欲しいのは土星線に示されているのは金銭的な事情であることです。

次に土星線の性格を観察してください。手の他の線と比べて余り深くないならば、本来の姿ではないので、バランスがとれている場合よりも弱いといえます。線が深くて鮮明ならば、この方の持っている能力は特別です(第353図)。正しく能力を使えれば偉大なる成功を収めるでしょう。深い土星線が土星宮まで延びているならば、優れた能力を発揮する状態は人生全般に及ぶでしょう。

土星線が短ければ、線のある期間だけ優れた状態が現れます。その年齢帯は線から読めます。第354図のように深い線が人生の初期に見られるならば、こども時代に最高の時期を迎えます。これは不運のマークかもしれません。なぜならまだ幼くてチャンスを捕えることが出来ないことが多いからです。手にある数ある線の中でも深く刻まれた土星線は、喜ばしい順風を示す線です。

第355図のように浅い土星線があるならば、生まれつき大いに有利な性質を持っていますが、深い土星線を持つ方に比べて、より多くの努力をしないと偉大な結果を生めません。それでも、土星線に欠陥のある方や存在しない方に比べると成功することが遥かに楽です。

第356図のように幅が広く浅い線は、何もないよりは少しましです。他の線が深く刻まれ、それに比べて土星線だけがこのように浅く幅が広いならば、この方は苦労を続けることになります。

土星線が鎖状ならば、この方の人生航路は困難であることを示します。このような鎖状が土星線の全体に見られるならば、人生に置いて常に障害にぶつかり多くの失望に見舞われることでしょう(第357図)。鎖の状態が土星線の一部だけに存在するなら、その時期だけ困難に見舞われます。

色は血流の強さを示すものですが、他の線と異なり、土星線の場合は色の影響がありません。なぜなら土星線はこの方の健康や病気のことを示さないからです。そこで土星線は色を考慮しなくてよい初めての線だということになります。

土星線にある欠陥はいずれも重要です。どのような障害が起こり、何度起こるかを示しているからです。その深刻度も示しています。これらの障害の原因も手相の様々な場所に現れています。それらの原因の多くは修正できますし避けられます。

土星線の初期にみられる欠陥はこの方のこども時代のものです。こどもなので自らの力で改善したり障害を取り除くのは難しいでしょう。こども時代の欠陥は不健康か両親の影響でしょう。この両方ともこどもが管理できないものです。

両親の死亡、経済的困窮、仲たがいなどはいずれもこどもの豊かな成長を防げる要因となります。こういう状態は、こどもの人生のスタートの障害となります。

第358図のように土星線の始まりに欠陥が見られても、だんだんと線が深くなり鮮明になっているならば、最初の問題を克服していることがわかります。このような線が示すのは、障害となる原因を取り去ったため状態が良くなったか、困難に打ち勝ったことを示します。土星線のスタート時の欠陥がどのようなものであれ、この方の幼年時代に障害があることを示唆しています。

第359図のように金星宮にある短い影響線が星印で終わっており、土星線が鎖状で始まっているならば、親のどちらかが亡くなり、それがこどもに暗雲を与えています。両親が亡くなった年齢は、生命線と星印の間隔から読み取れます。状態が改善された年代は、土星線から読み取れます。

第360図のように短い影響線が星印で終わっており、そこから心労線が発生して生命線を横切り、頭脳線の「島」に到達していることがあります。その場合は親の死がこの方の上昇機運に水を差し、メンタル面の強さに影響を与え、人生航路を妨害することを意味します。

第361図のように土星線に「島」が見られることがあります。これはごく一般的には人生・経歴に問題が起こっていることを示します。原因は結婚生活における不貞かもしれませんし、道義的退廃かもしれません。昔の手相見は「島」は常に問題の発生を示すと見ています。不貞とか道義的退廃からくるという見方は、大陸から来たものですが、確かに経歴に問題のある女性によく見られます。これらの女性は不品行だと知られており、そこから土星線にある「島」は不道徳を示すと判断されてきました。このような見方は手相家の間で論争となり、手相見たちも混乱して多くの判断ミスを犯しています。

私はこの件について注意深く研究しましたが、土星線における全ての「島」の存在は、この時期に金銭的に困難が起こる事を示しています。「島」の長さだけ、金銭的困窮が続きます。これは不道徳の印ではありません。

この結論は何百というこの手相を持つ人々の手を診断して得られたものです。その結果、この手相を持つ方は金銭的な困難や損失に見舞われますが、不貞をともなうケースは稀でした。不貞をともなうケースの場合は金銭が原因でした。

しかし「島」が土星線の最初に見られるならば、不貞が原因ではないでしょう。この方は若すぎるからです。両親が困窮したために金銭的に困ったのかもしれません。そのような場合、第362図のように心労線が金星宮にある影響線から走っていることがよく見られます。

第363図のように生命線の始まりに、幅が広いとか浅いとか、鎖状、「島」、分裂線、壊れなどの欠陥が見られ、これが通常のこども特有の虚弱の時代を超えており、土星線の始まりにも「島」が見られることがあります。これが示すのはこども時代に身体が虚弱で、それが最初の頃の人生を難しくしていることです。この虚弱は土星線の状態が改善されるまで続きます。

第364図のように頭脳線の最初の頃に欠陥が見られ、土星線の最初にも「島」が見られることがあります。この場合は、メンタリティーの弱さが、この方の障害となります。この場合は生命線などほかの部分にも健康状態の悪さが現れているでしょう。

第365図のように金星宮の上に星をともなう短い影響線があり、土星線に「島」が見られるならば、親の死亡により、この方は幼年時代に金銭的困難に出会います。この兆候は心労線が「島」と星印を結んでいるならば、さらに強くなります。

第366図のように金星宮の影響線から心労線が発生して土星線の始めの時期の「島」に到達しているなら、若いころに厄介事が常にあり、順調な人生を歩めません。これが示すことはごく分かりやすく、心労線が生命線を切断して、その結果が土星線の「島」として現れることです。

土星線の初期に見られる「島」の原因は、手をよく観察すれば必ず見つかります。「島」が現れる原因に偶然はありません。健康問題か遺伝が関係することはあります。したがって原因は勤勉さと優れた論理的推断で究明できます。この場所に「島」が見られたら、全ての線を検討して欠陥を探します。金星宮にある影響線を見て、親戚のかたがたの役割を検討します。すべての「宮」を検討して、それぞれのタイプの欠陥がないかどうかを検討します。それらの欠陥からチャンス線が「島」に伸びているかもしれません。このように検討していけば必ず原因が究明されます。

第367図のように横線が土星線を切断していることがあります。これはこの方の人生に障害が出てくることを示します。それぞれの横線は別の障害です。その線の深さによって問題の深刻さもわかります。

か弱い横線で土星線を切断しておらず、通り抜けているだけならば、いらだちをともなう邪魔や障害が継続して起こる事を意味します。横線が土星線を真っ二つに切断しているならば、この方の成功する人生を妨害する深刻な脅威です。

これらの妨害が起こる年齢は土星線から読み取ることが出来ます。深刻さは切断する線の深さから読み取り、原因は他の線やマークから読みます。その結果については土星線の終わり方を見ます。

第368図に見られるような破線はもっとも深刻です。この事態が起こっているとき、強い力が働いて人生全体に影響が与えられています。線が新しい性格を持ったり、新しい方向に進んだり、あるいはまったく再スタートしないときもあります。これはこの方のライフワークの方向が全く変わってしまうことを示唆します。

土星線がたびたび破断しているようならば、人生の逆流現象が何度も起こることを示唆します。この方の人生は苦労と問題に満ちたものになるでしょう。それぞれの破断は、異なった不運を示唆します。破断の広さ、あるいは修復されていれば、それで深刻さが計れます。破断の年齢は土星線から読み取ります。

第369図のように多くのところで破断していますが、修復されていれば、多くの失望にもかかわらず、このかたは究極的に成功を勝ち取ります。この方の人生は戦いの連続です。成功するには偉大な意思の力が必須です。

両手の土星線に破断がないかどうかを検討してください。両手を検討すると、障害が当然に起こるべきものか、あるいは身に付けた悪い習慣、計算違い、病気などの別の原因に起因しているかどうかが判断できます。ほとんどの場合、左手の土星線のほうが右手よりも優れています。これが示すのは実際の人生における試練の多くは、自分で招いたものであることです。

第370図のように土星線が深かったり浅かったり不均衡ならば、この方はときどき富に恵まれます。このような線を持つ方は注意が必要です、なぜなら、深い線の時に得た富を、線が浅いときに失ってしまう可能性があるからです。つまり土星線がこのような状態ならば、不安定な人生であることを示唆します。

第371図のように土星線が波状ならば、この方が人生のコースをたびたび変えることを示唆します。線が波を描くだけでなく、不均衡であったり欠陥があったら、このかたの人生航路は困難なものになります。

第372図のように土星線が深く始まり、頭脳線まで来て停止しているならば、人生航路は30歳までは順調ですが、その頃に判断ミスをしてその後の人生が困難になります。このかたはその後の人生を運に頼れないので、努力だけではい上がることになります。このかたの生産性のベストの時期は終わっています。土星線が停止した以降は、何事を成すのにも努力しか頼りになりません。土星線のある時期に大きな結果を残して置かなくてはならないのです。

第373図のように、土星線から細かい小さな線が上向き下向きに、たくさん出ていることがよく見受けられます。上昇する線は人生の向上を意味します。したがって土星線にさらなる強さを与えます。上昇する枝線がみられる時期は、人生の中でも大いに希望の持てる野心的になれる時期であり、他の時期よりも成功するでしょう。下降する枝線がでている時期の人生は困難で、失望する機会が多くなり発展は難しいでしょう。

私が見たところ、これらの上昇する線と下降する線は、この方の健康状態と密接な関係にあります。上昇する枝線が見られるとき、肉体的なパワーが健在です。

第374図のように土星線から下降する枝線が見られ、生命線に「島」が見られるときがあります。この場合、土星線の思わしくない姿は、健康状態の悪化が原因です。

第375図のように下降線が存在し、頭脳線あるいは感情線に「島」が見られるとき、問題が頭脳か心臓にあります。「島」のある線からどちらなのかを判断します。

第376図のようにリウマチを示唆させる線が土星宮と月宮の中央に見られるならば、リウマチか痛風が困難の原因です。同じ時期に生命線にも欠陥が見られるのが普通です。

いずれの場合にも下降する枝線が観られる時期の困難の原因は、手の他の部分の欠陥を観察することで理解できます。下降する枝線は問題が起こる事を示唆していますから手相家の仕事は、その原因を探ることにあります。

土星線に上昇する枝線が見られるならば、それほど真剣に観察することもありません。よい線ですし、人々はよい時期を迎えるので、何事も巧くやり過ごすでしょう。困難が予想される時期があるならば、防衛させるのが賢明です。上昇する枝線でも気をつけるべきときがあります。

第377図のように土星線から上昇する枝線がでているのですが、金星宮からの心労線が生命線を横切り、上昇する枝線を切断していることがあります。この場合、このかたの上昇機運は常に邪魔されるでしょう。このような介入があっても、上昇機運が破壊されることはありませんが、妨害となり悩まされることになるでしょう。

第378図のように金星宮からの心労線、月宮からの線、手の至るところからのチャンス線などが土星線を横切ったり、一緒になっていることがよく観られます。これは神経質な方によく見られます。神経質な方の手には線がたくさんあるのです。このようないくつかの線を総合的に見ると、出来事や人物や病気などを示していますが、この方の人生に色々な影響を与えます。そのいくつかは前向きな影響であり、この方の気運を強化し発展させます。

一般的に言って、土星線を切断する線は、土星線を弱めます。第379図のように土星線が切断された年齢で、人生の発展が妨害されます。

一方、土星線に結合したり並行して走るすべての線は、土星線を強化します。このような線も手の至るところから立ち上がっています。線は色々な要素を示しますが、そのいくつかはこの方の人生にブレーキをかけ、あるものは向上を支援します。すべてのケースにおいて、その線がどこからでているかで、その影響が判断できます。

第380図のように木星宮の星印からチャンス線が降りてきて土星線を切断しているならば、この方は野心が大きすぎて挫折することになります。この方は有力なかたがたと知り合いになろうとバカなことをして、それがこの方の将来性を傷つけます。

第381図のようにチャンス線が土星線の「島」に達しているならば、この方の高い地位に昇ろうとする野心が強すぎて、その結果、経済的困難に陥ります。

第382図のように余りよくない水星の手相で、水星宮に格子があり、小指が曲がっており、小指の第3指節が大きく、さらに水星宮からのチャンス線が土星線を切断しているならば、このかたの不正直さが嘆きの原因となります。これらのケースの場合、「宮」のタイプをみることが大切です。さらに土星線の終わり方で、切断された結果が分かります。

第383図のように、金星宮から来た影響線で土星線が切断されており、その後、土星線が壊れているならば、この影響が破壊的であることを示しています。まず切断線が発生する影響線が奥さんであるのか、それともご主人なのかを正しく判断してください。

第384図のように、この影響線からチャンス線が木星宮に伸びているならば、この方は奥さんか旦那の野心による浪費に耐えられなくなっています。この図のように、その後の土星線が乱れているならば、この方は打撃から回復できないでしょう。

第385図のように、欠陥のある生命線から発生する心労線によって土星線が切断されているならば、病気が問題です。さらに切断の後も土星線が復活していないならば、この病気から立ち直ることはないでしょう。このようなチャンス線による切断には無限の組み合わせがあります。手によってはいくつかのチャンス線が存在して、それぞれが異なった源泉を示唆します。このような場合、全ての切断するチャンス線を検討する必要があります。

第386図のように、多くのチャンス線が土星線に向かっていますが、接触していないことがあります。これらの線はある出来事や影響を示しています。その発生源はチャンス線の出る場所でわかります。これは人生に影響を与えようとして未熟で終わったことを意味します。危険な存在ではありますが、土星線を切断していないので、今すぐ危ないというわけではありません。

第387図のようにチャンス線が土星線に合流していることがあります。これらの線はある出来事や影響などがこの方の人生の一部となったことを示しています。しかし土星線を切断していないので、人生の障害とはなっていません。合流しているチャンス線が強く深く、一方、土星線が細かったり欠点があるなら、このチャンス線は困難を乗り越える力となり、このかたの豊かな人生に貢献しています。土星線の始まりが鎖状であったり、欠陥があるにもかかわらず、チャンス線が合流してから深く、力強くなっているならば、チャンス線がこのかたの状態を改善させたことがわかります。

第388図のようにチャンス線が月宮から出ているならば、その影響は外部からのものです。

第389図のようにチャンス線が金星宮から来ているならば、近い親族からの影響を意味します。これらのチャンス線が土星線に合流する点が、この方の人生によい影響を与える時期です。その後の土星線を観れば、その影響がどれほどの強さであったかが分かります。

土星線の始まりに欠陥があり、チャンス線が合流したにもかかわらず、土星線がその後も細かったり欠陥の改善が見られないならば、チャンス線の影響はそれほどよいものではなかったことになります。一方、土星線が合流後に深くなっていれば、偉大な影響があった事が分かります。

第390図のように、チャンス線が土星線に接触せずに、並行して走るならば、これらの線はこの方の人生に大きな影響を与えています。これはこの方を支援しサポートする姉妹線です。これらのチャンス線が始まる場所から、どんな影響を与えるかがわかりますし、土星線への影響を見て、どのくらい優れた影響であったかがわかります。

第391図のように土星線が壊れており、頭脳線からのチャンス線が並走しているならば、このかたの優れた判断力が、困難を乗り越えさせています。土星線に欠陥がみられる場合、まずその原因を調べ、次に修復が示唆されていないかどうかを調べます。

第392図のように欠陥だらけの土星線に並行して、火星宮上部から滑らかなチャンス線が走るならば、火星宮の抵抗力が助けてこの方を失望から救います。強い決意がこの方を困難から助け出します。

ほとんどの手において、土星線に多くの欠陥がみられる場所が2ヶ所あります。最初は土星線が始まる場所です。このころは両親に育てられているこども時代です。この場所を見るとどのように人生をスタートしたかが分かります。

このころの土星線が深く強いならば、人生のスタートは順調であったでしょう。気をつけなければいけないのは、恵まれた人生のスタートを切った方は、とかく、その後に問題を抱えることです。環境に恵まれていただけに逆境に遭遇するとどう対処してよいかわからなくなりがちです。打撃の受け止め方をしらないのです。このような方にはある程度の経験が必要です。逆境は誰にでもいつかは訪れるものです。

土星線のスタート時点に欠陥がある方の人生は、その後、改善されることが多いようです。若いときに逆境を経験すると、危険を避けることが上手になります。そこで困難を避けて自分の有利になるように事を運ぶことが出来るようになるのです。

二番目に欠陥が多くみられる時期は30歳から45歳の間です。普通の場合、これは頭脳線と感情線との中間地帯です。ビジネスの経歴においてはもっとも重要な時期であり、人生における金融資産形成の時期でもあります。この年齢に達する前までは、多くのかたがたはご両親や親戚にいろいろと導かれています。30歳も過ぎるとこのような支援に頼ることも少なくなり、自らの考えで進むようになります。その考え方が優れていれば、人生は順調です。頭脳線と感情線の間の地帯で示唆される人生の欠陥は、土星線に現れることが多いでしょう。こども時代から25歳ぐらいまでの土星線は深いことが多いようです。興味深いことに、多くの手相で土星線に欠陥が見られるのは、393図のように、30歳から45歳の間です。その後は線が改善されたり、あるいは45歳以降、線がまったく無くなることもあります。

30歳から45歳に見られる欠陥は、どの程度土星線が壊れているかで、悲惨さのレベルががわかります。頭脳線に近づくにつれて土星線が細くなるケースもよくあります。断線や欠陥が深く刻まれることも多く見られます。

第394図のように、頭脳線と感情線の間すべてが「島」になっている場合、この年齢の期間全体に渡って金銭的困難に襲われます。

第395図のように、線が波状ならば、この方の仕事にも色々な変化があるでしょう。

第396図のように、破損が格子によって補修され、感情線の後もさらに線が続いてることがあります。これはこの年齢期間に深刻な問題にさらされますが、どうにか切り抜けることを意味しています。

第397図のように、頭脳線と感情線の間の土星線にたくさんの交差線(cross)があるのなら、このかたは絶え間なく試練にあいます。土星線が感情線の後もつづくならば、困難を克服していますが、線が続いていないならば克服できないことを意味します。

第398図のようにクロス棒(cross-bars)で切断されているならば、経歴に問題が起こります。土星線がクロス棒を切断しているなら、困難は克服されます。逆に横棒線が土星線を切断しているならば、困難の克服は大変に難しいでしょう。

第399図のように土星線が、頭脳線からでているチャンス線に切断されているならば、困難は判断の間違いから生じています。

第400図のように土星線が、感情線からでているチャンス線に切断されているならば、感情に流されてしまいまい、ビジネスなどで大失敗するでしょう。

第401図のように、生命線に欠陥があり、生命線からのチャンス線が土星線を切断することがあります。30歳から45歳の間に切断が起こっていれば、病気によって、金融資産形成期に問題が起こることを示します。

第402図のように金星宮にある影響線が星印で終わっており、そこから発生する心労線が頭脳線と感情線の間で土星線を切断しているならば、この時期に親戚の方が亡くなり、それがこの方の経歴に影響します。

第403図のように、心労線が生命線から出ている上昇する線を切断しているなら、この方の上昇機運が親戚の方の死亡によって、後退することを意味します。

理解しておいていただきたいのは、土星線の欠陥を見る時には、発生する年齢を考慮する必要があることです。欠陥の全てがこども時代や人格形成期の線に現れるわけではありません。私が2つの時期を強調するのは、この時期に欠陥が見られることが最も多いからです。しかし、この時期に関して述べたことは、どの年齢の欠陥に関してもいえます。さらに、土星線への支援や強い影響などに関しても、土星線のどの部分に見られても同じです。

これまで習慣的に手の底から上昇する線は、それがどの「宮」に達していても土星線だと見られてきました。線が到達している「宮」の影響で成功するというわけです。しかし土星線は土星宮で終わるものです。例外は木星宮で終わる場合です。

第404図のように土星線が手の中央を通常通りに走り、木星宮で終わるならば、この方の成功は大望の結果です。

第405図のように、深い土星線が生命線の内側から始まり木星宮で終わるならば、親戚の強い影響と偉大な野心でこの方は成功するでしょう。

第406図のように深い土星線が生命線の内側から始まり、やがて欠陥が見られるならば、親戚の支援や野心に助けられていますが、究極的な成功には結びつかないことを意味します。こういう場合には欠陥が生じる原因を調べます。健康を失うのか、知的な力が衰えるのか、環境が不幸になるのか、特別な病気に原因があるのかなどを調べます。

第407図のように、上記のような土星線で、心労線が生命線からの上昇線を切断し、手を横断して愛情線のフォーク状の線を切断しているならば、不幸な結婚が、この方の展望に傷を与えています。同じように親戚の死亡、外部からの影響、不健康などもチャンス線に現れます。問題の原因となる場所からチャンス線が走り、土星線を切断しています。時にはチャンス線が土星線まで達していません。このような場合でも、これらの欠陥の原因はチャンス線でわかります。

第408図のように深くて強い土星線が月宮から上昇し、木星宮まで達しているならば、どなたか異性の影響と、偉大な野心で豊かさを得ています。結婚しているならば、その異性とは奥様かご主人です。このような土星線で、どこかに欠陥が発生しているならば、この二つの組み合わせの影響が十分でなく、問題を防げなかったのでしょう。

線が手の底から上昇して太陽宮や水星宮に達している場合、私はこれを土星線とは見ません。むしろこれらの宮に属する線だと見なします。火星宮上部に達する線は水星線だと見なします。私が手相を観る時に土星線だと見なすのは、手の中央を走る線だけにしています。

第409図のように、中央を走る線が他の「宮」の方向に逸脱している場合、土星線がそれらの「宮」に強い影響を受けていると考えてよいでしょう。

第410図のように、中央を走る土星線が火星宮上部で終わっていることがあります。このような場合、この方の成功はリーダーシップ、抵抗力、決して諦めない性質から来ているでしょう。このような示唆は「宮」が大きく発達していればさらに強まります。

第411図のように土星線が通常のコースをたどりますが、途中から枝線がでて、木星宮にむかっているならば、このかたの成功の多くは野心と命令する能力、支持を得る能力によってもたらされています。これは政治家に向いた手相です。

第412図のように、土星線から枝線がでて太陽宮にむかっているならば、この方は芸術やビジネス、俳優などの職業で成功するでしょう。どの分野で成功するかは、薬指の1〜3の指節のどの指節が支配的かでわかります。

第413図のように土星線からの枝線が、木星宮方向と太陽宮方向にでているなら、この方の将来における富と名声は保証されています。木星宮の特徴である大志と、土星宮の知恵が備わり、さらに太陽宮の芸術やビジネスへのセンスが揃うのですから、この方の豊かな収穫に大きな支援となります。これがもっとも優れた組み合わせでしょう。

第414図のように枝線が水星宮の方向に走っているならば、この方は鋭敏な頭、ビジネス能力、優れた表現力、科学的な心の働きなどに助けられて成功するでしょう。第415図のように土星線からでた枝線が、切断せずに頭脳線と一体となっているならば、人生において優れた頭脳の助けを得ることでしょう。

土星線の終わり方を見ると人生経歴の結果が分かります。多くの手相では土星線は土星宮にまで達することなく、その下側で終わってしまいます。これが示唆するのは生産活動の停止です。歳をとると共に生産性が落ちてくるので、これは不思議ではありません。加齢と共に病気になったり身体が弱くなり、仕事の面でマイナスになるのは当然です。

「宮」に線が存在しないならば、少なくともこの方にマイナスとなる力は働いていません。過去における土星線が優れているならば、生産性が高かった時代があるわけです。この方は若いときの労働の成果で老後を楽しんでいるのかもしれません。「宮」に深い線が刻まれていることもあります。これが強く示すのは豊かな老後を送ることです。

ともかく、若かろうと年寄りだろうと、土星線が終わるところで生産性も止まります。線が停止してその後に線が継続されていないならば、その後の人生はこの方の努力次第です。

もしも深い土星線が20歳までしか存在しないならば、この期間だけ優れた生産性が保証されています。それ以降は、本人が努力しなければなりません。

第416図のように土星線が深く走っていたのに、波状の線で終わっているときがあります。これが示唆するのは人生後半の職業が不安定で老後に心配があることです。土星線が欠陥をともなって終わっているのは、老年における貧困や金銭的損失を意味しているのではありません。子どもたちに失望したことなどによって、仕事の金銭面に問題が出ることを示唆しています。このことを述べるのは、それまで強く深く刻まれていた土星線の終わり方に欠陥があっても、必ずしも貧困を意味しないことを伝えておきたいからです。深い土星線の後に、断絶があったり、横棒で切断されていたり、交差線(X)やドットが見られるならば、老年に試練や不幸があることを示唆しています。

第417図のように、土星線が「土星宮」のところで破綻しており、生命線・頭脳線・感情線にも、似た年齢の頃に破綻があるならば、老年における不健康が問題の原因となっています。

第418図のように、土星線が「島」で終わっており、生命線に房のような長い線がぶら下がっているならば、この方は晩年になって病気による金銭的困難に襲われます。

第419図のように『宮』のところで横棒線によって切断されているならば、この方は老齢になってから損失を受け、試練にあいます。横棒線が細くて土星線を切断していなければ、問題がありますが心労で終わります。

第420図のように、土星線が「宮」のところで断線に覆われていたら、厳しい試練と不運がこの方の老年を待ち受けています。

これら全ての土星線の終わり方が、この方の老齢期をさまざまに示唆しています。このような印は、どの年齢でも同じように診断します。違いはこのような事態が起こる年齢だけです。

土星線が最初から最後まで欠陥だらけで、断線や様々な欠陥の印で終わっているならば、その方の運命は強い線で始まり欠陥で終わっている方よりも悲惨でしょう。裕福な生活が送れませんし、若いときに老後の準備もできません。第421図は、そのような欠陥線のサンプル例です。

ここまで土星線の始まりである少年時代から老齢に達するまでを見てきました。どのように成功と失敗が示唆されているのかも、その原因も見てきました。貧しい果実しか実らなかった人生を振り返り「生産できる時期を知っていたら、結果が違っていたかもしれないのに・・・」というのは慰めにもなりません。このような嘆きはよく聞かれます。なぜなら人生の最高の時期を最高に利用できる方は少ないからです。

この章で述べたルールに従い、注意深く応用すれば、困難に悩む人々を助けることが出来ます。彼らが人生の収穫期を利用できるように助け、活力を失い労働ができなくなった時期に備えさすことが出来ます。そうすれば土星線について研究した時間も無駄ではなかったことになるでしょう。□

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